Diary 9/1-10

9/1(火)

 今日はいよいよ下宿に移る日。7時頃に目覚める。今日はヒーターがついている。テレビによると、7時の気温は8度。ただし今日は天気がいいので、結構暖かくなるそう。時間どおりに朝食を持ってきてくれた。ハム・チーズ・キュウリ、パンとオレンジジュース、それに林檎とポットのコーヒー。果物が付くのはいい。ポットのコーヒーはいっぱい入っていて、日本で普通のカップ(こちらでは小さめか)で3杯飲んでもまだ2杯分くらいはある。単独で頼むと12FIMだそうだが、これなら安すぎるくらい。

 早めにHOASへ下宿の鍵をとりに行きたいので、あわただしく準備をしてチェックアウト。眼鏡をかけたほうの女性は若いと思っていたが、よく見ると結構な年のようだ。別に若作りしているわけでもないが。2泊と朝食1つで465FIM。カードで払う。

 荷物をもって駅へ行く。途中まで地下鉄で行ってみる。自動販売機で回数券を買おうとするが、うまく行かなくてお札が戻ってくる。ここはとりあえず地下鉄の分だけを買う。ここでは8FIMの券しか買えないようだ。朝ということもあって、ホームにはもう電車が入っていた。ここの駅はシェルターにもなっているそうだが、よく分からない。電車の椅子はプラスチック。自転車も乗せられるらしい。駅のエレベーターにも自転車のマークがある。数分で目的地へ。ここからトラムに乗りかえ、HOASへ行く。着いたのは9時5分くらいだったが、すでに番号札にして50人ほどが待っていた。900番台の次になぜか700番台になる。結局1時間ほど待って、鍵を手に入れる。

 歩いてパシラの駅へ向かう。駅ではまず回数券を買う。そこで出発表を見たら電車は今出たところ。次の電車まで20分ほどあるので、駅前の銀行で9月分の家賃を払うことにする。窓口には前と同じ女性がいる。「社会保証番号は取ったか?」と聞かれる。

支払いを終えて、駅へ。ホームで電車を待つ。いい天気だが、風は冷たい。電車に乗って、コイブキュレへ。

 とりあえず下宿に行ってみる。午前中のせいか、わりと静か。部屋に入ると、かなり汚い。自分の部屋は、ごみなどは少ないがやはりちりがたくさんある。これは大変だな、と思う。部屋はわりと広い。8畳くらいの感じか。ベッドは枠だけ。マットレスも買わねばならない。電灯は線だけが出ているので、これも買わねばならない。後で考えるとHOASに訴えてもよかったのかもしれないが、とりあえず電灯がないと夜に大変困るので、いそいで買ってこなくては。共同の部分も、ある程度片付いてはいるが、やはりごみの放置などが結構ある。これが夏の住人のものなのか本来の住人のものなのかはまだ分からないが、先が思いやられる。キッチンはわりと広い。オーブンも付いているが、電子レンジはない。冷蔵庫は大きいが、冷凍庫がない。いろいろ通信物も放置してあるのを見ると、2、3日は人がいなかったようだ。

 ともあれ、自分の部屋を掃除することから始める。ちりのほかに箱などもベッドの下にあった。10ペンニ硬貨が幾つも落ちている。戸棚の奥からは97年度の学生の受入証明が出てきた。この人物以来、この部屋は空いていたのか。しかし入り口には名前が出ていた…などど考えながら掃除する。家具は、机とベッド、テレビ台のような棚とワードローブ。まあ最低限必要なものはあるといえる。

 共同の部分は同居人とともに掃除することにしておく。自分の部屋を掃除してからごみ袋もないことに気づき、近所のスーパーに行くことにする。これが近いだけでもありがたい。夜も9時くらいまで開いているようだ。ごみ袋やごみ箱代わりのバケツなどを買い、家に戻る。そういえば、こちらには日本のような「ティッシュボックス」といったものはないようだ。ちり紙、というものがないらしい。それらしきものはあるが、縁にエンボスがついていたりしてナプキンの面持ち。

 一通り掃除ができたので、買い物などに出かけることにする。まず住民登録をしようと、駅を挟んで反対側にあるヴァンター市の出張所へ。書類の書き方を教わっているうちに、外国人はティックリラの事務所へいかなければならない、ということを言われる。場所を教えてもらって、ティックリラへ向かう。電車で2駅。

 ここはヴァンターの事実上の中心の町のはずだが、やはり小さなところである。地図の通りに歩いていき、事務所へ行く。しかし、「住民登録はできるが、学生割引はできない、1年以内では」といわれる。5月までと書いたのがまずかった。ともあれ書類は受け取ってくれたが、番号はもらえるのだろうか。その辺がわからないまま。

 ここで電灯なども買おうと思って、メインストリートと思われるところを歩くが、小さな店がいくつかあるだけ。大きいのはスーパーくらい。これが中心地か…と落胆しながら歩く。結局目的のものはなさそうなので、ヘルシンキへ行くことにする。

 だいたい、コイブキュレではどれくらい英語が通じるのだろう。すんでいるところは学生アパートだから大丈夫だろうが、町中では?? ほとんど言葉を学ばずに来た無謀さを反省するときが来たようだ。ことばが通じない、ということは心細いことでもある。やはり英語圏の国にしておけばよかったか、と思う。

 ヘルシンキに着くと、ここでは英語がほぼ通じる、ということのせいか、安心感がある。まず大学に行ってヘイスカネンに会う。ギリシア語の登録をしようと思ったら、「もう名簿に書いておいた」という。肩透かしを食らった感じ。「生活はどうだ?」と聞くので、ヴァンターに移ったが、これこれこういうことがあった、と言う。住民登録に関しては、9カ月などといわずに、前に渡した証明書を見せろ、それで大丈夫だ、という。なるほど、8月から7月末までと書いてある。とりあえず住民番号が来るか待ってみよう。電話を引きたい、というと、携帯はどうか、という。高いだろう、というと、通話料金は同じで、特にCITY PHONEという市内だけ使えるものにすれば安いぞ、という。しかし、家からモデムで繋ぐ必要があるので、やはり普通の電話のほうがいい。

 それからストックマンにいく。まずはふとん類を買わねばならない。エスカレーターで上がっていくが、不覚にも途中で涙ぐむ。朝からの苦労、心配、不安が重なっていたので、ヘイスカネンと話をでき、不満を話すこともできて安心したのか。よくわからない。気を取り直して、ふとんを見る。シーツもタオル風のものを選ぶ。マットレスが高いので総額では1309FIMに。配達はあさっての夕方になるとのこと。今日と明日はふとんなしか…と思う。どこかに泊まろうか、とも思う。とりあえず今日は何とか寝ることにしよう。こういうときに日本だと雑魚寝ということができるが、ここではそうはいかない。大学に入って下宿生活を始めたとき、がらんとした部屋で雑魚寝をしたのを思い出す。すでに結構なお金を使っているので、外に泊まってさらに費用を使いたくない、という気持ちはあるが、2晩続けて横になれない、というのはちょっとつらい。明日はどこかに泊まろうか。

 次に電灯を買う。安いものがあったので、65FIMで済む。これは持って帰るので、とりあえず今日の夜は安心。次にカップと、皿を2枚買う。カップはアラビアにしておいた。しかし、他の輸入品と比べると結構高い。

 買い物を済ませてから、フォーラムにあるHPYにいって電話の申し込みについて聞く。社会保証番号があったほうがいいだろう、ということなので、これも後になる。コンセントは部屋にあるので、1週間後くらいになるだろうか。

