3/11(木)
7時半に目覚める。昨日はこちら流に食べずに飲んでいたせいか、ちょっと頭が重い。気温はマイナス5度。また雪が舞っている。朝食後に胃腸薬を飲んでおく。9時半過ぎの電車に乗る。「100」には21日の投票日に向けてますます候補者の広告が多くなる。インターネットのホームページで紹介しています、という文句も。ヘルシンキに着くと、トラムの車体に貼ってある広告にも候補者の名前が。宣伝はいくらでもできるのだろうか。日本のような掲示板には政党のポスターが貼ってあるが、個人名は個人の負担で広告する、ということなのかもしれない。大学へ向かう。午前中はフィン語の授業。新聞の記事の一部を読む、という課題が出る。「サルメッキ」というものがインターネット上で全世界から買えるようになった、という記事がある。どういうものか分からないのでいっしょに読んでいる学生や先生にも聞くが、「黒いキャラメルのようなもので、のどがすっとする甘い食べ物、普通は薬局で売っている、これはフィンランド人の最も好むお菓子?である」とかいうこと。しかしよく分からない(^^ ;)。「ラクリッツと似たような?もの」と説明されても「ラクリッツ」を知らないのでどうしようもない(^^ ;)。ついでにいっしょに読んでいる学生と雑談をしていたら、ロシア人の学生だが、「センクトペテルブルグには行ったか、せっかくここにいるんだからいい機会だよ」という。「今ならエルミタージュが見られるし」とも。それは実に魅力的だが、最も安いバスのツアーでも400FIM以上。そこまでの余裕はないので、今回はあきらめになる。片道の時間も電車で7時間くらいかかる。
授業後、日本の友人と待ち合わせて昼食をいっしょに取る。なんでも遅れそうになったのでタクシーで来たとか。タクシーはまだ乗ったことがない。大学本館はすでに行列なので、社会科学学部まで。今日は香草焼きの魚を食べる。普段は気にならないが、誰かといっしょに食べると、自分の食事スピードが遅いのが気にかかる。食後に散歩がてら少し歩く。雪が舞っているので少し寒い。ポルタニアで大学グッズが買えることを教えてから、FazerでCDや楽譜を見る。頼まれの楽譜もあるので、というのでスラソルへ行くことにする。自分もついでに、2、3の女声の楽譜を買う。カレワラをテーマにした曲をまとめて並べてあったりする。買える時に買いたい楽譜の目星もつけておく。入り口に「ヘルシンキ室内合唱週間」というパンフレットがあった。今月末の1週間、幾つかの合唱団がまとまって演奏会をするようだ。タッラ・アンサンブルや女声合唱団もあるらしい。それから友人と別れて、こちらは大学へ。スウェ語の授業に行く。しかしスウェ語がなかなか見に付いてこないのは、やはり使う機会が無いというのが大きいかもしれない。スウェ語を街で聞くことはできても、自分で使うことはまずないし。ある意味、無理のないことかもしれない。フィンランドでもスウェ語圏にしばらく滞在していれば、また違うだろう。来週の火曜日は休みなので、その分の補充課題が出る。やはり一定の時間数を確保することが単位認定に必要なのはどこも変わらない。
授業後に神学部へ行く。途中、カイサニエミの地下の量り売りのお菓子屋でFazerMintチョコレートを買う。KARKKI PUSSIなどで売っているのに比べると半額ほどの値段である。図書室で少しギリシア語を読む。1章分読んだところで、カフェに行くことにする。本を借りようとしたら、「これはテキストなので貸し出しはできない」とのこと。幾つかの記号のものは貸し出せないようになっているらしい。別の本を借りて、神学部のとなり、クルーヴィにあるピクニックへ。ジュースとケーキを食べながら本を読む。3、40分読んでから、思い出してアジア・アフリカ学部へ行く。やはり成績は張り出していない。ついでにここにある端末からメールを見たら、いくつか届いている。一つはシェハデー教授からで、試験の成績が届いていた。評価は1.5だから「可」の真ん中くらい。落第よりはましだが、ちと厳しい成績。他のメールでは、以前に出した広告に反応したのか、フィンランド人の学生から。秋から同志社に交換留学で来るとか。これは意外な人がつかまったものだ。
ぼちぼちオペラ座へ行く。トラムに乗って、オペラ座よりは一つ前の停留所で降りる。テーレ湾沿いの歩道を歩いてオペラ座へ。もう薄暗いのであまりよく見えないが、湾も公園も雪がたくさん積もっている。ここは夏に歩くべきところである(^^ ;)。オペラ座に着いたのはまだ30分以上前。荷物を預け、ぶらぶらと歩く。まだこの時間には、2、3階席への扉は開けられていない。暇でもあるし、スパークリングワインを買ってテーブルに座る。25FIM。ちびちびと飲みながら、ホワイエを歩く人を眺める。今日はバレエなので、やはり小さい子供やそれっぽい少女といった客がよく目につく。15分前に1ベルのファンファーレ。5分くらい前に客席に入る。今日は3階の左側、2列目。まあ舞台は十分にみえる。1列目には小学生くらいの男の子・女の子が陣取っていて、先生らしき女性が「1幕目の分よ」といいながら筋らしきコピーを配っていた。今日の演目はプロコフィエフの「ロミオとジュリエット」。さすがにこの筋は知っている(笑)。バレエは2回目。さあ歌が始まるぞ、という感じのところでも言葉がないので、ちょっと拍子抜けの感じもする。オケも特に1幕目ではミスが目立つ。今日は初演から40回目の公演だとか。1幕目の後で休憩。テーブルが予約してあったので、そこに座る。ちょうど会計係りがそばに立っていた。友人と雑談。彼は1階バルコニーのいちばんいいところに座っている。2幕目と3幕目のあいだにもやはり休憩がある。この時はさすがにテーブルを予約している人も少ないし、カウンターにも行列はできない。3幕目などは声がないぶん緊張が高く、高すぎて胃が痛くなりそうだった(^^ ;)。バレエも結構はまりそうな予感。終演は22時。
