1/11(月)

 目覚ましの音で目が覚める。8時。昨日はベットに入ってからが眠れなかったのでいまいち眠い。が寝ていると帰って調子が悪くなりそうなので、軽く伸びをして起きることにする。朝食の用意をしながら温度計を見ると、マイナス16度。昨日の冷えこみはそのまま残っている。食後にはまた昨日の研究書の続きを読む。これは今日返さねばならないので、今日中に一定のところまで読みたい。今日はこれにかかりきりになりそうだ。天気は良さそう。10時半に出かけることにする。スーパーによって、たまっていた瓶を返却し、保証金分の金券を受け取る。どのスーパーにもこれがあるので、回収率も上がりそうだ。電車に乗って行くが、待っている間もさすがに寒い。今日は木も白くなっているが、これは樹氷ではなく雪が薄く積もったためらしい。ティックリラで見たらマイナス14度だった。まあそんなものか。

 ヘルシンキは小雪もちらつく天気。今日から開いているはずのスラソルに行く。日本語の訳詩で知っている曲について尋ねてみる。メロディーを歌ってみたが、「知らない」とのこと。この人、ケッコネン氏が知らなければ、フィンランドでは誰も知らないのかもしれない。「明日、チブル・松原に聞いてみるよ」とのこと(^^ ;)。確かに、松原さんの方が知っているかも。水曜日には分かるはず、というので、また来ることにする。歩いて近くの古本屋に寄り、前から目をつけていた作曲家のガイドを買う。スカンジナビアの作曲家も40名ほど載っているのでちょっと役に立ちそう。幸い、25FIMと安かった。この本は他の店でも見掛けることがあるので、結構出ているもののようだ。以前に安売りで買ったタピオラ合唱団の本が、買った値段よりもだいぶ高く古本で売られていた(笑)。この店には斉唱の楽譜しかなかった。あちこち古本屋を巡れば、楽譜を掘り出すことができるかも。しかし古本屋地図などもないので、気がついた時に立ち寄るしかない。

 また歩いて大学へ向かう。もう12時なので、お昼にする。大学本館に行ったら、幸い行列もほとんどなかった。今日はメニューが少なく、「スメタナ風野菜」、スパゲティ―ミートソース、ウィンナーのスープ。「スメタナ風」というも気になるので、それを取る。小さなニンジン・サヤエンドウ・ブロッコリーのクリーム煮、といったもの。しかしサラダのテーブルにもニンジンの千切りがあるので、ダブってしまう(^^ ;)。クリームが割と濃いせいか、おいしかった。食後は、ラテン語の調べものをしようとまず学部図書館に行ってみるが、大きな辞書はない。ヘルカで調べたら、みたいラテン語大辞典は大学に2冊しかない。これほどの大学で、と意外に思う。ともあれ、またポルタニアへ降っていく。学部図書館の入り口の貼り紙によると、近くに新しく読書室ができたようだ。しかし近いところは込みそうだ。ポルタニア4階の図書室で、ラテン語の辞書を引く。ちょっと手間取るが、必要なことは調べ終えた。ここの図書室には机があるが、鍵がかかるようになっていて、リザーブもできるようだ。コンピューターを使っている人もいる。ちょっとうるさそうだが。

 神学部にいって、研究書の続きを読む。読んではメモをモバを使って書く。モバも久々の活躍だ。読み進めそうでけっこう時間がかかり、結局区切りのいいところまで読めたのが5時。メモをまとめ、本を返却する。それから帰ることにする。そとに出ると少し寒い。しかし駅前でみたら、マイナス5度だった。10度近いかな、と思っていたのだが。電車まで間があるので、お菓子屋さんでカシューナッツのチョコレートがけ、というのを買う。これはとてもおいしいのだが、ちょっと高い。一粒が割りに大きくて重いので、少しでも随分重くなる。30FIM近くになってしまった。買う時には一品目一袋で、袋の口は閉じないままで店員に渡すと、中を見て値段を確かめて重さを量っている。しかしこの店、駅地下だけでも2つあるわけだし、他にもそこらじゅうにあるのだが、採算はとれるのかしらん? 電車に乗って帰る。ティックリラはマイナス8度。コイブキュレでスーパーに寄る。ライトビールを買い込むが、今までに返却した瓶がまた回って来ているかもしれないな、とふと思う。家に帰ると郵便が幾つか来ていた。英国に注文していた指揮法の本、年賀状など。「まだ勉強していたんですか」というのもある(^^ ;)。シャワーを浴び、夕食。カップうどんとチキンカツの組み合わせ。手軽でいい。メールをチェックし、返事書きをする。少し休んでから、ニフティの書き込みをつくる。ここでもラテン語なので、ラテン語を勉強している時間が長い。ギリシア語も勉強しなければ(^^ ;)。

1/12(火)

 目覚ましで起きる。起きた時には眠いかな、と思うが、結果的にはこの方が体調がいいようだ。朝食を済ませる。今回のパンにはなかなかかびが生えない。買って来た時に適度に水分を抜くことがコツのようだが、なかなか簡単ではない。抜きすぎるとかちかちになってしまう。それから、ギリシア語を勉強。さすがにあせってきた(^^ ;)。調べながら読むのでどうしても時間がかかる。1章に1時間くらいといったところか。切りのいいところまでやってから出かけることにする。今日は雪がちらつく天気。気温も結構低そう。ヘルシンキに着いたらもう1時。メッツェタロまで行って食事をする。今日は豚のシチュー。シチューの類はご飯にとてもよく合うので嬉しい。食事を終えると、もう2時からの授業まであまりたくさんの時間はない。学部図書館に寄る。古いテキストにエストニア文学史というのがあったので買っておく。また文学理論の本を借りる。ついでに神学部のシラバスを読む。普通の講義もできれば覗いてみようか、という気もしている。フィン語なのでどこまで理解できるかは未知数であるが。

