「わああああああっ!」
去る10月6日の早朝のことだ。飲み屋街として知られる木屋町通沿いの高瀬川に、けたたましい悲鳴が響きわたった。
散歩していた最終予選さん(仮名。75歳)は驚いて悲鳴のした方へ駆け寄ったのだが、眼前で進んでいく異常な光景に腰を抜かしてしまった。無理もない。祇園円山公園在住の顔馴染みの新聞配達少年が、四条木屋町下ルの高瀬川の中で、あれよあれよという間に銅になっていくのを目撃してしまったのである。
悲鳴は、足から銅化していく恐怖に襲われた少年のものだった。
原因は依然不明のまま。少年はまだ銅になったままだ。ただ、すでに高瀬川に人を銅にする力はないようで、続く被害が報告されていないのがせめてもの救いである。
京都1200年の歴史にもない、この恐ろしい異変。はたして再び発生することはあるのだろうか?
じっと手を見る。