1/21(木)

 電話で起こされる。7時過ぎ。親からの電話だった。「風邪を引いたそうだが大丈夫か」とのこと。妻から話が回ったらしい。もう治ったし、全く平気だ、と答える。遠い国にいる子供が病気になったと聞いたら心配するに決まっている。少し眠いので、もう少し寝る。起きたら9時だった。ちょっと寝過ぎた(^^ ;)。今日はお昼を早めに食べたいので、朝食は少しにしておく。バナナとヨーグルト。出かける準備などしていると郵便が届く。あきちゃんからの手紙が来ていた。月曜に投函したものだから、実に4日で届いたことになる。しかもここのところこちらの配達の時間は10時くらいと早いから、さらに驚き。こちらへ運ぶ飛行機のスケジュールの関係かしらん。あきちゃんからは新聞の切り抜きや年賀状のコピーとともに、先日の旅行の写真の一部も送られてきた。暗いところのものも結構奇麗に写っている。しかし、自分の写真写りが悪いのはあいかわらずである(^^ ;)。写真を見ていると、なんとなく家に帰りたくなってくる。ホームシックの第2期?かしらん。ともあれ出かけることにする。

 今日は珍しく霧がかかっている。しかも結構濃い。電車から見ていたら、1キロ先は全く見えない。ヘルシンキの近郊では、電車からオペラハウスやカイサニエミの対岸が全く見えない状態。まずは郵便局へ。妻宛に楽譜を送る。量ってみたら、500と501gのあいだをうろうろしている。500gが区切りなので、どうなるかな、と窓口に出したら、係員は秤に乗せてちょっと考え、500gの料金で済んだ。それからトラムに乗って大学へ向かう。ソコスの前の回転広告塔もやはりジャッファの瓶になっている。11時くらいになっていたので、早めの昼食。食堂はやはり空いている。今日は鳥のミートボールのほかは野菜ものばかり。まあたまにはいいか、と温野菜を取る。おいしいけれども、野菜だけではいまいちもの足らなさも残る。食後は神学部に行ってギリシア語の勉強。

 今日は1時からサマリア研究があるので、ひさびさにアジア・アフリカ学部へ。ここの掲示板を眺めていたら、けっこう変更になった授業もあるようだ。春季は特にこれといって興味をひくものもない。そのうちにいつのまにか先生が来ていた。最初に、教え子から本が届いた、といって日本語のヘブライ語入門の本を紹介する。たしか去年にでて、日本で見た記憶がある本だ。著者がこの先生の教え子とは、また世界は狭い(笑)。「『いまやっているクラスに日本人がいるから、彼にあげたい』といったんだが、『それは高い本だから、日本で買ってください』といわれたので残念ながらあげられないのだが」とのこと(^^ ;)。あとで見せてもらうことにする。最初に、コンピューターで作られたサマリア聖書を見せてもらう。なるほど、これなら見やすい。しかし他の写本と同じく、本文以外のことは一切書いていないシンプルな本。今日は、質問の時間として取ってあるということで、学生からいくつか質問が出る。はっきりわからないこともまだまだ多いようだ。2000年の夏にはヘルシンキでサマリア研究の国際会議も開かれるということで、先生も楽しみにしているらしい。最後にいくつか補足の説明があって、授業はおしまい。あとはテストである。授業のあとで先程の本と、著者からの手紙などを見せてもらう。著者はサマリア文字も研究しているようで、自筆のサマリア文字の手紙がサマリアの雑誌に載ったもののコピーも見せてもらう。サマリア文字で「日本」と書いてあるのを見るとなんとも不思議な気分(笑)。「2、3週間借してあげるから読みなさい」ということなので、借りておく。またテストは例の封筒を使うのか、ときいたら、個人的に実施するものだからいらない、ということだった。ギリシア語の時間にもあった、言語センターからの英語での授業に関するアンケートも配られる。できたら書いておいてくれ、ということ。

 今日はスウェ語もダブってある日なのだが、いまからだと途中になるので今日は止め。相変わらず霧は晴れない。大聖堂の足元に立っても、屋根の十字架がかすんでいる、という状態。また神学部に戻り、コピーを少しとる。それからコンピューターセンターで、春学期の授業について少し調べて印刷する。調べるだけならあちこちにある端末からできるが、印刷するとなるとそうたくさんの場所はない。それから歩いて駅へ行く。丁度いいくらいの電車に乗って帰る。コイブキュレで食品を買い、家に帰るともう4時半。再びギリシア語の勉強を始める。6時くらいにシャワーを浴びて食事。今日はひさびさにピザを食べる。ブドウも買ってきたので、適当につまむ。種なし。7時過ぎにあきちゃんから電話がかかってくる。「今日はもうメールがかけないから…」ということだった。あまり電話が多くなると帰る時のお土産に回すお金がなくなるよ、と脅しておく(笑)。

1/22(金)

 目覚ましで起きると7時。少し眠いがもう起きる。今日も暖かそうだ。暖房が強いままだと部屋が暑くなりすぎる。食事を済ませ、メール書き。なんだかんだとメールを書いている時間は1日の内で結構な割合を占めているような気もする。ラジオによると、今日の日の出は9時前だった。これから急速に日が長くなってくるのだろう。ギリシア語を読む。郵便が来て、論文のコピーが届いたという知らせが来た。11時の電車で出かけることにする。あいかわらず曇り。しかし気温は高い。新聞にも、氷が溶けて海の水位が上がっている、という記事がある。ヘルシンキについてから、今日はオペラ座で切符を買うつもりだからパシラで降りよう、と考えていたことを思い出す(^^ ;)。トラムに乗ってオペラ座まで行く。ここのチケット売り場で、今年の分の切符をまとめて買うことにする。2月以降のものなので、一部売り切れもあったもののすべて確保できた。3階の安い席ばかり。それでも8回分なので、結構な額になる。カレンダーで見ると、毎週のようにオペラに行くことになりそうだ(^^ ;)。2月から4月末まで、オペラないし合唱の演奏会または合宿が毎週ある、というなんともハードなスケジュールになっている(笑)。しかしこちらにいる時だけの贅沢?である。トラムから見えていた、オペラ座の近くの古本屋に寄ってみる。あまりたくさんはないが、それでも女声合唱の小さな合唱ノートがあったので買っておく。お手製の表紙がついていて、大事にされていたようだ。