 フォーラムの地下で食事をして、家に帰ることにする。明るいうちに帰らないと電灯をつけられない。YLどころの心境では今はない。また来週にすることにしよう。戻ってみると、3の部屋の窓が開いている。朝は見なかったが、その前には閉まっていた…ということは、帰ってきているのか。しかし電気が付いていないので、いないようではある。部屋に入ると、3あての手紙が来ている。テーブルの上に置いておくが、これを取っていないところを見るとまだ戻っていないようだ。

 ともあれ電灯をつける。ちゃんと付いたので安心。しかしどうしても部屋が殺風景なので、やはりいろいろ工夫をする必要がある。カーテンも買わなくてはならない。壁にもなにかポスターのようなものがほしい。いろいろ考えるのは楽しいが、あまり無駄使いもできないので慎重になる。

 家の周りを散歩してみる。部屋のすぐ前が林になっている。結構深い林なので、歩いているとすがすがしい。目の前にこういうところがある、というのは贅沢な気がする。季節の変化を味わえるだろうか。

 夕方くらいから、結構人が入ってくる。荷物を入れたりしている。明らかにフィン人ではない女性に部屋を聞かれた。中国人らしき男性もいる。外国人は自分だけではないのが分かると、ちょっと安心する。英語が使える、というだけで心理的負担は相当軽くなる。妻に電話する

 入り口付近にいると、サウナの香りがしてくる。見ると、今日は男性のサウナの日。気分転換のためにも、入ることにする。結局一人で入っていたが、やはりくつろぐ。シャワーも浴びられたので爽快。ここの蛇口は、一定時間たつと自動的に湯が止まるようになっている。無駄使いを防ぐためか。

 ランドリーの部屋には、洗濯機が2つと乾燥機が1つ、あとはドライルームがある。こちらはシーツなどにつかうようだ。ノートがあって、時間を予約して使うようになっている。見るとB棟の家族などが結構使っているようだ。無料なのがありがたい。明日の9時から11時を予約しておく。

 共同部屋でテレビを見ていても誰も来ないので、しかたなく部屋に帰る。まだ入っていない部屋も結構あるようだ。9時半だが、いまだに3の住人は帰っていない。あるいはまだ定住していないのか。

 夜になると、60Wの電球だけではさすがに暗い。家でも勉強するなら、デスクライトが必要だ。今日見たら100FIM強でもあった。しかし図書館で勉強する手もある。だが冬になったらどういう感じなのかが分からない。結局必要になるような気もする。

 窓を開けていたら、結構大きな蚊が入ってきた。注意。物が少ないので、やたらに音が響く。

9/2(水)

 昨日は熟睡できない夜だった。木の椅子で座ったまま寝ているのだから当たり前か。さすがに2晩これではきついので、今日はヘルシンキに泊まりたい。4時くらいから暖房が入ったようだ。部屋からでてみると、暖かさに気づく。3の住人は帰っていないらしい。2の住人も、家賃の振込用紙が届いているからそのうちに帰ってくるだろう。結局3人で住むことになるようだ。どういう人たちか分からないのでいまいち不安。部屋の様子からはあまりたちがいいとは思われないが…。しかしベッドなどを入れてしまうと引っ越しも大変なので、ここで住むしかない。

 今日もいい天気。部屋から見える白樺がまぶしい。

 まずは洗濯する。洗濯機は水の温度によって時間が変わるらしい。40度では約20分。90度では1時間になる。しかし、脱水が弱いので水気がたっぷりある。案の定、乾燥には時間がかかる。ちょっとした分量でも1時間くらいかかってしまう。予約は2時間の幅でするのがよさそう。洗剤も買わなければ。

 洗濯の待時間に裏の林を散歩する。これは最高の贅沢かもしれない。人のいない、朝露に濡れた林の中を歩いていくのはまさに爽快である。近くには小川もあり、水の音も心地好い。さすがに空港が近いので、朝の飛行機が飛んでいくのが見える。あれに乗れば日本に帰れる…と思うと、急に弱気になってしまう。残りの時間はフィン語の勉強をして過ごす。部屋が響くので、ちょっと変な気分。同室の住人はあいかわらずこないまま。マンション共同のリビングでも結構時間を過ごすが、まだ余り人が来ない。

 洗濯を終えてから、出かける用意をする。今日はヘルシンキに泊まるかもしれないので、そのつもりで準備する。といってもバッグパックに収まる程度。

 ヘルシンキには11時すぎに着く。インターネットの端末は使えないかと思って、市立図書館にいく。空いているDOSの端末でためすが、文字コードが違うらしく、アルファベットすら化けてしまう。これでは使えないので、WINDOWSが入っている端末のほうへいく。順番待ちの後、自分の番。図書館カードを置いて、それをリーダーで読み込む形にして使用者の認証をしている。うまくいきそうだったが、なぜか途中で何かのメッセージが頻繁にでて止まってしまう。カードをうまく読み込んでいないせいのようだが、よくわからない。これもあきらめる。こうなると、宿で読むしかないか、と思う。

 昼食を食べて、学部図書館へ。ここにもパソコンがあるが、学生番号で認証しているのでやはり使えない。昨日のヘイスカネンの話では、登録ができるのは多分来週だろう、といっていたので、それまでは使えないことになる。近くのコピーセンターでコピーカードを買う。150度数で50FIM。結構ボーナスもついているらしいので、大体1枚50ペンニか。大学のコピー機はすべてこのカードを使うようになっている。また学部図書館に戻って、明日の分のギリシア語の教科書をコピーする。

 今度は神学部図書室へ。雑誌などをぱらぱらと読む。いろいろ日本にもって帰りたいが、何をコピーするかもまだ分からない状態。何をしにきたんだろう…と自分ながら思う。ここの電話から、今日の宿としてリョンロットを再び押さえておく。安いし、電話が確実に使えるから。

 だいぶ疲れてきたが、ストックマンへいく。カーテンの材料の値段を見ておく。いろいろあるが、安いものの見当をつけておく。6階に行って、アイスクリームを食べてコーヒーを飲む。やはりコーヒーは1日1回は飲んでいる。こちらでは、コーヒーパックの類が全くないので、コーヒーは店で飲むか、家で自分でつくるしかない。

 そろそろ宿に行こうか、と思ったが、妻に電話しようか、と思ってちょっとアカテーミンで時間をつぶすことにする。電話しようか、と思ったら思わず目頭が熱くなってしまう。今日はしょっちゅうこうなってしまう。寂しいというより、やはり不安がすごくある。まあ、まだ始まったばかりだし、と思い直すことにする。授業が始まれば友達も出来るだろうし、友達が出来ればもうちょっとは落ち着くだろう。話し相手がいないのが結構つらいかな。日記をつけているので、まだましかも。妻に電話したら泣いてしまいそうなので、やはり電話はしないことにしておく。今日はメールで送っておこう。日本語のメールもしばらくは使えない。早く住民番号が来ないと…。これがないと、本当に何も出来ないのがつらい。

 アカテーミンではフィンランド音楽の本(日本語)と、バス歌手についての本を買う。この歌手のCDはそういえば持っていた。「バスの王様」というタイトルがついている。半額になっていたので、フィン語にもかかわらず買っておく。ぱらぱらとめくってみたが、ちょっと勉強すれば読めそうな感じだし。

 だいぶ遅くなってきたので宿へ行く。さすがに受け付けにいた青年も顔を覚えていて、「また来た」といったらちょっと笑っていた。今度は16。だんだん番号が若くなっていく。部屋には冷蔵庫がついていた。部屋もだんだんグレードアップしていく感じか(笑)。今日はここに泊まって、明日の授業が終わってから下宿に帰ることにする。明日にはベッドも来るから、寝られるはずだ。

