お医者さんはきらい!


        それからもいろんなことがありました。

        僕が一人で寝ているのが可哀相と朝子ちゃんが自分の部屋へ

        連れて行ってくれたのはよかったんですけど、オシッコがしたくなっても

        するところがないので仕方なく隅っこの方でしていました。

        しばらくはわからなかったのですが、そのうちだんだん匂いがしてきて

        朝子ちゃんが「おかしいなぁ」といいながら、ジュータンをめくりました。

       「わーぁ」オシッコのかたちがべっとり、ついています。

        散々怒られて、二度とお部屋にいれてもらえなくなりました。

        座布団やホームコタツのふとん、ソーファの隅みんな遊び道具にして、

        いっぱい破っておこられたこと.しょっちゅうです。

        そうそう、お医者さんをキライになったことにこんなことがありました。

       「予防注射にいこうね」といわれてお医者さんにいったのですがが                 

        その病院のちょっと優しそうな男の先生が、僕のおちんちんのあたりを見ながら

       「この子」(この子って、ちょっとしゃべりかたがおかしいよ、先生)

       「この子、たまたまがひとつずれてますよ、このままでは具合悪いから

         取っておいた方がいいですね」といいます。よ」 

       (そんなのいやだよー)僕はすぐそう思ったのに

         お父さんが「それじゃよろしくお願いします」といってしまいました。

        「それじゃこのままいてようね、2日ぐらいで帰れるから.」

        (ダメ!ダメ!)と言っても通じません。ガタガタ震えていました。

        「ロク、おとなしくしてるんだよ」お父さんは僕を一人ぼっちにして

          帰ってしまいました。この時はほんとにお父さんをうらみました。

          ちいっちゃい、ちいっちゃい箱の中に入れられて、

          ワンワン泣きましたが取り合ってもらえませんでした。

          次の朝気が付いたら、足のあたりがチクチク痛みます。

        「ロックちゃん」(この先生しゃべり方もおかしいけど、名前も

          最後まで間違っていました)

        「よく頑張ったね。もう大丈夫だからね」といってくれましたけれど

          ちっとも大丈夫ではありませんでした。

          お医者さんはとってもキライになりました。

     



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