ギリシア占星術文書目録0286_001
占星術の歌人/断片
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[人物]
詳細不明。
[底本]
TLG 0286
CARMEN ASTROLOGICUM Astrol.
A.D. 4?
TLG 0286.001
Fragmentum
Astrol., Hexametr.
E. Heitsch, Die griechischen Dichterfragmente der römischen Kaiserzeit, vol. 2, Göttingen: Vandenhoeck & Ruprecht, 1964: 43-44.
オリュムポスを彷徨いまわる7つの星辰は敷居を
秘めるが、この世は常に†それらによって†定められる。
夜照るメーネー〔月〕、陰気なクロノス〔土星〕、快活なヘーリオス〔太陽〕、
婚礼の床運ぶパピエー〔金星〕、勇猛なアレース〔火星〕、翼善きヘルメース〔水星〕、
そして創造神ゼウス〔木星〕 このかたから自然が芽生えたのだ。
そして同じ方々がはかなきものらの誕生を抽籤したまい、我らの裡には
メーネー、ゼウス、アレース、パピエー、クロノス、ヘーリオス、ヘルメースがいたもう。
その所以は、我らが上天の霊気から汲んで分かち持っているからだ、
涙を、笑いを、怒りを、生まれを、ロゴスを、夢を、性(さが)を。
涙はクロノス、ゼウスは生まれ、ロゴスはヘルメース、
勇気はアレース、メーネーこそは夢、キュテレイア〔「キュテーラ島に坐す女神=アプロディーテー〕は性(さが)、
そしてエーエリオス〔=ヘーリオス〕は笑い なぜならこのかたにとって万物は義しく、
死すべき者の精神は滑稽で、宇宙は無際限であるから。
2017.12.13. 訳了
[パピエー/キュテレイア]
いずれもアプロディーテーの添え名。hJ Pavfih =Afrodivth〔「パポス(キュプロス島)にましますアプロディテー」〕。Kuqevreia〔キュテーラ島生まれの女神=アプロディーテー〕。
[エーエリオス]
太陽(h{lioV)の、叙事詩にでる語形。
夏至の日と冬至の日に天の門が開き、霊魂は夏至の日に月下界に降下し、その際、7層の惑星天の特質を順次身に纏い、冬至の日には次々と脱衣して天に帰昇する、というグノーシスの教えがすでにみられる。したがって、惑星の順序が重要になるわけだが、ここでの配列は、テスターが挙げる配列のいずれにも該当しない。
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