 もう12時になってしまった。今から大学の食堂に行くと混んでいるのは見えている。こういう時には、Domusに行くのがいい。テーレ広場の停留所まで歩いて、8番のトラムに乗る。食堂はやはり空いていた。たくさんメニューがあったが、魚があったのでそれにする。白身魚のトマトソース煮、だったが、いまいち水っぽくてあまりおいしくなかった。たべながら「100」を読んでいたら、漫画が以前見たものと同じであることに気づく。こういう使いまわしはわりとよくあるようだ。食事をしてお腹が膨れると、勉強をしたくなくなるのはよろしくない(^^ ;)。とにかく町の中心へ向かうことにするが、丁度目の前をトラムが走っていってしまうので、歩いていくことにする。バスターミナルの方に向けて歩いていくと、途中に建築関係の本屋があった。ちょっと覗いてみる。アールトなどの建築集などの他に、学校の教科書のようなものや、一般向けの建築雑誌も置いてある。小さな小屋などは自分で建てるお国柄だから、こういうのも盛んなのだろう。フィンランドの有名な建築を絵柄にしたトランプというのも売っていた(笑)。それからすぐ近所にあるパソコン屋も覗く。iMacの新しい色のものも並んでいた。ストロベリー色など、なかなかいい感じ(^^ )。さらに歩いて、バスセンターを抜け、スオマライネンを覗く。かごにセール本が入っている。ここではこういうワゴンセールが時々あって、掘り出し物もよくあるので、丁寧に調べてみる。時間をかけた割には残念ながら特に収穫はなかったが、ハンガリー語のテープつきテキストというのが50FIMになっていた。ハンガリー製のものらしい。発音テープだけでも価値があるので、これだけ買っておく。それから大学へ向かう。神学部で参考書を少しコピーして、コピーが終わった…と思ったら、コピーカードが出てこない。故障したようだ(^^ ;)。司書に聞いたら「月曜日に直してもらう」ということ。それまでコピーカードは機械の中。やれやれ。そういえばフィン語ではカードを機械にいれることも「食べる」というのと同じ動詞を使う。まったくもって「食われた」ままである(^^ ;)。まあ必要な分はコピーした後だったからよかったが。それから神学部を出る。空には青い部分がちらほら見え、光りも差しているようだ。日が差すだけでわくわくする、というのもなかなか味わえない経験である。しかしビル街の中なので、直接に光を浴びることはできない。エスプラナーディとアレクサンテリンの間にある安売り本屋を覗いてみる。特にこれといったものはなし。ここには漫画も売っているが、サイズも大きくて日本のものとはかなり感じが違う。あまり上品な感じではなさそう(^^ ;)。何も買わない。駅へ歩いていくが、この時にはもう光は差しておらず、空はまた曇っていた。駅地下の店ですこし時間潰しをしていたら、カメラを持ったフィン人になにやら話し掛けられる。が、それが何語なのか分からない。「中国語はわかりませんか?」といわれてやっと気がついた(^^ ;)。中国人と思われたようだ。ともあれ、ここで雑誌を読んでいるところを写真に取ってくれないか、という。なぜかはよく分からない(笑)が、ともあれ取ってあげる。電車に乗って帰る。最近の気温と雨のせいで、車窓にも白いものが少なくなってきた。日曜日は冷えこむとの予想だが。

 スーパーに寄ってから帰る。コーヒーを入れ、勉強の続きをする。ヒーパッカがいたが、丁度親らしき人が迎えに来て出ていった。たぶん週末は帰ってこないだろう。しかし、HOASに出したクレームの返事は未だに来ない。困ったものである。7時前にシャワーを浴びて食事にする。今日は日本から持ってきたもらったカレー。温めれば良いご飯つき。久々に日本の味を楽しむことにする。ご飯を温めてパックを開けると、日本のご飯の香り。これよこれ、という感じ(笑)。カレーも久々。おいしく頂くことができた。新聞の切り抜きを読みながら食べる。家族関係の変化に関する記事はなかなか興味深い。こちらで見ていると、とにかく女性が元気、と思う。少なくとも日常接する場面で女性がいない職場というのはまずないくらい。世界最初の婦人参政権の実行があった国だけに、歴史が違う、という感がある。食後はまた勉強する。

1/23(土)