トラムに乗って駅まで帰り、ここで友人と別れて電車に乗る。家に帰ったら11時前。シャワーを浴びてから寝る。
3/12(金)
朝は8時に目覚める。この時間が身に付いているようだ。今朝はマイナス5度だが、早くから日の光が差している。朝食の前に洗濯をしようかと思ったら、午前中は予約が埋まっていた。夕方の分を予約しておく。朝食の後で日記書き。それを終えてから出かける。外は随分暖かい感じがする。10時過ぎの電車でヘルシンキへ。ここも暖かいのでプラスの気温かな、と思ったらマイナス2度だった(^^ ;)。しかしそういう感じはしない。神学部に行く。ギリシア語を読み始めたら、ノートの残りがほとんどないことに気づく。これでは先に進めない。昼食を食べたら帰って、家で勉強することにしよう。しばらく読んでから大学本館の食堂へ。日の光が当たっている。快晴ではないが。今日のメインは豚のステーキにトマトソース。ここの食堂も緑と赤のリボンなどで飾りがつけてある。何の記念なんだろうか。食べていると、先日も会った韓国人の学生、ユウがやってきて座る。こちらはいつも同じような服を着ているから見つけやすいだろう(笑)。雑談をしながら食事をする。やはりフィン語で会話。フィンランドのほかの町に行ったか、と聞くとタンペレとトゥルクへ、と。タンペレでムーミンは見たか、と聞くと見ていないとの返事。韓国ではポピュラーではないらしい。またタリンやストックホルムにもよく?行くとか。スウェ語は知らないそうなので、ストックホルムではボディーランゲージで済ませたとか(笑)。冬は寒いので行かない、ということだ。話しながらの食事の方がやはり楽しい。
食後に別れて、こちらは駅へ向かう。駅のホテル案内所にあるパンフレットを幾つか取って、電車に乗る。夏向けの旅行案内などもたくさん出てきているようだ。帰りの電車には小学校?の団体が20人ほど乗ってくる。見たところ6、7歳くらいか。さすがに賑やか。プイストラで降りていったが、あとは車内が急にひっそりとなった。コイブキュレでスーパーに寄ってから帰る。母から葉書が来ていた。部屋から見ても、外は明るい。時々日光が差し込んでくると暖かい。一休みしてからギリシア語を読む。が、途中で妙に目が疲れて眠くなったので、少し横になる。しばらく、自分としては睡眠時間が短かったので疲れてきたのだろう。2時間ほどうとうとしてからまた起き出して続きをする。5時半から洗濯。7時過ぎにシャワーを浴びて食事にする。カップそばと、チキンナゲットを温める。しばらくホームページの更新に時間を取られる。それからまたギリシア語。今週でマタイにけりをつけたかったが、来週の頭まで持ち越しそうだ。こちらの大学のほうのメールをチェックすると、先日の日本語学生から返事が来ている。今度は日本語で書かれたメールになっていた。ローマ字だが、分かち書きの規則が日本で習うものと少し違うようだ。こちらからも日本語を交えて返事を書く。さてもう遅いなあ、と思ったところで、洗濯物が乾燥機に入れっぱなしだったのを思い出す。慌てて下に降り、洗濯室へ。午後9時を過ぎるともう部屋の電気がつかない。隣の倉庫の電気をつけて、それを頼りに洗濯物を出す。幸い乾いていた。予約を今日の一番最後までにしておいたのも幸いした。
3/13(土)
朝7時に起きる。夢見がよくなかったこともあってあまりいい気分ではないが、天気はいい。マイナス3度ほど。食事をして出かける用意。8時過ぎにはもう出かける。今日は快晴で、絶好の旅行日和。電車でヘルシンキへ向かう。もうタンペレ行きの列車はホームに入っている。駅のキオスクでヘルシンギン・サノマットを買い、先に切符も買ってから友人を待つ。9時の列車でタンペレへ向かう。最初に座った席は、後から指定切符を持った客が来て移動させられる(^^ ;)。しかしこれはタンペレまでなので全体的な乗客も少ない。空席もたくさんある。定時に出発。新聞を読むと、今年の春の海の氷は全体的に薄い、という記事がある。水温がやや高めだとか。途中ハメーリンナでは、お城がよく見えた。多くの湖は凍って雪が積もっているが、川は一部溶けているところも。2時間でタンペレに着く。
マイナス1度ほど。天気がいいのでとても気持ちいい。まずは郵便局に寄り、絵葉書を買う。それからヨハネ教会へ。ここに来るのはもう4回目。外が明るいので、ステンドグラスがまぶしいくらい。今日は受付役の人がいなかった。そこから歩いて消防署を抜け、橋を渡って中央広場へ。古教会を見る。それからハメ通りを歩いて図書館へ。土曜の昼ということで人出も多い。ムーミン谷を見に行く。受付には男性。日本語のパンフレットをくれようとするので、「スウェーデン語のものが欲しいのですが」というと、「ああ、スウェーデン語を話すんですか、日本人かと思いまして」とスウェ語の案内書も出してくれようとする。前にも見ているし、それは必要ないから、と断る。ここのカウンターに、前には見なかったムーミンの本があることに気づく。110FIMだそうだが、この博物館所蔵の絵で構成された本らしい。どうも新しいもののように思える。とりあえず後で考えることにして、中へ。1月に来た時からも、また少し展示が変わっている。ムーミン以外のトールキンやキャロル・ルイスの挿絵などもある。また、ムーミンのキャラクターとそれ以外のヤンソンのキャラクターの比較研究、という本も置いてあって、なかなか面白い。友人が一回りするのを待って、外へ出る。結局さっきの本を買うことにする。紙バックに入れてくれたが、普通の袋にムーミンのはんこが押してあるものだった。それからキャラクターグッズを売っている店へ。見ていると、ここの品物は少し高い。ヘルシンキで買ったらずっと安いものが多い。もちろんここでしか見かけないものもある。