 宿では久々にメールを使う。85通くらい。ML関係が多いが、個人メールもいくつかある。次にメールできるのはしばらく先になるので、返事を書いて送っておく。メールを出すべき相手もいくつかあるが、Macの方に入っているので今はアドレスを確かめられない。結婚式のお祝い金の残りも振り込んでくれたようだ。為替レートが下がっているので、もらったときよりもずいぶん額が少なくなってしまった。本当にどんどんレートが下がっていく。

9/3(木)

 朝8時過ぎに起きて、再びメールをチェックする。必要な返事を書いて送っておく。朝食を頼もうか、と思ったが、外で食べることにする。図書館が開く10時まで本を読んだりして過ごす。

 10時にチェックアウト。学校へ行く前にマクドで朝食セットを食べようと思うが、もう看板も出ていないし、メニューにもなかった。あれは夏休みの特別セットだったのか。通常で頼むとちょっと高いので、とりあえず食べないでおく。図書館で今日の授業時間と教室を確かめ、しばらく本を読む。11時頃にはさすがにおなかが空いてきたので、後のことも考えて軽く食べておく。こちらはいわゆる菓子パンのたぐいがずいぶん高いような気がする。しかも、安い店で考えていくと案外選択肢は少なくなる。まあそんなものかもしれないが。

 食べてから神学部に行き、また本を読む。フィンランド音楽についての概要は掴めてきた。気晴らしにFazerに行って、今本で読んだ名前を楽譜で確かめる。いくつかは買っていきたいものだ。メリカントやキルピネンがよさそう。

 また少し本を読んでから、ストックマンへカーテンを買いに行く。その前に駅へ寄って、ロッカーの具合を見てみる。まる3日放置してあったので、さすがに持っていかれたか…と思ったが、もとのとおりにあった。いくらか得をした。コンピューターが入っているかばんの方だけ出して、トランクはふたたび預ける。こうしないと重くて持っていけない。それを抱えてストックマンへ。カーテン売り場、というか生地売り場で、青のチェックの生地を買う。こちらのカーテンレールにはクリップがついているので、生地のままでも十分カーテンになる。これは日本に持って帰れるか。ここで気づいたが、ストックマンの店員は名札の上に国旗のシールをつけているが、これはその言語が使える、ということを意味するようだ。応対してくれた店員はフィンランド・スウェーデン・英国のシールをつけていたが、他の店員はフィンランドのマークしかつけていなかった。

 その足で6階に行き、食事をする。今日は魚のソテーがあった。グリルは日替わりらしい。ただし同じメニューが回っているだけだが。3切れ迄は無料のパンは、常に3切れもらっておき、1切れ食べて残りは家にもって帰る。情けないが、節約のため。その割りには他の点でけっこうお金を使っているが(^^ ;)。

 3時に近くなってきたので、慌てて大学に戻る。ストックマンを降りるときに、カーペットの値段を見る。できればセンターマットがほしいが、ちょっと高そう。フリーマーケットで探すほうがよいか。

 3時前につくと、すでに何人かがいる。自分の後からも何人か来る。が、先生が来ない。15分過ぎになってやっとくる。マリヤネンという名前なのでてっきり女性かと思っていたら男性だった(^^ ;)。ーネンは男性の語尾であるような気がする。

 まず自己紹介から。イギリスやアメリカなど、だいたい西洋からの人ばかりだ。ギリシア語が初めての人も、自分のようにすでにやったことのある人もいる。自分の隣にいた女の子はデンマークからきたそうだ。先生になりたいようだが、英語と宗教だそうで、今学期のみとか。大変な授業をとったもんだ、と同情する(笑)。先生がいうには、ギリシア語を英語で教えるのはヘルシンキ大学にとって歴史的なことで、今後もまずないだろう、という。貴重な機会なわけだ。1回について1課ずつ進み、10月に中間試験、12月に最終試験をするという。

 とりあえず1課から始める。アルファベットなので、全く問題はない。先生にとっても英語は外国語なので、分かりやすく話してくれるのはありがたい。この調子なら大丈夫そうだ。火・水・木と連続するインテンシブコースなので、火・水にいれるつもりの合唱と宿題とがかち合わなければいいが。まあ午前中は空いているし、大丈夫だろう。

 今日は6時の20分くらい前に終わる。ベッドの配達が6ー8時なので、急いで帰る。6時半に家に着く。今日もまだ同居人は来ていない。とりあえずカーテンをつける。これでだいぶ感じも変わる。部屋に「遊び」がないのがちょっとつまらない。棚もないのでしかたないが。ぬいぐるみくらいは買ってもいいか。荷物をかばんから出して、部屋の整理をする。あとはトランクをもってくればいい。服の替えがいまは少ないのでちょっと不便。

 しばし待つ。が、なかなか来ない。7時40分くらいになって、同居人の一人が帰ってきた。2の部屋。とりあえず挨拶する。ヒーパッカという。少し話をするが、わりと話しはしてくれるので助かった。しかし、こちらの人の特質か、あまり表情はかわらない。まあ悪い奴ではなさそうだ。ここには1年住んでいて、これから2年目だという。物理学を学んでいるそうだ。

 しかし、ベッドは来ない。これは買える前に来たのか、とおもう。しかし、なんの通知も残っていない。電話がないと、こういうときに連絡できないので不便。一度ちょっと買い物に出たが、帰ってきてもやはり来ていない。これはだめだ。明日ストックマンへいって文句を言ってこなくては。結局また椅子で寝るのか…。暖房こそ入っているが、掛け布団もないのはちょっとつらいものがある。

 10時過ぎになると大きな声でしゃべっている者が入ってくる。3の住人かと思う。酔っ払っているようでもあるが…。何かを食べる音がしたので、あとでキッチンを覗いたら自分のヨーグルトが食べられていた。んん。

9/4(金)

 昨日は本当に眠れなかった。余り眠くなかったのもあって、熟睡が全然できない。1時間ほどの睡眠を繰り返すのみ。夜の長さを感じた。時間の立つのももどかしく、今日は早く出かけることにする。出がけに外から見てみると、3の部屋は窓が開いている。いくらフィン人でも、この朝に窓を開けたままで寝ていられるとは思えない。とすると、3にはまだ人がいないのか。しかし、昨日の声はヒーパッカのものとはおもわれないが…。いろいろ悩みながら駅へ行く。8時の電車に乗ったが、けっこうたくさんの人が乗っている。やはり通勤圏、ベッドタウンということか。

 まっすぐ大学に向かう。8時半ということもあって、今日は待っている人間もまだ少ない。学生手帳はもう出来ていた。ここに、書き加えられた形で住民登録番号も入っている。これがあれば、電話も引ける。さすがにヴァンターはヘルシンキほど人がいないので登録も早いのか。それから、通学用定期用の用紙にもサインしてもらう。通学パスは9時半からなので、マクドナルドで朝食セットを食べる。今日はあった。10時くらいまでということか。

 食べ終わってもまだ時間があるので、先に銀行と電話に行くことにする。銀行はちょうど開くところ。申し込みをすると、今度はちゃんとカードを作ってくれた。1週間くらいで郵送するという。月の手数料が10FIMというちょっと安いほう、ただし利息がつかない、を選ぶ。次にフォーラムの中にあるHPYに行く。ここでも問題なく申し込みできる。権利料が750FIMだが、学生は500FIMでいけるという。月の基本料金は80.50FIM。B17という外国人なので、最初に保証金として500FIMを払う必要があるという。しかしこれは毎月の支払いに自動的に当てられるそうだ。最初の権利金は買戻ししないとのこと。町中で売ることは出来るかもしれない。電話機は、ここにあるよりももっと安いものが町中にあるはずなので、ここでは買わない。リースという形はないようだ。結局1000FIMをカードで払う。電話は月曜の午前中から使えるとのこと。これで大丈夫。日本との連絡手段が出来たので安心する。