 スウェ語の授業に行く。これは普段は行かないところに教室がある。ヴオリ通りの、ホテル・アーサーの向かい辺り。正面から入ると、中庭を通ってさらに奥に進むようになっている。奥は公開大学に主に使われているように思われる。2階に教室があった。教室の入り口に掲示してある教室の使用予定表を眺めていると、「あなたは多分正しいところにいますよ」と声を掛ける女性がいる。この人が先生だった。教室に入ると、すでにたくさん座っている。最初の授業前なので、大変静か。先生が「この妙な静けさはなんとも言えませんね」と笑う。最初に事務的な説明。15週の授業であるが、途中に2週ほど大学の休みの機関が入る。イースターと、体育祭のようなものらしい。テストは5/6にあるとのこと。5/5に帰る予定もあったが、ここまではいるべきか(^^ ;)。テキストについても説明がある。併用の単語集については、辞書でもいいけど、変化形などが載っていないので、特に初歩の段階ではこれを使うことを勧める、とのこと。まだ買っていなかったので、あとで買いに行こう。また電話番号や個人番号を記入する紙も回って来る。個人番号の説明では、普通みんな自分の番号を例に取る。これは生年月日と個人番号で構成されるので、男性でも女性でもすぐ生まれた年が分かってしまう(^^ ;)。先生は45年生まれらしいが、そういう感じにも見えない。最初は簡単な挨拶。隣へ順に名前を聞いていく。いろいろな名前がある。それからアルファベットの説明。そして母音・子音の発音について。まだ細かいところまではいかず、一般的な規則。しかしこれだけでも、歌っている時に疑問だった母音の変化や、発音の時の口の形などいくつものことが分かった。それからこのアルファベットを使って、隣同士で自分の名前の綴りを言い合う。が、いう方も聞く方も発音に慣れていないのでなかなか正しくいかない。それから今度は先生が一人ずつ名前を聞いていく。自分の時には、名前を読み上げると「以前にスウェ語を勉強したことがありますか」と聞かれる。ない、というと、「なかなかいい発音です」と言っていた。そういう気は自分ではしていないが。「あ」の母音が多いし、それが日本語の母音と似ているのかもしれない。国籍も聞いていく。結果としてはクラスには15人いて、そのなかに12の出身国があるという実に国際的なクラス。もちろんヨーロッパがほとんどだが、アジアからは中国・フィリピンなどからの学生もいる。またフィンランド・スウェ語とスウェーデン・スウェ語の違いについても簡単に説明がある。発音、アクセントに違いがあって、フィン・スウェ語の方がその点では簡単だそうだ。先生は「自分はオーランドの出身なので、どちらかというとスウェ・スウェ語に近い」と言っていた。今日はここまでで終わり。しかし、だいぶ疲れた。

 その足で大学書籍部に行き、スウェ語の単語集を買う。またフィンランドの現代史についての、大学が出している英語の本があったのでこれも買っておく。前に読んだことのある地理の本は、フィン語版があった。フィン語版の方が安いようだ。それから神学部に行く。今月末のギリシア語のテストのための封筒を書いて提出する。それから図書室でギリシア語を読む。ある程度目処がつくまで集中的にするつもり。

 6時前にヴァンハへ行く。まだ1人しか来ていない。椅子並べなどの準備をする。そのうちに集まって来て、マッティ・ペロも来た。全体での発声から始まる。それが30分間。それから本練習だが、テオに声を掛けられ、発声のレッスンは今年から新しいシステムになり、4人のグループレッスンになる、今からセカンドの分があるが、行けるか、というので行ける、と答える。別室での30分のレッスン。最初に母音の形の調整。「軽く軽く」というのをたくさん言われる。自分は「う」の母音が浅い、と言われる。「日本語にはないだろうから」とも言われるが、歌では少々癖があるのは意識している。意識しているからまた妙になるとも言えるが(^^ ;)。それから「空は白と青」の歌を使って簡単にレッスン。歌詞をきっちり覚えてはいなかったのでちょっと戸惑う。やはり発音について注意される。レッスンが終わってから個人でのレッスンについて尋ねようと思ったが、タイミングを外したのでまた次回に。練習に戻る。新しいものを幾つかやっていた。そのうちにカメラマン?が来て、練習の風景を写真に取っていく。CDのライナーにでも使うのだろうか、と勝手に考える。今日はシベリウスの練習もした。書類がいくつか配られる。また新人練習もあるようだ。せっかくなのでできるだけ参加したい。まだ覚えられてはいないし。また5年間の長期計画表もある。演奏旅行の中には、2002年に日本へのツアーも計画されているようだ。またレコーディング予定もたくさんある。シベリウス2、というのはもう一度レコーディングしなおす、ということだろうか。今日は新人の紹介もある。4人ほどが先週のテストをパスしたようだ。しかし春に入ると、「歓迎ディナー」はないようだ(笑)。休憩の時にはずいぶんお腹が空いていたので、マクドナルドで食べる。フィッシュバーが―にしたが、いまいち味が薄い。休憩の時に、一人が「なんでフィンランドの冬はこんなに寒いんだ―」と嘆いていた(^^ ;)。後半の練習も続きをする。今週末には合宿もあるし、歌うだけなら問題はないが、暗譜になる可能性があるものもあるので復習が欠かせない。

 今日は建物の正面玄関を閉めているそうなので、裏から出る。まだ雪が降っている。ずいぶんな雪だ。電車の時間の隙間になってしまったので、駅で待つ。駅の案内表示板も新しいものに置き変わるようで、工事をしていた。それから電車に乗って帰る。家に帰ると11時だったが、ヒーパッカはいない。その代わり、共同のテーブルの上には自分の名前を書いて冷蔵庫に入れていたチキンカツのパックの残骸がある。いよいよここまで来たか、と思う。直接言うだけ無駄なので、賃貸会社にメールでクレームをつけておく。あちらがどうでるか分からないが、会社に抗議するしかしようがない。また冷蔵庫は使えなくなる。

1/13(水)

 目覚ましで起きる。今朝の気温はマイナス10度とまた冷えこんでいる。雪も積もっている。朝食を済ませてからメール書きなどをする。一通りのことが終わったところで、出かけることにする。外に出ると随分寒い。積もりそうな感じの雪が休みなく降ってきている。電車は雪煙を巻き上げて走ってくる。窓から眺めていると、あちこちで除雪用の機械が動いている。が、追い付かない、という感じである。ヘルシンキもやはり雪。駅前広場には除雪車でかき集められた雪が山のようになってあちこちに積み上げられている。すでに自分の背よりも高いものもいくつもある。トラムやバスは後ろが雪だらけ。しかし、正面ならともかく、なぜ背中がわに雪が積もるのかは謎(笑)。11時くらいでマイナス8度だった。ちょっとお腹が空いているので、少し早いけどお昼にする。大学本館まで歩いていく。さすがにこの時間は空いていて、行列もなし。メニューを見ると「ブロイラー」「カレーソース」というのが目に入ったので、カレーシチューみたいなもんかな、と思っていたらミートボールだった。ちゃんとメニューを読まねば(^^ ;)。食事中に今何時かな、と思って時計を見ようとしたら、ない。そういえば今日は時計をつけた記憶がない。家に忘れてきたようだ。幸い町中にいるので、困ることは特にないが。

