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back.gif大気の状態によって結果する諸々の風、明らかに粒雨、雷鳴、台風、日照り、地震および自余のそういったものらについて

ギリシア占星術文書目録4350_213

盗品と盗人についての諸章





[底本]

TLG 4350 213
De furtis et furibus capitula (excerpta e cod. Taurinensi C, VII, 10, fol. 62)
Astrol.
Date of manuscript = A.D. 14

F. Cumont, Codices Italici [Catalogus Codicum Astrologorum Graecorum 4. Brussels: Lamertin, 1903]: 88-91.


4.
(88)

盗品の在処について

 アセンダントの主星と、月の主星と、第2トポスの主星と、司る星を凝視せよ、そしてもし第2トポスの主星がアセンダントないしアセンダントから基本方位の1つに、つまり、アセンダントの主星ないし司る星[あるいはアセンダントの主星]あるいは月の主星あるいは第4〔トポス〕の主星があるトポスから第4トポスに、あるいはアセンダントから基本方位の1つに見出されたら、知れ、盗品は〔盗人が〕盗み出した家の中にある、ということを。次に、第4トポスを見よ、そしてもし彼における宮が水性のものであれば、盗まれた物は、水槽、井戸、小貨幣や同等のものらというような水の近くにある。だがもし火性のものであれば、竈、炉、台所やそういったものらの近くにある。またもし空性であれば、もし双児宮なら、盗品はセンドゥキオンかトイコアルマチオンか†スケブロアバキオンにある。もし天秤宮なら、床の上か高いところとかエムポートンに。もし人馬宮なら、車や戦具や馬の場所に。もし獅子宮なら、ハヤブサたち、タカたち、兎たち、豹や同等のものらたちの場所に。もし天蝎宮なら、牛たちの場所とか小牧場や仕事場の地面に。もし処女宮なら、小麦や大麦やそういったものらの場所に。

(88)

盗人は若僧か年頃の者か老人かどうか

 上述の諸々のトポス、つまり、第2トポス<と>中天の主星の証拠と月を凝視せよ、つまり〔月が〕獣帯星座のいかなるデカンに見出されるか、はたして第1デカンにであるのか第3デカンにであるのか、また上昇するときなのか沈むときなのか沈むときでないのか。またもし宮の第1デカンに見出され、上昇の現れをもっているなら、〔盗人は〕若僧であるが、もし第2デカンにあって、上昇する表れも沈む現れももっていなければ、〔盗人は〕年頃の者であり、もし最終デカンないし沈むときであるなら、〔盗人は〕老人である。

(89)

盗人の種類について

 もし土星が盗人の証拠として見出され、また自分の家にもあるなら、色が黒いか暗く、眼が小さく、進むとき下を向き、怯懦で、鈍く、粗野で、陰気な男である。だがもし木星が証拠であり、自分の家にもあるなら、真珠色ないし小麦色、うつくしい目をして、美しい眉、美しい肉?、美しい髭。だがもし火星で、その家にもあるなら、火色、黄色、きらきらした眼ないし鷹の眼をして、美しい肉?、大胆不敵な者である。だがもしわたしたちが云っているように金星が見出されるなら、真珠色をして、うつくしい目、好色、美しい肉?、足太く、顔が大きく、美髪。だがもしわれわれが云っているように水星が見出されるなら、色黒く、ややシトロン色で、ちんちくりん、ずけずけものを云い、美髪の持ち主である。だがもし別人の家に星々の1つが見出されるなら、両者の力能を混合し、そのうえで表明せよ。

隣人かあるいは親類より遠いかどうかについて

 光をもたらす2つの星を凝視せよ、そうしてもし互いの星を三合ないし六合に観察し、またアセンダントをも観察するなら、明らかに、盗人は個人である。だが互いを観察するが、アセンダントを観察することがなければ、明らかに知人であって家に押し入ったのであり、個人ではない。だがもし光をもたらす2つの星が互いを監察することなく、アセンダントでもないなら、見知らぬ者である。だがもし彼らのひとりがアセンダントだけを観察するが、もうひとりの方は観察しないなら、家の出身ではない???。だがもしそれらがあるところがどこもわからなければ、そのときには第2トポスを凝視せよ、そしてもしそれが凶なら、盗人の証拠である。[あるいは凶のようなものを凝視する]もし星々がそういうふうに抽籤しなければ、第7トポスの主星と、月が合になる星とを凝視せよ、そしてもしそれらからアセンダントに対する比をもったら、例えば誰かが区界の主星ないし高みの主星、ないしその家主であるなら、その盗人が親類であることを明らかにする。