 神学部へ行ってヘイスカネンにコンピューターのアドレスが出来ているかを聞く。こちらはまだとのこと。来週の火曜か水曜に来い、という。それからオリエンテーションには行っていないのか、と聞かれる。住居のことでそれどころではなかった、というと、ちょうど今神学部のチューターグループが学内見学に出かけたところだという。外まで出て見てくれたが、時すでにおそし。まあいい、ギリシア語でも会うから、というと、それならいいだろう、ということになる。交換学生とは関心も違うし、同じ授業をとることも少ないだろうから、無理に出ることもない。そういえば2日は学部がにぎやかだったが、彼らを迎えるものであったのか。ヨーロッパからの交換学生は住居が大学から与えられるので、自分のような苦労はない。うらやましい限り。

 まだパソコンが使えないので残念。ストックマンに行って、昨日の苦情を述べる。親切に応対してくれた。配達はされたが、番地が4の1なのに41と勘違いされて部屋がない、ということになっていたこと、また名字と名前とが反対になっていたことが理由のようだった。

 こちらでは名字のほうが先に来ることが多い。うっかりすると書き間違えてしまう。基本的に名字を先に書くべきだ。こういうところもアジア系の言語の名残か。

 ともあれ、もう一度配達してくれ、というと、次のこの地域の配達は来週の火曜だという。それではベッドなしに寝なくてはならない、と訴えると、配送と交渉してみる、といってくれる。椅子で寝ることの侘しさを思うと、涙が出そうになる。しばしの電話の後、本来の配達ではないが、こちらの手違いでもあるし、今日中に届けられる、ということになった。大変ありがたい。感謝して立ち去る。こちらの配達は4時から8時が普通らしい。この辺にもお国柄が現れている。

 ついでにポットややかんが必要か、と思っていろいろ見てみる。やはりデパートのせいか、ちょっと高い。真空式ポットはやはり象印のようだ。フライパンもけっこうする。まあもう少し慣れてから考えてもいいだろう。電話も見てみるが、145FIMというのが一番安いようだ。フリーマーケットで探す手もあるが、安物買いの、になる恐れもあるので、新品にしておく。ちょっともったいないが仕方ない。月曜日あたりに買うことにしよう。電気スタンドもほしい。これは100FIMくらいか。電球型の蛍光灯もあるが、80FIM以上とかなり高い。

 軽く昼食を食べてから帰ることにする。駅前の郵便局からあきちゃんと自分の実家に葉書を出しておく。ここで出すのが一番確実だろう。トランクをロッカーから出す。思えば、これも1週間以上ロッカーに入れたままだ。これを転がしながら電車に乗っていく。途中で、パラグライダーとおぼしきものが外を飛んでいた。そんな町中でしてもいいのか。こちらでは送電線の上には赤と白のボールのようなものがついている。ティックリラを流れている川はいつも汚い。ティックリラには大きな塗料の工場があるそうだが、そのせいか。そうだとしたらえらく問題がありそうだが。

 一度家に帰ってから、市の出張事務所に行く。大学の窓口で学生カードか学生手帳があれば申し込み用紙に記入する必要はない、と教えられていたが、その通りだった。簡単にことが運ぶ。これで1カ月定期が買える。行ったり来たりが自由になるのはありがたい。

 スーパーによって食品をいくつか買う。冷蔵庫に入れておくと食べられてしまうかも知れないので、保存が利くようなものを選ぶ。タイ製のインスタントラーメンがあったので買っておく。家に帰って、荷物の整理をする。いちおう全部のものがでた。いつのまにか機内食の食器セットがなくなっている。まあそのうち出てくるだろう。ヒーパッカが帰っているのでちょっと部屋を覗くと、楽な椅子などもある。うらやましい。3の住人は帰ってきたか、と聞くと、さあ、という顔。

 短波ラジオも出せたので、これでラジオジャパンも聞ける、と思ったらスケジュールをもらうのを忘れてきていた。まあインターネットで調べればいいだろう。いろいろ聞いていたら、ヴァチカン放送の日本語番組が聞こえた。

 4時過ぎくらいに3の住人とおぼしき人物が帰ってくる。ひとりごとをいろいろ言っている。やはりヒーパッカとは違うとおもう。ごとごとやっていたが、そのうちに出ていく。ヒーパッカも出ていった。この時間からどこにでかけるのだろう? 

 待てども待てどもベッドは来ない。6時がすぎ、7時がすぎるとだんだん焦ってくる。外に出てみていたら、青いバンがきて何やら探している様子。もしかしてうちか、と思ったが、ここには来なかった。まさか、また分からずに帰ってしまったのか。また今晩も椅子で寝るのか…と思う。この状態では何も手につかない。8時がすぎると、もういいか、とあきらめ気味になる。9時までとはいっていたが、9時をすぎてから苦情をいっても今日は駄目だろう、土曜日に配達があるかどうか分からないし、場合によったら月曜日まで椅子か…とも思う。8時20分になって、玄関のベルが鳴った時の喜びと言ったら! ちゃんと持ってきてくれた。これで安心して寝られる。やっと必要なものが一通り揃ったことになる。そういえば自分のベッドを所有するのは初めて。これから9カ月をともにするわけである。ふとんはこの国のひそみに習って薄めのもの1枚だけだが、寒くなってきたら買い足すことにしよう。シャワーを浴びて、寝る準備をする。こちらのシャワーは、本当にシャワーしかない。バスタブがないので、カーテンを引くだけ。ホテルでもそういうところがあった。ちょっと落ち着かない気もする。ただしヒーターは常に入っているので、寒くはない。

9/5(土)

 熟睡。朝方に2回ほど目が覚めたが、暗かったのでそのまま寝る。結局起きたのは8時半。昨日ねたのは10時前だったから、十分すぎるほど寝た。体がなまっているので朝起きたら体操をしていかなくては。ただし乾燥しているせいか、のどが痛い。暖房が入っているからであろう。水でも張るか、洗濯物をかけておくか。しかし、ふとん1枚でも全く寒いとは感じなかった。さすがというべきか。しかしカーペットがないと、裸足で立ったりすることが出来ない。小さいものでいいのでやはり1枚おいておいたほうが何かと便利かも。

 今日は土曜日。こちらでは土曜日は多くが閉まるか、早く閉じてしまう。わりに暇な日である。まあ家にいてもつまらないので、ヘルシンキに出かけることにする。フリーマーケットにでもいってみたいが、やっているかどうか。郵便の配達も土曜日はあるのかどうか。まだまだ分からないことだらけだ。

 10時の電車で出かける。まだ回数券が残っているので、定期は買わない。回数券は10回で、一回ごとにスタンプを押していく。2回分の値段が引いてあることになる。さすが電車は空いている。

 ヘルシンキに着くと、まずHPYへ行く。国際電話の割り引きサービスがあるそうなので、それを申し込む。しかも短縮番号までついてくるようだ。まだ電話がつかえていないので、月曜日に入力・火曜日から使えるようになるとのこと。家と実家の分を登録しておく。無料なのがありがたい。