 食後は神学部に行き、ギリシア語の勉強。スラソルに行こうかな、という誘惑にもかられるが(笑)、我慢して勉強する。幸い参考になる本が書棚にあったので、分からない時はそれを参照しながら読む。しかし結構難しい。1章分がやっと終わって時計を見たら2時間近くかかっていた。さらに少し読んでから、少し気分転換でFazerに行く。楽譜やCDをちょこちょこと眺める。良さそうだな、と思うものもあるが、あくまで気分転換なので「見るだけ」。CDは日本ではあまり見かけないようなものも結構ある。正教会の音楽というのが多いのは、こちらでは実用性もかねているのかも。30分ほどでまた神学部に戻る。5時過ぎまでかかって読めたのは2章半くらい。これは本格的にやばいかも(^^ ;)。今週末は合宿だし…。ちょっと丁寧に読みすぎているところもあるようなので、もうすこしペースを上げた方がいいかもしれない。お昼が早かったせいでお腹が空いてきた。練習の前に食事することにする。途中のキャロルでハンバーガーセットを食べる。今月のハンバーガーというのがあって、今はガーリックバーガーとか。しかし特にガーリックの感じはしない(^^ ;)。しかし、このハンバーガーのでかいこと。キャロルのものはたいがい大きい。マクドナルドと比べたら、直径で1.5倍以上ありそう。セットではほぼ同じ値段だから、量だけならキャロルがはるかに優っている。しかも味は悪くない、と思う。マクドナルドが割引をけっこうしているのも分かる気がする。コーヒーを頼んだら、角砂糖と牛乳が付いてきた。ここはマクドと違って、客が自分でいれるらしい。牛乳は昔懐かしい三角パックのミニチュア版。これって空気穴がなくても出るのかしらん、と思ったがちゃんと出た(笑)。十分な食事になる。練習場に向かって歩きだすが、町角の時計を見るとまだ20分ほどある。歩いて5分くらいだから、ちょっと早すぎる。ので、通りかかったアカテーミン書店による。セールの広告はあるが、まだ予告のようだ。セール本が載ったパンフレットが置いてある。ここにあるものは事前に予約することができるらしい。これは面白いシステム。あとでざっと見てみたが、とくに興味惹かれるものはなかった。ぐるっと店内を一回りしていつも見るところをチェックしてから出る。今度は10分前。丁度よい。しかし相変わらず雪は止まない。歩道のみならず、車道にも雪が積もっていて、あらゆる道が真っ白になっている。始終車が通る部分でもこうだから、如何に今回の雪が多いかがよく分かる。道の脇のあちこちに雪が積み上げられている。

 練習場に着いて入ろうとすると、ドアに貼り紙がある。今日は別の入り口から入れ、とのこと。工事の関係のようだ。で別のところから入る。ぼつぼつ集まってくる。発声から始める。同じパターンが多くなってきた。大事なのは分かるが、歌い手の方も飽きてきている感じがする。変化というのは大事だなあと思う。椅子に座って、最初は知らない歌をみんなで歌っている。トミも知らないようだ。こういう習慣はよくわからない。それから新しい曲をする。フランスものでダニエル・レズールという作曲家。聞いたことがないが、戦後なので新しいものだ。聖書の雅歌がテキストになっている。割と単純な曲だが、リズムなどでちょっと戸惑う。12声になっているので、音取りでは暇なパートが出てくるのは致し方ない。少し残して休憩。今年前半の予定表が配られる。3月にはシュッツのマタイ受難曲、4、5月にはそれぞれ自前のコンサートがあるようだ。しかしいずれにしても練習回数は少ない。これがこちら流のやり方なのかな、と思う。後半は前の続きと、また別のもの。フィンランドの作曲家でベングト・ヨハンネス。これも雅歌がテキストになっている。これは以前にも歌ったことがあるようだ。同じものを何回もやるのも、こちらの合唱団の特徴といえるかも。まあそうでないとたくさんのコンサートはこなせないだろうが。一通り歌ってから、終わり。

 歩いて駅まで行く。駅の案内表示は少しずつ置き換えられている。2、3日後には全部新しくなりそうだ。電車はもう入っていて、入れるようだ。さすがにこの天気なので、早めに開けているようだ。ティックリラで見たらマイナス10度。今日は一日中この気温だったらしい。

1/14(木)

 気がついて時計を見ると、8時少し前。目覚ましが鳴る前に目覚めたなあ…ぼちぼち起きるか…と思っていたらまた寝てしまって、気がついたら9時半。目覚ましを裏切ってしまった気分(^^ ;)。朝食を食べてメール書き。今朝の気温はマイナス5度ほど。また雪が降っている。用事が済んだらもう10時半。電車で出かけることにする。もう雪もだいぶ厚くなってきた。といっても20cmくらいではあるが。さらさらの雪なので、すぐに靴の中に入ってくる。ヘルシンキもやはり雪。ホームのあちこちにうずたかく雪が積まれている。ホームの端を除雪するので、真ん中には雪が残る。で、ホームの半分だけをみんな歩いていくことになる。うかつに雪の山を越えると、雪がたくさん靴の中に入ってきてしまう。神学部に行って、ギリシア語の勉強をする。朝食が遅かったし、お昼は遅めに取ることにする。

 1時過ぎに食事に行く。大学本館に行くが、ホールにフィンランドの夏期大学の案内が置かれていたのでもらっておく。またいつか機会があれば、これらに参加するのも楽しいかもしれない。今日の昼食は魚のフライだった。紫キャベツは、口の中まで紫になりそう。一緒に寒天?のようなものが入っているのだが、これが何か分からない。ゆっくり食べていたら、2時前になる。スウェ語の授業に行く。途中で本屋によって少し眺める。教室に着いたのは開始5分前。もうほとんど席に着いている。みんな随分まじめだ(^^ ;)。この春学期から来た新しい学生が多いのだろうか。先生もすでに着ていた。教卓にはオープンリールのテープレコーダーという時代物が置いてある。今日はこれでテキストの発音を聞く。先生が名簿と顔を見比べながら確認していく。自分の名前は中国からの女学生と間違えられた。ということは、aで終わる自分の名前を「女性名詞だろう」と推測したようだ。日本語の場合はなるほど、語末の文字から性を判断することはできない。第一、テキストの一番最初には「私の妻は(日本人の)アヤコです」、というのがある。これはoで終わるから、全然知らない人は男性と思うのかもしれない。新しい学生が一人いて、スペインのバスクからだという。「スペインではありません」というのが印象的な言葉である。今日の内容は母音の発音と、簡単な自己紹介の表現。文の発音になると、フランス語のように全体がソフトな発音になってくる。はっきりした音が多いフィン語に慣れてしまった耳には、かえって聞き取りが困難。隣同士の自己紹介などもある。しかし、なぜか非常に学習に困難を覚える。あまりにフィン語に慣れすぎてしまったせいだろうか、英語やフランス語のような前置詞型の言語の感覚が弱くなっているようだ。ついフィン語のような格変化を考えてしまう。しばらくは苦しい時期が続きそうな予感がする(^^ ;)。授業時間は、緊張のせいもあってあっという間に過ぎる。先生に少し質問するが、こういう時でも分からないなりにもフィン語がまず先に出てくる。訓練の賜物か(笑)。しかし語彙が少ないために多くの場合、英語とちゃんぽんになってしまう(^^ ;)。