盗品は誰に与えられたか

 もし、何らかの星をアセンダントと第4トポスとの中間か、70度までの盗人の証拠の中間に見出したなら、それが盗人<ないし>受け取った者だと言え。

(90)

盗人は男か女か

 盗人の証拠と、月が合になる星と、第7トポスの主星と、男性であるか、あるいは**を凝視せよ、もしアセンダントに、アセンダントの主星ではない星が見出されたら、それが盗人である。だがもしそうでないなら、第7トポスと、そこに汝が見出す〔星〕とを凝視せよ、同じトポスの主星であろうとなかろうと、〔盗人は〕それである。だがもしそうでないなら、第12トポスにある〔星〕を凝視せよ、だがそこにも何かがなくても、第9〔トポス〕を見よ。だがそこに何かがなくても、第7トポスの主星を凝視せよ、そしてもし宮ないし男性的   盗人の証拠は男性であるが、もし逆なら、女性である。

盗人がいかなる仕方で進入したかについて

 7つの星々と、第2トポスと正中との主星と、月とを凝視せよ、そしてもし土星が第2トポスないし正中の主星ないし月を見るならば、盗人は何らかの道具を使って扉、ないし、夜間の好機に、ないし、扉を取り除いて進入したのである。しかしもし火星が〔第2トポスと正中との主星〕なら、明らかに且つ確実に、あるいは、扉を潰すか、壁を掘り抜くか、よじ登って上からか、跳びあがってだ。だがもし木星なら、盗人は盗人ではなく、積極的に盗んだのでもなく、冗談でだ。だがもし金星なら、同様に同じことを明らかにしている。またもし太陽が三分の一対座から、あるいは、六分の一対座から上述のトポスの諸々の主星や月を凝視するなら***またもし四分の一対座ないし二分の一対座から、あるいは合からなら、盗人は生まれが良いが積極的に盗んだのだということを明らかにする。だがもし水星が上述の〔星々〕を凝視するが、火星にも土星にも接触しないか、これらを凝視するかなら、明らかに、罠と道具を使って進入したのである。ただし、もし第2トポスの主星が凶星から障弊されるか焼かれているなら、盗品は完全に失われる。だがもし三分の一体座ないし六分の一対座に諸々の凶星を凝視するなら、失われる部分とそうでない部分とがある。だがもし諸々の吉星がこれを凝視するなら、盗品の全体が見つけられるだろう。

(91)

騒動、火事、地震そして海難の時期について

 月がいつ太陽の15度以内にあるかを凝視せよ、そしてもし光もたらす2つの〔星たち〕が、合の刻限から水性の宮まで第12トポスを抽籤するなら、また、太陽の15度以内に凶が見えるなら、その日に騒ぎないし地震が起こるだろう。どうようにまた、たまたま正中からの下降点にあり、太陽の15度以内に凶が見えるなら、ある二人の者たちが水で窒息するだろう。またもし月が太陽の光輝の中に見出され、四分の一対座をなすか、凶星が地平下に対座し、火性の宮にあるなら、火事が起こるだろう。また、光をもたらす2つの〔星たち〕が第12トポスにあるか、あるいは、反対のトポスにあるとき、もし合が第12トポスを抽籤するなら、夜明けに騒ぎが起こるだろう。だがもし反対のトポスにあるなら、午後に〔起こるだろう〕。だがもし月が太陽の15度以内にあり、南の部分で失墜するか、天秤宮ないし天蝎宮で失墜し、衰えたり諸々の数によって差し引かれたりする — つまり、1昼夜の間に平均的な動きの中間の軌道以下周回して闕けるときか、あるいは、降交点の中間の90度にあって、これが悪い状態にあり、その時期に吉星が星位をとらず、いずれかのトポスに騒ぎとか混乱とか火事とか地震が起こるのを凝視するときである。どうように、白羊宮内で2つの凶星と合になるときも、支配者たちや畜群に害が発生するだろう。その他、諸々の宮の秩序に現れないときも同様で、例えば、もし処女宮内にあって、人間界や小麦や大麦に???。だが白羊宮は上昇の初めを象徴するが、獅子宮は上昇の中間を、人馬宮は高みのトポスを、天蝎宮はその南の三合の初めを、双児宮はその三合の主星とともに沈みの初めを、巨蟹宮はその三合とともに北の初めを象徴する。

