源氏物語宇治十帖の散策道でもある「さわらびの道」に、与謝野晶子の没後50年と宇治市制40周年にあたる平成4年10月、「みだれ髪の会」によって歌碑が建てられました。幼い頃から古典文学に親しんだ晶子は、紫式部を終生の師と仰ぎ、「源氏物語」の現代語訳に力を注ぎました。昭和13年(1938年)61歳のときに、「新新訳源氏物語」全6巻を完成させ、それに加え源氏物語五十四帖を五十四首の歌で再編成した「源氏物語礼讃」を著しました。

さわらびの道の歌碑には、そのうちの宇治十帖の十首が晶子の真筆で刻まれています。
              

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  アクセス :京阪宇治駅より徒歩約10分
         JR宇治駅より徒歩約20分
さわらびの道

  [橋姫]:しめやかに心の濡れぬ川ぎりの立舞ふ家はあはれなるかな

  [椎本]:朝の月涙の如し真白けれ御寺のかねの水わたる時

  [総角]:こころをば火の思ひもて焼かましと願ひき身をば煙にぞする

  [早蕨]:さわらびの歌を法師す君に似ずよき言葉をば知らぬめでたさ

  [宿木]:あふけなく大御女をいにしへの人に似よとも思ひけるかな

  [東屋]:ありし世の霧きて袖を濡らしけりわりなけれども宇治近づけば

  [浮舟]:何よりも危なきものとかねて見し小舟の上に自らをおく

  [蜻蛉]:ひと時は目に見しものをかげろふのあるかなきかをしらぬはかなき

  [手習]:ほど近き法の御山をたのみたる女郎花かと見ゆるなりけれ

  [夢浮橋]:明けくれに昔こひしきこころもて生くる世もはたゆめのうきはし
(改訂版)源氏物語 宇治十帖の風土
 
編集:源氏物語を読む会
 
発行:(財)宇治市文化財愛護協会
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