 授業のあとはまた神学部に戻って、ギリシア語の続きをする。まだ雪が降っている。あちこち出歩きたい誘惑にも駆られるが、じっと我慢で勉強する。区切りがついたところで6時半過ぎだった。今日はこれから大学図書館と公文書館に行く。夜に特別のセミナーなどがあるそうで、本のセールもある、とチラシに書いてあった。まずは図書館に行く。入った左手に本が並べてあった。しかし書誌関係のものが多いので、特に面白そうなものはない。大学図書館所蔵シベリウス関係書目録というのもあったが、買うようなものでもない。大学図書館のペーパーモデルもあった。ここはそれくらい。「フィンランドの本」という英語の解説冊子が無料だったので、それだけもらっておく。今度は公文書館に行く。こちらは入るのは初めて。古い方の正面玄関から入る。中もしっかりした作りで、なかなか見ていて興味深い。石だけでなく、木もあちこちに使われている。レンガ積みの部分もあったりして、不思議な構造の建物である。2階部分が新館の部分とつながっているホールになっている。ここに本のセールがあって、人だかりがしている。大学や研究所などの研究報告書が多い。単行本も幾つかある。人ごみに混じって漁っているうちに、TeachYourselfのスウェーデン語版が見つかった。あとは特にめぼしい物もない。セミナーなども開かれているようで、結構たくさんの人がきている。大学図書館では10時から大学所蔵の中世の写本楽譜からの演奏などもあるそうだが、そんなに遅くまで入られないので、これで帰ることにする。

 駅まで歩いていく。公園の方から入って、間に合うかな、と軽く走っていく。もう動いているような気がする、と思った瞬間に横倒しに転ぶ(^^ ;)。あきらめて不用意に止まろうとしたために滑ったようだ。やれやれ。電車は出ていった。しばらく時間があるので、建物の中に入って待つ。塩つきピーナツを買う。こちらの塩つきは、塩がちょっときつい。案内版はあと一つ交換を残すのみ。しばらくしてきた電車に乗る。コイブキュレでスーパーに寄る。もう8時前なので、さすがに空いている。家に帰って、軽く食事をしてメール書き。小学校時代からの友人からメールがきていた。

1/15(金)

 今日は目覚ましと共に起きる。洗濯をせねばならないので。今日はマイナス2度くらい。だいぶ暖かくなってきた。今回の寒波も終わりのようだ。朝食を食べて、メール書き。それからギリシア語を読む。目処がつくまではこれをする、と決めてもなかなか目処がつかない(^^ ;)。前日まで持ち込みそうな予感がする。今月はもう一つ別のテストもあるし、遊んでいる暇はなさそう(^^ ;)。やはり進みそうで進まない。洗濯の間はひたすら読む。11時半くらいに出かける。まだ雪がちらつく天気。しかし新聞の予報では週末にかけてプラスの気温になるようだ。

 ヘルシンキについて、まずはスラソルへ行く。頼まれている児童合唱の楽譜について調べる。ラウタバーラの「子供のミサ」をチェックしていたが、合唱譜はあるけれどもオケ譜は在庫切れ。店員に聞くと、「注文すればあるはず」ということ。他に女性合唱などで気がついた物を幾つか買う。シート物で、「マッティヒョッキ・合唱シリーズ」というのがあった(笑)。70年代くらいの編曲ものが幾つかある。結構たくさんありそうな雰囲気だ。価格はランク別の価格システムになっているので、楽譜にランクの数字が書いてあるはずだが、書いてない物も多くて実際に買ってみないと値段が分からないことが多い。また新しいもの(2〜3年?)は税が22%、それ以前の物は8%になるらしい。これは本屋でも同じようだ。書籍なども幾つかあるが、高くなるのでまたいずれ。ここで楽譜を見ていると飽きない。入り口でいくつかパンフレットをもらう。夏に向けて、合唱関係のセミナーやコンクールなどのものがたくさんある。ブザンソン指揮者コンクールの案内まであった。

 歩いて大学へ向かう。アレクサンテリン通りを歩いていると、YLのエサとすれ違う。昼休みのようだ。もうすでに1時半である。Fazerに寄って、先ほどのラウタバーラの在庫がないか尋ねる。ここにもなくて、注文できるが、というのでそうしておく。火曜日には来る、とのこと。それから大学本館で食事をする。今日は豚カツ。今日のはいつもより小さいが、その分厚さがある。食べながらブザンソンの案内を見ていたら、過去の優勝者、ということで小澤征爾と佐渡裕が写真に載っていた。食後は神学部に行き、またギリシア語の続き。これをひたすら続ける。途中眠くなったので少し昼寝。またコーヒーを飲んで休憩。しかし思ったよりも進めなかった。

 6時過ぎに出かける。もう街路の雪はだいぶ溶けてきた。アンティラに寄り、シーツを買う。合宿に「自分のシーツをもってこい」と書いてあったので、安い物を買っておく。まあこれは後々も使える物であるからいい。それからまだ少し時間があるので、駅地下でパンを買って、トラムに乗る。トラムの中で卵パイ?を食べる。オペラ座に来るのは今月3回目。今日はありウス・サリネンの「クレルヴォ」である。フィンランドの作曲家のオペラを見るのはこれが初めてになる。2階バルコニーの右側。そういえば、なぜか左側の席は取ったことがない。今日の入りは半分強といったところか。バルコニーの両サイドはほとんどがらがらである。現代ものであるが、そう難解でもなく、映画音楽のような雰囲気さえある。1幕末の緊張感は素晴らしい物があった。ここで終わってもいいくらい(笑)。フィン語の作品なので英語の字幕がついている。しかし眼が悪くなったのか、ちょっとよく見えない。オペラグラスを使って読んだりする。まあ大体の内容は分かった。休憩時間は、一番にコーヒーを頼むことができた。それを飲んでから、ぶらぶらと散歩する。海側の1階部分は行ったことがなかった。レストランなどがある。客席の断面模型なども置いてあった。もっと目立つところに置けばいいのに(笑)。早めに席に戻って待つ。正面の席も結構空いているので、移動する客も。ドアマンも「こっちへどうぞ」と勧めていた(^^ ;)。後半はわりとシンプルな舞台。ポップス調の歌もあって、なかなか変わっている。最後は一人だけになって、舞台から消える、というもので、「ピーターグライムス」とちょっと似ているかな、と思った。カーテンコールで何度もブラボーが出る。終演は10時過ぎ。急いで停留所に向かったら丁度トラムが来た。ソコスの前から地下を走る。オペラ座から10分ほどで電車に乗れた。これで帰る。見るのに眼をかなり使ったせいか、ちょっと頭が痛い。家に帰って、シャワーを浴びる。明日の朝は早いが、日記だけ書いて寝る。

