伏見稲荷大社の石段を上がり,楼門をくぐると右手にこじんまりとした神社がある。 中に入ると,壁際に学業や,受験祈願の絵馬,千羽鶴がびっしりと奉納されている。 この神社は東丸(あづままろ)神社といい,祭神は荷田東丸(春満:1669〜1763)である。 荷田東丸は,稲荷社祠官,羽倉家の生まれで,僧契沖に始まる近世国学(和学 倭学)を発展させて,「万葉集,古事記,日本書紀」研究の基礎を作った。 門下に賀茂真淵がおり,続く本居宣長,平田篤胤と共に,国家の四大人といわれた。 晩年,東山に倭学校創立を志したが,実現せずに没した。 元禄十五年(1702)赤穂浪士の討ち入りに,吉良邸の見取り図を作って渡したと伝えられているが(紀伊郡誌)これは東丸が吉良上野介の古典の個人教授をしていたからで,忠臣蔵の重要な脇役の一人でもあった。 |
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