9/11(金)

 今日は8時半まで寝ていた。雨はもう降っていない。朝食をのんびり食べていると、出かけなければならない時間が近づいてくる。珍しく慌ただしく準備して出ていく。

 そのまま大学へ行くが、教室へ行く前に授業シラバスを配布しているところに行って、学生組合の手帳を貰ってくる。これは他の学生が持っているのをよく見掛けたが、どこで貰えるのかよく分からなかった。目星をつけたら、そこにあった。もちろんフィン語だが、いろいろ役に立つ情報が入っている。オリエンテーションハンドブックに載っているのとほぼ同じ内容が含まれているようだ。巻末には広告も入っていて、これが学生向けなのでけっこう役に立つ。鉄道の切符は、学生は半額になる。トゥルク迄は49FIM。100FIMで往復できてしまう。これはすごい!。YLの広告も出ていて、オーディションを受けるには8時過ぎくらいに来い、と書いてある。電子メールの連絡先もあったので、メールを出しておくことにしよう。

 フィン語の授業はだんだん進んでいく。この授業に来ているのはもちろん外国人だが、それぞれ、どこの国の出身か、というのは見た感じでだいたいわかるのが面白い。イタリア人のパオロはイタリア人、という感じだし、ギリシア人のコスタスはまさに古典期の壺に描かれている感じ。ドイツ人の女の子たちも、やはりフランスでもイギリスでもない、ドイツ人、という感じである。やはり民族というのはあるのだなあ、と思う。

 お昼は例によってマーケット広場へ行く。今日は例の店は出ていない。何にしようか、と思いながら、結局グリッリ(スタンド)でフランクフルトサンドを買う。これがけっこう大きい。2本ソーセージが入っていて17FIM。パンも焼いてくれるので暖かい。今日は曇り気味で、雲がかかると急に寒くなるので、これがありがたい。ゆっくり食べていたら、20分くらいかかった。

 食べ終わってから、海岸線に沿って歩いていく。フェリーターミナルがずっと続いていく。昔からあるらしい商館の建物などがなかなかおもしろい。一番端まで行くと乗船口がある。見てみると4階にカフェがあるようなので、景色が見られるか、と行ってみる。コーヒーはここで飲む。7FIM。いちおう海も見えるが、すぐそばに船があるのであまり視界は開けていない。しかし雰囲気は味わえる。行きはエレベーターだったが、今度は階段で降りていくと、乗船口がきっちり壁で仕切られているのが見える。なるほど。国境を越えるわけだから厳重なのか。国内線の船しか乗ったことが内から、ちょっと意外な感じがした。ここでポスティパンキのカードでお金を引き出してみる。レシートには、ちゃんと残高も表示されている。これなら安心。

 ターミナルからさらに海に沿って歩いていく。海に面した住宅街は端正な趣。しばらく行くと公園があって、海に面している。遠くにスオメンリンナの協会も見える。なかなかいい場所。ここでセルフタイマーで写真をとる。さらに歩いていくと、ずっと島のような部分をまわっていくことになる。だいたい遊歩道ができている。カッリオの教会なども見えてくる。途中で大学によく似た黄色の建物があったので、なんだろうと近づくと、いかめしいおじさんがこっちを見ている。あとで調べたら、外務省であった。ちょっと離れたところにあるのだな。海にはライオンの紋章入りの船も泊まっていた。ずっと歩いて、また大学まで戻ってくる。島を一周したわけだ。面白い散歩であった。

 大学図書館に行って文献を探す。木の階段をこわごわ上って、2階や3階へ上る。いかにも図書館、という感じ。うまく探せないので、オンラインの目録で見ると、書庫にあるようだ。カウンターに尋ねて、請求書を書く。これは午後だったので、次の日の午後になるようだ。時間がかかるのは不満だが、しかたがない。この図書館では、図書館発行の本やカードも売っている。地下にはカフェもある。落ち着いた雰囲気のようだ。

 大学のコンピューターセンターに行き、しばらくいろいろ試す。こちらでのアドレスは、前に言っていたyutaka.maekawa@helsiki.fiではなく、maekawa@helsinki.fiであることがわかった。道理でうまくメールが送れないわけだ。こちらでは珍しい名字だから、それだけで十分ということか。

 ここを出て、少し町を散策する。本屋によったり、インフォメーションによったり。インフォメーションでは、毎月の行事をまとめた小冊子を出している。ヘルシンキガイドなどと併用すると、ほとんどの行事がわかるだろう。こういうものも活用しなくては。ストックマンでは座布団を見るが、アンティラにはもっと安いものがありそうなので、あとで寄ることにする。歯磨き用のコップも欲しいが、プラスチックの安いものが見つからない。そういうものは使わない、ということか。

 アンティラへいく途中で、Tiimaraという店が目に付く。いわゆるバラエティーショップのようだ。中に入ってみると、まさに日本の店と同じ。様々なものがいっぱいある。しかも安い。100円ショップみたいでもある。ここでスープ用の皿と、歯磨き用の陶器のコップを買う。いずれも5FIM。これなら十分。アンティラでは座布団を買う。やはり安いものがあった。緑色のものを買うことにする。