上の図書館のカフェで食事にする。ピザやパンなどがある。ここに払い下げの本も置いてあったが、特にこれといったものはなかった。ここであきちゃんへの葉書を書く。それからバス停で展望台行きのバスの時間を調べ、10分ほどあるので、向かいのアレクサンダー教会へ。ここにある見学者名簿は去年の分はなくなっていたが、今年の正月に来た分は残っていた。ざっと見てからバス停に戻る。しばらく待っても来ない。どうも変だな、と思って時刻表をよく見ると、平日の時刻を見ていた(^^ ;)。次のバスは15分後。それくらいなら歩いた方が早そうだ。幸い道の雪や氷もかなり溶けているので、歩くのに困難はなさそう。歩いていくことにする。住宅街はさすがに静か。10分ほど歩くと湖のそばに出る。湖はもちろん凍って、雪が積もっている。展望台までたどり着き、上に昇る。天気がいいので、かなり向こうまでよく見える。双眼鏡も持ってきたので、それも使いながらあちこち眺める。見ると、湖の上を歩いている人がいる。さらによく見ると、湖の上に一定の「道」が出来ていて、そこをたどっている人が何人もいる。歩いている人もいれば、スキーで滑っている人も。しかし対岸まで道は続いており、距離にすれば1kmくらいはありそう。他の方角を見ると、ある一点に向かって「道」が続いていて、こちらは随分たくさんの人が行き来している。先に何があるのかと見てみると、どうも浮灯台があるようだ。そこを目指しているらしい。見ていると足元の船着き場あたりから歩いている人もいる。はたまた自転車に乗っている人も。一回り見てから下に降りる。なかなかエレベーターが来ないな、と思っていたら、今は下の受付とエレベーター嬢を一人でやっているようだ。それは大変。
外に出て、船着き場へ降りていく。ここで海の上に降りて写真を撮ろうという算段。友人にカメラを頼んで降りて行く。氷の上の雪は少し歩きにくい。泊まっている船の近くは溶けているので、やや離れたところで撮ってもらう。今度は交代して友人を撮る。バス停に行くとバスを待っている人がいる。時刻表を見ると時間を過ぎているが、遅れているようだ。しばらく待ってみる。が、5分以上経っても来る気配がない。これはどうも、時刻表とは無関係に待っているようだ。次のバスまで10分はあるし、それなら歩いて帰った方が良さそう。公園のある通りを歩いていく。ここに即席のスケート場が出来ていて、親が子供に教えている。途中で警察官らしき人に「こんにちは」と声を掛けられるが、「こんにちは」と返すだけで何事もなかった。図書館の付近まで戻ってから、いくつか道を入って、南側の港へ行く。途中でマーケットホールの前を通るが、今日はもう閉まっていた。南側の港は河口にあたるので凍っていない。船がいくつも停泊しているが、もちろん営業はしていない。昔からの工場もすぐ近くにあって煙を吐いている。ちょうど発電所の前に橋がかかっていて、反対側に渡れるようになっている。水の色は濃い緑というか黄色というか、ちょっと変わった色。底を覗いたら自転車が沈んでいた(^^ ;)。橋を渡りきったところには複合商業ビルがある。その中を通り抜けて表通りへ。外に再び出てから歩いていると、正教会が見える。となると、目的と反対方向に歩いていることになるので、もと来た道を引き返す。しかし表通りまでは出ず、裏通りを歩いて駅の方へ向かう。ひっそりとはしているが、昔からの建物、という感じのものが並んでいる。途中で本通りへ戻り、駅に到着。
列車まではまだ30分ほどある。駅の構内をうろついてからホームに入ると、もう列車は入っていた。中に入って待つことにする。幸い指定切符を持った人も現れず、そのままヘルシンキへ。相変わらず快晴。帰りはハメーリンナのお城の写真を列車の中から撮る。6時にヘルシンキへ。昼食が軽かったのでお腹も空いた。一緒に食事を取ることにする。その前に駅地下で友人が絵葉書を買う。店の前に出ている棚にはないなあ、と思っていたら、店の奥に置かれていた。食事は、Zetorに行ってみる。今回が初めて。中に入るとバーのような雰囲気。クロークがある。特に何も言われないが、念のために「預けなくてはならないか」とフィン語で聞くと、「ご自由に」と英語で返ってくる。別にそこでお金を使うこともないので、そのまま入る。奥にあるテーブルには空きもあるようだが、念のため店員に声を掛けると、「空くまで10分ほど待ってください、また呼ぶので」とのこと。バーのカウンターでビールを買い、飲みながら待つ。そのうちにテーブルに案内される。23時までは一部のテーブルは食事客にリザーブされている。メニューはフィン語で見ようとしたが、説明が長たらしくてよく分からないので英語で見る。高いものは90FIMくらいのものもあるが、30FIMくらいからある。メニューの数は30種類強とやや少ない。サーモンスープとソーセージ、カレリア風シチューを頼む。何れも4,50FIM。黒パンが出てきた。しばらく飲みながら話していると料理が運ばれてくる。いずれもおいしい。カレリア風シチューは、友人からもやはり「これは肉じゃがだ」という感想(笑)。途中で適当に声をかけてくる客がいるが、店員が追い払ってくれる。ところがしばらくするとまた同じ人がくる。しかし今度は少し様子が違い、「君達は日本人か、私は一時広島で研究していたことがある」という。少し話してみるが、結局店員がまた追い払う。身なりもいい人なので、単に酔っ払っているだけかもしれない。食事を堪能して8時に出る。いくつか打ち合わせたいこともあったので、友人の泊まっているホテルまで行く。一人だがツインの部屋。部屋の机に自在鏡やドライヤーが置いてあるのはさすが。ここのテレビはNHKの国際放送が入る。少しメモなどを書いて別れ、駅に向かう。電車で家に帰る。返ってきたら9時半。今日はなかなか楽しかった。
3/14(日)