 目覚ましが鳴ったが、まだ眠いので止めてまた寝てしまう。気がついたら9時だった。いかんいかん。今日もいまいち天気はさえない。雲は少し薄いようだが、日が差すところまではいかない。朝食を食べてから、メール書きなど。それから今日は早めに大学に行くことにする。いつも、これも読みたいあれも読みたいと思ってかばんに詰めていくが、結局開かないことが多い。が今日は少し軽めになった。ちょっと寒くなったかな、という気分がする程度の気温。電車に乗って出かける。いったん大学本館のフィン語の事務室の掲示板を見てこよう、とおもって5階までいくが、研究室や事務室などがある廊下へ入る扉に鍵がかかっていて入れない。しかたないので神学部に行き、勉強する。土曜日はがらがら。「しん」としている。司書も暇そう。ぼつぼつと読んでいく。一つの章が割と長いので、なかなか進んだ気がしない。コーヒーを飲んで気分を覚ましながら読んでいく。1時頃に昼食を食べにポルタニアへ行く。大分空が明るい。しかし食堂に行くと長い列が出来ていた。こういうのは嫌いなので、また戻る。Domusに行こうかと思ったが、丁度トラムが出てしまったところだった。どうしようかとしばし考えるが、結局マクドナルドで済ましてしまうことにする。最近の新メニューはメキシコ風のハンバーガーだそうで、チリソースが少しかかっているもの。最初袋を開けたら、なぜか「すき焼き」のような匂いがした(笑)。まあまあの味か。セットになっていたドリンクは、頼むと生のオレンジジュースにもできた。ざっと食べてから、また神学部に戻る。少し読み、週末の分にと参考書をコピーすることにする。昨日コピー機が故障したので1台のみ。先客が2人いる。コピー中の男が、コピーしながらまたページを繰って調べ…とやっているので時間がかかる。もう閉館までそんなに時間がないし、しおりくらいつけておけ!といいたいところだが、じっと待つのがフィンランド流(^^ ;)。自分がコピーしおわったら、結局30分弱くらい待っていたことになった。もう閉館の時間なので、荷物をまとめて出る。

 今日は夜にコンサートを聞きたいので、ヘルシンキに残ることにする。Domusで勉強するつもりだが、とりあえずアカテーミン書店に寄る。今日はフランス語の本の棚をちょっと丁寧に見る。フランス語を忘れかけているのに最近気づいたのがちょっとショックだったので、思い出しも兼ねて。ペーパーバックはわりとたくさん置いてある。主な文学作品はたいがい手に入りそうだ。値段は40-50FIMくらいなので、最近の日本での値段と同じくらいか。なにか一つ読めそうなものが欲しいなあ、と思って、ジッドを買う。しかし1時間弱も本屋にいてしまった。トラムに乗って、Domusへ向かう。幸い、食堂に近い読書室にも空きがあった。また続きを勉強する。しかし、参考書のコピーが家にある部分を読んでいたら、そういう時に限ってやたら分からないところが出てくる(^^ ;)。しばらく考えていたが、これも効率が悪いので、ちょっと飛ばしてさっきコピーした部分を読むことにする。

 6時くらいに食事にしようと思うが、食堂に行くといつものパスタのコーナーが開いていない。今日は休みかしらん。まあそんなにお腹も空いていないし、パンなどでもいいか、と思ってケースを見る。サンドイッチのほかにケーキ類もあるので、これにする。イチゴののったチーズケーキと、バナナ?の薄いケーキ。合わせて9FIMだから結構安い。自家製かしらん。それを持ってお金を払う段階になってから、いつもは昼食がセッティングされているテーブルのところにパスタがあるのに気づいた(^^ ;)。まあいいか。食べながら、さっき買ったジッドを少し読む。チーズケーキは大きいが、最後には飽きた(^^ ;)。今日の演奏会、7時だったか7時半だったか覚えていない。まあこちらのコンサートは早くから入れるし、7時に着くように行くのが無難か、と思って出かける。外に出ると、路面が白い。雪が降ってきている。トラムを乗りついで、ハカニエミへ。歩いてカッリオ教会まで行く。結局着いたのは7時ぎりぎりで、ちょうど合唱団が入場しているところだった。入り口で学生30FIMを払って簡単なプログラムをもらう。聴衆は200人くらいか。プログラムにはちゃんと解説も書いてある。ズッペのレクイエムだが、ヘルシンキ初演だそうだ。そのうちに演奏が始まる。曲は初めて聞くが、全体的にやはりロマン派といった感じか。各曲が「レクイエムスタイル」というか、よくある雰囲気に作られている。モーツアルトに似ているかな、と思ったら、解説にその旨も書いてあった。同じようなモチーフのくり返しが多くて、少し飽きる。ただ、ベネディクトゥスは最後以外がソリスト4人のアンサンブルだけで、オケもつかないというのは珍しい。ホスティアスはバスのソロだが、これだけは自分もレッスンで歌ったことがあるので知っていた。合唱は最初はなかなか上手に聞こえたが、4曲目くらいから早くもテナーが息切れしてきた。見ると、平均年齢も結構高そう。オケもまあまあ。ソリストが4人いる。ソプラノソロはアマチュアだそうだが、かなり上手。休みはなしで、演奏時間はほぼ80分くらいだった。拍手のあと、アンコールがあったのには驚いた(笑)。その場で相談し、ベネディクトゥスの最後の部分だけ歌う。それで演奏会は終わりだった。まだ雪は降っている。歩いてハカニエミまで戻り、地下鉄で駅へ。電車に乗って買えると9時過ぎだった。

1/24(日)

 目覚ましで8時に起きる。もう雪は降っていないが、少し積もったようだ。先に洗濯物を放り込んできてから、食事にする。ハムを食べるのもいいが、パックが大きいからしばらくはどうしてもおなじものばかりを食べなくてはならないので、ちょっと飽きてきた。午前中にはメールを書いて、それからギリシア語。今日中にはある程度めどをつけたい。ひたすら読む。同じ単語で何度も辞書を引きなおすのが悲しい、というより、試験の時にちゃんと思い出せるかという不安が残る。試験までにはとにかく一通り読むだけで精一杯、という感じだ。途中、インターネット上で今使っている参考書を注文する。大学には何故か第2巻しかないが、この次の試験には第1巻に当たるところが必要だ。合本になったものがあるようなので、これを買うことにする。切りのいいところまで読んだら12時を回ってしまった。食事は、昨日があまりいい食事でなかったこともあるし、気分転換を兼ねてヘルシンキまで行くことにする。