 駅へ行くと、今日はちょうどいい時間だった。そのまま乗っていく。コイブキュレヘ戻ってからスーパーによる。いつもは近いほうのEUROSPARだが、今日はK-MARTに行ってみる。こちらにはLAPIN KULTAのライトビールもある。2.60FIMだが、これが通常の価格であるようだ。シードル1リットルが8FIMで売られているのも見た。こちらのスーパーにはデリカがあるので、焼いた魚や肉も食べられる。家でも調理はできるが、ちょっと面倒。夕食用にラザニアを買う。

 インターネットに繋げるといろんなことが出来て楽しい。日本の新聞でニュースも読める。友人のFisrstClassサーバーに入ってチャットもできた。日本にいるのと変わらないレスポンス。まさにインターネットさまさま、というところ。いろいろやっていたら、すごい雨の音がする。部屋の前にあるごみ置き場の屋根に当たって大きな音がするようだ。しばらくしたら小止みになったので、まあうるさくて寝られないことはなさそうだ。

 もう寝ていたが、11時過ぎ位に例の騒がしい男が帰ってきた。音の様子を伺っていると、自分の部屋の電気をつける音がする。そこで窓から、どの部屋の電気がついているかを確かめてみる。なんとヒーパッカであった。驚き。ということは、3の住人はまだ全く来ていないのか。郵便物も以前の住人の名前で来たりするので、どれが住人なのかも分からない。しかし、窓がときどき開いたり閉まったりしているのはなぜか。…わからん。

9/12(土)

 朝起きてから洗濯をする。ドライルームのほうが、ドラムよりも強力。2時間で完全に乾く。だいぶ要領が分かってきた。実家に電話をしておく。手紙を送ったそうだが、まだこちらにはついてない。土曜日も配達はないようだ。そういう意味では時間がかかるといえる。注文してある教科書も月曜日に着くだろうか。

 お昼前にでかける。今日は天気予報によると南のほうが雨模様だが、いまのところ大丈夫そうだ。今日は黒のバッグで出かけることにする。洗濯をしているときに新聞を読んでいたら、今日はオペラがあるようだ。チケットがあれば見てみたいので、ジーンズはやめておく。

 駅についてから、6のトラムに乗ってヒエタニエミのフリーマーケットへ。まずはホールで食事をする。ケーバブは定番。よく分からないが、とにかく肉である。町の中心部よりもちょっと安いようだ。どうせ交通費はかからないので、ちょっとトラムで出かけて食事する、ということも気軽に出来る。さすがに昨日の雨もあって、フリーマーケットの店数も少ない。電気スタンドはないかと探すが、見つからない。ないものはしかたがない。車の屋根を拝借して、セルフで写真を撮る。

 ふたたび6番のトラムで中心部へ戻る。駅近くのチケットセンターへ行き、今日のチケットを当たって貰うが売り切れとのこと。しかたないので、木曜日の別のオペラ(ブリテン「ピーターグライムス」のチケットを買う。幸い一番安い50FIMの席がまだあった。3階のバルコニーの端のほうだが、質より量で、回数をたくさん聞くことにしたい。

 こんどは地下鉄に乗ってイタケスクスのショッピングセンターへ行ってみる。地下鉄に乗るのは2回目である。この地下鉄は第3条軌のタイプで、架線がない。途中から地上に出て走る。天気はかんばしくないが、なかなか快適。イタケスクスまでは約10分。ホームが短いな、と思ったら、4両編成であった。こちらの電車は2両単位が基本らしい。2と3の間の通り抜けは出来ない。車両の正面にも出口はないし、日本とは安全基準が違うようだ。

 センターの中を歩いていく。なるほど、北欧最大というだけあって広いしいろいろある。土曜日ということもあってたくさん人も出ている。少し回ってみたが、特に今欲しいものはなかった。ソフトクリームをたべてひと休み。ミックスだが、バニラというよりミントのような色であった。7FIM。古本屋があったので覗く。フィンランド音楽についての英語の本を買う。しかし、詩の本がたくさんある。この国では詩が大きな力を持っているとは聞いていたが、古本屋にもたくさんある野を見て実感。別の棟にはスーパーもあったが、これがまさにスーパーマーケット。300m×100mくらいの広さに、食料品、日曜品、衣服まで、なんでもある、という感じのところ。広さに圧倒された。ここで、お茶用のパックを買う。

 雨がぱらついてきた。また地下鉄で市内に戻る。アンティラへ行き、デスクライトを買う。一番安い蛍光灯のもので119FIMであった。これも、どこにいっても同じ価格で売っている。見事というほど。安売りもあるのかも知れないが、もうかなり見てきたので、可能性もないと判断。それからトラムに乗って、オペラハウスへ。当日の立ち見でもないかと思ってチケット売り場に聞くが、ないとのこと。せっかくなので10月1日のモーツアルト「魔笛」のチケットも買っておく。やはり50FIMの席。さっき買ったのと似たようなところだ。

 トラムで駅へ戻る。それからソコスの地下で食品を買う。ここにもデリカがある。ライトビールを探すが見つからない。なんと、juoma(ジュース)の区分に置いてあった。ライトといっても2.5%くらいのアルコールなのに。

 電車に乗って家に帰る。家の前でヒーパッカとすれ違う。もう6時だが、どこへ行くのやら。さっそくライトをつけようとするが、机にはさむ金具にうまくボルトが入らない。よくよくみてみると、このボルトは、ねじが切ってあると思ったらただの円周に切ってあるだけだ。どうりでうまく入らないはず。これは文句をいわなければ。しかし明日は休みなので、月曜日になる。こういうときは日曜休業も困る。

