プラウィオス・ピロストラトス

 後170頃-245/249頃。ローマ帝政期のギリシアのソフィスト、修辞学者。レームノス島のソフィスト一族の出身。皇帝セプティミウス・セウェールスの知遇を得、皇后ユーリア・ドムナに庇護されて宮廷文人となる。彼女の奨めに応じて書いた『テュアナのアポッローニオス伝(ta; ejV to;n Tuaneva =Apollwvnion)』(8巻、210-220頃)は、新ピュータゴラース派の哲学者アポッローニオスを神的人間として理想化した浪漫的伝記で、後年ヒエロクレースのキリスト教批判に用いられた。アテーナイに戻ったのち、『ソフィスト列伝(Bivoi sofistw:n)』(238)を執筆、「第2次ソフィスト時代」と呼ばれた当時のソフィストたちの生活ぶりを書き残した。その他、トローイア戦争の英雄たちとその崇拝に関する対話『英雄論(+Hrwi&kovV)』、『体育論(GumnastikovV)』などの対話篇や男女両性の恋人に宛てた書簡集が伝わる。
 『絵画記(EijkovneV)』は、彼の甥で養子のピロストラトス(191-?)、およびそのまた孫のピロストラトス(3世紀)の著作とみなされている。(松原國師『西洋古典学事典』)

[底本]
TLG 0638
Flavius PHILOSTRATUS Soph.
(A.D. 2-3: Lemnius)
4 1
0638 004
Heroicus, ed. C.L. Kayser, Flavii Philostrati opera, vol. 2.
Leipzig: Teubner, 1871 (repr. Hildesheim: Olms, 1964): 128-219.
(Cod: 22,617: Dialog., Myth.)

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英雄論(+Hrwi&kovV)

2.660."t1"
ピロストラトスの『英雄論』
2.660."t2"-"t3"対話の主役:アムペルゥルゴスとポイニクス
2.660.1  


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