 駅までの道は少し雪が積もっている。雪の上だから大丈夫だろう、と思って歩いていると、雪が薄いために氷の上になっている部分ではやはり滑る。油断すると危ない。ちょっと冷えこんでいるように思ったが、温度計ではマイナス7度だった。それほどという気もしないが。日曜日の昼過ぎの電車は、いつも割に混んでいる。電車の中でサマリア文字のアルファベットを復習。しかし、翻字すべきヘブライ語の活字体を一部忘れていることに気づいてショックを受ける(^^ ;)。いつも筆記体で書いているから、自分で書くことが少なかったからだろう。確認しておかねば。ヘルシンキについてからまっすぐトラムに乗り、Domusへ。もう1時を回っているので、行列もない。と思ったが、自分のすぐあとではなぜか一度にたくさんの人がきて、列がしばらく出来ていた。丁度いいタイミングだったようだ。今日は、ベーコンと鳥のクリームシチュー。こういうのもわりと珍しい。どちらかというと、パスタにかけるソースかな、という感じもする。日曜日は学生はみんなここの食堂に集まってくるので、いろんな学生がいる。フィン語以外の言葉もよく交わされている。ともあれ食事を終えて、またトラムに乗ってソコス前まで。今日は寄り道せずに、まっすぐ帰るつもり。しかし食品は買う必要があるので、ソコスの下で買う。ここはデリカやパンのコーナーもあって、なかなか充実している。ハムを見たら、普通の半分のサイズ(80g)のパックがあった。これはありがたい。パンのコーナーで丸ドーナツを売っていたので、5個ほど買う。砂糖がたくさんまぶしてある。時計を気にしながら、レジを済ませて駅へ。ヘルシンキについてから約1時間で、またコイブキュレへ向かう。家に帰ってきたのは3時前。今日は短時間の滞在だった。

 帰ってみると、ヒーパッカももう戻っている。台所を見ると、ゴミが捨ててあり、いままで飲み散らかしていたコップ類がシンクに置いて水を掛けてある。ということは、いちおうHOASからなんらかの指示がいったようだ。しかしコップ類はシンクにいれっぱなしなので、こちらが自分の洗い物をするにはかえって邪魔。結局迷惑になっている(^^ ;)。あとは冷蔵庫だが、とりあえず当たり障りのないものをだましだまし入れてみることにする。まあ改善が見られない場合にはまたなんらかの措置をとってくれるだろう。しかし、メールそのものへの返事はない。再びギリシア語を読む。もう1週間近くこればかり。ノートも結構な量になってきた。ペンのインクが見る見る減っていく、という経験は最近では珍しい。勉強した気にはなるが、テストで結果がでなければ今回の場合意味がない(^^ ;)。7時過ぎにシャワーを浴びて食事。ラーメンと、鶏のカツ。食事で一休みしてから、また続き。なんとかあと2章少しを残すのみ、というところまで読めたので、これで目処がついた。しかしまだサマリア研究の文献も読まなければならない。今週のラテン語読書会は、試験が終わってからにする、と伝言板で先生に伝えておく。

1/25(月)

 目覚ましの音で目が覚める。起きようかなどうしようかな、と思っていると、ヒーパッカが起きたようで、散々わめいてから出かけていく。やはり月曜日は早出のようだ。彼が出ていってから、起き出す。食事をしながら、パソコンのメンテナンスをする。修復ソフトが効かないようで、非常に具合が悪い。動くことは動くが、いくつかのソフトを使おうとすると止まってしまう。メールソフトも含まれているのでちょっとやっかい。他のソフトでしばらく我慢するか、とも思うが、文章書きに使っているソフトも動かなくなっているので、これは早急に何等かの手を打たねばならない。修理屋にもっていくか、新しく修復ソフトを買うか、という手がある。修理屋はヘルシンキにもあるが、どれくらいの費用がかかるか分からないし、もし再発したらまたおなじだけのお金がかかるだろう。新しく買うのは、今後も使えるが、それで直るという保証はない。もし修理屋に持っていくなら今日が一番時間はあるな…などと悩む。結局、とりあえずソフトの値段を確かめるようなつもりで行くことにする。今日は早めに出て、9時の電車に乗る。気温はマイナス7度。それほどには感じない。セーターが厚手だからかも。着る服によっても、気温の印象は随分変わる。

 ヘルシンキについて、まず大学へ向かう。本館5階でフィン語の授業の掲示板を見るが、まだ今回の授業に関して何も貼られていない。事務所が10時からと書いてあるので、それから貼り出すかもしれない。下に降りようとしたら、この階に迷いこんできた男に質問される。今度来た留学生で、4階のホールでオリエンテーションがあるというのだが、と聞く。ここは5階だ、というと、「ああ、フランス流に考えてたもので」という。なるほど。しかしホールに行ってみても誰もいない。それ以上は自分もよく分からないので、また別の人に聞いていた。カフェでコーヒーを飲みながら待つ。「100」を辞書を引きながら読む。モナコの王女の再婚について載っていた。漫画は再使用のものである。しかし前よりは言葉が解るように思う。10時を回ってから再び5階へ行く。今度は結果が掲示してあった。無事、授業が取れるようだ。前の時にはいた日本人の名前はない。とるのを止めたのかしらん。教室に行くことにする。外にでなくても、2階部分でつながっていた。教室の前にも、先生が同じものを掲示している。すでに何人か来ていた。