 

9/13(日)

 7時くらいに起きた。今日もいい天気になりそう。朝食を食べる。食べているうちにふとパンを見ると、なんとかびが生えている。驚いて袋の残りのパンを見ると、やはりかびが生えていた。まだ4個くらいあったのにもったいない。買ってきたときに少し汗をかいていたので、それが原因かも。うっかりしていた。もしかしたら食べてしまっていたかも。まあ、これを書いている夕方まで何ともないから大丈夫のようだ。ついでにパジャマの洗濯もしておく。このパジャマはだいぶ活躍してくれている。

 今日は空港へ行ってみようと思うので、バスを調べてみた。近くから出る奴は平日のみ。ティックリラから61番でいけるようだ。これに乗ることにする。洗濯物が乾くまでしばし勉強する。

 11時過ぎの電車でティックリラへ。バスもちょうどいい接続になっている。日曜のこともあって、人は少ない。バスは30分ほどで航空博物館に着く。まずはここを見る。空港からはちょっと離れている。外見は倉庫に近い。外にもヘリやミグが展示されている。学生は15FIM。中に入ってみると、本物の飛行機がごろごろしている(笑)。大きさに圧倒される。フィンランドで現存する一番古い飛行機もある。天井からも昔の飛行機がぶら下がっている。なかには、損傷したままの機体やエンジンも展示されている。なにか畏れに近いものを感じる。爆弾などもある。最新に近い戦闘機も展示されている。特別展示室は今回は特になしで、第2展示室は民間のものが中心のようだ。80人乗りくらいの、カルフエアーの飛行機も丸ごと展示してある。中にも入れた。旅客機からグライダーまで、さまざまな飛行機がひしめくように置かれている。グライダークラブやスカイダイビングクラブの紹介もあった。なかなか楽しめる博物館。入り口には図書室や売店、カフェもある。売店ではソ連製の飛行機のプラモデルもあった。もう12時半だが、あまりおなかがすいていないのと、菓子パンくらいしかないようなのでので空港で食べることにする。

 バス停まで行ったら、ちょうど615のバスが来たところであった。そのまま空港の出発ターミナルへ行く。まずは食事、と1階へ行く。ここにあるCezar'sはゲートウェイホテルのカフェも兼ねているようだが、カフェテリア方式で取って後で精算する方式。サラダバーがあるのが嬉しい。しかも100g/6FIM。なすやきのこなど、あまり町中では見ないものもある。秤で計ってみて、0.20とか表示されるので少ないかな、とおもっていたら、kg表示だった。なんでもkg単位で計る国だ。それとキッチュがあったのでそれをとる。これもこちらに来て初めて見た。もちろんちゃんと暖めてくれる。見ていると、ご飯に鳥の足、というようなものもあるようだ。ともかく食べて、満足。出発ロビーのカフェにはパンなどの軽食しかないので、これはお勧めのところ。

 同じところにある郵便局ではがきと切手を買う。ここにはラップランドのカードも売っている。出発ロビーの上にある、FlyInnというレストランの入り口の前が展望台のようだ。さすがに外に出てみられるところはないらしい。国際線のエプロンが見える。飛行機は、国内線ターミナルと平行の滑走路を使っているようで、途中までしか見えない。いちど国内線にも行ってみることにする。こちらはちょっと小さめだが、きれいなところ。残念ながら滑走路がよく見えるところはレストランになっているらしい。カフェでコーヒーを飲み、あきちゃんに手紙を書く。見えなくては面白くないので、ふたたび国際線ターミナルへ向かう。ポストではがきを投函し、また例の展望台でしばらく飛行機を見ている。到着の案内を見ていると、大阪からの便が着くようだ。見ているとムーミンの絵のかいてある飛行機が着陸してきた。たぶんあれだろう。

 ともあれ飛び立つところも見たいので、また国内線ターミナルへ行く。やはり見えないので、何とかならないか、と思っていると、ターミナルの外に出たら見えそうだ。歩いていってみると、空港の端のほうが見える。考えることは同じようで、出発ロビーへ接続する高架の道路沿いに写真をとっている人々がいる。それに習って、上ってみる。滑走路の1/3くらいは見えているようだ。見ていると、けっこう頻繁に飛行機が出入りしている。やはりフィンエアーがおおい。国内線はほとんどこれだからだろう。3時くらいなので、国際線はまだ多くない。しばらく見ている。今日は風が強いが、とてもいい天気になった。まさに空港日和。たくさんの飛行機を見て、4時半のバスでヘルシンキへ戻ることにする。家の近所のスーパーは開いていないので、中央駅のスーパーで買ってこなければ。空港の1階にもK-Marketがあるが、小さいし、まだ時間も早いのでヘルシンキまで行くことにする。615で約30分。今日は早く着いたような気がする。駅で電車の時間を見ると、あと10分。レジが込んでいなければ大丈夫、とスーパーへ行く。あまりおなかもすいていないが、ピザを買っておく。電車にも間に合った。駅についてから駅前のスーパーを見てみるが、やはり休みであった。

