11/21(金)
この日は有給で休み。16時半に家を出る。K1氏が大阪から、マネージャーのR嬢が京都から乗ってくる
新快速に合流する予定。山科まで地下鉄で行く。携帯メールで連絡を取り合い、「8号車に乗ってます」というのでそこに並んだらいない。後で「5号車に乗ってます」と。8ってのは、乗車位置番号じゃないか!と、予想された事態ながらもやや怒り。電車も比較的混んでいるので、草津まではそのまま乗車。
草津駅で、草津線に乗り換える。雑誌を読んでいたら、危うく乗り過ごしそうになっていた。少し電車が遅れたようで、急いで草津線ホームへ。ほとんど出発ぎりぎりで乗車。これも混んでいる。とりあえず乗っただろう、という前提の元でしばらく過ごすとメール。「いまどこですか?」…明らかに駅のホームっぽいBGM。「もう電車乗ってるよ。」「え〜、私たち乗り遅れたんですか〜!」「とりあえず、次の駅で降りて待ってるから。」ということで、手原で降りてしばし待つ。夕方の時間帯で、比較的本数が多いのに助けられた。昼間なら30分以上待った可能性もあり。
待っている間に、他のメンバーからも電話。K2氏。「今大阪なんだけど、どうやって津まで行くのがいいかな?」そんなもん、出かける前に(氏は千葉在住)調べとけ!!と思いつつ、「まあ近鉄が普通かな」と答える。「今チケット屋の前にいるけど、どうやったら安いかなと思って。」なるほど、それなら考えるべきだろう。京阪沿線の守口市あたりだと、やはり難波からの近鉄が良いかと思われる。それにしても、今回コンクールに乗らないというのにK2氏を泊めたH氏もたいがい災難だ。
そうこうしているうちに、電車が着く。まだ割と混んでいるので、とりあえず乗車。同じ車両には二人の姿は見えない。まあ乗っていることには違いないはずだし、と雑誌を読んでいるとメール。「乗りましたか?」「乗ってます、一両目」「二両目だけど、女子高生が沢山にて移動できません」まあ帰宅時間だし仕方がない。「貴生川くらいでは空きます」とメール。しばらく雑誌を読む。そのうちだんだん空いてくる。移動してきたらしいのは雰囲気で分かったが、まだ座れるほどでもないのでそのまま。そのうち向こうから声を掛けられる。貴生川で席が空いたので座る。ボックス状態の席に一人座っていたおじさんが、我々が三人座ろうとしたので別の席に移動してしまった。スミマセン。
さらに電車は柘植を目指す。二人ともこの路線には乗ったことがないそうで、進めば進むほど周辺が暗くなっていく怪しげな路線に、興味も恐怖も味わっているようだ。そのうちにR嬢が、私がつけていたなにコラコンクールバッジ(デザインは、ギャラリー参照)に気がつく。この二人に、とりあえず配布。
柘植で半時間ほど乗り換え待ち。乗り遅れのための時間つぶしとなる。さすがに寒いので待合室へ。この間、K1氏はホテルの部屋割りを再検討。R嬢の勝手な(?)意見に振り回されつつ、「おもしろさ」を目指した部屋割りを行う。しかしこの部屋割り、同室の顔ぶれによっては翌日の調子にも影響するものだから侮れない。特になにコラでは。そうこうしているうちに、乗り換える列車の到着。もう一本電車を待っているので、先に乗った分余裕で座れた。これはけっこう有り難い。闇の中を、一路亀山へ。乗っている顔ぶれが三重県人ぽくなってくる。やはり鈴鹿峠・青山峠を越えると、人の顔つきも変わってくるように感ずる。
亀山で再び乗り換えて、津へ。途中、今回の会場となるホールが見えるはずだが、夜間でもあり、またライトアップも無いためによく見えず。まあ文化会館をライトアップしても仕方がないのだが。松阪の実家へ向かうK1氏を残して、R嬢と津駅で降りる。津駅で、周辺案内地図を前にとりあえず地理をR嬢にレクチャー。それからバスで丸の内に移動する。ホテルに着いてから、まずはR嬢がチェックイン、および明日のなにコラ宿泊の確認。怪しげなところがいくつかあったようで、予想以上に時間がかかる。しかも、ホテル内で練習場の仮予約がそのままだったとか。相変わらずあちこちに迷惑を掛けるなにコラである…。仮なので、とりあえずそのままクリヤということで済んだようだ。
一通り終わってから、R嬢と夕食を食べて、実家にタクシーで帰る。流しを拾おうとしたら、全く捕まらずにそのまま走り去ってしまう。どうもおかしい、と思って、タクシー乗り場らしきところを探し出して、やっと乗車。この時間になると「鈴鹿おろし」がずいぶんきつく、寒い。実家までタクシーが2300円ほど。結構高い。両親と世間話などして、寝る。
11/22(土)