 次に市立図書館へ。もう一度インターネットを試しに行く。こんどはもう一つの端末のほうで待つ。こちらはカードがなくても使えるタイプだった。ということは、誰でも使える。まずギリシア語の教科書を注文する。カードで申し込み、無事注文できる。2週間くらいはかかるだろうが、それでも早いほうだ。つぎにTelnetで同志社に入る。ここではちゃんとアルファベットも読めた。あきちゃんからもらっていたメールを読む。ローマ字なので読みにくいが、メールが読めるだけでもありがたい。おもわず涙ぐむ。とりあえず返事を書いておく。次からは日本語でメールできるだろう。

 もうお昼だが、ヒタニエミのフリーマーケットに行く。しかし、この10日くらいでかなり歩いているので、靴がだいぶ減ったようだ。一つは滞在中に買わなければならないだろう。マーケットはなかなかのにぎわい。いろいろなものがある。土曜の昼間ということもあって店も多いのか。女性が店番をしているところが多い。今の時期に上にはおるようなものはないか、と思って探したが、少し厚いものがおおい。今日は暖かい日ということもあり、またサイズがよくわからない(Mでもずいぶん大きい)ので、もう少ししてからにしておく。お昼はここでサンドイッチを食べる。床に引けそうな布(どうもバスタオルらしいが)を買い、電気スタンドもないか、と思ったがいいものはない。また今度にしよう。

 あるいてソコスデパートまで戻ってくる。ここがデパートとは今まで気づいていなかった。少し見てあるく。おもちゃ売り場があったので、縫いぐるみを見る。うさぎは1種類しかない。4色の服の色があるので、いずれ揃えるかも(笑)。香港製だった。「家用か」と聞かれたつもりで「そうだ」と答えたらきちんと包装してくれた(笑)。まあ自分用に買うとは思わないだろうな。他にノート類も買っておく。日本では普段はB5をつかっていたが、当然こちらではないサイズ。A4は大きいし、A5は小さいしという感じ。まあA4を使うことにしよう。ここの本屋では高校とおぼしき教科書も売っている。各教科があり、宗教や音楽もある。なかなか面白い。機会があったら買ってみてもいいかもしれない。

 郵便局に寄って切手を買い、駅地下の本屋でカードを買う。そろそろあちこちに手紙を出してみようか。3時の電車で帰る。土曜の午後ということもあり、あちこちに人が出ている。今日も明日もかなりいい天気らしい。

 コイブキュレの駅についてから、一度教会に行ってみることにする。地図をたよりに歩いていくが、駅前からちょっと離れると、個人の平屋が続く。林のような部分もたくさんある。コイブとは樺、キュレは町という意味なので、「樺のある町」ということになるが、確かに白樺の木はそこら中にある。ちょうど軽井沢を思わせる感じだ。人もほとんど歩いていない。教会は上に十字架が立っているわけではなかった。景観の規制があるのか。近代的な教会の感じ。中には入れなかったが、英語の礼拝はないようだ。それはそうだろうが。教会は、テンペリアウッキオの英語礼拝に出るつもり。日曜の午後2時なので、ゆっくり出られる。日本ではいつも早く出ているので、こちらのほうがいいかも(笑)。

 駅前のスーパーによって食べ物を買っていく。この辺はさすがに日曜は休みの店が多いので、買っておかねば…と思ったが、日曜日にも教会に行くためにヘルシンキに出るわけなので、あまり問題はないかも。わずかではあるが、この当たりの店でも調理済みのデリカを売っている。また活用したい。冷凍庫が部屋にないのはけっこう痛いものがある。買ってすぐに食べなくてはならない。スイカが安かったので買ってみる。電子レンジで調理できるものもたくさん売られているが、部屋にはないので無理。そういえば1リットルパックのヨーグルトはまだ買っていないが、液体に近いのであれでも使えるわけだ。以前にプリンも買ってみたが、これも液体であった。別に凍らせて食べるわけでもあるまい。ちょっと不思議。ためしに買い物袋をとってみたら、80ペンニであった。これも積もれば…となる。フリーマーケットあたりで布製のバッグを手に入れておくとよさそう。

 4時半くらいに家に帰ってくる。だれも帰っていないらしい。しかし、3の住人はほんとうにいるのか。声だけしか聞いていないし、なにしろ生活の跡が何もない。しかしあの声がヒーパッカとは思えないので、やはりいるのであろう。

 今日の夕食は、サーモンスープ。電子レンジ食品だが、鍋で暖める。なるほど、レストランで食べたのと同じである。デザートはスイカ。黒い種がない。「種が入っていることもある」と書いてあるから、種なしなのだろう。甘いが、日本のスイカの甘みとちょっと違うような気がする。

 9時頃、夜空を眺めようと外に出てみたが、まだ西の空には残光がある。1等星がいくつか見えるが、星座はよく分からない。近くの通りはメインストリートのようで、たくさん車が走っている。また街灯もたくさんついている。もう少し夜が早くなってからのほうが星見にはいいかもしれない。

9/6(日)

 今朝の気温は8度くらい。朝は紅茶を飲む。コーヒーよりも簡単だし、外でコーヒーを飲む機会が多いので家では紅茶で十分。紅茶はどこでもティーバックで出てくるようだ。それなら家で飲むのと変わらないから、外では専らコーヒーを飲む。そういえば、フォーラムの地下には日本茶の煎茶が売っていた。それなりに需要があるのか。お茶を飲むために鍋で湯を沸かすのも間抜けだが、電気ポットも200FIMくらいはするし、日本に帰っても使えないので、これで我慢しておくか。フリーマーケットでやかんでもあれば買うことにしようか。

 同居人の2人とも昨日は帰っていないようだ。まさに不思議な生態である。こちらの交通機関は12時や1時でもまだまだ走っているのでかなり夜遅くなっても帰れるが、冬は大変であろう。

 新しいヘルシンキの交通地図を見たら、ガレン・カッレラ美術館へ行くときに使う33のバスが無くなっていた。まあ人の少ないところだし、無理もないような気がするが。トラムの4番の終点から歩くとけっこうあるので、ちょっと不便になった。あるいは冬になると復活する…ということはないと思うが。

 フィン語の勉強をしたあと、11時の電車で出かける。日曜日ということで駅舎は閉まっていた。土曜日も早く閉まるようだ。例によって、適当にホームへ上がる。閉まっているとトイレも使えない。よく見ると、昼食休憩と称して9:30-10:00,14:45-15:15にも休みをとるとある。一人でやっているようなので無理もないか。ホームを端まで歩いてみる。とにかく長い。田舎の駅なのに、100m以上はたしかにある。スケールの大きさを改めて感じる。

 ヘルシンキについてから、まず切符を買う。無事に30日切符が買えた。学生なので244FIM。これでヘルシンキ市内の交通機関も乗り放題なので、大変お得。トラムにも気軽に乗れる。今まではお金を気にしてけっこう歩いていたので、これでずいぶん楽になる。続いてHelsinki This Weekを取りに駅の案内所へ。ここはコンコースから離れているせいか人も少ないが、パンフレット類は豊富に揃っている。This WeekはあるがHelsinki Guideはない。これも9月号が出ているはずなので、エスプラナーディの観光案内所に行ってみることにする。中心街は日曜の昼というのにまばらな人。ほとんどの店が休みなので無理もない。日本との考え方の違いを思う。配達の時間も含めて、買い物は平日に、という感じ。しかし店の無料のトイレが使えないのはけっこう痛い。観光案内所に行ってもHelsinki Guideは置いていない。空港にはあったのだが、置いているところが限られているのか。

 ここまできたので、マーケット広場に寄る。日曜というのにけっこう店も出ているが、やはり平日よりは少ないようだ。観光客がほとんど。日本語で書いているところも多い。しかしやや高い。フリーマーケットを見たあとだけになおさら。毛糸織りなどはおばさんたちがその場で編んでいた。ここで昼ご飯を食べる。鮭のハンバーグ。魚は鮭と鰯のような魚がほとんど。クレープの店がにぎわっていた。

