ミステリー
節分注意報
(1.29.1998)

 年によって違うが、毎年2月2日か3日は、節分の日である。
 この日、日本各地で、「鬼は外、福は内!」の掛け声とともに、豆がまかれ、災いを招く鬼が家から追い出される。そのため、節分の直後は各家から追い出された鬼が屋外のあちこちをうろうろ徘徊しているので、注意が必要だ。

 去年の節分の翌日のことである。中京区に住む福内危外さん(仮名、36歳)は、出勤途中、節分でまかれたままになっていた炒り豆に足をとられ、転倒。尾てい骨にヒビが入った。全治3ヶ月。
 また、上京区に住む鬼外幸子さん(仮名、22歳)は、突然恋人に別れを告げられ、呆然と歩道に立ち尽くしているところを、塾帰りの小学生の自転車にはねられ、ムチウチ症になった。全治2週間。
 北区に住む瑞祥梨子さん(仮名、16歳)は、援助交際して性病をうつされた。同情の余地、まったくなし。

 かほどに節分の豆まきの威力は強力であり、節分後、鬼がそれぞれの新しい居場所を見つけるまで、外出中は十分な注意を払うべきであろう。
 ちなみに、「納豆をまけば、節分の直後だろうといつだろうと、それから1年間は鬼にとりつかれない」との噂が広まり始めているようだが、事実かどうかは定かでないので、悪しからず。



わてが鬼だすっ!!



キーワード

「鬼は外、福は内!」

 この掛け声に、身内と外との区別が厳しく、面倒なことは目に見えないところに押し退けたり先送りしたりしてその場を誤摩化す、日本文化の一面をうかがい知ることができるのである、かもね。

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