2019.03.20. 訳了

[黄道12宮の性質]
trigonus.jpg  「トリゴーヌ」=「三分の一対座」=「120度視角座」と呼ばれる宮で1組となる。すなわち、
 火性の宮=白羊宮、獅子宮、人馬宮。
 土性の宮=金牛宮、処女宮、磨羯宮。
 空気性の宮=双子宮、天秤宮、宝瓶宮。
 水性の宮=巨蟹宮、天蝎宮、双魚宮。

[トポス]
・「第1の家」
 体質、身体の外見、個性、性格に関係する事柄が読み取られる。東の角。基本の家で、きわめて幸連である。頭部、脳髄、顔を司る。
 国家の場合、民衆と、国民の全般的緊迫とに関係する。
・「第2の家」
 物質的な利益、財産(利益の場合も破産の場合も)、労働、取引き、動 産に関する事柄のすべてが見られる。個人の盛運の度合いを特徴づける。 首、咽喉を司る。幸運である。
 銀行、収入、一般的な富に関係する。
・「第3の家」
 兄弟姉妹、いとこ、義理の親戚に関する情報のいっさい、小旅行、便り、社会と関わる時に発揮される天賦の能力等に関する情報のいっさいが 与えられる。肩、腕、手を司る。
 あまり幸福でない家。具体的な心配事を司る。
 輸送、郵便、ラジオ、図書館、教育に関係する。
・「第4の家」
 父親と母親、なかでもとりわけ父親に関係し、相続、乳母、相続人、死亡後の諸事、たとえば墓所、名声、秘密、意外事などにまつわることを包含する。胸、肺、脾臓を司る。
 地球の角。基本の家で、幸運である。
 鉱山、農業、公共の建物、国家的事件の終結に関係する。
・「第5の家」
 子供、喜び、愛、心の歓び、歓待、人生の好機(たとえば商売上の)にまつわる事柄を包含する。心臓、神経、肝臓、胃を司る。良い影響をもたらし、幸福な家と言われる。  国家に関する場合は、大使館、劇場、教育に関係する。
・「第6の家」
 黄道十二宮の病院と言われる。健康、病気、人生の争い、身体の欠陥と手当て、衛生、衣服、また、苦しみ事、奉公人、賃借人、小作人、家令、さらに、家畜や小家畜についての情報をもたらす。祖父母、伯(叔)父、 伯(叔)母、配下の者、敵とみなされる者に関係がある。腹、腸、太陽神経叢〔胃と脊柱の間の腹部にある神経中枢をさす〕を司る。
 国家に関する場合は、公共の保健衛生、産業、労働者階級に関する情報を教える。
・「第7の家」
 結婚、女性、美しさと成功、離婚、契約などの破棄と訴訟について教示する。
 不和の争いと戦争、労働提携を統べる。如何なる型の公の敵をもつことになるかも教える。
 腎臓、静脈(女性の場合は卵巣)を司る。
 西の角。基本の、幸運な家。
 国際関係、戦争と平和に閨係する。
・「第8の家」
 われわれが死ぬ場合のありょぅ、予想外の相続、負傷にまつわる事柄を包含する。相続、贈与および遺贈を統べる。
 生殖器官を司る。
 不運の家。政治家の死とそれに付帯する事件に関係する。
・「第9の家」
 宗教と哲学、抽象思考、夢と幻の家である。他に、長い旅(特に航海)、 異邦人との関係、遠隔地での成功と関係する。
 身体の面では、腰、大腿部、臀部に関与する。
 とりたてて幸運ではない。
 国家に関する場合は、教会、讓会、海軍、科学上の発見に関係する。
・「第10の家」
 この家には、栄誉、成功、名誉、地位、品格、昇進、職場および仕事、野心、公の職にまつわる事柄が見出される。母親についても教示する (IVの家が父親であるのに対して)。
 骨格、膝、ひかがみを司る。
 帝王の家と言われ、南の角、天の中央で、基本の幸福な家である。
 選良、上層階級、王、宰領者、独裁者に関係する。
・「第10の家」
 友人、庇護者、援助、希望の実現、憧憬に関して情報を与える。
 社交性の如何を決定する。脚、踝を司る。幸運をもたらす。
 国家の場合、同盟や協力の相手、議員に関与する。
・「第XIIの家」
 敵、とりわけ秘事、迫害、中傷、憎悪、裏切りに関係をもつ。
 訴訟、負債、墜落、狂犬に咬まれることを予告。不慮の難事。感覚の錯乱、悲嘆、貧困の家。悪い影響を及ぼす不運な家である。
 足を統べる。上位の者との関係を決定する。
 国家の場合、監獄、施療院、保護所に関連する。
          (ポール・クーデール『占星術』)

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