目が覚めたら9時。やはり疲れていたのか、起きるのが遅くなった。もぞもぞと起きだす。外はとても明るい。今日も快晴のようだ。気温はマイナス5度くらい。朝食を済ませてから勉強を始める。ギリシア語を読む。昼前くらいから部屋に日光が差し込んでくるようになる。窓を通してでもかなり暖かい。AMとFMのラジオを交互に聞く。お昼にはカップうどんとバナナ。一休みしてからまた続きをする。相変わらずいい天気。1時からAMでは朝の礼拝の様子が流れる。メインの放送局でこういうのが流れるというのもお国柄。今日はラッペンラーンタの教会と言っていたので、各地の教会からのようだ。聖歌隊は、いまいち。続いてクラシック番組をFMで聞きながら勉強。途中で音がしなくなる。こちらのラジオはわりと止まることが多い。そのうちに再開するかな、と思っていたらいつまで経っても静かなまま。別の局を探す。FMは結構局が立て込んでいる。AMは一つしかないのだが。そのうちにクラシックが別のところでも聞こえたのでそれをしばらく聞く。聞いているうちにインタビューらしきものになるが、どうもうまく聞き取れない。おかしいなあ、と思っているうちに、これはエストニア語であることに気がつく。実際に耳にするのは初めてだが、なるほどフィン語のような感じの単語がたくさん聞こえ、なんとなく意味が分かるような気もする。100km程向こうだから、聞こえるのも当たり前か。時々休みを入れながら、ひたすらギリシア語を読み続ける。午後の気温は0度になっていた。日の当たるところでは3、4度くらいに感じるのだろう。しかし今日は結局一度も外に出なかった。ちょっともったいなかったかも。6時過ぎに夕食。またカップうどん。これは前の残り。とりあえず手元にあるものを消費することを心掛ける。だいぶいろいろたまっているので、食べていかないと残るかも(^^ ;)。夜もまたギリシア語。しかしかいあって、夜中までに4章半ほど読めた。明日には終われそうだ。
3/15(月)
7時に目が覚める。今朝は冷えこんで、マイナス10度になっている。朝食を食べても時間が十分にある。フィン語の宿題をこの時間にして、9時の電車で早々と出かける。さすがに空気は冷たいが、もう高くなってきた太陽の光は十分な熱を持っている。ヘルシンキはマイナス3度。大学本館のカフェで「100」を読みながらコーヒーを飲む。ここのところ、銃を使った事件が多い。こちらも免許制ではあるのだが。選挙向けの広告もたくさんあるが、候補者の中には20歳代の人も多い。まさに20歳という人もいる。「緑の党」の広告に出ている分はせいぜい3、40歳代まで。若い人達が活躍しているようだ。適当なところで教室に行く。
最初に試験の説明がある。2回に分けて、最初は文法と読解、2回目は聞き取りと自由作文。結局4月中に全部終わる。しかしそれでも、最後の返却の時にはもう自分の国に帰っている、という学生も。テキストは残り9章ほどある。どこまで行くだろうか。今日は最後に、吹き出しを消した漫画を持ってきて、吹き出しを埋める、という課題があった。しかしこちらの漫画はいまいちオチがよく分からないものが多いので困る(^^ ;)。
昼食は歩いて社会科学学部まで。途中で郵便局によったら、お昼の時間のせいか大混雑だった。天気は快晴。随分暖かくて、帽子なしでも大丈夫。しかしずっと歩いていると少し手が冷たくなる。食堂に入ろうとしたらトミにであった。いっしょに食べる。今日は牛のストロガノフ。ちょっと多めに盛られていた。雑談をしながら食べる。彼の方が先に済んで、出て行く。こちらはゆっくりと済ませる。食後は駅へ向かう。少し時間があるので、駅前に出てチケットセンターに立ち寄りチラシ類をもらう。いろいろ音楽祭などもあるが、いずれも6月以降のもの。電車に乗って帰る。コイブキュレでスーパーによる。さすがに昼間は空いている。マンションのゴミ置き場を覗くと、随分きれいな棚が置いてあった。これはしかし持って帰っても後が大変か。最近引っ越ししてきた人が使ったらしい空き段ボール箱があったので、2、3もらっていく。部屋に戻ってきたのは1時半。友人から手紙が来ている。今日も太陽の光が差し込んでいる。まずラテン語の予習から始める。それからギリシア語の続き。エストニアのクラシック番組を聞きながら読んでいく。気温は夕方で0度になっていた。基本的にわりと暖かい空気が入ってきているようだ。共同部屋で新聞を見たら、2月のヘルシンキの平均気温はマイナス7度だったそうだ。平年がマイナス6度弱だから、少し寒い冬だったことになる。しかし平均がマイナス10度を切る年もあったようだ。
6時に食事。カップラーメン。さすがにこればかりだと調子が悪くなりそう(^^ ;)。食後はまた続きをする。10時頃にマタイを読み終える。しかしまだ使徒行伝が残っている。それからラテン語の訳をつくる。こちらは1時間ほどでできた。
3/16(火)
7時半に目覚める。ベッドの上でごろごろして、8時過ぎに起き出す。またもや晴。気温はマイナス10度。朝食を食べてから、昨日の新聞を辞書を引きながら読む。出かける用意をしていたら、いくつか図書館から借りている本がもう期限が過ぎているように思う。まだノートを打ち込んでいないものもあったので、しばらくそれに時間を費やす。それを終えてから出かける。出かける前に郵便が届いた。今日は自分宛のものばかりで、あきちゃんからの葉書と新聞の切り抜き、大使館からの広報、郵便局から切手の案内。広報では、来年からの在外邦人の選挙についての記事が載っている。都市部以外では郵送による投票もできるようだ。本国よりも一歩進んでいるかも。また来週に日フィン友好80年記念の演奏会があってそれにご招待、というのもある。10時半の電車で出かける。「100」を読みながら行く。トップ記事には、今年の7月でEU内の飛行機・船内での免税販売がなくなることが報じられている。フィンランドはEU以外の国と間の船での販売がメインなので、そのまま続くそう。