 せっかくのいい天気でもあるし、スオメンリンナにでもいってみようか、とおもって桟橋へ行くが、9月になると船の数がかなり減る。1時間に1〜2本になっていて、出たばかりであった。次の船までぶらぶらと歩く。元老院広場までいって、階段に座る。このカテドラルはやはり印象的。真っ白の建物は青空に映える。前回あまり気が付かなかったのは、曇り空が背景だったせいか。船の時間が近づいたので桟橋に行くと、すごい行列が出来ている。これでは大変なので、今回はあきらめ。エスプラナーディ公園を歩いていく。マンネルハイム通りからトラムの3Bに乗って半周し、教会に行くつもり。

 ところがハカニエミ広場に来ると、日曜日なのにマーケットが出ている。まだかなり時間があるので、寄ってみることにする。このころの気温は18度。半袖の人も多い。こちらは日用品が中心。お土産物などは少ない。それだけ生活感がある。Tシャツや靴下などがたくさん売っている。南側にはフリーマーケットも開かれている。ぐるぐるとみてまわり、フリーマーケットで薬罐を買うかどうか迷ったが、錆が怖いので止めておく。時間が近くなったのでまた3Bに乗る。こちら周りは乗ったことがなかったので、以外に新鮮な車窓。しかしけっこう時間がかかり、教会に着いたときはすでに2時をまわっていた。

 テンペリアウッキオ教会は前に来た通り。讃美歌を借りて礼拝に参加する。オルガンの讃美歌の前奏はたぶん即興であろう。今日はいい天気なので、天井から青空が見える。ときどき影がよぎるのは鳥。なんともいえない感じがする。礼拝の後のコーヒータイムでは、アメリカから薬学を学びに来たという青年と話す。新しく来た人が自己紹介をするという時間があったが、司会に自分は気づかれなかった。アジア系で似た人物でもいたのか。

 3時半ごろに教会を出る。そのまま郵便局へ。電報について調べようとするが、よく分からない。友人の結婚式に電報を打とうと思うのだが…。駅前のスーパーで買い物をし、花屋で菊らしき鉢を買う。花があれば部屋の湿度を保つのにも役に立つはずだ。

 5時前の電車で帰る。まだ同居人が帰った形跡はない。シャワーを浴びて、夕食にする。ピザを買ってきたのでオーブンで焼く。オーブンを使うのもそういえば初めてだ。無事に焼けた。KOFFというビールの、Iを買ってきた。IIIというのもあるので、Iはライトビールだろう、と思っていたが、家で調べたらやはりそうだった。アルコール2.5%。しかしこれで2.70FIM。普通のビールが6.40FIMであることをかんがえると、ずいぶん違う。瓶で買ったが、レシートを見るとボトルの保証金が加算されている。50ペンニ。アルコールの税金は22%になっている。瓶を返せば50ペンニ戻ってくるわけか。食費は1日50-60FIMで済んでいるが、生活品を買っているのでどうしても出費がかさむ。T日に150FIMくらいずつ使っている。まあだんだん減ってくるだろう。こちらの銀行のお金はあまり使っていないので、十分あるはずだ。

 フィン語の勉強と、自分の研究も少しする。やりはじめるとのってくるのだが、やるまでが長い(^^ ;)。今のテーマと、気づいた別の話題について考える。いずれも丁寧にやれば論文にはなりそう。しかし、テーマが大学に提出してあるのと異なるので、教授に何かいわれないか心配。最悪、そのテーマでは指導できない、になりかねない。ある程度テーマの先行きを早くさだめて、相談することにしよう。まあヨハネ福音書の研究者も教授ではないがいることはいるし、ここでD論まであげるのでなければそう問題はないだろう。

9/7(月)

 今日でここに住んで1週間。本当にいろいろあった週であった。ここ2、3日はよく夢を見る。熟睡できていないということか? そうでもないのだが。昨日は久々に研究で頭を使ったせいか、よく眠った。

 今日は曇り。こちらでは曇りの日のほうが暖かいはず。天気予報では18度くらいという。朝食を食べようとおもって、ホテルでもらってきたインスタントコーヒー(売っているのは見ないが)をいれ、牛乳を入れようと思ったらヨーグルトになっていた(笑)。昨日の晩に飲んだときはどうもなかったので、一晩でヨーグルトになってしまったのか。それだけ暖かいということかな。そういえば、夜寝るときにはふとんをかけると暑いくらいだ。ヒーターをフルに入れているからかもしれない。しかたないので、同じくホテルからもらってきたインスタントのココアを飲む。

 7時くらいに、もう電話が使えるかと思ってためしてみるが、no dialtoneでつながらない。なにやら音はしているが、まだのようだ。あきらめて洗濯にいく。回転型乾燥機のほうが壊れているようなので、乾燥室で干す。こちらのほうが強力かも。2時間くらいは完全に乾かすには必要だ。

 8時半過ぎに再び電話を使ってみる。こんどはOK。たまっていたメールが読み出される。42通なのでそう多くはないか。いくつか個人メールも来ている。あきちゃんからは毎日のようにメールが来ている。ベッドのことなど、心配をかけたから。ともあれ、これで一安心。今日は電話器そのものも買ってこなくては。一通り返事を書いておく。

 こちらの電話は7時ー5時の間は高いので、返事は後で送ることにする。そのかわり夜は30分まで同じ料金だからお得。いまはcompuserveを経由しているので、その分の料金がかかってしまうが。

 11時に郵便が来た。あきちゃんからの葉書が来ている。郵便物第1号である。郵便もちゃんと届くことが分かった。

 洗濯物の乾燥に時間がかかったので、11時半の電車でヘルシンキへ行く。さすがにこの時間の電車は空いている。ヘルシンキに着くと、まず食事をする。大学のほうまで歩いていったので、ついでにマーケット広場に行って食事をしようと思う。今日は平日だが、土産物よりも食品などの生活用品の割合が高いようだ。日曜に来るのは観光客、ということか。鮭のパエリアを食べる。けっこうな量。こういうときに残して置けるように、ビニール袋をもっているのもいいかも。のんびり食べていると、鳩や雀が寄ってくる。当地の鳥はどうも人に慣れている。そのうちに鴎まできた。鴎は余り動かないが、見ていると歩くのがへだだからのようだ。一度パン屑を投げてやると、他の鳥まで寄ってくる。ひたすらこちらを伺っているのがおかしい。

 食べ終わってから大学へ。神学部の図書室で調べ物をする。図書館で調べたら、見ておきたい本がヨエンスーの図書館にあるという。取りよせをしてもらう必要がありそうだ。いろいろコピーをとったり読んだりする。なんとかものになりそうな予感がする。

 3時半過ぎに大学を出て、ストックマンへ寄る。ここで電話機をかう。一番安いのにしておいた。少し離れたキリスト教書店によって、駅へ戻る。電車に乗ろうとしたら、また出たばかり。どうも電車には運がない。しかたないので駅地下のスーパーで食品を買う。ここにはKOFF Iは置いていなかったので、家の近くのスーパーで買う。ある程度大きなところなら、スーパーには基本的にお酒が置いてある。ミネラルウォーターも買う。フィンランドの水道水は日本並みだが、まあ気分的な問題。

 こちらの鉄道は、発車ベルなどもちろんない。近郊列車では、発車の1分くらい前に案内放送が入る。これはいつも同じ声なので、テープらしい。案内放送はいつも同じ内容を聞いているわけなので、少しずつ内容が分かるようになってきた。反復練習(笑)。