 定時に授業が始まる。先生が名前を確認する。今日初めて来る学生も何人かいる。のんびりしたものである。先生と相談することになるようだ。定員は20人で、すでに17人ほどいるとのことである。それから簡単なこの講座の説明。テキストの始める場所は8章から。このフィン語4は4段階の最終だが、テキスト全部ではなく20章くらいまでのつもりだ、という。また期末テストの内容。文法・読解・自由作文、できれば聞き取りもしたい、といっていた。特に自由作文が大切だ、という。結局自己表現のための言語学習なので、それは実にごもっとも。続いて、最初ということでお決まりの自己紹介。2人ずつ組みになって紹介しあう。隣に居たのはアンデルスで、スウェーデン出身。シベリウスアカデミーでオペラ学部にいるという。もうアカデミーに5年目だそうだ。フィン語も十分に話していると思うのだが…。聖書を勉強している、というと「それは面白いね、日本人が」という。スウェーデンでは今、新しい聖書の翻訳が進んでいるそうだ。しばらくしてから、今度は全体。今話していた相手について説明する。たまたま自分が一番最初だった。みんなが話すのを聞いていると、レベル的には似たり寄ったりかな、という感じがする。日常会話と違って、「わかる」部分が多いのは授業のいいところ。ここで自信をつけて、外に出てまた自信をなくして、のくり返し(^^ ;)。一通り終わってから、簡単に文法の説明があり、宿題が出る。今日来た学生の面接もあるので、11時過ぎとかなり早く終わった。

 今日は早く帰るつもりだが、まだ昼食には早い。学部図書館を経由してカイサの中にあるアカデミアというパソコンショップに行く。しかしここはPCしか扱っていないとのこと。今度はたまに立ち寄るカイサニエミの角の店に行くが、お目当ての修復ソフトは置いていない。まいったなあ、と思うが、とりあえず食事をすることにする。向かいのメッツェタロに行く。今日は牛のパタ(シチュー)をとる。カウンター越しに覗いたら、「焼き飯」もある。後ろの学生が「リゾット」といったのでたまたま振り向いたら、その「焼き飯」を取っていた(笑)。あれがリゾットだったのか(^^ ;)。今日は久々に黄色いパンもあった。なんとなく急いで食べる。食事を終えてから、カイサニエミに出て地下鉄に乗る。時刻表を眺めたら、朝夕5分おき、昼間は10分おきだった。カンピまで行く。ここのエスカレーターも長い。歩いて昇っていたら疲れるくらい(^^ ;)。カンピで降り、アップルセンターへ行く。ここにはソフトがあった。920FIMと予想よりちょっと高いので、しばらく逡巡。しかし他に打つ手もないので、意を決して買う。どうせいつかは買うものだから、と割り切る。英語のパンフレットなどもいろいろ置いてあるが、英国からのもののようだ。そこから歩いて駅まで戻り、電車に乗る。

 家に帰ったのは2時前。コーヒーを入れて、ソフトを使って見ようとするがしばらくうまくいかない。このパソコンは日本仕様なので、英語のソフトは対応していないようだ、と考える。困りながらも、結局なんとか修復はできた。他のソフトでチェックしても問題なし。ちゃんと回復できたようだ。パソコンが使えないと大変なところだった。これで一安心。それからまたギリシア語の勉強に戻る。そのうちヒーパッカが帰ってくるが、昼間は寝ているのか、さすがに静か。6時頃にシャワーを浴び、夕食をつくる。インスタント・リゾット。トマトペーストなのでわりと食べやすい。しかし一袋つくるとやはり多い。食後は、サマリア研究の関係テキストを読む。こちらも一通り読んで、内容を覚えることになる。

1/26(火)

 目が覚めると少し寒い。のどがまた少し痛くなっている。温度計を見るとマイナス12度。部屋の暖房は絞ったままだったので、外の気温に負けたらしい。しかし今日は合唱の練習なのにまたのどが痛いのは困るなあ、と思う。食事を済ませてから、午前中は家でサマリア研究の論文読み。ちょっとしんどいので、念のためにベットに横になって読む。人名とかアラビア系のものを覚えるのは大変。しかし読んでいてなかなか興味が湧く。昼まで読んでから、出かけることにする。ラジオを聞いていると、日曜の晩には北フィンランドのイナリでマイナス47度を記録したとか。それで、鉄道にも支障が出て、近郊電車は止まっている、といっているようだ。それは困るので、バスに乗って行こうと思う。多分あの停留所からだろう、といつもとは反対側へ歩いていく。雪は積もっているが、せいぜい20cmくらいか。途中陸橋をわたるところで、近郊電車が走って行くのが見える。もう復旧したのか、それともラジオの情報が古かたのか。ともかくバス停を探して歩く。しかしこちら側には乗るはずのバスは通らないようだ。ずっと歩いて、結局また駅の方まで戻ってくる。マイナス10度以下の中を20分以上も歩いたので体が冷えきってしまった。駅の待合室で少し暖まる。それから電車に乗るが、ヘルシンキまで20分乗ってもまだ体が暖まらない。これはまずいな、と思う。

 まず昼食を食べる。メッツェタロへ歩いていく。今日はカルヤラ風煮込み。肉や野菜の角切りでなんとなく日本の料理に近いものを思わせる。それからちょっと早いが、スウェ語の教室へ。しかし歩いていて、ものすごく寒い。これはまずい兆候で、風邪を引いたな、と思う。授業にもいまいち身が入らないし、熱も出てきたようだ。授業のあとは早々に家に帰る。練習どころではない。コイブキュレでスーパーによって、食料を買い込んでおく。家に帰ってから、すぐに寝る。熱も随分あるようで、なかなか苦しい。とにかく汗を出すようにする。あとは朝までこの調子。

