松居直美


「松居直美が・・・・」
「え?」
「いや、松居直美がね、いまは離婚したけど旦那とうまくいってたとき、えっちしたあと鼻歌うたってたって言ってた・・・・」
気がついたら、私は鼻歌をうたっていた。
そぼ降る雨のなか、夜の京都の道。
自分の自転車を押すのはY君に任せて、傘を開こうか開くまいか迷いながら。
体がまだ、小刻みに震えているからY君に自転車を任せたのだった。

立って壁に手をついてもらったらわかると思うけど、そのままの姿勢でいたら、上腕部の外側の筋肉を使う。
だからその筋肉が痛い。

ふだんはとてもシャイなセックスなのに、両腕を後ろ回しでつかんだまま、後ろから立ったままで交わったり、
どんどんどんどん激しく突いてくるから、落ちないように注意していた左手首にかけていたハンドバッグも
地面に落ち、激しい突きでジャケットの胸ポケットに入れていた携帯も落ちてしまった。どんどんどんどん
熱くなってきたから、そのジャケットも脱いで、地面に落とした。

ここ2,3日、何故だか野外セックス熱が激しく高く熱くなっていた。
あの鴨川セックスを思い出してか・・・
それを思い出しての小品を書き始めたからか。
可能性がなくとも準備だけはしておきたくて、ひそかに濡れていたくて、いつもはジーンズかパンツルックで
でかけるのを、今日はすっぽりかぶる薄手のワンピースででかけた。

それを軽々とたくしあげて、あっさりパンツを下ろしてY君は後ろから侵入してきた。
最初は乾いていたわたしの内部も、いつ誰にみつかるとも知れない緊張、興奮といつになく大胆なY君の行為、
後ろから首筋にかけられる息、右手で胸をもみ、左手はクリトリスを上手にいたぶる指、根元までY君の大きな
ものを入れたまま・・・「すごいよ、どんどん濡れてきてる。すごく」感じやすい乳首とクリトリスと膣、首筋を一気に
責められてあっというまに陥落してしまった。

それでもY君は容赦しない。
彼のモノを舐める。舌と、口腔内の筋肉を微妙に動かしながら・・・「あ、そこ、いい・・・すごく、感じる」とY君がうめく。
私の舌は忙しく男性の敏感なところをいったりきたりする。夢中でしゃぶりついていると、「上になって」Y君はコンクリート
の上に横になった。「いいの?」Y君の上にまたがり、腰を動かす。顔がついと車の陰から出て、道の様子が見え、
慌てて元の位置に戻る。恍惚と、緊張とで、頭がまっ白になってゆく。・・・いつまで続くかわからない饗宴が
果てたとき、私の震えはとまらなくて、自分の乗ってきた自転車をY君に任せねばならなかった。

それからもう3日もたつというのに、まだ興奮がさめやらない。
今日も仕事の調べ物をしていたとき、何の拍子でか「松居直美」が検索にひっかかってきてひとり、顔を赤らめて
しまった。他の調べものをしていて、「これはジョウシンのやな」と同僚が言うので思わず「ジョ、ジョ、ジョ、ジョーシン」
と歌いだすと「えらいご機嫌やな」。「ご機嫌歌=鼻歌=松居直美=セックス」と一気に思考が飛んでひとりで
しきりに恥ずかしがっていると、こういうことには敏い社長が「なんか、見てるこっちが恥ずかしくなるな。
別に恥ずかしくもなんともない話題の筈なのに」。それでもまさか、私の恥ずかしさの対象があれだとは思い至るまい。



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