実家では午前中ゆっくりと過ごす。こちらでの新聞や町の広報誌を読み、また愛読の堀辰雄著作集を繙く。昼前に家を出てバス停へ。
道々、よく考えるとワイシャツを忘れたことに気づく。どこで買えばいいか…、と考えると、歩いていける範囲で意外に購入できそうなところが少ないことに改めて驚かされる。バスに乗って集合場所の津駅まで行く予定だったが、バスの路線をよく見ると練習場の近所まで行くようになっている。これに乗って、とりあえず会場近くまで行くことにする。
バスの終点まで乗り、その近くの津松菱へ行く。最近、産業再生機構の支援を受けることが決定した昔からの津のデパートである。訪問は本当に15年振りくらいだろか。念のため採寸してもらい、余裕のあるサイズのワイシャツを購入する。しかし丸の内周辺のアーケードは本当に廃れた。悲しいことであるが、これが事実である。そんな中で、昔からずっと続いている店をたまに見つけると、やはり嬉しくなる。
昼食は昔からある蕎麦屋で。天ざるを食べる。3軒隣に移転した「はちみつまんじゅう」を買って、練習場の「大門館(やかた)」に向かう。どこにあるんだろうか、と思っていたが、昔の家具屋の建物であった。比較的大きい店舗だったので、コミュニティセンターのように使われているらしい。しかも1階を借りているので、基本的に通りから見通せる。卓球台があって、これは卓球クラブのようなものをやっているらしい。卓球もしたかったが、ラケットとボールがないので断念。
そうこうしているうちに、続々とメンバーが集まってくる。久々の顔ぶれなども。再会の醍醐味を味わいつつ、ぼちぼちと練習が始まる。今回は曲の難易度が高くないため、螺旋的な練習となる。似たような練習が繰り返されるが、その度に新しいメンバーが増えているので、また違った音になっていくのが面白い。休憩を挟みながら、課題曲、自由曲と練習が続いていく。練習し始めは、やはり問題山積。ピッチが下がる、受け渡しができていない、声が揃っていない、など。まさに「これが全国に出場する団体か」と思わざるをえない状態である。しかし練習を重ねるごとに、だんだんと全体が安定し、一つの形を見せてくる。これもまた醍醐味。
随時休憩が入るが、それにしても土曜日の夜だというのに人通りの少ないこと。商店街の衰退を実感する。店そのものがないのだから客もきようがない、というところか。 食べるところが少ないこともあり、夕食は団で弁当を手配。悪くはない。夕食後も練習が続く。時々、休憩も兼ねて「遠方からの参加者」などの紹介あり。個性的なメンバーが集まってきているのが分かる。「今年もこいつらと歌える」という楽しみ。なにコラならではである。前日のコンクールの様子が新聞に載っていて、なにコラ参加メンバーですでに昨日オンステした者のコメントが掲載。しかも「お金無いので実家に泊まりました」と(笑)。明日は家に泊めてもらえるのだろうか(笑)。
練習終了前に、舞台確認が出来るというのでH1氏とホールへ移動。待ち合わせ場所にもかかわらず何の指示等もなく、ここでいいのかしらん、と思っているとそれらしき人がぼちぼちと。やはりここでいいのかしらん、という雰囲気。ずっと待っていると、やっと担当者が現れる。ぞろぞろと後に付いていく。しかし、「ここが団体集合です」などと説明しだし、もしやそのルートを全部説明されるのか、それは時間の無駄だ、と思って問いただすと、「とりあえずざっと説明します」とのこと。それは代表者会議で聞いているはず、と言っても「まあすぐ済みますから」と。納得は行かないが、仕方がないのですぐ後に付いてプレッシャーを掛けつつ、従っていく。本番の時に通るべきルートを経由して、大ホールの舞台へ。リハーサルに使うという中ホールが妙に豪華なのが何とも。大ホールに入り、さっそく響きをチェック。舞台の位置にほとんど影響されず、どこに立っても同じように響く。客席に行ったり、舞台に上がったりして、H1氏と共に確認を繰り返す。とにかく、非常によいホールであることでは意見が一致した。22時まで使えるというホールを十分に堪能し、会場を出る。
ホテルに帰って、チェックイン。シングルなのでどうなっているのかしらん、とたまたまうろうろしていたマネージN氏に聞いても「さあ?」と。おいおい…、とフロントに聞くと、たまたま目の前に名前入りの鍵が置いてあった。これをもらって、部屋へ。荷物を置いてから、とりあえず指揮者とステージ確認の結果報告と、オーダー検討。ここで、チェアマンから今回オンステ不可との連絡あり。非常に残念。