ヘルシンキはマイナス2度ほど。神学部に行く。ここで友人と待ち合わせている。そういえば入り口の場所を教えていなかったけれども、分かるかな、と思いながらレポートについて考える。しばらくすると、普通は使われない裏口のドアベルが鳴る。司書が開けに行ったら、友人が来た(^^ ;)。やはり入り口が分からなかったそうだ。確かに、自分が一番最初に来た時にも迷ったくらいだから無理もない。荷物をロッカーに預けて、昼食を食べに行く。歩いてラップランドレストランの「ラッピ」へ。どこから来たか、と聞くので日本から、というと日本語のメニューを出してくる。しかしそこまでの会話はフィン語なのでちょっと変な感じ(笑)。お目当てはランチなので、今日のものを訪ねるとトナカイ肉の煮込みと、なんとかの煮込みという。それは英語では何と言うか、と聞くと分からない、と。とりあえずそれらを一つづつ、あとデザートにラップランドチーズを1つ頼む。先にサラダが運ばれて、メインがくる。わからなかったものはベーコンだった。友人は付け合わせのマッシュポテトも食べていたが、「別に全部食べなくてもいいんだよ」と念のために言うと、「そう思い始めたところだった」とのこと(笑)。まともに全部食べると結構大変。こちらは割りとお腹が空いていたので全部食べ、持ってきてもらったジャガイモパンも食べる。デザートは温かい牛乳ケーキといった感じのもの。食事には1時間くらいかかった。
そこからエスプラナーディを歩いていく。一部の店の連なりがまとまって改装工事中になっている。そこからセナート広場に入り、お土産屋の「ノルディック」へ。前から存在は知っていたが、入るのは初めて。ムーミン物がメインになっている。表示も全て日本語。友人は頼まれているという人形を探す。こちらは適当に眺めていたが、新しい方のムーミン切手の初日カバーが展示されているのに気がつく。もしかして売っているかしらん、と思って店番の若い女性の店員にフィン語で聞くと、何を聞きたいのかよく分からないらしい(^^ ;)。まあなさそうだ。ぐるっと店内を一回り。いちおう目的の人形もあったようだ。こちらの日本語での会話を聞きつけて、「さっきは何をお尋ねでした?」と日本語で聞いてくる。やはり日本人だったようだ。しかし東洋系のみかけだけでは判断できないことが多い。ともあれ、「初日カバー」というもの自体を知らないらしかった(^^ ;)。友人は免税で購入。チケットの換金は日本で日本円にもできるとか。ただしレートは25円計算だそうだ。友人の公用パスポートを見て珍しがっていた(笑)。まだ時間があるので、マーケットホールへ行く。歩いて一回り。特に代わり映えはしないが、新しくAlkoが入っていた。ここはフィンランドで一番小さな店舗だとか。そこから歩いて駅に戻る。
フィンエアーの事務所でチェックイン。ほぼ3時間前。トランクを預け、あとは出国審査だけになるので、これは便利。ついでに、自分のチケットのキャンセル待ち状況についても尋ねる。幸い、希望の日にすでに空きが出来ていたので予約する。今日はチケットを持ってきていないので、後日またチケットを持って来てください、とのこと。ともあれ、帰国日が確定したので一安心。友人が空港に行くまででもまだ1時間くらいある。とりあえず郵便博物館へ。いくつか切手をお土産に買っている。97年発行のムーミン切手のシートはしばらく品切れだと思っていたが、今日見てみたら大量にあるようだ。もしや増刷したのでは(笑)。民営化された郵便局にとっては貴重な収入源である。郵便局本体の方に行くと、ここで国会議員選挙の事前投票も行われている。即席の記入所が作られていた。郵便局で、というのはちょっと意外な感じ。さらにそこから、テンペリアウッキオまで行く。シベリウスアカデミーもちょっと覗いてから再び駅へ戻る。ここで空港行きのバスに乗る友人と別れる。
駅前のカイヴォフィアにあるAlkoに立ち寄る。Finlandia Vodkaを見るが、白とクランベリーしか置いていない。パイナップルはここには無いようだ。色つきは帰る時に買っていきたいのだが。店舗の広さによって品ぞろえにも差があるようだ。スオマライネン書店に立ち寄って少し本を眺め、神学部に戻る。しかしあまり勉強に気が乗らない。コンピューターセンターに行き、メールの確認と成績表の申し込みをする。現在登録されている成績の内容がメールで確認できるシステムになっている。正規のものは別に申し込まねばならないが。今季の最終的なものは日本に帰ってからしか請求できないが、日本まで送ってくれるだろうか。それからオリエンタリアで本を返す。てっきり期限を過ぎていると思ったら、まだ大丈夫だった。大学本館のカフェで、コーヒーを飲みながら「100」を辞書を引きながら読む。新聞を読んでいると、毎日のように新しい単語ばかりに出会うことになる。憶えても憶えてもきりがない、という感じがする。
6時にVanhaへ。今日はマッティ・ペロはお休みらしい。マッティ自身が発声をする。まずブレス、それもsやz、fやhを組み合わせ、またリズムもさまざまなものを使う。それをだいぶやってから音をつけていく。マッティはわりと口腔の響きをつけていくことを重視しているような気がする。歌は演奏旅行のプログラム。覚えているようで覚えていないところ、スウェ語の発音が怪しいところなどがいくつもある。練習中に来週の水曜日のパート練習の案内が回ってきたが、これは参加できない。また春から夏にかけての行事への参加確認も回ってくる。もちろん途中までしか参加できない。休憩にはマクドナルドでハンバーガーをかじる。後半も続き。9時半くらいになると皆が暗に「早く終われ」と要求しだす(^^ ;)。そうでなくても、練習中にマッティが話していても勝手に話していることも多い。それでも結果としてはちゃんと?出来ているのが不思議。9時45分くらいに終わる。練習後に、前に予定されていた春のコンサートはあるのか、と聞いたら、今年は無いことになったそう。ということは、コンサートとしては今度の演奏旅行が最後になる。次の電車にはだいぶ時間がある。いったん駅に向かおうとするが、思い直してZetorでビールを飲んで時間を潰す。それから電車に乗って帰る。気温は0度くらい。家に帰ってきたら11時。
3/17(水)
