連載うきうき絵物語
ニンジャ軍団V.S. 放射能汚染(最終回)
(10.2. 1997)

「好きにしてけろ」
 総理の決断だった。
 かくて、ニンジャの老首領は、取り残されていた人々の日本脱出が完了するのを待って、富士山の頂上に登った。



 正午、ニンジャの老首領は印を結び、天に向かって呪文を唱えた。
「忍法ブラック・ホール!」



 老首領の頭上に真っ黒な霧のようなものが現われ、周囲の岩がその霧に向かって吸い込まれはじめた。
 ブラック・ホールが出現したのだ。
 ニンジャの老首領の体もブラック・ホールに吸い込まれた。



 そして、北は北海道から南は鹿児島まで、放射性物質に覆われた土地をすべて吸い込んだとき、ブラック・ホールは消滅した。

 吸い込まれ、強大な重力場によって圧縮された日本列島がどこへ行ったかというと、アメリカに逃げていた総理大臣のお腹の中だったそうな。総理は被爆の激しさに、あっという間にミイラのように痩せ衰えて死んじゃって、遺体は地下300キロに埋葬されたとか。くわばらくわばら。

(おわり)

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