この冬、京の町に、攘夷をかかげる天誅集団が出現、跳梁跋扈した。江戸末期以来、実に百数十年ぶりの出来ごとである。
教会のクリスマス・ツリーを切り倒し、切り株に『天誅』の札を張ろうとしていたところを警備員に取り押さえられた一味の一人、厭鵜ヒロポン(仮名。20歳)は、取り調べに対して、吐き捨てるように、こう供述した。
「クリスマスに、復讐してやったんじゃい!」
恋人たちのイベント日になって久しいクリスマス。天誅集団はそれが許せなかったらしい。
キリスト教を憎むべき筋合いのものではないのだが、彼らにとって、そんな言い訳など無用だった。これが若さというものであろうか。
もうちょっと、冷静になってほしいものである。
(冗談なんだから、本気にしてマネしたりしないようにね! Merry Christmas!!)