 6時過ぎに家に帰ってくる。今日はヒーパッカも帰っている。しばらくするとノック。ちょっと話をしないか、という。彼の部屋に入ると、「新しいパソコンを買った」という。これを見せたかったらしい。Pentium233だから日本ではそう速くはないが、褒めておく(笑)。電話を引いているか、というので、ある、というと、どうやって契約したか、と聞く。書類や必要なもの、場所を教えると、明日行く、という。インターネットを使いたいようだ。こちらはマックを使っている、というと、それぞれいいところがある、ともっともなことをいう(笑)。大学へ行く費用は奨学金を貰っているのか、というので、自費だというと驚いていた。こちらでは、大学に入るとすべての学生が月1000FIMの基礎奨学金が与えられるそうだ。さらに、各種奨学金もあるらしい。それで賄っているそうだ。なるほど。こちらでは大学に行くのはけっこう大変らしいが、入ってからの援助は手厚いようだ。再びコンピュータの話になり、日本のパソコンでアルファベットもちゃんと表示できるのか、と驚いていた(笑)。お互い考え考えの英語で話していたが、彼が幸いけっこう話が好きなようでありがたい。

 ホームページのファイルを作成し、日記をアップする。後のことを考えると、10日ごとにしておくのがよさそう。久々に更新するので、タグもけっこう忘れていた。ワープロソフトのHTML機能で作ると余計なタグがいっぱいつくので、エディターで開いて手を加える。無事アップして、ちゃんと見られることを確認。アイコンはとりあえず流用だが、また大学のカラーの画面で作ることにしよう。

9/14(月)

 今日は7時に起きた。やはりいい天気。一体どうなっているのか、というほどいい天気が続く。新聞の天気予報は、「明日は雨」を毎日繰り返している(笑)。天気図を見ると、かなり強い高気圧がこの辺に張り出していて、前線も避けて通っているようだ。ともあれ、今日の予想最高気温は20度。

 今日は早めに出て、フィンランド史の授業時間について調べようと思ったが、朝に山下先生のホームページを見ると、「今日の読書会よろしく」とある。どうもおかしいな、火曜日じゃなかったっけ、と思って調べると、なんと今日であった。あわてて予習する。なんとか時間に間に合った。日本で4時半だから、こちらでは朝の10時半までに送らねばならない。朝からラテン語はなかなかきつかった(^^ ;)。訳をアップするついでに、フィンランド史の授業についてホームページで確認する。明日からのようだ。

 すっかり目も覚めたので、10時くらいの電車で出かける。外に出たら、草の匂いがする。芝というか、雑草を刈っていた。咲いていた黄色い小さな花も全部刈られてしまったのは残念。

 ヘルシンキについてから、まず駅の売店でフィルムの現像を申し込む。1時間で出来るそう。地下街などほかの写真屋で見ても、1時間仕上げというところが多い。値段はいろいろあるようだ。つづいてアンティラへ。電灯のことで苦情を言う。説明すると、すぐに代わりを持ってきてくれた。これで明かりが付くから、勉強もできるだろう(^^)。続いて学生カードを取りにオフィスへ行くが、カードの受け取りは下だといわれて引き換えす。なるほど、さっき通ったときは全く気づかなかった。50FIMと引き換えに受け取る。写真や名前、申込書に記入したサインまで入っている。英語の説明書も一緒にくれた。あとで読んでみよう。ついでに、近くのKILROYという旅行会社によってみる。これは学生組合の関連会社だそうで、学生(33歳以下まで)向けに安く販売しているという。9-10月の料金表を貰って、日本への飛行機の料金を調べたら、往復で5660FIMであった。約15万円といったところか。まあ標準的な値段かもしれない。こちらでは間接税(切符は多分8%)がかかるから、割高かも。片道の切符は半額。ひと月の生活費が3500FIMであるから、決して安くはない。日本でオフシーズンの切符を買ったほうがかなり安いかも。日本のホームページで調べてみよう。

 大学の本部へ行って、フィンランド史の授業について調べるが、パンフレットがない。いろいろ探してみるが、ない。ホームページには載っていたので、それを利用するか。コンピューターセンターで確認しようとするが、大学のホームページからは行けない。家に帰って調べるしかないか。ついでにラジオジャパン(NHKの国際放送)の時間と周波数についても調べておく。プリントしようとするが、うまくいかない。?。

 そろそろお昼の時間になってきたので、天気もいいことだし、マーケット広場に行く。例の店はやはりない。このシーズンはもう店じまいしたのか。いろいろみてから、フライを食べさせるテントに寄る。鰯のような魚のフライを食べる。25FIM。ここにはサーモンスープ(20FIM)もあって、みんなが食べていた。食べながら学生カードの説明書を見るが、これにお金を入れておいて、関連会社や学生食堂で支払いができるという。しかし、最低支払額が30FIMなので、食事にはあまりつかえないように思う。

 食事してから、別のテントでコーヒーでも、と思ったが、電灯の入っているかばんが重いので、まずこれを大学に置いてくることにする。本だけ出して、またエスプラナーディ公園へ。落ち着けるか、とKappeliに入ってみるが、コーヒーは10FIM。ちょっと高いので今日はやめ。外のテントで飲む。6FIM。天気はいいが、風がとにかく強い。ヘルシンキの風の強さは有名らしいが、テントではなかなか厳しいものがある。しばらく本を読み、また大学に帰ることにする。途中でFugaというCD屋に寄る。以前も来たが、小さい割りにけっこう揃っている。値段は、80FIM、100FIM、120FIMという3ランクが基本で、ほかに廉価版があるようだ。よさそうなものもあったが、今日は止めておく。