1/16(土)

 6時半過ぎに目覚める。目覚ましよりも早く起きた。昨日が遅くて、麻生切られるかどうか心配だったためか、今朝は眠りが随分浅かった。3時頃にいったん目覚めた後は、1時間半おきくらいに何回も目が覚めた。おかげでいまいち疲れがとれていない。ともあれ、軽く食事をして出かける準備をする。朝食が出るので、たくさん食べておく必要はない。7時半前の電車に乗る。まだ夜明けには遠く、暗い。こういう時間に出かけるのはYL関係くらいだ(^^ ;)。幸い気温はわりと高いようで、0度前後。ヘルシンキについてからVANHAに向かう。10分ほど前に着いたが、もうすでにバスは来ていた。いつものように一番前に陣取る。同じ時期に入団したヤリが隣に座る。今日行くところはどの辺か、と聞くが、知らない、とのこと。後で確かめたら、ヘルシンキから西へ60kmほどのロホヤという町の郊外であった。ともあれこのときは分からないので、バスの行く先を眺めている。8時に出発して、9時過ぎに着いた。曇っているので薄暗さが残る。

 着いたところは、郊外の公民館、といった感じの建物。後で分かったところによると、これは学校であるとのこと。寄宿舎も付いていて、少し遠くの生徒がここに住みながら勉強する、というところのようだ。その寄宿舎に泊まることになる。名簿に名前を書いて部屋の鍵をもらう。二人部屋だが、ヤリが一緒の部屋にしよう、といってくれるのでそれに従っておく。部屋は6畳弱といったところか。二人で暮らすには狭いように思う。机やベッドは整理されているが、壁や棚は普段の通り、というところ。週末は実家に帰っているのだろう。あるいは、こういう機会のときには半ば強制的にかえらされるのかも(^^ ;)。机が一つにベッドが二つ。なるほどシーツを持ってこい、といったわけが分かった。プログラムは、まず朝食。食堂は大きい。ハム・胡瓜・チーズなどとパンが並んでいる。これを取って食べる。こちらのやり方にしたがって、パンに乗せて食べることにする。なかなかおいしい。食事を済ませてからホールに椅子を並べる。体操・発声をして、まず2月の演奏旅行のプログラムから練習する。この部屋は体育館のような感じでステージも付いているところだが、よく響くので歌いやすい。今日は新しい方式を取り入れ、テナーは別室に行ってエサが音取りを、バスはホールでマッティがする、という形にする。それから合わせる、というやり方。まあ音取りの効率は良くなる。テナーが移動するのは、小さいながらも階段形の講義室。ピアノがあるので、それを使って練習する。しかし音取りだけの練習なんてくだらん、というのが大部分のYLのメンバーの考えだから、練習をつけるほうは大変である(^^ ;)。パート練習とアンサンブルを繰り返したところで、1時に昼食。先陣争いはどこの国でも同じである(笑)。お昼はなかなか豪華で、野菜の刻みや鮭、鰊のほかに焼き豚もある。自家製ビールもあったのでこれを飲む。たしかに酔うほどではない。食事もおいしい。食事の回数が多いので、1回の量は控えめにしておく。デザートに、ホットケーキにベリーを埋め込んだものもあって、これも美味しかった。

 45分の昼食時間の後は、再び練習。ここで一通りの2月のプログラムは歌い終わる。4時半に夕食。今度はマカロニであった。デザートには、生クリームがある。チョコレート色だが、何かよく分からない。聞いてみると、アプリコットが入っているそうだ。しかしみんなが「お腹が空いた」といって食べに行くのは信じられない。3時間おきに食事があることになる。歌って食べてまた歌って、というところだ。45分の休みで、さらに練習が続く。ここからは、3月の演奏旅行に向けたパルムグレン。てっきり2月の分だけだと思っていたので、パルムグレンの楽譜は持ってこなかった。見せてもらいながら歌う。6時半になると、トゥルクで仕事があるということで16人が抜ける。夕食の後で帰った人もけっこういるようで、気が付いたら全部で20人くらいになっている。セカンドは4人、トップも4人くらい。さすがにマッティも困ったようで、そのうちに以前1、2集で歌ったものを取り上げたりする。7時で練習は終わり。ここでビールが一人3本ずつ支給される。続いて、サウナとサハリュアという室内ホッケーの時間。どんなものなのかと、まず後者を見ることにする。ホールの椅子を片付ける。しばらくみんなどこかに行っていたようだが、そのうちにホールに何人か集まってくる。体育館での運動靴とTシャツ、という出で立ちでみんな準備してきている。参加したのは10人ほどで、テナー対バスで4人ずつ出て、1人は交代要因になる。ゲームそのものは簡単で、ホッケーである。玉はプラスチックのもの。ただしチャージなどの危険行為は禁止、というもの。しかしこういうものは熱くなるのが常で、一時けんかになりそうになった(^^ ;)。最初見ていてから、自分も交代で参加する。難しくはないが、基本的に走り回るのでやり続けるとかなりしんどい。普段運動をしないからなおさらである。時々休みを入れながら全部で1時間弱ほどゲームが続いたが、くたくたになってしまった。それからサウナに行く。ここのサウナは別棟にあって、本館からは歩いていく。いくら走り回った後とはいえ、さすがに雪がちらつく中を歩くのは寒い。坂も途中にあって、溶けかけた雪で滑って危ない。すでに何人もサウナにはいっていた。マッティもいて、いろいろ話をしているようだ。サウナはわりと広い。どんどん水をかけるので、かなり熱い。そのうちに汗が吹き出てくる。体を冷やすのに、外に出てみる。雪がちらついていても、サウナであったまったので全く寒くない。なるほど、これが冬のサウナの楽しみ方か、という感じ(笑)。しかししばらくすると冷えてくるので、またサウナに戻る。サウナの中でも外でも話声が堪えない。こう見ると、少なくともYLのメンバーは話をよくすると思う。2回入ってから、服を着てサウナを出る。体が軽い…が、明日は筋肉痛になりそうな予感(^^ ;)。

