稲荷山の麓一帯は稲荷神社の氏子ではなく,京阪電車で伏見稲荷から 3駅も南の墨染駅に近い藤森神社の氏子になっている。 これについては,次のような言い伝えがある。 かつて稲荷山の麓はもともと藤森社鎮座の地であったが,山上の稲荷 社から,藁の置き場にと借地の申し入れがあった際に,藁の束の置き場 ぐらいならと,藤森社が承知すると,稲荷社側は,藁を1本づつつなぎ合 わせて広大な敷地を借り入れ,結果的には藤森社は現地に追い出され, 後入りの稲荷社の本殿の位置が定まった。 今でも藤森祭(5月5日)には,藤森社の御輿が稲荷社境内に入るが, 昔はこの時「藤森の土地返せ」と大声で連呼する習慣があったという。 古典にでてくる稲荷山の様子からうかがうと,この話には根拠がないよ うだが,この地域一帯が藤森神社の氏子である理由をこのように語り継が れているのがおもしろい。 この藤森神社の藤森祭は、駆馬神事が行われることで有名で,昔から伝 わる乗馬のいろいろな技が披露される。 駆馬神事&武者行列 ・5月4日 (祝) 午前10時 節句祭 ・5月5日 (祝) 午前7時 春季大祭(神輿、武者行列、鼓笛隊巡行) ・5月5日(祝) 午後1時、3時 駈馬神事 ・5月5日(祝) 午後4時〜6時 神楽奉納(神楽殿) 稲荷神社境内での藤森祭の様子 |
|
また藤森神社は菖蒲や紫陽花の名所で、菖蒲の節句の発祥地でもある。 6,7月には境内2箇所の紫陽花園が公開され、3,500株もの紫陽 花を楽しむことができる。 | |