 大学に帰って本の続きを読む。切りのいいところまで読んでから、大学図書館へ行って先週請求した本を見に行く。表から入って尋ねたら、請求はここだが、受け取りは反対側にある建物だという。ぐるっとまわって、入ってみる。こちらは割に新しい建物。請求カードを見せると、本は貸し出してくれた。雑誌は、自分の名前の順に棚に置かれている。閲覧室でチェックし、コピーをとる。この建物の1階には音楽図書館もある。見てみると、書籍類が置かれていた。楽譜は、いくつかが展示されていたが、多くは棚に入っているようだ。鍵が掛けられている。オーディオ装置もあったので、CDもあるのかもしれない。またゆっくり見ることにしよう。また神学部へ帰ってコピーの整理や他の本を読む。

 4時過ぎに大学を出て、駅へ行く。写真を取りに行くが、26枚で74FIMほどかかった。一枚1.90FIMだ。店の掲示で0.80FIMとあるのは別のサイズか。50FIMくらいと思っていたのでびっくり。現像料は29FIMであった。これはこんなもんらしい。そのまま家に帰り、電車の中で写真を見る。だいたいうまく写っている。こちらの写真は10×15cmが基本らしい。けっこう大きい。ネガは日本のように袋に入っているのではなく、そのまま入っている。自分が写っているものもあるので、あきちゃんに送ることにしよう。

 スーパーに寄ってから家に帰る。今日は母から手紙が来ていた。部屋の扉にビニール袋をつけて「ポスト」にしておいたが、ちゃんとヒーパッカは入れておいてくれた。やはり親の手紙はありがたい。あきちゃんにも電話する。秋のうちにこちらにくるか、自分が帰るか、可能性を考えてみることにする。

9/15(火)

 8時に起きる。ちょっと寝坊した。大学のときの同級生と合唱する夢を見た。まだ眠気も覚めやらないところに電話が鳴る。誰かと思ったら母であった。これでちゃんと電話がかかることが証明された。食事をして、そうそうに出かける。

 ヒーパッカは先に出ていった。部屋を出るときに扉を見ると、3の住人の名前が貼ってある。ということは、時々来ているのか。しかし顔も分からない。駅に歩いていくと、途中でヒーパッカが歩いているのが見える。スーパーにでも寄って食事を買っていたようだ。駅で「100」を取って天気予報を見ると曇り時々雨。あまりありがたくない予報である。今日は帰りも遅いだろうし、雨に降られるかも。電車ではヘルシンキに行く子供たちと乗り合わせる。にぎやか。

 直接学校に行く。先にヘイスカネンの所によって、フィンランド史などの授業についてのガイドをもらう。最新のものがあるかと思ったら、ホームページで見るのが一番いい、という。いちおう、その関係の掲示板の場所も教えて貰う。フィン語の授業が始まるまでに読んでみたが、ホームページで見たのとだいぶ違う。教室や、開講の期間まで違うものが多い。掲示板で確認するのがよさそうだ。フィン語の授業はわりとどんどん進んでいく。今日は3課と4課の練習問題が宿題になった。説明も全部フィン語なので、詳しい用法の説明などになるとわからなくなる。まあ雰囲気で理解する。こちらの授業は、15分後に始まって20分前に終わるのが基本?のようだ。20分を切ると、学生がしきりに時計を見るようになる(笑)。中国人のチェンが、用事でもあるのか、机を叩いたりとしきりにアピールしていた。

 お昼を食べる前に、フィンランド史関係の掲示板を見に行く。ところが、これもまたガイドと違っている。この掲示のほうがさらに古いようだ。もう訳が分からなくなる。掲示してあるのが正しければもう午前中に終わっているはずだし、ホームページが正しければ午後である。週日の昼間が拘束されるのは図書館などを利用する関係上もあまり好ましくないので、自分で本を読んでフィンランド史を勉強することに結論する。

 同じ建物の中にあった学食UniCafeへ。わりと狭いが、外にもテーブルがあって、外に持ち出して食べている学生もいる。メニューは少ない。日替わりがボードに書いてあるが、読めない(^^ ;)。カフェテリア方式。ともかく並んで、前の学生の真似をする。暖かいものは2、3種類あるようだが、前の学生の言っていることをよく聞いて、同じものを貰う。肉じゃがと言った感じのもの。ベリーのソースが付いている。1皿10FIMなので、かなり安い。コーヒーは3FIMである。なんとワインが水差しに入れておいてあり、水で割る人やそのままのんでいる人がいる。しかもかなりの人数。お昼なのに、これには驚いた。お金を払ってから、パンやご飯、じゃがいもを自由にとることが出来る。これはありがたいものだ。例のパサパサだが、ご飯もあった。サラダ、といっても人参の千切りとキャベツのザワークラウト?だけだが、もある。多くの学生が取っていた。十分食べることが出来て満足。