7時過ぎに目覚める。またヒーパッカがうるさい。ここ2、3日は大目に見ていたが、さすがに頭に来るので壁を叩いたら、壁が少し破れてしまった(^^ ;)。だんだん壁叩きも効果がなくなってきたようだ。そのうちに出かけていった。また警告文をドアに貼っておく。8時に起き出す。今朝はマイナス5度ほど。曇り空。朝食を食べて出かける用意をし、早々と出かける。9時の電車に乗る。少し遅れているかな、と思っていたら、白樺を載せた貨物列車が通過していった。これが先に行くようだ。ヘルシンキについて、まずはフィンエアーのオフィスへ。航空券を見せて、変更をしてもらう。新しく切り直すのではなく、上から変更内容のシールを貼るだけ。すぐに済んだ。これであとは出発前のリコンファームだけである。朝のオフィスはさすがに空いている。2、3月の機内誌が置いてあったのでもらっておく。時間があるので、郵便局に行って切手を買う。展示してある切手を見ていたら、セットになっているもののなかにまた別のムーミン切手があるのを発見。都合3種類が発行されていることになる。しかし幾つかのシートがまとまっているので52FIMとちょっと高い。とりあえず見送る。トラムに乗って大学へ。午前中はフィン語の授業。文法の説明がたくさんある。
昼食は社会科学学部まで歩く。今日は豚のトマトシチューを食べる。こちらに来てからは、いつもお腹が一杯になるまで食べているから、変な癖がついてしまったかも(^^ ;)。のんびりと食事を終える。神学部に行って、勉強。ギリシア語は使徒行伝に入る。しかしもう試験は来週。レポートもあるし、全部読めないかもしれない。福音書とちょっと勝手が違い、分かりにくところがいくつも出てくる。これは難儀しそう。3時過ぎにコーヒーを飲みに大学本館のカフェへ。しかし席が空いていないので、歩きつつ掲示板の広告を眺めながら飲む。ウェディングドレスを譲る、というのもあった。1回しか着てないというし、何やら背景を想像してしまう(^^ ;)。飲み終えてからふと思い付いて、ヘルシンキのゲーテ・インスティチュートへ。フォーラムビルの隣にある。ここに図書館があるはず、と思っていったが、予想外に小さなものだった。京都のゲーテの方が大きいくらい。とくにこれといったものもないので、パンフレットだけもらって帰る。帰り道は雪がちらつき始めた。歩いていると、ストックマンの前の停留所で明らかに子供の2人が、堂々と煙草を吸っている。普通は?隠れて吸うものだが(^^ ;)、と思うが、これも国民性かしらん。しかし煙草は高いというのに吸っている人は多いので、ずいぶん税金収入がありそうだ(^^ ;)。神学部に戻ってまた続きをする。しかしいまいち体の調子が悪い。ちょっと冷やしたのかもしれない。こういう時はスープを飲むに限る、ということでストックマンの上に行く。スープは2種類あるが、見てみると一つは鮭やジャガイモの塊が入っているコンソメ系のもの、もう一つはやはり魚だがどろっとした身の無いもの。暖まるのは後者だが、身がないとお腹がすぐ空きそう。しばらく考え、具だけを取り、その上からどろっとした方をかけて隠す、という戦略を取る(笑)。幸い特に何も言われなかった。それを食べるとちょっと元気になる。外に出て、スウェーデン劇場に立ち寄ってチラシなどをもらう。一度は見に来てみたい。ここにはカフェや小さな本のコーナーもある。ここでの会話はやはりスウェーデン語が中心。ヘルシンキの数少ないスウェーデン語文化の中心地の一つなのだろう。
それから合唱の練習に行く。今日はまた2階が使えるようになっていた。随分きれいになっていて、調度品も新しくなっている。小さな肘置きがついている椅子なので楽。壁の絵などがなくなっているせいもあってか、ものすごくよく響く。雑談をしているとそれが響いてうるさいくらい。普通に歌っていても、音量が上がったような気がする。今日はシュッツの福音史家訳の人も来て、合唱の入りの練習やソロとの練習もする。自分の分はきっちり練習していなかったので、ちょっと迷惑をかけてしまった。CDを買って、ちゃんと研究しなくては。反省。9時前に終わったので、電車に間に合うかと急いで駅に行ったら、思っていた電車は存在しなかった(^^ ;)。よくこういう勘違いをする。道にはまたうっすらと雪が積もっている。次の電車で帰る。家に帰ってきたのは10時過ぎ。ヒーパッカはいないようだが、警告文が取り去られているので帰ってきたことには違いない。
3/18(木)
8時に起きる。今朝はプラスの2度くらいで曇り。また雪がちらつきそうな雰囲気。朝食を食べ、出かける。雪はだいぶ溶けてきている。どろどろなので、早足で歩くとたくさん跳ねが上がってしまう。ヘルシンキについてから大学へ。午前中は講義。もう授業も先が見えてきたが、無理にテキストの先に進むのではなく、いろいろな内容をするようになっている。今日は、状況が幾つか与えられて、それについて3、4人のグループで会話をつくる、という課題が与えられた。こういうのは苦手。もともとフィン語のレベルが他の学生に追い付いていないし、留学生との会話自体がどうも苦手になっている。フィンランド人の学生だとわりと気軽に話せるのだが。2人組だとこちらも喋らないわけには行かないが、3人以上だと他の人達だけで話が進んでしまうのでこちらはついていけない。結局ほとんど喋らなかった。一緒の組みになったら学生たちにずいぶん失礼をした。自己嫌悪。
