■ 写真について

最終更新日:2007.09.16

トップ >写真について−その2

つい先日、面白い話を聞きました。

それは、所謂「デジタル(正しくはディジタル)写真」は写真ではない、という話です。日本写真感光材料工業会が実際にそのように写真を定義している、とのことです。この工業会の定義によれば、『フィルムに写したものを写真とする』とのことです。実際、所謂「デジタル写真」は決して「写真」ではありません。その3の「写真」という言葉の始まりを読んでいただければわかりますように、「デジタル写真」は「写真」からほど遠い位置にあります。
はっきり申し上げて、本当の写真を知らない人が、または、デジタルカメラを作っている会社の宣伝に乗せられて、「デジタル写真」を写真と思っているのです。プロの写真家が「新しい表現方法」と言っているのを読んだりしますが、彼らとて人の子。現在の資本主義の世の中では金が無くては生きていけません。彼らは金のために、そのような会社のために宣伝しているだけのことです。
最近の写真展に行ってみてわかることは、「デジタル写真」が決して美しくなく、きれいではないことです。風景写真にしろ、人物写真にしろ、フィルムの方は、何とかして自然の色を再現しようとして、技術的に向上に向上を図ってきました。その結果、最近のフィルムは個性的なフィルムも含めて色の再現の点ではかなりの線までいっています。一方、「デジタル写真」の方は色再現はコンピュータ処理でどうにでもなります。
この点がフィルム写真と「デジタル写真」の決定的な違いです。色再現を考えるなら、現在のリバーサルフィルムの方が圧倒的に有利です。フィルムで撮影しておれば、適正露出なら色再現はかなりのところまで再現できます。その後のコンピュータ処理などという、余計なことをしなくて済むからです。今までに開発された優秀な技術を捨てて、なぜ、不完全な色再現の「デジタル写真」に多くの人が走っていくのか、私には大きな疑問に思えてなりません。
(文責:塚本)