No. | 246 |
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Date: | Fri, 25 Jan 2002 11:51:19 +0900 |
Subject | 満州国と秩父宮と石原 |
ハンドルネーム: | |
Name: | (匿名) |
E-mail: | (匿名) |
発言: | 昭和13年5月2日、秩父宮殿下(陸軍省参謀本部勤務)は御附武官ふたりを伴って、南京、満州国の視察にでかけた。 北京に着いたとき、そこには関東軍参謀副長の石原莞爾が迎えにでていた。秩父宮は石原を伴って新京にはいった。 秩父宮にとって、石原はもっとも尊敬している参謀であった。秩父宮は1ヶ月の視察を終え、東京に戻ることになったとき、一夕、石原とふたりでたっぷり話し合っている。秩父宮は、満州を視察して、石原のいうとおりこの国は理想郷などではなく、日本軍閥と日系官吏の思いのままになっていることを具体的に知った。そのことを石原と話し合っているうちに、秩父宮は無念の思いがこみあげてきたのか、涙を流しはじめた。 「こんなに日本人が好き勝手にやっていて、どうして満州人の共感を得られるだろうか。これではあまりにもひどい……」石原もまた秩父宮の手をとって泣いたというのである。 保阪正康著 (秩父宮と昭和天皇) |