ジーニアスコード 12月号

「戦略は細部に宿る」


1.主旨

 最初に言っておくと本稿は、試行の錯誤の結果であって、そのままやってもうまくいかない、あるいは、効果が薄いだろう。
ただ、実験してみる価値はある。
私自身、そのようにして試行錯誤してきたからだ。
試行錯誤を始めるなら、今からだ。
明日からと一定の時間を置く人は永遠に手を付けない。
今日と明日にあるのは、時間の経過だけである。

また今回のキャッチコピーの戦略は細部に至るという言葉通り、いわば末端の戦略である。
しかし、そこにある傾向を纏めて貰うとひとつの大きな戦略の柱にたどり着くだろう。

これは、最終的には、「ランチェスター理論」の否定に繋がっていく。

2.戦術論 リモート技術を柱に

・コロナ期に流行ったリモートは、トーンダウンしている。
当社は、コロナ前から一貫して、完全リモート
ひとつ哲学があり、私は生活指導はしない。
いい意味では、わきまえたプロの集団、悪い意味ではマネタイズに24H集中していたらそんなことしている時間はない。
普通の会社は遅刻厳禁である。でも、それは私から見れば生活指導である。当社は成果さえ出せば、子供をあやしながら仕事しても構わない。
次いで言うなら書類のチェックもしない。時間がもったいないし、生産性が落ちるからだ。(欧州先進国もこの考えで書類チェックはしていない)。

・リモートによる人事管理
見える化は必要だ。
出勤状態や、業務の進捗状況は全員リモートの方がツールで一覧化しやすい。
これをスタッフの競争心につなげることが出きるが過度な競争にならないよう配慮している。

・標準化・効率化によって
クライアントへもリモートでの誘導であるので、標準化で効率化を常に意識している。
いや、標準化できた部分のみが利鞘となる。
標準化する際にはその設計に細心の注意が必要である。
瑕疵があると広範囲に伝染するからである。
また、メッセージの宛先間違いも注意である。
これだけは、人の注意でしかチェックが効かない。
しかし、これまで、これによる事故はない。人はメッセージする時、慎重になる。宛先には注意するものだ。

・クラウド
データはリスキリング研修サービスの「置き場所」も含めてクラウドであり、有料サービスを使っている。

・リモート会議準備
これも独断であるが、スタッフはリアル会議のケースより真剣に準備をしている。それは、特に新規アプローチ先との会議であればZOOMでの一発勝負となる可能性が高いからである。
こういう質問が出るから気をつけろなどのシミュレーションも事前に行う。そして、そこを真剣にすれば、質問事項は似てくるので前述の標準化につながる。
これは、私自身のかつてのリアル会議・リアル営業時代の反省も入っている。営業はいけば何とかなるとかなり準備がいいかげんだった。

・リスク分散
これが、最終策であり、極めつけである。
ある地域で人的パワーをかけて、マーケットを制圧するとそれは、今では露骨すぎて競合他社を刺激するだけではなく、補助金・助成金を提出する行政所轄官庁に警戒されて無駄な労力を使うことになる。後段は、そんなことあるのか?と思われるかもしれないがあることなのである。
そこを社員も、その先の顧客もリモートで経営すると対象エリアは自然と分散される形となる。
もう一点大きなメリットがあるのが分かるだろうか?それは、その地域ごとの地方の独自施策を掬えるのである。
地方ごとに行政にはどうしてもここを強化したいという力点を置く施策があるのだ。

これは当然情報勝負となる。
リモートで地域を責めるとマーケットでは見えにくい。
ただ、この見えにくさは当社も同じで、懇意にしているクライアントから密に情報をいただいている。

ここでは、言っていることは「ランチェスター理論」の否定なのだ。
業務の半分は旧来のまま、約半分をこのようにリモートでというのは、効果は生まないだろう。
正反対のことを同時にする形だからである。
いったん0(ゼロ)にしてとていうことでしかありえない。

3.仕組化と言うけれど
 前記のような内容を説明すると分かり顔の人が「要するに仕組化ですね」と言う。
そういう人ほど、分かっていないケースが多い。
「要するに試行ですね」と言った方が近いだろう。

マインドとしては合理化精神がないといけないだろう。




                                          以 上