 食後は学部図書館にいき、フィンランド史の英語の本を探す。ところが、数冊しかない。まあ自分の国のことだから、外国語の本を揃える必要もないのだろうが。見つかった本を借りる。この図書館では、古くなった本、特に教科書として数を揃えたが、今は使われなくなった本を安く販売している。見てみると小学校の音楽の教科書らしきものがあった。5FIMなので、買っておくことにする。

 近くにある、言語センターを覗く。ここにセルフの語学ラボがあるらしい。1階にあったコーヒーなどの自動販売機は、コーヒーが2.50FIMであった。神学部のは4FIMなのに。こんな違いがあるとは(^^ ;)。3階にラボがある。語学テキストのテープやビデオがおいてある。もちろん日本語もある。ラテン語の教材も2、3あって、しかも日常会話である(笑)。これは驚き。本屋で見付けたら買っておこう。今使っている教材のテープもあったので、ちょっと聞いてみる。スウェーデン語の基礎も学んでおきたいので、また活用しよう。今日はこれくらいにしておく。

 神学部へ行き、研究の続きをする。いちおうの進捗はある。だいぶここの図書館にも慣れた。4時からギリシア語。今日は冠詞の問題で手間取り、練習問題を7つするだけで1時間以上過ぎてしまう。英語圏の人間にとってはやはり冠詞は重要な問題のようだ。日本語がありがたい(笑)。フィン語にも冠詞がないので、先生も訳出に苦労しているようだ。続きは明日になる。

 今日はYLに行く日だが、帰りが遅くなるはずだし、8時過ぎに来いとも学生カレンダーに書いてあったので、先にフィン語の宿題をしておく。夕食を食べておくべきだが、全くおなかがすいていない。何も食べないのもつらいことが予想されるので、ハンバーガーを食べておく。HESBURGERで8FIMというサービスメニューがあったが、ハムのサンドであった。フィンランド史の本を読んで時間をつぶす。まずは先史時代。けっこう古くから(1万年前くらい)人が住んでいたようだ。しかし、気候変動にかなり影響を受けているらしい。

 8時前にOLD STUDENT HALLへ行く。練習をしているようだが、外に椅子が置いてあったのでしばし待つことにする。しばらくするとおじさんが来て隣に座った。この人もオーディションを受けるようだ。しばらくすると一人出てきて、今日の予定について説明してくれる。休憩のときに「受験カード」を貰って、必要事項を記入する。「カレッジ」の項があって、一緒に受けるおじさんが説明してくれたが、教育システムの違いでよく分からない。京大を書いておく。声種はバス、あるいはバリトンと書いておく。声を掛けてくれる人もいて、「日本からか、松原を知っているか」と聞かれる(笑)。

 休憩の後は一緒に練習に参加する。バスは真ん中に位置していた。指揮者から見て左からトップテナー、セカンドテナー、バス、バリトンという順番のようだ。不思議な順番である。そのかわり正面から指揮者のヒョッキを見られる。もっともそんな余裕は全くない。パルムグレンを練習するが、ほとんど初見で歌わねばならない。皆は何回か歌っているようだ。(もしかしたら初見なのかもしれないが)。1回歌って、テナー・バス別に歌い、また合わせる。少し注意があって、次の曲に進む。1時間で4曲くらいした。かなりのペースだ。フィン語でもあるし、なかにはスウェーデン語のものもあって、歌詞をつけるのが一苦労。音は大して難しくないのだが。

 練習が終わってからオーディション。いったん受験者は外に出て、1人ずつ入っていく。受験者は7人。アルファベット順で自分は4番目であった。待っている時間が長い。一緒に来たおじさん以外はみな学生のようだ。ひとりひとりの結果はその場でわかるようだが、出てきた様子からはよく分からない。しかし、例のおじさんは自分の直前であったが、駄目だったようだ。余計緊張する。

 自分の番になる。入っていくと、ピアノの前にヒョッキが、そして幹部らしき4人が座っている。名前を確認する。ヒョッキが言うには、「16年前に松原が来た。そして今再び、君が来た」といって笑っていた。オーディションを受ける日本人は二人目のようだ。

 まずは聴音。ピアノで引いた3つのアトランダムな音を真似る。これがけっこう難しい音程を含んでいる。10くらいしただろうか。それからハーモニー。和音を弾いて、その構成音を歌う。5、6つ歌う。3和音が中心だが、7の和音とぶつかるものもひとつくらいやった。まあ聴音は得意なので、だいたい間違えずに歌える。しかし、全体的に音が高い。高めの音がファルセットになってしまう。「ファルセットじゃなく、普通に歌ってみろ」というが、緊張のせいもあってかうまくでない。いちおうファルセットで歌えるので、そうしていたら「それが普通か」といって笑っていた。

 続いて自分の知っている歌を歌ってみろ、という。日本の歌はかえって歌いにくいので、シューベルトの菩提樹をうたった。これはけっこう上手だったと思う。最初は好きな高さで歌ったが、「今度はもう少し高く歌ってみろ」というので、高めの音で歌う。 最後は、先程練習していたパルムグレンから。この曲の、「セカンドテナーを歌ってみろ」という(^^ ;)。それじゃ全くの初見だ。ともかく、歌ってみる。最初は弾いてくれたが、基本的にアカペラで歌っていく。かなり緊張する。「慎重に音を取れ」というので、丁寧に拾っていく。さすがに慣れないパートではうまく歌えない動きもある。