 5時半くらいに家に帰る。同居人はやはり帰っていない。どういう生活をしているのだろうか。ともあれ、シャワーを浴びてから電話を繋いでみる。ところが、「この電話は国際電話はできません」というアナウンス。おかしな話だが、あしたオフィスに行って聞いてみよう。メールは、ヘルシンキ市内につないでいるので大丈夫である。

 今日は魚のグラタンを買ってきた。オーブンで焼く。デザートは、巨峰のようなぶどう。やわらかくておいしかった。

 Niftyのフォーラムも読めるようにする。前にうっかりソフトを削除してしまったので、再びダウンロードしてくる。が、まだうまく動かない。またダウンロードし直して、やっと動くようになる。これでフォーラムも読めるようになった。あとはppp接続ができるようになれば完璧。いつのまにかけっこう時間が立ってしまったので、寝る。今日も同居人は帰ってこない。

9/8(火)

 今日は6時半に起きた。起きてから電話を使ってみるが、国際電話はやはりつながらない。今朝はよく晴れ上がっている。8時過ぎに出かけたが、けっこう寒い。芝生の辺りはもやが立っている。放射冷却でよく冷え込んだようだ。こういう中を歩いていくのは気持ちいい。いつも出かけてから、カメラを持ってくるのを忘れているのに気づく。時々はやはり写真も撮っておきたい。どういうところに住んでいるのかを知らせる必要もあるし。

 朝の電車はやはり込んでいるが、列車も長くなっているので空きが見つかる。座って行けると楽。こちらの車両は幅が大きい。2列+3列なので、日本の新幹線と同じ。駅には「100」という新聞が置いてあり、無料でもらえる。フィン語だけだが、海外のニュースも載っており、なかなか重宝する。日本関係では、昨日と今日、黒沢章の死去について記事が出ていた。

 ヘルシンキについて、まずはフォーラムのHPYへ。国際電話について尋ねると、一時滞在の外国人には国際電話の許可は出ないという。「掛け逃げ」の防止、ということか。ただし登録すれば大丈夫、ということなので、改めて登録してもらったら、すでに以前申し込んだ番号もちゃんと入っていた。これなら、今日にもつかえるはずだ、という。かかってくるほうは全く問題ないとのこと。まあ明日試してみよう。

 大学へ行くが、授業までにはまだ時間があるので、図書館へ行こうとすると、途中でコンピュータールームを発見。中を覗いてみるとMacであった。Macならパスワードもいらないはず…とおもって試すと、やはりOK。ちゃんと使える。PowerMac4400とPerforma5200が20台ほどある。レーザープリンタもあって、自由に使えるようだ。Macにはやはり(?)いろいろなソフトが入っている。学生が入れたらしいものもある。ここへファイルを持ってくれば印刷もできる。これは便利。

 そうこうしているうちに時間が迫ってきたので、フィン語の教室へ。しかし、こちらでは先生が来るのが遅い。平均15分の遅れ? 生徒は13人くらい。出身地をお互いにフィン語で尋ねる質問で、みんなの出身が分かる。アメリカ・イギリスから、ノルウェー・ドイツ・ギリシア・イタリア・チェコ、また中国やバングラデシュも。中国人は3人いた。日本人は自分一人。今日は入門なので英語も使ってくれるが、これからはフィン語で授業するという。でもみんなある程度はフィン語を分かっているようだ。先生がいうには、教室では「学校フィンランド語」を教えるという。町中の言葉は自分で学びなさい、と。で、フィンランドにも社会階層があって、下の階層の言葉を使うと相手にされないこともある、ということをいっていた。フィンランド社会の一面を知る。学生手帳へのサインは今は必須ではないが、せっかくの機会なのでサインしてもらう。このクラスで友達ができるといいな。

 お昼はまたマーケット広場へいく。今日は白身魚のフライを食べる。小さな魚の丸ごとのフライ。25FIMなので、町中で食べるよりも安くすむ。ただししっかり食べられるところは少ないので、そのうち限界が来るかも。まあそのころは寒くなって、外で食べようとはおもわないだろうが。

 食事をしてから、フィン語の教科書を買いにフィンランド文学協会の本屋へ行く。フィンランド文学については、ここが一番揃っているようだ。詩も欲しかったが、今日は教科書と単語集(日本語を含め、20カ国語がある)、それからペーパーバックの短縮版カレワラを買う。ここにはまたそのうち来ることがあるだろう。学生は1割引で買える。

 くるっと回り道をして、MacWareHouseによると、iMacが売っている。大体予想した感じ。触ってみるとやはり速い。システムは英語だった。9/14からの販売らしいが、9950FIMとのこと。これは高い。日本の価格の1.5倍以上だ。輸入品だから仕方がないのか。

 学部図書館へ行って、ギリシア語のテキストの必要部分をコピーする。ここには、本をコピーするのに便利なようなコピー機が置いてある。ガラスが角になっていて、折り目の部分をつくらないようにできるようだ。よく分からないものだが、こんど調べてみることにしよう。

 神学部へ行き、調べ物をする。ぼちぼちではあるが、進みつつある。おまけのような方をつい熱心に調べてしまう。まあこれも論文になるかも。

 4時から6時まではギリシア語。今日は発音の復習から。さっき自分の研究でギリシア語の格の用法について考えていたのに、けっこう落差がある。が、復習と思って勉強する。先生も英語で講義するのは大変なのか、ゆっくり言葉を探しながらしゃべっている。この調子なら、そう苦労しないですみそうだ。

 授業が終わってから、ハンバーガーを急いで食べ、YLの練習場へ行く。ところが今日は椅子の並べ方も違う。なにか別の行事があるようだ。連絡先に電話してみても留守電

になっている。しかたないので、留守電に練習に参加したい旨を入れておく。後で考えたら、電話番号は入れたが名前をいうのを忘れていた。

 今日は家に帰ることにする。帰りの電車からは、熱気球がいくつか飛んでいるのが見えた。この時間から飛んで、ちゃんと帰れるのだろうか。

 今日はアパートのサウナの日なので、帰ってからさっそく入りに行く。今回も一人で入る。やはり気持ちいい。火曜日に練習が入ると、この日には入れなくなる。別に自分の時間をとってもらおうか。別料金になるみたいだが。

 サウナから帰ってから、届いていた手紙を読む。友達とあきちゃんと。メールが使えない時期に出されたものなので、その辺を反映した内容。今はメールが使えるのでだいぶ安心できる。

 明日のフィン語の予習をしておく。まだまだ最初なので容易。そのぶん、自分でのフィン語の勉強も進めなくては。

9/9(水)

 今日は7時まで寝ていた。ちょっと疲れている。朝のラジオ体操をして体をほぐしておく。出かける前に土曜日の分の洗濯機を予約しておく。

 9時の電車でヘルシンキへ。例の「100」新聞を読むと、日本発として中学生が毒物をクラスメートに含ませる、という事件が載っていた。どうもいいニュースでは紹介されないようだ。郵便局に寄って葉書を出してから学校へ行く。コンピュータールームに寄るが、ここは全学のコンピューター室らしく、他の部屋にもたくさんパソコンが置いてあった。朝なのでわりと空いている。

 10時からフィン語の授業。しかし、こちらでは時間どおりに先生が来るということがないらしい。まあ、生徒も時間どおりに来ていないが。開始時間にいたのは5、6人だけだった。これがヨーロッパ流か? 終わりも時間いっぱいまではしないことが多いので、2時間の授業でも実質は1時間半くらい。