 21時前に食堂に行くと、すでに夜食の用意ができていた。人参の千切りとツナのピラフ。ビールを飲みながら、少し食べる。本来はここで会議があるはずだが、仕事でいない人が多いので明日の朝に回された。ので、雑談の時間になる。ビールを飲みながらあちこちで話をしている。マッティの話に耳をそばだてるが、よく分からないところが多いのは残念。会話に加わる、というのにはまだまだ力が足らない。分かるところだけ聞いている。11時半までいるが、さすがに眠くなってきたので、部屋に戻る。ヤリはリキュールのポケットボトルを持っていて、「まあ試して見なさい」というので少し分けてもらう。さすがにリキュールはきついので、あまり飲むと明日残る可能性があるのでたくさんは飲まない。ベッドに寝ながら、ヤリと雑談をする。こういう形の会話ならまあなんとかできる、といったところか。そのうちに、寝る。

1/17(日)

 朝に目が覚める。何時くらいかな、と思っていると、ヤリの携帯が鳴る。昨日、目覚まし代わりに8時に鳴るようにしておいたものだ。8時半から朝食とあるので、このくらいでちょうどいい。しかしヤリは「こんな時間にはまだ誰も起きないよ」といってまた寝てしまう。あまり遅くまで寝ているとのどにも良くないので、起きて顔を洗う。まだ時間があるので、少し外を歩いてみる。大分明るいが、曇っている。わりと暖かい。道の雪は半分溶けているので、かえって滑る。これではあまり遠くにもいけないので、直に戻る。そのうち朝食の準備もできた。一番乗り。マッティももう来ている。朝食は昨日と同じものだが、ゆで玉子がなかった。幹事長のミッコがそれで嘆いていた(笑)。パンに乗せて食べるのは、慣れてしまえばこのほうが食べやすい。そういえばフィンランドのパンはわりとサイズが小さい。これはトーストにするためではなく、具を乗せるためであろう。食事は食べ出すといくらでも食べられそうだが、食べ過ぎに注意してちょっと我慢しておく。食後にまたホールに椅子を並べる。

 最初はまず、昨日から持ち越していた長期計画の説明がある。5年先のものまでが視野に入っている。国内外の演奏旅行、レコーディングの予定など。幹事長が司会になり、いくつかはマッティからも説明がある。しばらくは、タンゴをたくさんやるようだ。こう見ると、実にたくさんの予定をこなしているなあ、というのが良く分かる。それが終わってから、体操・発声。10時半過ぎになっていた。午前中は3月のパルムグレンを練習する。一度またパートに分かれて音取り。アンサンブルがあって、12時には昼食になる。部屋の片付けと荷物出しもこの時にする。昼食にはメインが肉の煮込み。大体どんなものがこういう場所で出てくるか、一般的なメニューであるか分かってきた。肉の煮込みも良く出てくるもの。デザートに桜桃のフルーツポンチもあった。ここの食事はずいぶん豪華だ。いつのまにか晴れてきて、いい天気になってきている。昨日は気づかなかったが、建物の裏手に湖がある。去年はそこに穴を開けて泳いだとか(笑)。1時間と少し長い休み。太陽が時々顔を出すので、外に出て日に当たる。

 午後の練習は、ふたたび2月のプログラムに戻る。パルムグレンやタンゴなど。最後にシベリウスをする。で3時半に全ての練習は終わり。出発前に、コーヒーの時間がある。ムンッキもある。ムンッキは日本では普通のパンと同じような扱いを受けるようなものであるが、これはおやつらしい。パンの上には少し砂糖なども乗っているが、基本的にパンなのでけっこう食べにくい。こういうのを喜んで食べるというのも良く分からない。バスはすでに来ているので、4時前に出発。来たときと同じ道を帰る。5時くらいにVANHAまで戻ってくる。それから何人かで手分けして、ビールの空瓶を駅地下のスーパーにもっていく。これも貴重な資産らしい(笑)。自分はついでにここで食べ物を買っていく。それから電車に乗って帰る。家に帰ってきたのは6時くらいだった。

 シャワーを浴びて、そばを食べる。だんだん太股や背中が痛くなってきた。これは昨日の後遺症か(^^ ;)。ちょっと疲れて頭も痛いので、メール書きと、日記書きをしてから早めに寝る。

1/18(月)

 昨日の晩は寒気がしてよく眠れなかった。途中で起きて、暖房を最大にし、また合宿で使ったシーツを掛け布団代わりにする。意外なところでこれが役に立った。朝目が覚めると、身体中が痛い。これは運動のせいだ。しかし、頭が重いのはそれだけではなさそう。のども痛いし、どうも風邪を引いたらしい。ともあれ朝食を食べてから風邪薬を飲む。今まで平気だったが、疲れたからだろうか。どこでもらってきたのかが定かではない。ともあれ余りたいしたこともないし、今日はフィン語の最初のクラスなので大学に行かねばならない。9時過ぎの電車で出かける。今日は暖かい。よって、足元は悪い(^^ ;)。こういう日にこそ、冬用の靴が必要だと思う。ヘルシンキに着いたら、もう雪はほとんど見えない。まず図書館に行って本を返し、大学本館に行く。フィン語の教室がどこか分かっていないので、いったん5階まで行って掲示板を見る。旧館の方の教室だったので、いったん外に出てウニオニン通りから入る。教室は3階にあった。丁度、大聖堂や向い側の市役所が見える。トイレに行こうと思って探すが、この階にはないらしい。こちら側の入り口には案内板がないのでちょっと不便。結局1階にあるのを見つける。多分他にもあるのだろうが。ちょうど中庭に出られる扉もある。また、「静粛室」というのもあって、ドアに予約表が貼ってある。祈りの会などに使えるらしい。教室に戻って先生が来るのを待つ。ざっと見ると、15人くらいいる。このくらいまでなら許容範囲だと思うが、どうなるか。しかし先生はなかなか来ない。結局10時半過ぎになってやっと現れた。ちょっとごつい人(^^ ;)。フィン語の先生はみんな女性である。遅れて申し訳ない、というのと、今日は事務的的な手続きをする、ということである。今週はレベルテストで、授業は来週から始まるとのこと。それから個人別に簡単な調査表が配られる。以前のフィン語の学習歴など。これに記入して、先生と一人ずつ相談する。いろいろ話している人も多い。自分の時は割と簡単で、レベルテストは受けなくていい、ただし人数の関係でまだ場所があるかは分からない、ということ。来週の月曜日に分かるとのことである。今日はこれでおしまい。11時。

