049 ゾーシモスの〔書〕・「器具と炉」法について・真正な覚え書き・Ω文字について
三本腕の蒸留器と管について (Peri; tou: tribivkou kai; tou: swlh:noV) (e cod. Venet. Marc. 299, fol. 194r) 050 2 236 1t 〔彼女は〕謂います、「延ばしやすい銅で管を3本つくりなさい。 銅は延べ板の薄さで、濾し器の厚さ、ないし、菓子づくり用の銅製のフライパンよりもう少し厚さをもったもの 、長さは半ペーキュス。さて、三本の管をそういうふうにつくりなさい。また、掌〔にあたる〕部分に、肘の長さを持った長い銅の〔筒〕をつくりなさい。ただし、この銅製品の開口部は適当でよい。ただし、3本の管は、その開口部を、蒸留器の細い首のところに〔ぴったり合う〕小釘のように、また、〔銅製品の〕底まわりに、一本の親指と二本の指のように、2本の手に向かい合って銅製品の側面に接合しているものとしなさい。〔頭部の〕底に、各管に合致する三つの穴をあけ、ぴったり合わせて接着されるが、上部の〔一つの管〕は、気息〔=蒸気〕のうけ方が普通と違うことになります。さらに、銅製品を、硫黄をいれた土製の長くびフラスコ(lopavV)にはめこみ、麦粉のりで継ぎ目を密封し、各管の先端に硝子製の蒸留器を挿入するが、〔この蒸留器は〕昇ってくるものを運ぶ水の熱で壊れないよう、大きくて厚いものにする。図面(sch:ma)がこれです。人差し指の管(licano;V swlhvn)。 他にも、三本腕の蒸留器のようにではなく、硫黄の〔神的な〕水の抽出(komidhv)の仕方があります。237 1 長さ半ペーキュスの管1本が銅製品の底に挿入されてあるとしなさい。同じ仕方で蒸留器1つも、火を通さぬ硫黄の入った長くびフラスコとが下にあるとしなさい。これに銅製品がぴったり合い、硬脂、あるいは蜜蝋、あるいは泥、あるいは望みのもので密封し、火にかけて蒸留しなさい。見本がこれです。 他の諸々の炉について 諸々の炉やkatabafhvに関するわたしたちの続いてのロゴスがここにあるので、わたしは貴女に対して、他の人たちの諸書に落ちこませられることを望みません。というのも、マリアの作品にあります。「目に見える炉の素描はここにありません。哲学者はこれに言及していませんが、おが屑や238 1 その他のものらに関しては、火の量に関する覚え書きの中で、わたしはちょっと扱っておきました」。そこで、貴女の図に何か言い残していると思われないために、マリアの炉も貴女のもとにあるとしよう。これについてはアガトダイモーンもロゴスの中で次のように言及しています。「保温盤の吊された硫黄の手順は以下のごとくである。平鉢(fiavlh)を取って、 すべすべにせよ、あるいは、平鉢の底を、その中央で円形に石で切り取り、程よい酢の受け皿(ojxuvbafon)が嵌りこむようにせよ。そうして、平鉢にぴったり合致する陶製の小さな容器を取って、平鉢の上に逆にして、これに浮き上がるようにせよ。ただし、鉄製の保温盤の上には届くものとする。そうして、望む金属片か、あるいは、この書が、この容器や保温盤によって平鉢と同時に要請するものを上に置いて、接続部を密封しても、外から見えるようにして、われわれの論文が言う刻限の間、煮沸せよ。これが吊された硫黄であり、同じく吊された雄黄である。容器の真ん中に針の小さな穴を穿て」。 硝子製の別の平鉢は蓋がされています。あるは、これら両者の陶製の容器は、カラスノエンドウ〔Dsc.II-131〕の立方体に似ている、いや、容器の立方体に似ています。 だが、マリアが謂うには、この炉は天火様であり、上に3つのmazavV、あるいはajnovch、ないしsuvronthを有するのです。そこで、ギリシア産の葦でゆっくりと、染色の対象となるものを2ないし3昼夜焙焼しなさい。そして炉の中で冷めるにまかせなさい。まる1日の間、アスファルトをふりかけなさい。貴女が知っているものや、白ないし黄色の銅をも加えながら。さて、こういうふうになることができ、濾し器用の器具が白化し、黄化し、イオス化し、ちょっと加熱し、軟化薬の(ajntevsma)や、貴女が思いつくかぎりのものらを、染色剤とする。これがこれの製法です。 2010.05.10. 訳了。 |