 これだけ終わってから、ヒョッキは「We take you.」といってくれた。これは嬉しい。「ただし、セカンドテナーとしてだ。バスは、君には低すぎる」とのこと(^^ ;)。ともあれ、合格したのは大変嬉しい(^^)。1年の滞在だが、というと、別に問題ではない、という。今後のスケジュールを貰う。来週は練習はなく、その次の週からになるという。レギュラーメンバーとして入れる、ということだそうだ。ヒョッキや、幹部たちと握手する。舞い上がっていて、帰るときにかばんを忘れそうになった(笑)。

 もうだいぶ遅くなった。駅に行くとまだ少し電車まで時間があるので、フランクフルトをかじる。まだそうおなかはすいていない。緊張のせいもあるか。電車に乗って、YLのスケジュールを読む。パルムグレンのCD録音や、12月はコンサートがたくさんある。どれだけ出られるのか分からないが、楽しみ。

 家に帰ってきたのは11時半近い。家の近所の街灯は、11時を過ぎると1つおきに付くようになっている。なるほど、おもしろい工夫だ。しかし、どうしても夜が遅くなるので、冬は少し大変かも。

9/16(水)

 7時過ぎにに起きる。昨日の疲れかちょっと眠いが、朝の授業があるのであまりのんびりもしていられない。早々に準備をして出かける。

 ヘルシンキについてからは郵便局に行く。写真を家に送るため。対話型の自動の切手発行機もあって、英語でも使えるが、封筒のサイズ(16×23cm)がわからないので止めておく。秤はあったので乗せてみると130gくらいであった。窓口で頼むと、21FIMであった。ついでに料金表も貰っておく。250gまでは21FIMとのこと。小包は30sまで送れて、30kgだと1万円くらいか(船便)。駅前を歩いていると、人参をかじりながら歩いている女性を見る。生のままなのに。でも実はけっこうおいしいのかも知れない。にんじんそのものはわりと見かける。

 大学に行って授業にでる。正規の課題のほかに、「何か自分で書いたものがあれば見てあげるからもっていらっしゃい」とのこと。残念ながら、そこまでの余裕はない。稲垣美晴さんのようにフィン語で作文する練習をすればいいのだろうが、まだ文法もほとんど知らないのでちょっと書きようがない。春学期くらいには挑戦してみようか。

 質問をしていたらちょっと遅くなったので、同じ本館の食堂は込んでいるようだ。昨日と同じ所にいってみることにする。少しは並んでいるが、大したことはない程度。今日はブルゴーニュ風のシチューであった。12.50FIM。学生以外は倍で、25FIM。それでも市内よりは安い。サラダも無料である。今日はキャベツの刻み。あとでみたら、大根や人参の千切りも出ていた。じゃがいもは、ボイルにくわえてフライもあった。これらを取っていけば、かなり食べられる。うっかり取り過ぎるとおなかが大変になってしまう(笑)。話には聞いていたが、こちらの人はよく牛乳を飲んでいる。食事とともに牛乳を飲んでいるのには、学校の給食を思い出した(笑)。まあこちらはパンなのでそうおかしくもないが。12時過ぎにいったときにはけっこう込んでいるが、12時半くらいになるともうかなり空いている。ここがわりと端のほうのキャンパスだからか。

 たくさん食べたので、腹ごなしに?トラムに乗ることにする。1番が近かったので、北の終点まで行ってみることにする。この路線には古いほうの電車が走っている(2番も)。このタイプには初めて乗るが、なるほど古めかしい。前と後ろが乗車用で、真ん中は降車用の扉になっている。まさにガタゴトという感じで走っていく。終点は住宅街であった。こちらのトラムは扉が片方にしか付いていないので、終点ではかならずぐるっとまわるようになっている。複線でも、じつは1本につながっている、ということ。そのまま乗っていて、また同じ所まで戻る。降りようと思ってボタンを探したら、少ししか付いていなかった。

 そのあしで、フィンランド文学協会の書店に寄る。特に何も買わないが、いろいろ見てみる。店を出ると、ちょっと寒い。今日は日が差していないので、あまり気温が上がっていないようだ。パーカーのようなものでも買おうか、と思って探しに行く。ストックマンからソコスやフォーラムまでかなり歩いてみるが、なかなか気に入ったのがない。いかんせん、サイズが大きい。日本だとMかLだが、こちらのSでちょうどいいくらいだ。ダウンなどはやはり高い。いろいろ迷った末に、250FIMのものを買うことにする。いつごろまで通用するか分からないが、必要になればまた買うことにしよう。大学のオリエンテーションブックには「冬用の服は贅沢に」と書いてある。こちらでは、教室内では半袖の人も多い。見ていると、厚いコートの下は半袖などのようだ。探し回るのにけっこう時間を使ってしまったので、ギリシア語の授業の時間になってしまった。

 授業の後は、合唱の練習に行く。やはりおなかは空いていない。お昼に食べ過ぎか、腹持ちがいいのか。6時ちょうどくらいであったが、オーディションの途中らしい。自分の分は休憩のときに、ということであった。練習を見ることにする。発声の後、曲に入るときに、指揮者に「一緒に歌いたまえ」といわれ、楽譜を借りて輪に入る。ヘンデルの続き。ゆっくりした曲はいいが、速いものになるとさすがについていけない。まだ完全に音が取れているわけでもないようだ。女声はなかなかのレベルだが、男声は標準的か。これくらいならついて行けそうだ。