気分が落ち込んだままでは食事をする気にもならない。Fazerに行って、シュッツのCDを探す。が、マタイはない。これは意外。無いものは仕方がない。他に幾つかめぼしいCDもあるが、免税で買いたいのでまだお預け。それからいったん神学部に行きかけるが、気分が変わってコンピューターセンターへ。メールを見てみると、先日請求した成績が届いている。なぜか同じ部分がいくつも入っている。まだこの春の分の成績は一つも登録されていない。去年のものとして、ギリシア語、フィン語1、またフィン語2と3も記録されている。フィン語3の試験を受けたわけだが、同じ成績が2にも登録されている。ということは、今季にフィン語4に合格すると、1年で1から4まで全て取ったことになる。だからどうということもないのだが(^^ ;)、もしまたフィン語を取ることがあれば5から取ることができる、ということになる。春季の分は、5月辺りにまとめて登録されるのだろう。それから図書館を通り抜けて、ヴオリ通りの建物にある食堂へ。東洋系の、どこかで見たことがある気がする女性が食事していたが、あちらから挨拶されて気がついた。先日行った店の店員さんだった。オープン大学の方で、フィン語とスウェ語を学んでいるとか。意外なところであったのでちょっと驚く。ともあれ、食事をする。今日は白身魚のフライ。ホワイトソースにパセリが入ったものがかかっている。食後にコーヒーを飲みながら、スウェ語の予習もする。早めに教室に行ったら、まだ先の授業が続いているらしい。結局こちらの開始5分くらい前まで続いていた。
スウェ語の授業は、今日は8人と随分少ない。最初が20人以上だったのを考えると、ずいぶんな違い。さすがに先生も当惑ぎみ(^^ ;)。特に難しいところはないが、単語を覚えていないのが痛い。これは自分の責任だが。さすがに今日は何度も当てられる。そういえば、この授業はフィン語に比べて宿題が余りでない。授業後は神学部に行く。ギリシア語と格闘。6時過ぎに出かける。マクドナルドでハンバーガーを食べてから、オペラ座へ向かう。CD屋のfugaに寄ろうとしたら、6時で閉まっていた。開演5分前くらいに座席に着く。
今日の演目はドニゼッティ「愛の妙薬」。48回目の公演ということもあってか、入りは半分くらい。長く上演しているものほど、高い方の席に空席が目立ってくる。ドアマンも途中から中に入って舞台を見ている。主役女性はディルバーだが、西洋風の衣装や舞台化粧がどうも似合わないのが残念。コミカルな感じすらする。歌は素晴らしいのだが。オペラそのものは、家で筋を読んできたこともあってよく分かった。といっても、字幕そのものがよく見えないので、あきらめて舞台に集中する。休憩時間にコーヒーを飲みながら、出演者の紹介文を読む。今季は出演者が新しいからか、リストだけではなくて経歴も書かれている。それによると、今日の指揮者はまだ20歳だそうだ。しかしシベリウスアカデミーの指揮のディプロマを取っている。いるところにはいるものである。後半も楽しめた。やはり後の方がオケ・歌手とも調子が良くなる。全体としては、いまいち緊張感に欠けているような感じがした。もともとの音楽にそういう所があるように思える。カーテンコールでは主役に盛んな拍手が送られていた。終演は9時40分と、他のものよりもだいぶ早い。しかし電車には間に合わないので、駅のバーでワインを飲む。今日は新しい人の訓練?もしているようだ。ワインは「大か小か」と、いつもは聞かれないことを尋ねられる。「大」と言ったら、大きめのグラスに一杯入ってきて34FIMだった。いつもの倍入っているので、ちょっと大きすぎた(^^ ;)。広告には、「イースタービール」というものがあった(^^ ;)。どういう関係かが分からないが(笑)。ゆっくり飲んでから、電車に乗って帰る。11時過ぎに家に着く。大使館から、一昨日請求したチケットがもう届いていた。しかし、この日は別のコンサートに行くことになりそうな感じがしている。さすがに警告文が効いたのか、ヒーパッカはいるが静かにしている。いつまで続くかは疑問だが、とりあえず自分が帰国するまで続いてくれたらいい。
3/19(金)
9時前に目覚める。明るめだけれども曇り。気温は0度ほど。朝食を食べてからメールを読み、そして勉強を始める。ギリシア語ばっかり。時々横道にそれながらもぼつぼつと読んでいく。部屋もだいぶ乱れてきたので片付けもしたくなるし、荷作りもそろそろ始めたいところだが、今は我慢(^^ ;)。じきに太陽の光も差してくる。お昼まで読み続ける。昼食はカップうどんとバナナ。午後もまた続きに取り組むが、だんだん眠くなる。2時間ほど昼寝をする。いつも朝はわりときっちり起きているせいか、週末には眠くなることが多い。家にいるからかもしれないが。起きだしてまた続き。頑張っているつもりの割には進まない。夕方にスーパーへ出かけ、食品を買い込む。店内の配置が変わっていた。夕方の気温はプラス5度。こんなに暖かいのは実に久しぶり。またしばらく勉強してから、シャワーを浴びて食事にする。こんどはカップそば。さすがにカップものだけで済ますのはなんなので、いろいろと組み合わせるようにしている。ミートボールが買ってあるので、それを温める。一休みしてから、また勉強。最終的には今日の目標まで何とか読めた。
3/20(土)
7時半に目覚める。もう窓の向かいの林には日が差していて、雪がまぶしい。もう日の出は6時半以前になっている。今の時期はちょうど昼間が12時間だが、6時―18時でなく6時半―18時半になるのがちょっと不思議。気温はマイナス5度。食事を済ませてから、しばし勉強する。この週末の目標はだいぶ大きい。10時に出かける。暖かいので、厚めのシャツにセーター無しで出かけるが、全く問題なし。今日はパシラで降りる。トラムに乗ってオペラ座の近くまで行こうと思ったが、次が来るまで10分くらいある。ただ待っているのもなんなので、パシラの鉄道橋を渡ってみる。歩いて渡るのは初めて。下には貨車がいくつも止まっている。パシラの駅も一部拡張工事をしているようだ。散歩中の犬が欄干に立ちあがって風景を眺めているのがちょっと可笑しい(笑)。渡りきってもまだまだ時間がある。少し下に降りた停留所まで歩くことにする。オフィスビルとマンションが混在する地域。ふと見上げるとわりと古い感じの教会らしき小さい建物がある。階段を昇って近くまで行ってみたが、なんの看板も出ていない。集会所としてでも使っているのだろうか。また下に降りて、オリンピック公園の近くの停留所に行く。