 昼食はまたもやマーケット広場へ。マーケットホールも見てみるが、天気のいいうちは外で、ということで昨日と同じ魚を食べる。よくみると子持ちである。例によって鴎やハトが寄ってくるが、あげない(笑)。食事をしてから、今日練習があるはずの混声合唱団の連絡先へ電話する。入れる可能性はあるか、と聞くと、君が男声なら大丈夫だ、とのこと(笑)。来週オーディションだそうだが、とりあえず今日様子を見せてもらうことにする。

 午後は神学部へ。調べものの続きをする。今日はCD-ROMを利用した。ATLAや、TLG、トマスアクイナスの全集やミーニュのものもある。さすがである。データを検索して、印刷もできる。紙はただのようだ。読んでおいたほうがよいものの中に、日本の研究者のものもあった。しかもこの本はないので、著者に送ってもらうか。

 そうこうしているうちに時間が近づいたので、ギリシア語の授業へ行く。なかなかみんな苦労しているようだ。一通り知っているものも何人かいるらしい。授業では黒板のほかに、OHPをよく使う。OHPシートを黒板代わりにして、どんどんシートを消費していく。なにかもったいない気もする。教室はあまり明るいとはいえないので、薄暗くなってくるとこのほうが見やすいからかも。

 授業の後は、合唱団の練習場へ。Old Churchの近くにある。大学からでも遠くない。すでに体操とかが始まっていた。発声時間がけっこう長く、1時間近かったと思う。いろいろなタイプをする。半音階もある。今日の曲はヘンデルのオラトリオ「イェフタ」。楽譜を借りて、後ろで聞いている。

 休憩のときに指揮者と話をした。この曲は、10月に3回歌うとのこと。オーディションは、どんな声かを知るためだから、別に準備する必要もない、女性は順番待ちもあるが、男声はまず大丈夫だ、と。どこの混声合唱団でも男声不足らしい。合唱王国にしてはちょっと意外な感じがする。日本からきた、というと、15年くらい前に指揮をしていた日本人がいた、という話になる。やはり松原千振であった。彼は上手で、フィンランドでもいいポジションを持っていた、とのこと。フィンランドの合唱関係者はみんな松原を知っているようだ。このヘンデルは来月が演奏会だが、君の努力次第で十分ステージに乗れる、という。あまり合唱も多くないし、難しくもないので、行けそうだ。9時まで練習。来週にまた来ることにする。

 遅くなってきたので急いで帰ることにする。駅地下で食品を買って、ホームに上がったらまた電車がでたところであった。しかたないので、駅のスタンドでフランクフルトを食べておく。ちょっと雨がぱらついていて、途中の駅でも雨に濡れていたので、まずいなと思っていたが、駅に着いたときにはもうやんでいた。家に帰ったのは10時過ぎ。同居人はやはりいないが、明日がopening ceremonyで、多くの授業はその後で始まることを考えると、今日か明日には帰ってくるだろう。

9/10(木)

 今日は起きたら地面が濡れていた。明け方にも雨が降ったようだ。そのせいでけっこう暖かい。7時半で14度であった。今日は日本でラテン語の読書会がある日なので、こちらからも訳を作って送る。さすがに文章にするとかなり手間取る。終わって送ったのは開始時間ぎりぎりであった。

 朝出かけるときに空瓶をスーパーに持っていく。スーパーには回収の機械があって、それに入れるようになっている。口から覗いてみると、そのまま運ばれ、機械で大きさをチェックして、その分のデポジット額をそのスーパー用の金券というかたちで、レシートのようなものが発行される。これにバーコードが付いているので、自動で読み取れるようになっているようだ。ペットボトルのようなものも回収しているらしい。さすがである。

 朝は曇りだったが、だいぶ雲行きが怪しいようなので一旦傘を取りに家に帰り、再び駅に行く。電車に乗っているとだんだん雨が降ってきた。傘を取りにいって正解だった。しかし、こちらの人はわりに傘を使わない。ジャンパーなどを着ている場合はそのまま、あるいはレインコートを着ている。雪のときは傘では大変だからだろうか。

 今日はパシラで降りて、催し物場へ行く。コンピューターや通信機器などの展示会があるのだ。行ってみると、けっこうな人込み。商談も兼ねているせいか、固い感じの展示も多い。Apple関係の展示もあり、いくつかのソフトのデモをしていた。もちろんiMacもある。販売はあまりないようだ。ぐるっと巡ってみたが、飲料の自動販売機や給水器、判子のブースもあった。インターネットにつながっているところもあったので、山下先生のBBSに書き込んでおく。廊下に喫煙所があるが、完全に囲まれた部屋になっている。これは列車でもそうだった。禁煙はきっちりしている。そのせいか、この国では吸いながら道を歩いている人は日本よりも多いような気もする。

 お昼過ぎまでうろうろしてから、トラムで中心街へ。雨は降り続いている。こちらに来て初めての本格的な雨だ。お昼はピザにする。日本にはピザのファーストフードは少ないが、これから増えてくるのだろうか。

 食後はしばらく大学で勉強する。大学図書館の本館にある資料が増えてきた。今度まとめていってみよう。ヘイスカネンのところにいって、コンピューターのIDは来たか、というと、来ているはずだ、といって書類をとってきてくれる。これで学内のコンピューターも使える。大学のアドレスも貰えたことになる。さっそく神学部の2階にあるコンピュータールームに行く。ここにあることはさっきヘイスカネンに教えてもらった。Dosが9台、マックが3台。しかも、LC(笑)と5200と6300。5200のディスプレイは青ぼけている。マックからunixに入ってみる。パスワードを変更して、一応使えることが分かる。しかし、メーラーが使ったことのないものなので、いまいち勝手が分からない。どこかでマニュアルをもらってくることが必要だ。時間が迫っているので、ギリシア語の教室に行く。

 今日は始業の行事があるせいか、学生も少ない。いつものように、10分遅れて始まり、20分前に終わる。まあ3時間フルにやられても大変だが。名詞の活用に入ったが、学生の恐れを防ぐのになかなか先生も苦労していようだ。

 授業が終わってから今度は大学のコンピューターセンターに行く。いろいろ試してみる。DOSで使うWordとかWordPerfectがあるのには驚いた。ほかにWin3.1上で使えるものもある。マックからは、大学のサーバーに入って、そこにあるソフトを使えるようになっている。PhotoshopやIllustratorのような大物も入っている。DOSやUnixはいまいち使い方が分からないところがあるので、やはりマックが中心になりそうだ。

 7時過ぎの電車で家に帰る。まだ誰もいないが、どうも誰か部屋に入った形跡はある。郵便物が増えているようだ。しかし、開封されていないのはなぜか。入れるのはこの部屋の住人だけのはずだが…。

 シャワーを浴びてから、さっそく電話回線でコンピューターを繋いでみる。センターで貰ってきたフィン語の案内書に電話番号も書いてあった。いろいろ試してみて、自動ではうまく行かないが、手動で繋げば問題ないことが分かった。ちゃんと日本語でホームページが見られる。これはなかなか嬉しい。しかしメールの転送を止めようと思ったら、この電話からはできないことが判明。あきちゃんにやってもらうか。ともかく自分のホームページのアップもできる。近いうちに日記をアップしよう。しかしモバイルギアに慣れてしまったので、マックの操作がちょっとぎこちない。動作がやや遅いのも気になる。モバの偉大さが改めてわかった。

 夕食は、あまりおなかが空いていなかったので、前に買っておいたタイ製のインスタントラーメンを食べる。日本のものとそう変わらない。チリソースはちょっと辛かったが。「日本の味」が楽しめるのはありがたい。しかも安い。


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