1/27(水)

 苦しいと朝も夜も関係ない。汗を出したら体は大分楽になったが、なぜか頭の痛みが残る。ずっと寝続けて、11時過ぎに少し起き出す。そういえば外が明るい。今日は太陽が差している。気温は…マイナス18度。これはまた随分冷えこんだ。今日はフィン語の授業とEOLの練習があるが、すべてキャンセル。部屋で寝ては少し起きて論文を読む、というのを繰り返す。熱は上がったり下がったり。食欲はいまいちわかない。夕食には缶の肉スープを温める。これはまあまあの味。ちょうど日本のカレーに入っているような角切りが入っている。途中で着替えのための洗濯をしようと思うが、今日は予約でいっぱいだった。部屋で干しておくだけにする。ヒーパッカの件は、返事が来ていた。基本的に自動的に注意書が送られるよう。もし改善が見られない場合は今度はサイン入りでクレームを送ってくれ、裁判所に持ち込むから、とのこと。しかし残念ながら改善されているとはいえない。あまつさえ、共同部屋でたばこも吸っているようだ。これは全戸で禁止になっている。1週間程度さらに様子を見て、またクレームを出すつもり。インターネットに時々接続する。いわゆるゴールデンタイムにはなかなか繋がらなくなってきた。それだけ普及してきたらしい。寝たり起きたりして夜も過ごす。

1/28(木)

 夜中に時々目が覚める。というよりも寝苦しくて起きる、という感じ。まだ頭が痛い。起きるような気分ではないので、ベッドの上でごろごろしている。食事の時間当たりにはいちおう食べる。といっても、ここのところバナナとヨーグルトばかり。朝にヨーグルトを食べようとしたら、がちがちに凍っていた。これは随分冷えこんでいるようだ。また寝る。しばらくすると、こころなしか痛みが弱まったように思う。さらにしばらく寝ていると、やっと痛みが取れた。起きて少し食べる。11時だった。いまからならまだ大学に行けるかな、と思うが、外気温を見てマイナス22度なので、下手に外に出るとまたぶり返しそう。今日は妻の勧めに従って家にいることにする。調子がよくなれば、明日の試験には行きたい。いい天気。窓から差し込む太陽は暖かい。大分調子がよくなってきたので、起きては少し勉強し、また少し休む。夕方にそばを食べる。ヒーパッカは4時過ぎに帰ってきたようだ。最近は又ベランダでたばこを吸っているらしい。この件で訴える必要はなさそう。しかし不思議なのは、普段玄関で靴を脱いで歩き回っていて、ベランダに出るのには靴を履いて室内を通り、外に出て、また靴を履いたまま戻り、玄関に靴を脱いで部屋に戻る、というパターン。靴と靴下は区別しないようだ。これは彼に限らず、フィンランド一般の習慣であるように思う。外出時には特別の厚い靴下を履いている人も多い。そのうちにまた夜になる。あきちゃんから様子を心配して電話がかかってくる。幸いもうよくなっているので良かった。日本の家でもインフルエンザが流行中らしい。さすがにそばだけではお腹が空くので、カップスープと、パンを齧る。明日のギリシア語の分のテキストは一通り読めたので、あとは見直しをする。さすがに全部は見直せないだろうが、最初の方の忘れていそうなところから見ていけば大丈夫だろう、多分。12時まで起きていた。

1/29(金)

 目が覚めると6時半。目覚ましは7時過ぎにかけておいたが、昨日は昼間もよく寝ていたせいだろう。今日は早出なので、のそのそと起き出す。体調はいい。これなら外出も問題なさそう。気温は、と見るとマイナス24度。さらに冷えこんだようだ。ともあれ朝食を食べる。ロールパンにチーズとハムを挟んで、それを2個食べてお昼まで持つようにしておく。テーブルライトが時々ちらつく。蛍光燈なのに、もう痛んだのかしらん。いったん抜いて規格を確かめる。これはイタリア製であった。早い内に買っておくか、と戻そうとしたら変にひねったらしく、根元の部分が外れてしまった。今日中に買ってこなくてはならない(^^ ;)。ラジオを聞きながら食べていると、寒さのせいで長距離列車が遅れているとか。近郊電車については今日は何も言っていないが、長距離列車との関係で遅れる可能性がある。最初はぎりぎりに着くように行こうと思っていたが、それでは遅れるかもしれない。で、早めに出ることにする。出かける用意をするが、大分明るいとはいえまだ日の出前。寒さがいちばん厳しい時間である。万全の準備をする。ズボン下にジーンズ、靴下は2枚。上はいちばん厚いシャツ・セーターで、普段はしない

マフラーも首に巻く。ハンドクリームも手と顔に塗って、これで大丈夫。8時の電車で出かけることにする。家から出ると、さすがに空気が冷たい。最初はそれだけで咳き込みそうになる。が慣れれば大丈夫。上半身は問題ないが、ズボン下がいまいち用をなしていない。ナイロンなので冷たさがそのまま伝わるのか。やはり綿の方がいいのかもしれない。ともあれ駅までたどり着く。この時間は割にたくさんお客さんがいて、電車も長い。来るのは少し遅れていた。