もう少し時間がある。ヘルシンキの地図を眺めていると、公園を通り抜けていくのはほぼまっすぐの道で、そんなに時間がかかるわけでもなさそうだ。歩く機会もなかなかないし、天気も実にいいので散歩がてら歩いていくことにする。公園に入ったところのすぐにはスケート場がある。夏には陸上のトラックになっているところだが。もちろん開放されているので無料のようだ。また投擲用のグラウンドもある。道は少し坂になっている。昇っていくと、地形の関係で視界には林と雪だけ、ということにもなる。ヘルシンキのど真ん中だというのに、建物が見えないというのは不思議な感じ。鳥のさえずりが盛んにしている。プールやオリンピックスタジアムの横を通り抜け、マンネルハイミン通りに出てくる。ちょうどトラムの車庫があるところ。通りを南に歩いていく。道の脇に大きなケースが置いてある。改めてみてみると、UFFという古着屋の回収箱のようだ。ということはあそこで売っているのは買い取ったものではなく、無料提供のものらしい。ここは慈善団体だからだろう。どおりでセールの時にはやたらに安い値段がつくはずだ(^^ ;)。この近くのCD屋のfugaに行く。シュッツのマタイを探すが、ここもマタイだけが無い(^^ ;)。ちと困るが、しかたがない。
トラムに乗って、アレクサンテリン通りまで行く。明日が選挙の投票日だが、あちこちに候補者の名前の広告がある。トラムの中にも車体にも広告があるし、中にはトラム正面の上にある旗立てに自分の旗をつけているものも。ストックマンの辺りには各政党の移動事務所もある。ずっと止まっているロンドンバスも、よく見ると候補者名がついているので実は広告塔だった。土曜の昼でしかも暖かいせいか、人出も多い。大学の前で降りて、エスプラナーディへ。こちらもたくさんの人。カフェのウルスラで待ち合わせているが、ウルスラの前にはもうテラステーブルが出されている。しばらく外で待つが、中で待っているような気がするので入ってみると、手を挙げて合図する男がいる。取り敢えず、カウンターでコーヒーをもらう。10FIM。30FIMなどのずいぶん高いコーヒーなどもある。まだ11時だが、ビールを飲んでいる人も多い。
今日会う約束をしていたのはヤルノという、日本学を学んでいるという学生。彼は今年の秋から1年間、交換留学で同志社に来ることになっている。なぜ同志社の方にしたのか、と聞くと、早稲田が第一希望だったが、応募者は多いし、しかも同志社は日本語の条件が厳しいので、他の候補者より自分の方が日本語ができるということでそちらになった、という。なんでも今年同志社に行った学生は日本語が全くできないので、随分大変な目に会ったらしい(^^ ;)。しかし京都は関西弁だから教科書とは違って大変だよ、と注意しておく(笑)。日本については、宗教・歴史と学んで、今は文学を学んでいるとか。「源氏物語」のフィン語版を持っていた。まだ最初を読んだだけだそうだが。日本には行ったことがないので、京都というのもよく分からないという。しかし金閣寺は「三島由紀夫の小説にあるね」と(笑)。9月の末から大学が始まるというので、オーストラリアなどを旅行してから日本に行く、という。他に春休みなどには中国や韓国にも行ってみたい、と。しばらくしてから、外に出る。ちょうどカフェの反対のエスプラナーディにある、彼が勧める中華料理屋というのに行ってみるが、開店が12時ということでまだ15分ほどある。しばらく散歩することにする。マーケット広場はたくさんの露店とたくさんの人で、夏のような賑わい。雑談などしながらゆっくり歩いていく。一回りしてからまた先程の店に戻る。
中華料理屋に行くのは初めて。サービスというコースを注文する。店員はあまり感じが良くないが、こちら流か。ヤルノは箸はまだ使ったことがない、とのこと。前菜は春巻(笑)。定番である。それからメインは3種類で一つのお皿に乗ってくる。エビや豚など、ごく普通の中華だと思うが、ちょっとまろやかな感じがする。ご飯もついてくるが、これはいわゆる短粒米。少しパ差ついているが。デザートはバナナのフリッターにメイプルシロップかけ。ヤルノによると「これはフィンランドの中華料理店では普通」というが、ちょっと甘い(^^ ;)。食後には「コーヒーは入りますか」と店員が尋ねてくる(笑)。さすがフィンランド。住所等の名刺を交換する。こちらでは仕事や趣味の関係などで名刺をつくっている人もわりと多いようだ。普段はソネラという会社でアルバイトしているが、5月からは夏休みということでフルタイムで働くとか。8月末まで仕事をして、それから旅行に出るという。論文はいつ頃書けるのか、と聞くので、まだ3、4年はかかる、というと、「じゃあ33、4歳の頃か、まだ十分だね」という。そんなことはないと言うと、「早く書いた方がメリットはあるのかい」とも。認識の違いがある。こちらでは35で博士でも普通だろう、と。大学はいつでも入れるし、いろんな年齢の人がいる、高校についても夜間の成人学級があって、そこで学べる、と。彼は仕事をしながら夜間高校に行っていたとか。で大学に入ったのが24の時になる。その辺は日本のシステムとの大きな違いだ、と説明する。食後には駅までいっしょに歩いていく。なんでも大学に出す書類で日本での連絡先を書く必要があるからそれになってくれないか、というのでOKする。特に夏の旅行中に困るということだった。駅前で、また仕事に戻るという彼と分かれる。しかしずいぶんお腹がふくれた(笑)。
電車に乗って家に帰る。また勉強に取り掛かる。休憩の方が多いかなあと思いつつ、テキストを読む。エストニアのクラシックFMを聞きながらだが、この放送局にはCMが無いように思う。7時過ぎに夕食としてカップラーメンを食べる。また続きを読み、まあなんとか今日の目標辺りまでは読めた。
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