終わってから、フロントへ降りる。R嬢とF嬢が話していたので、そこに加わる。なぜかロビーにはなにコラメンが所在なくうろうろ(^^ ;)。コンビニに行って夜食を買ってくる者や、どこかに行こうとしつつもどこに行けばいいのか分からない、といった顔ぶれも。とりあえず、飲みに行っていると思われるK氏に電話して所在を確認。連絡が取れたので、早速出かける。
ホテルの近所のバーにて、すでに9人ほどが飲んでいたのを発見し、それに加わる。見れば、千葉・静岡・地元の津・東京、それから京都大阪神戸の面々。これらが一年ぶりに集まるこの宵、飲まずにはいられるだろうか。これがなにコライズム! くだらない話も真面目な話もひっくるめて、夜が更けていく。さすがに24時過ぎに切り上げて、ホテルへ戻る。
部屋へ帰ってから、シャワーだけ浴びてさっさと就寝。
11/23(日)
目覚ましにて起床。さすがに前日をビールだけに押さえておいた効果があり、特に二日酔いなどは大丈夫。非常によい天気。ホテルの部屋からは、風景が遠くまで見渡せる。身支度を簡単にしてから朝食に降りる。7時半だが、まだそれほどメンバーは来ていない。先に来ていたA氏と同席。四方山話をする。そうこうしているうちに、皆が降りてくる。いつもは寝坊のメンバーが結構起きてきていて、「これは何か間違いだ…」との声も。ゆっくり朝食を済ませてから、荷物を整理して
チェックアウト、そして練習場へ。近いのが有り難い。
朝、ゆっくり発声からスタート。曲練習を重ねる。楽しさの中にも厳しさ、厳しさの中にも楽しさ。なにコラの音楽を作ろう!という意識が皆の中にあることは間違いない。だんだん全体が安定してくる。昼もまた、手配した弁当。さすがに中身は違っていた。昼食後、今回初めて作成したなにコラピンバッジを全員に配布する。コンクールに向けて意識を高めよう、というもの。ただし今回のみ現金決算で、一人500円。慣れないピンバッジにとまどいもありながら、それぞれが楽しみとして身につけている。
午後は14時にて練習終了。車組とタクシーとで分乗してホールへ移動。T1氏は親が聞きに来ているとのことで、同乗してホールへ。車中、T1氏「今度○日には帰るつもりだけど」親「ああ、その時はいないかもしれないけど…」T1「なんで?」親「歌の練習があるし」同乗の一同、大爆笑。T1氏「俺みたいなこと言わないでくれ〜。」血は争えないものだ。なお、のちほどR嬢は親御さんに「なにコラの、どなたの奥様なのですか?」と聞かれてたいそう困ったらしい(ちなみに独身…なにコラのマスコット的存在ではあるが)。
ホールのメインエントランスにて団体集合。少し早めに皆が到着。誘導の方々の挨拶に、グリー的ノリでの挨拶。思わず周囲の失笑を買う。しかしこれでこそなにコラ。早速、着替えに移動。しかし、K3さんが実は見捨てられていたことが発覚。関西歌劇団所属というプロなのに…、さすがなにコラである(笑)。指揮者より、今回作成のなにコラバッジの本番における着用が「推奨」される。黒服に、結構似合う出来。今回のはなかなか傑作だったかも。リハーサル会場に入る前、しばし待機。この直前、最後のメンバー二人が合流。文字通り、本番直前にならないと全員が揃わないのがなにコラ。しかしやや早めの移動だったそうで、時間が余っているとのこと。しかしだからといってじっとしていることなどあり得ない。どこからともかく、有名男声合唱曲の一節が流れ出し、他のパートがまたそれに答えて歌い出す。本番前だから抑制、などというフレーズはなにコラには存在しない。とにかくバカの集団である(笑)。とはいえ、直前は中ホールの袖にて前団体を聞きながら待機なので、おとなしく。リハーサル。そこそこにいい場所。半円形の、オペラ座のような感じの中ホール。もったいないくらいの豪華な感じがする。
袖待機の後、いよいよ大ホールへ。入場と同時に、会場アナウンス。「プログラムの訂正がございます。なにわコラリアーズ、混声とありますが、男声に訂正致します…。」会場の失笑。思わず舞台上で笑ってしまう。そう、この余裕と笑い。これこそなにコラにふさわしい。まるでこの時間だけはなにコラの演奏会になったような雰囲気。演奏が始まる。歌いやすい! 舞台上での声がよく聞こえ、また客席に飛んだ声もよく返ってくる。客席との一体感が感じられる。課題曲、自由曲。一つ一つの表情を豊かに、しかも楽しく歌えるホール。歌いながら、あまりの嬉しさに思わずにやけてしまいそうになる。ところが最後の自由曲、後半になってからブレスを失敗したのか、喉がつまってしまう。雑音を出さないように、かつ口パクをしながら、必死に調整。なんとか最後には回復し、最近身につけた「倍音唱法」で豊かな倍音に貢献。終わった! 会場のしばしの沈黙、そして拍手。ためらいがある拍手だけれども、手応えは感じた。コンクール故のためらいだろう。
