「合唱技能検定?」
前川 裕
試験そのものは多枝選択式で、上位級には実技も入るという。3級程度までならともかく、1、2級のようなレベルになると専門性が強くなるので、どこまで正当に評価できるかどうかが疑問となる。なお3級以上では、「一般(つまり西洋音楽)」「邦楽」の二部門に分かれているので、それなりの配慮はされている。とはいえ、例えば「マンダリンの調弦は?」と聞かれてすっと答えられる人も少ないだろう。
いつかは「合唱技能検定」も出来るかもしれない。1級は「合唱の指導者を目指す方」、2級は「合唱の中心メンバーとして活躍する方」、…という感じか。
なお「技能」ではないが、フィンランドの合唱界では、一定の数の愛唱曲を歌えるようになった団員にバッチを与えるという習慣がある。バッチは、全国的な連盟が出すものも、各合唱団が独自に作製するものもある。いずれにせよ、バッチをつけている人はある一定の愛唱曲を歌えるということであり、国内どこにいってもそれらの歌を合唱できる。日本のどこにいっても一緒に歌える歌、というのは案外少ないのではないだろうか。全国的な組織において、そのための愛唱曲の編纂が行われることを望む。
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