 ヘルシンキに着いたのも少し遅れて。積雪そのものは大したことはないが、かき集めた雪の山は随分高くなってきた。駅前の気温はマイナス20度。ヘルシンキがここまで冷えこむのも珍しい。そろそろ海も凍っているのかもしれない。とにかく外にいると寒いので、急いで大学へ向かう。大学本館の入り口からは、夏からずっと置いてあった大きな機械が取り除かれていた。ちょっと入りやすくなる。8時半なのでさすがにまだ空いている。カフェでコーヒーを飲みながらノートをめくって復習。結局全部見直すことはできなかったが、あとはままとなれ。5分前に会場の大教室へ。どうせ荷物は離れたところに置かねばならないので、階下のロッカーに入れ、筆入れだけ持って教室に入る。すでにたくさんの学生が来ている。前に行って名字を告げると、ちょうど一番上にあった。解答用の紙ももらって、適当に席に着く。そのうちに開始の合図がある。封筒を開くと、フィン語の問題用紙と、それについての英語の解説が入っている。見ると、福音書・書簡とも1問ずつ。いずれも5-6節ほどのギリシア語テキストが提示され、それを翻訳し、指定された語について文法的説明を加えるというもの。書簡の方をざっと読んでみる。ちょうどさっき読んでいたところ…であるが、記憶は曖昧(^^ ;)。分からない単語が4つほどある。しばらくテキストを眺めて全体の意味を考え、分からない単語の意味を推測して、書き始める。文法説明は特に問題なし。分からない単語だけの問題、というところである。1時間ほど考えて、推定したものを書いて出す。前には「交通機関などの遅れでもテストは受けられない」とある。なかなか厳しい。結果は2/10にわかる。

 再び荷物を請け出して、とりあえず神学部へ。少し調べものをする。それから食事をしに行くが、その前に大学図書館によって本の閲覧を申し込んでおく。今日の4時以降ということなので、また明日以降に来よう。まだ時間も早いし、ポルタニアで食事することにする。幸い列も出来ていない。今日はまず「自家製ビール」をとる。これは1杯なら無料で、水や牛乳と同じ扱い。メインは最初「ボルシチ」とあるのでそれにしようかと思ったが、現物を見ると大分イメージが違うので(^^ ;)、シチューにしておく。体調を考え、ご飯などは少な目にしておく。11時半を回ると、どんどん行列が長くなってきた。しかしこの「自家製ビール」、どこもあまり味が変わらないような気もする(笑)。食事を終えてから、購買でペンを買う。ペンの類も日本製が多い。

 ポルタニアを出てから、大聖堂の裏手のキルッコ通りを海に向かって歩いていく。この通りのどこかでカレワラに関する展示があるはずだ。たしか7番だったと思ったが…とみるが、そこにそれらしきものはない。いったん海にまでたどり着くが見つからず。あまりうろうろしていると前の二の舞になってしまうので、今度は通りの反対側を歩いていく。それっぽい建物があるが、看板などは出ていない。違うかな、と思っていると、入り口から見える中にカレワラの看板が置いてあった。安心して入る。ここは職業学校か何からしい。展示はロビーの部分を使って。といってもパネル6枚程度のものである。カレワラの収集者リョンロットの生い立ちから、現代に見るカレワラまで。カレワラに触発された芸術など。現代の会社名などにあるカレワラ中の名前についても紹介されている。「サンポ」が多いのは、たぶんここが後援しているのだろう(^^ ;)。この展示は世界各地を回るそうなので、その時には日本語解説つきになるのだろう。たしか帰ってからすぐに見られるはず。いちおう解説も一通り読んで、半時間強といったところか。

 また歩いて神学部に戻る。ふとみると、不動産省の屋根で雪下ろしをしている。こちらの雪下ろしは建物が痛むからというより、落雪でけが人が出ないようにするためらしい。つらら落としも同様である。命綱をつけているのが見えている。図書室で2冊ほど本を借り、家に帰ることにする。その前に蛍光燈を買わねば。もともと電灯を買ったアンティラに行くが、ちょうどこの規格のものは品切れ。店員が「ストックマンに行けばあるでしょう」と勧めてくれる。この論で行くと、ストックマンにないものはどこにも無いようだ(^^ ;)。ともあれストックマンへ向かう。歩道などは除雪してあるが、その分かえって凍ってしまい、滑りやすい。注意して歩く。ストックマンではセール中。赤札に惹かれる(^^ ;)。ともあれ電灯売り場へ。同じメーカーのものがなかったので店員に聞くと、別のを出してきて「これでいけます」という。ちゃんと形を覚えていなかったが、「あわなかったら返品できますから」ということなので買う。45FIMと、本体を119FIMで買った割には高い。ポーランド製とあった。念のため?食器売り場を見ていくが、特にめぼしいものはなかった。地下に入ってまたアンティラによって電池を買い、駅へ。丁度いい電車に乗って帰る。2時半なのでまだ明るい。スーパーに寄って行く。ブドウが実に美味しそうだったので買って帰る。巨峰と同じようなもので種ありだが、食べてみたらおいしかった。ちょっと暖かくなったかな、と思って家に帰って温度計を見たらマイナス16度だった。着実に寒さには慣らされているらしい(笑)。

 家に帰ってまずラテン語読書会の訳をつくる。しばらくしたら、ヒーパッカの親らしき人がきて、一緒に出ていった。毎週末に迎えに来ているようだ。6時過ぎにシャワーを浴びてピザを食べる。それからラテン語の訳を完成させる。あとはメール書きなどをする。10時過ぎに温度計を見たら18度。また明日も冷えこむかもしれないので、部屋の暖房を強めにしておく。妻の勧めに従って、濡れタオルも掛ける。しかし、この部屋には意外に掛けるところがないのが欠点。

1/30(土)

