古い街道筋を歩いていると、
あるいは古くからの町や村を訪ね歩いていると、
あちこちでお地蔵さまに出会う。
寛大で慈悲深い、
子どもたちの守り神だ。
最近、京都市ではお地蔵さまに紫色の口紅を塗る一団が暗躍しているとの噂がある。
ここで思い出されるのが、次の昔話だ。
『ある島に、「お地蔵さまの顔が赤くなると島が沈む」との言い伝えがあった。2人の若者が島人をおどかしてやろうとお地蔵さまの顔を赤く塗ったところ、次の日、本当に島が沈んでしまった。』まさか、京都市が鴨川か広沢の池の底に沈んでしまうのだろうか? 占い師、マハリク浮世絵氏に聞いてみた。「これは一体何の前兆でしょうか?」
「京都パープルサンガが関西一のサッカーチームになる前兆である」
しまった! 去年で見限り、ファンクラブ会員の継続手続をしなかったのに!
お地蔵さまのほこら
子どもの守り神として有名なお地蔵さま。
こんな話がある。ある暑い日、数人の子どもが面白がってお地蔵さまを水たまりに投げ込み、その上に乗ったりまたがったりして遊んでいた。それを見たおじいさんが子どもらを叱ったのだが、その夜お地蔵さまがそのおじいさんの元へ現れて、
「せっかく子どもたちと楽しく遊んでいるのに、なぜ叱って邪魔をする?」
と、きつくお叱りになった。
「ドラえもんでも、ここまでのび太やジャイアンを甘やかしはしないぞ」
と絶句したくなるほどの寛大さではないか!
また、お地蔵さまは、病気や災いを身代わりとなって受けてくれる、慈悲深い存在でもある。生活環境の変化のためかお地蔵さまと遊ぶ子どもなど最近はとんと見ないが、病気を取り除いてくれるとの霊験名高いお地蔵さまへの参拝の列は今も絶えない。
迷信と言われようが何と言われようが、ついついすがってみたくなる親しい存在。それがお地蔵さまなのである。