 まだ昼食にも早いので、神学部に行ってギリシア語を勉強する。昼食は大学本館に早めに行ってみたが、すでに行列が出来ていたので、メッツェタロまで歩く。帽子がなくてもそう寒くはない天気。ただし曇り。昼食は鶏肉のシチュー。カレー風味である。体調も良くないし、少し控え目にしておく。それからまた神学部に戻って、続きを勉強する。易しいところはどんどん進めるが、難しいところになるとずいぶん時間がかかってしまう。そのうちすこし頭が痛くなってくるので、帰ることにする。3時前。スオマライネンで少し本を眺めてからアンティラによる。ストールか何かがあればいいなあと思ったが、それらしきものが見つからない。とりあえず、くたびれてしまった靴の中敷の新しいのを買う。それから駅に行き、電車に乗って帰る。駅の構内は外とそのままつながっているから、ホームを車が走っていたりする。ちなみに荷物運び用の小さなトラックは電気自動車だ。コイブキュレでスーパーに寄って帰る。

 家ではまずラテン語に取り組む。しかし家の方がほっとするのか、あるいは今日の疲れが出てきたのか、だんだん熱が出てきたようだ。長い間座っているのがしんどいので、ベットに横になったり、また起きて勉強したり、を繰り返す。丁度寝ている時にあきちゃんから電話がかかってきた。さすがに弱っている時には、こういう電話は嬉しい。寝たり起きたりして、なんとかラテン語の訳は完成させる。ビールを飲んで汗を出したら、少し楽になった。しかし無理は禁物。

1/19(火)

 朝目覚めると、のどは少し痛いが、熱はない。昨日汗を出したのが幸いしたようだ。今日は気温も高く、プラス2度くらいである。洗濯物を洗濯機に放り込んでから食事。今朝の朝食は、昨日買ってきたハムを使って簡単な「オープンサンド」にしてみる。ハムは、冷蔵庫が使えないので二重窓に保存。パンを切ってマーガリンを塗り、チーズとハムを挟むだけだが、家で食べてみるとまたなんとなく新鮮な感じ(笑)。しかし以前よりは朝食の量が減ったように思う。まあお昼までには丁度いいくらいなのだが。洗濯物を乾燥機に移そうとしたら、前日のものがまだ置いてある。マットがかけてあった。予約表を見ると昨日丸一日取ってあるが、それでもまだ湿っている。こういうものは外で干せないのは大変であろう。しかし今日の予約は入っていないので、自分の権利を主張して先客を外に出し、自分のものを干す。その間はギリシア語。そのうち玄関でごそごそする音がする。どうもポストに郵便物を入れようとしているようだが、大きくてうまく入らないらしい。出ていって扉を開け、郵便を受け取る。自分宛が2通。何れも同じ友人からのもの。大きい方のは会社の封筒になっている(笑)。封筒に切り込みが入っているが、しかし内容物は袋に入っているので確認することができないので、意味がなさそう(^^ ;)。開けてみると、旅行用の乾燥食品などが入っていた。「雑炊」「野沢菜」「きな粉餅」といった、こんなものもあるのかあ、という意外なものが入っている。なかなか考えてくれたようだ。「非常用の羊羹」というのも入っていたが、どこから手に入れてきたのかしらん(^^ ;)。ともあれ、感謝。

 12時過ぎに出かける。外は生暖かい感じ。道の氷は半分溶けていて滑る滑る。砂利が撒かれていないところは歩けない。ヘルシンキについてから、まず郵便局へ。楽譜を送るための封筒と、切手を幾つか買う。先週の金曜日に出たF1のミカ・ハッキネンの記念切手もあったので、これも買っておく。イラストだが、デザインはもうひとつという感じ。ちょっと安っぽい。しかしサイズが大きい。前に並んでいて、この切手を買って封筒に貼っていた女性は「これは大きいなあ」と苦笑していた。それからアテネウムまで行って、ここのポストに葉書を投函する。今日は火曜日なので、収集があるはず。つづいてFazerへ。楽譜が届いているかどうか尋ねるが、まだとのこと。どこかに電話して確認してくれる。注文は届いているが、店に持ってくるのはある程度まとまった量になってから、ということでまだ来ていないらしい。で、明日になるか明後日になるかもはっきりしない、という。Fazerの本社はエスポーだから車でもすぐなのだが、この辺会社本位なのは日本と違うところである。客の都合は後回しというか。入荷したら電話もできるが、というが店が開いている時間に家に居ることも少ないのであまり意味がない。毎日寄ってみることにする。そのうちに顔を覚えられそうだ(笑)。それから食事に行く。大学本館に行くが、1時過ぎにもかかわらず行列が出来ている。いったんひるむが、今日はなんとなく他に行くのが面倒なので、中に入って中に出来ているもう一つの行列を見てみると、こちらは比較的短い。こっちにつくことにする。入り口が二つあるので、ならび口も2つあるというわけだが、こちらのほうが比較的短いことが多い。今日は豚カツがあったが、なんとなくそこまで食べたくもない。今日はスープにしておく。ジャガイモとニンジンの入ったクリームスープ。こちらのスープは基本的に具だくさんである。しかし水分が多いので、けっこうお腹が膨れた。蛋白質がなかったが。家から持ってきた風邪薬を飲んでおく。

 食事が済むともうスウェ語まで30分強。本屋にでも寄るか、とも思うが、気を取り直して神学部に行き、またギリシア語を少し読む。それからヴオリ通りのスウェ語の教室へ。今日もまた新しい学生が2人来ている。今週から多くの授業が始まるわけだから、まあ無理もないか。しかし教室は一杯の感がある。今日は数字などを学んだ。しかし教科書付属のテープと先生の話すのとでは発音が違うところがちょこちょこあるのでちょっと困る。先生の勧めた単語集に書いてある発音記号と、先生が書く発音記号も違うのでまた困る。これらはスウェ・スウェ語とフィン・スウェ語の違いだと思うが。本の方にある発音記号には、英語にないものも多い。子音に長く延ばす記号が記号がつくのも意外。二重子音、ということか。しかし発音に関して思ったことは、フィンランドの作曲家がスウェーデン語の詩につけた曲を歌う時は、スウェ・スウェ語なのかフィン・スウェ語なのか。そのスウェ語の詞がフィン人によるものか、スウェ人によるものかによっても異なるのだろう。考えるとわけが分からなくなりそうな問題である(笑)。いまのところスウェ語にはあまり熱心ではないので、授業を追っかけている状態。2月に入ったらもうちょっと真剣にやろう。授業が終わってから、また神学部に戻ってギリシア語を読む。今日の練習に行くかどうかは体調を考えて、と思っていたが、少々のどが痛いのを除けば特に問題はなさそうだ。無理に声を出さないことにして練習に行くことに決める。しかしお昼がスープだったせいか、6時前にはずいぶんお腹が空いてきた。空腹が長く続くと体調を崩すもとになるので、途中でハンバーガーを買って食べる。キャロルのものはやはり大きい。