 今朝も割合に冷えこんでいる。明るくなる前に起きているわけなので、最初はどういう天気なのかよく分からない。しかし今日は早くから日差しが見えている。今日も快晴のようだ。そんなに食欲があるわけでもなく、なんとなく面倒なのでスイスロールを齧るだけにする。とりあえず急いでしなければならないことがないので、ちょっと気が楽。午前中は別のラテン語の翻訳や、メール書きなどをして過ごす。外は随分明るい。こうなると外に出たくてうずうずする。しかし気温は16度くらい。まだまだ寒い。昼過ぎに出かけることにする。

 今日はパシラで降りる。トラムを待つ間、日光に当たる。外で日光に当たってもいっこうに熱を感じないのがなんとも不思議。室内では暑いくらいになるが。十分に日光を浴びるとなんとなく嬉しくなる。来たトラムに乗っていく。日の当たる方の席に陣取る。パシラの橋からは、低い太陽のためにヘルシンキ中心部がシルエットになってみえる。テーレ教会、ヨハネ教会、大聖堂などの高い建物がところどころ突き出ている。オペラ座まで行って乗り換えるが、乗り換える相手はすでに出たあと。しばらく時間もあるだろうし、この近くにあるCD屋に行ってみる。Fugaは以前はマーケット広場の近くにあったが、去年移転した。店は少し広くなったか。システムは同じで、CDのライナーのみが作曲家順に並んでいる。それを持っていくと、箱から中身を出してきてくれる、という仕組み。ざっと眺める。セール品のコーナーもある。値段はFazerなどとそうは変わらない。こちらの方が少し品ぞろえがいいかもしれない。合唱というコーナーもあったので一通り見てみる。スウェーデンのものが多い。1枚試聴させてもらう。頼むとかけてくれる。残念ながらもう一つ。エストニアの作曲家のものについて少し尋ねるが、やはり多くは置いていない、とのこと。ONDINEのカタログだけもらって出る。

 停留所に向かうと、ちょうどトラムが来たところ。8にのって、Domusへ。ここで昼食にする。牛のシチューで少しスパイスが効いているもの。しかしいまいちここは寒い。食事だけではもうひとつ暖まらないので、コーヒーも飲んでいく。トラムに乗って中心部へ。スオマライネンで少し立ち読み。すでにセール用の本が平積みにされて、カバーが掛けられている。他に放出品の本もあったが、特に掘り出し物はなかった。フィン語のペーパーバックを見ていたら、プラトンの翻訳があった。それからアンティラにも寄り、セールのCDを買う。そろそろ数が少なくなってきたから買い時か。それを持って電車に乗る。家に帰ると4時。研究書を読み始める。たまに息抜きでホームズも読む。しかし体もまだ本調子ではないようなので、いったん横になる。気がついたら7時半。またスイスロールを齧る。ここのところ食事量が落ちているので、また少し痩せたかもしれない。あまり痩せると寒さへの抵抗力がなくなるのでよろしくないのだが。

 トイレットペーパーを買うように、と書いてヒーパッカの部屋の扉に貼っておく。帰ってきた彼はそれを読んだらしく、こちらの部屋をノックする。「今話ができるか」というので、共同の机にそれぞれ陣取る。HOASから警告が送られてきたのだが、具体的にどういうことが君の妨げになっているのか言ってくれ、という。ちゃんと話せるに越したことはないので、冷蔵庫と声の件について告げる。冷蔵庫に関しては、上下2段あるのでそれぞれ別々に使う、もし自分以外のものを食べた時にはその旨と金額を知らせ、代価を支払う、ということで合意する。やはり、冷蔵庫のものは基本的に共有、と考えていたようだ。自分が買ってきたものも君が食べてもいいのだが、というが、ほとんど買ってきたためしがないのによく言う、というところ。自分のものは自分で買う、というルールにする。声に関してはいちおう自分でも分かってはいるらしい。飲みすぎて遅くなった時には部屋には帰らないことにしよう、という。2つとも、基本的に酔っ払ったときのことではあるようだ。まあそれは推測していたことである。他には特に大きな問題はないが、もし何かあればドアに貼って知らせることにする。さすがに警告は効いたようで、ここを追い出されたら、住むところがないし、大学も止めなければならないかもしれない、という。まあこちらとしても問題さえなければ事を荒立てる必要はない。合意がどこまで実行されるかはまた別の問題であるが。

 すこしラテン語の訳を考えてから、寝ることにする。

1/31(日)

 目が覚めるとすでに明るい。9時。しかしどうも変な明るさだな、と思ったら雪が降っていた。随分たくさん降っている。気温はマイナス4度と普段くらいになった。ハム・チーズサンドをつくって食べる。窓のヨーグルトは未だに凍っている。今日はシーツの洗濯もする。午前中は専門書を読み始めるが、いまいち頭が重い。どうも完全に回復していないというか、少し冷えたと言うべきか。いずれにせよほっておくとまた寝込むことになりかねないので、早々とベッドに横になる。時々起きだしてきて本を読む。お昼はどうしようか、と思うが、雪は相変わらずたくさん降っているし、体調も思わしくないので、今日は出かけないことにする。適当にあるものを食べるが、いまいち食欲がわかない。適宜横になって、体力の消耗を防ぐ。本もいまいち難しくて、もう一つ読み進まないので余計苛つく。昼寝、夕寝などをして汗を出したら、楽になった。掛け布団は一枚だが、その上に予備のシーツ、さらにセーターなどを掛けると十分すぎるくらい暖かくなる。夕食らしい夕食も食べずに、スイスロールを齧る。食欲がないのはなんとも問題。みるとローカル新聞が投げ込まれている。新聞本体は読まず、広告をみる。月の最初に、それぞれの店がその月のお薦めを冊子の形で提供する。カラー写真入りの広告なので見ているだけでも楽しめる。今日は念のためシャワーも止めておく。


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