続けて写真撮影に移動。途中、ホールのスタッフも、会場の中庭に模擬店を出していた人たちも、皆が拍手で演奏後を出迎えている。過剰なような反応ではあるが、何となく嬉しいような気恥ずかしいような。三重県的なノリでは無いようにも思われるが…。全体写真と、パートごとの写真を撮る。着替えてからホール外に集合。指揮者より今日の絞め、地方団員紹介、学生オンステ者紹介など。そのなかでR嬢の感想、「練習で何度も聞いたけれども、やっぱり本番は違いました、ズンときました」と。みんなツッコミはするけれども(笑)、やはりそれを達成できた喜びは共有できたはず。Banquet ManagerのT1の「えー、宴会終わるまでがコンクールです、みなさん参加するようにー」に爆笑しつつ、ここで解散。ほぼ同時に出演団体の演奏も終了し、テラスの模擬店に人が出てくる。伊勢うどんを食する面々も。忘れないうちに、ここでおみやげを買っておく。結果発表を聞かない組で、F氏に車で駅まで送ってもらう。打ち上げ開始時間まで時間があるので、打ち上げに出ないで帰るというM氏を誘ってT2氏・R嬢と共に、焼鳥屋にて0次会開催。ビールを酌み交わし、今日の楽しみを語る。
M氏を見送って、18時に打ち上げ会場へ。しかしまだ3人。本来注文の飲み放題は2時間ということで、別注文で少し飲むことにする。「そろそろ結果発表じゃないか」という話などしながら、しばし待機状態。チケットを持っているのになぜか結果発表を聞かずにこちらへ来たというもったいない奴等にツッコミを入れつつ、現地レポートを待つ。ついに連絡あり。「二位金賞」。うーん、順当という言うべきか。今回の練習過程から考えれば銀賞でもおかしくない、と話していただけに、金賞だけでも十分。しかしその後の連絡がない。シードがあるのかないのか、微妙な線だけに逆に気になる。そうこうしているうちに、結果発表を聞いたメンバーが到着するという連絡あり。飲み放題、料理の配膳も開始。結果は、シード権も獲得とのこと。やはり我々の「音楽」、「楽しみ」が評価されたのか、とも思う。技術的に見れば、他に上の団はたくさんあるように思える。しかし、コンクールという場において音楽を「楽しむ」という点においては、まだまだなにコラに勝るところがないのではないだろうか。
今回の打ち上げは、メンバーの他に追っかけ組女性数名、そしてスペシャルゲストの台湾男声合唱団の指揮者も交えてにぎやかに開催。最初はごく普通の打ち上げなるも、すぐに学生合唱団ばりのノリに。最年長に近いH2氏の異様なもりあがりに、後輩達は圧倒される。こちらも後輩ながら、負けずにH2に飲ませるべく対戦、後輩達の仇をとったつもり。打ち上げ開始が遅れたこともあり、ぼつぼつと帰るメンバー。予定をかなりオーバーして、打ち上げ終了。外で「さいたら」を歌って、解散。この間、T2氏がダウンしているのを発見。介抱しつつ、今日は泊まるという学生I君に後を任せる。自分はF氏の車に同乗して帰る予定なるも、出発直前になって学生M君が登場。「電車に乗り遅れまして…、明日9時から京都でバイトなんですが…」おい、それは泊まったら絶対間に合わないぞ。ということとで急遽交代し、M君を車に乗せる。自分は結局、津にて一泊。まあそれもそれでよし、と。ホテルまで歩いて行くと、H3氏が出迎えてくれる。チェックインして部屋に荷物を置き、ロビーまで戻ってきてH3氏&奥様・K3氏と缶ビールでさらに乾杯。さすがに途中で眠くなり、部屋に戻ってバタンキュー。念のための目覚ましは忘れずに…。
11/24(月)
目覚ましにて6時半に起床。行けそうなので、とにかく帰ることにする。7:14発のJR
に乗るために、シャワーを浴びて荷物を整理してチェックアウト。ホテルの朝食は7
時からなので食べられず。津駅の立ち食い蕎麦屋も7時半から。やはり地方はのんび
りしているのか。とりあえずコーヒーだけ飲む。
亀山で30分待ち、柘植で30分待ち。ずいぶんと接続が悪い。亀山では早くに列車に乗 り込めたが、柘植ではだいぶ待たされた。さすがに寒い。
草津着。ここから京都へ帰宅、と行きたいところだが、10時より栗東にて練習あり。 家とは逆方向の電車に乗る。嗚呼、これが合唱バカの華麗なる人生。
(おしまい!)
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