 練習はいつものように発声から始まる。声だしが終わってから少し間があるので、マッティ・ペロに個人レッスンについて少し聞いて見ようとしたが、今日はあまり時間がないから、また今度に、ということだった。あちこち仕事に行っているようだ。本練習は、2月のプログラム。前半はパルムグレン、後半はその他のものを歌う。まだ1ヶ月も練習していないが、一通り形になっているのはさすがYLというべきか。タンゴやアンコールは多分暗譜になるだろうし、と思って頑張って覚えようとするが、なかなか。逆に覚えなくてもいいパルムグレンの方が先に頭に入ってしまうのが皮肉(^^ ;)。それだけ何回も歌っているからだろうが。マッティもパルムグレンに関しては慎重に、丁寧に曲をつくっている。休憩時間は今日はどこにも行かず、並んだ椅子に横になっていた。10時前まで練習が続く。シベリウスは、ほぼ覚えられたようだ。

 今日も表のドアが締まっているので、裏から出る。小雨もようになっていた。駅まで行ってマッカラを食べ、電車に乗る。家に帰ってきたのは11時くらい。メール書きを少ししてから、寝る。

1/20(水)

 目覚ましが鳴る前に目覚める。何時くらいかなあ、とぼんやり考えていると、ヒーパッカが起きたようで、朝からわめいている。昨日の晩もずいぶん派手にわめいていたが、元気なことである(^^ ;)。しばらくすると自分の目覚ましが鳴るが、まだ寝ていても良さそうなのでもうちょっとうとうとしている。そのうちにヒーパッカは出かけていった。多分、朝早い授業があるのだろう。少ししてからこちらも起き出す。7時半で、もちろん暗い。慣れたというか、本当にもう飽き飽きしてきた。しかしこればかりは何ともならない。今日の日の出は9時。ここの所暖かい日が続いているので、それだけでもましというべきか。食事をしてから、メール書きなどをする。それから出かけることにする。家の周りの氷は完全に溶けていないので、上を歩くとすごく滑る。しかし日向にあたるところ(日はこのところ差していないが(^^ ;))は結構溶けてきている。電車に乗ってヘルシンキへ。神学部に行って、ギリシア語を勉強。これだけ集中的に勉強するのもひさびさ。テストという目標が定まっているので嫌でもしなくはならないのだが(^^ ;)。

 11時半に食事に行く。今日も大学本館にしておくが、少し行列。中のもう一つの列は割と短かった。しかし食べている時に見たら、こちらも長い列が出来ていた。今日は、牛の赤ワイン煮。なんとなく豪華な感じ(笑)。まあビーフシチューなのだが。丁度これから混んでくる時間でもあるし、ひっきりなしに人が歩くのでいまいち落ち着かないのはここの欠点。食事を済ませて早々にまた神学部に戻る。途中眠くなりながらも頑張ったので、1コリント書は読み終えることができた。しかし、まだローマ書が残っている。あと1週間ほど。時間的には大丈夫そうだが、本文がどれだけ難しいかにもかかっている。もう一つのテストも木曜日にあるし、これからが大変だ。続いてローマ書を読み始める。少しスピードを重視して読むことにする。授業が始まったこともあって、神学部の中にも学生が増えてきた。しかしこの建物で1000人近くの学生が学んでいるというのも信じ難い(^^ ;)。講義室は大学本館やポルタニアを使っているようだ。

 5時過ぎに勉強を終える。Fazerに行くと、たまたまCDのコーナーに「セール」の札があったのでそれを見る。たいした物はなかった。見ていると、たまたま通りかかった楽譜の方のレジの担当者が「もし、今日届きましたよ」と声を掛けてくる。ありがたいので、そのまま取りに行く。帰りがけに楽器の部分を通るが、指揮棒が幾つか置いてあるのに気がつく。日本でもたまに見掛けるようなものだが、試しに持ってみるとバランスが実にいい。いったん置いて帰りかけるが、セールで少し安いことでもあるし、買っておくか、と思い直してまた戻る。今度は丁寧に吟味。見ると安い方が台湾製、少し高い方がインド製であった。後者の方が全体的に軽いが、ほとんど加工なしだし、反りが気になる。前者はやや重め。しかし白塗りのために反りは少ない。いろいろ考え、結局前者を買う。80FIMが2割引だったので1500円弱と、日本で買うのと同じくらいだった。しかし、こちらの合唱団で指揮棒を使っているのは滅多に見たことがない(^^ ;)。今日もずいぶんお腹が空いたので、またキャロルでハンバーガーセットを食べる。食べながら「100」に載っているパズルをする。これは出来た(^^ )。「100」はいつもあとで調べて読もう、と思って持って帰るが、家で読んだためしがない(^^ ;)。

 EOLの練習に行く。表玄関はまだ工事中なので、裏側から入る。今日は5時から新入団員のオーディションがあったようで、新しい顔が二人ほどいた。入っていった時にはすでに発声が始まっていた。カリが時々やる、座ってからだのあちこちを意識しながら、息を入れてからだを広げていく、というもの。それから声を出していく。「軽く軽く」はこちらでも同じかけ声。練習では、3月末に歌うシュッツのマタイ受難曲の楽譜をもらう。このなかからいくつか歌っていく。特に難しいものではないが、表現のためにはいろいろ磨かなければならないところがありそうだ。休憩のあと、後半は前回のレズュールの復習。覚えているようでどうも自信がない(^^ ;)。のどの調子も悪いし、控え目にしておく。9時前で練習は終わり。駅まで歩いて、電車に乗って帰る。途中の、スウェーデン劇場の向かいくらいにおおきなジャッファの広告塔が出来ていた。もともとある広告式の回転塔にかぶせているらしい。なかなか人目を引く。少し時間があったので、駅地下のスーパーで買い物をしていく。鞄にいれようとしたら、ヨーグルトのパックが少しだけ切れてしまった。水平になるように注意して持っていく。家に帰ってきたのは10時すぎ。メールを読んで、日記を書く。


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