私たちの食卓に並ぶ漆器,今となっては汁椀ぐらいになってしまいました。それもプラスチックなどの素材にとってかわり,本当の「漆塗り」のものは少ないように思われます。
本来「塗りもの」は,日常生活の用具でありながら生活様式の変化についていけず,その取扱いがやたら丁寧にと言われすぎているように思われます。
独特の美しさ,あたたかさ,手ざわり,口あたりを大切にした「塗りもの」を日常生活のなかで気軽に使ってみたらいかがですか。
- うるしの良さ

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- うるしぬり製品
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- うつわの手入れ
- 洗い方
漆器は水だけで洗っても汚れは取れやすく,また,水切れもいいのです。洗ったらふきんで水気をふき取ります。
漆器は普通の洗い物とおなじように,合成洗剤やソフトスポンジ(ハード部分は使わない)を使って洗うことができます。ただ,陶磁器や金属の食器と一緒にすると,こすれたりぶつけたりして,へこみや傷ができますので,漆器だけは別にして洗うとよいでしょう。
食事の後,すぐに洗えば,ご飯粒などもこびりつくことなく,水だけで汚れが簡単に落ちます。落ちにくい汚れは,漆器の中に水を入れておき,しばらくしてから洗います。
食器乾燥機や食器洗い器は急激な温度変化を伴うため,漆器の塗りや木地に影響がでるおそれがあります。できるだけ使わないほうが無難でしょう。電子レンジの使用についても同様です。

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- 保管の仕方
毎日使用するものは直射日光の当たらない棚などにおきます。また,陶磁器や金属などの食器とは重ねないようにしてください。
ときどき使う漆器は,薄い布や揉み紙の袋で包み,箱に入れ,冷暖房や直射日光のあたらない場所に保管します。
また,しまいっぱなしにすると乾燥しかえって痛みますので時々使ってあげましょう。使った後に洗うことによって水分が補給され長持ちします。
しっかりと正直につくってある漆器は丈夫ですし,そう神経質になることはありません。人間が普通に生活できる温湿環境であれば大丈夫だと考えてよいのです。

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- におい取り
塗り上がってから時間がたっていない漆器は,まれにまだ乾燥が充分でない場合もあり,うるしの独特のにおいがすることがあります。毎日使って,水や空気に触れていくことでにおいは自然に抜けていきます。または,直射日光のあたらない風通しのよい場所で1〜2週間おいておくとよいでしょう。

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- うるしかぶれ
うるしが皮膚についた場合そのままにしておくと,数時間から数日の間に皮膚が赤くなり,水泡のようなかぶれが出てかゆみを感じます。これがうるしかぶれです。
うるしかぶれは,うるしの主成分であるウルシオールが皮膚に付いた場合,ウルシオールと皮膚タンパク質とが反応する際におこるものです。したがって,うるしが充分に乾燥していれば,さわってもかぶれることはありません。
買ったばかりの漆器は乾燥が充分でない場合,まれにかぶれをおこすこともありますので,買う場合には製造の時期を確かめ,作って間もなければ3〜6カ月経ってから使い始めるとよいでしょう。
うるしが付いた場合はシンナー,アルコール等の溶剤で良く拭き取り,さらに種油やサラダ油などの食用油を綿につけてよくぬぐい去り,石鹸で洗い落とします。
かぶれてしまった場合は,かぶれがひくまで待つしかありません。かゆみがひどい場合は皮膚科でくすりをもらうとよいでしょう。ほっておけば1〜3週間で直り痕跡も残りませんが,かきすぎて皮膚に傷を付けてしまわないように注意します。
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- 漆器の主な産地
うるし工芸は,江戸時代に各藩の保護奨励を受けて,盛んになり,その生産力も飛躍的に高くなりました。庶民生活のなかにも漆器が普及していき,各地域の特色を活かした独特な漆器が作られ,漆器の産地ができていきました。
津軽漆器(青森県) | 能代春慶(秋田県) | 川連漆器(秋田県) | 秀衡塗(岩手県) |
浄法寺塗(岩手県) | 鳴子漆器(宮城県) | 会津塗(福島県) | 粟野春慶(茨城県) |
日光彫(栃木県) | 村上木彫堆朱(新潟県) | 芝山漆器(神奈川県) | 鎌倉彫(神奈川県) |
小田原漆器(神奈川県) | 静岡漆器(静岡県) | 木曽漆器(長野県) | 飛騨春慶(岐阜県) |
輪島塗(石川県) | 金沢漆器(石川県) | 山中漆器(石川県) | 高岡漆器(富山県) |
越前漆器(福井県) | 若狭塗(福井県) | 京漆器(京都府) | 奈良漆器(奈良県) |
紀州漆器(和歌山県) | 八雲塗(島根県) | 大内塗(山口県) | 香川漆器(香川県) |
久留米籃胎漆器(福岡県) | 宮崎漆器(宮崎県) | 琉球漆器(沖縄県) | など |

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