 休憩のときにオーディションをする。指揮者とパートリーダー?の5人くらい。最初に、好きな曲を歌え、という。日本の歌でいい、というが、日本語のほうがしんどいのでやはり「菩提樹」を歌う。つぎに3つの音を聴音。やはりけっこう難しい音程。昨日の経験もあって、難なくこなす。つぎには音域を見る。上に行って、下に行く。それからハーモニーだが、ヘンデルの中から、他のパートはリーダーが歌って、自分のパートを歌う。先週やっていた曲だったので知っていたのはよかった。結果は、問題なしに合格(^^)。ベースの上、とのこと。まあそれは順当(笑)。

 休憩の後はさらにヘンデルを続ける。がんばって音を取らなくては。全部で9曲だが、やや長いものもあるのでけっこうな量になる。帰りぎわに、CDを貸してくれた。これで聞いてみることにしよう。

 9時過ぎであったが、電車の時間は30分おきになっている。またもや出たところ。スーパーで買い物をして、駅でしばらく待つ。スタンドバーに入ろうかと思ったが、なかなか踏ん切りがつかない(笑)。ファストフードのほうにする。ranskalaisetというのを頼んでみたら、フライドポテトであった。10FIM。ケチャップをかけてくれる。これを食べながら待つ。電車で帰ってきたら、10時半くらいであった。けっこう遅く帰る生活になりそうだ。

 

9/17(木)

 8時に電話で起こされる。妻からであった。昨日も遅かったせいか、ちょっと眠い。空模様はよくない。今日も寒そうである。食事をし、洗濯をする。ちょっと多いせいか、なかなか乾かない。その間はメールを書いたり、勉強をしたりする。

 結局12時の電車に乗る。ヘルシンキ新聞では今日の天気は雨模様だったが、「100」では晴れ時々曇り。実際雨が降った後はヘルシンキにはなかった。傘をもってきたが邪魔になってしまう。こちらの人は防水性の上着類を着ているので、傘はあまり持たないよう。

 今日はオペラに行くのでジャケットにパンツできたが、ネクタイはしてこなかった。基本的にカジュアルだしいらないだろう、と思っていたが、なんとなく気になる。気になり出すとこまるので、アンティラで見ることにする。99FIM均一のもので気に入ったものがあったので買うことにする。これはフィンランド製であった。

 大学に行って、先にギリシア語の宿題をしてから、そろそり空いてきただろう、と思って1時過ぎに本館の食堂に行くと、まだかなり並んでいる。カイサニエミの別の建物まで行っても、やはりわりと並んでいる。昨日と同じ所に行くか、と思うが、まあいいか、と並ぶことにする。ここは中くらいのサイズの広さ。メエツェタロという林学などが入っているところ。地下にある。わりと並んでいるのは、盛り付けを一人でやっているからのようだ。しかも暖かいものだから、一人ずつ聞いている。だから時間がかかるようだ。「あれを」といってもらったら、野菜の煮込みにチーズが乗っているものだった。12.50FIM。今日はじゃが芋は一つにしておく。食べながら周りを見ていると、じゃが芋をフォークで突き刺し、上手にナイフで剥いている。別にそのまま食べても問題はないが、剥いてみることにする。けっこう難しい(^^ ;)。食堂にはひっきりなしに人が来る。2時過ぎには授業が終わったところらしく、かなり並んでいた。また満腹になる。ここにはトレードロップがあった。

 食後に、ホールにあった端末で食堂について調べると、1カ月分くらいのメニューが掲載されていた。これで調べておけばいいのか。食堂では、暖かいものは決まったメニューというのはなく、日替わりだけのようだ。スープなども日替わりで、1日に4種類くらいのメニューがある。とにかく安いし、味もまあまあなので、外で食べる気がしなくなる。込んでいるのは困るが。

 もうほとんど3時。ギリシア語の授業に行く。うっかりして続きをコピーするのを忘れていた。こちらでは1時間くらい遅れてくるのや1時間くらい早く帰る人もよくいる。出席を取っているわけでもないが、わりと自由な感じがある。

 授業が終わってから、7時のオペラまでは少し時間があるので、本を読んで待つ。おなかは空いていないが、終わるのは10時過ぎなので、食べておいたほうがいいか迷う。まあいいだろう、と結論。トラムでオペラへ行く。

 前回はぎりぎりで飛び込んだので開演前の様子は分からなかったが、今度はゆっくりロビーを歩いてみる。荷物はクロークに預けておく。こちらのクロークはとにかく広く、たくさんある。ロビーには「テーブル予約」という受け付けがあって、幕間のお茶のための席の予約を受け付けていた。けっこうな行列になっている。当日以外でも予約はできるようだ。パンフレットも売っているが、30FIMするし、どうせフィン語なのでわからないから止めておく。ロビーにはけっこうな人がいる。それぞれお酒を飲んだりコーヒーを飲んだりしている。ここでは喫煙テーブルが離れたところに確保されている。分煙が進んでいるようだ。学生風の人たちもけっこういて、彼らはわりと普通の服装をしている。ジーンズの学生も少しだがいる。あまり気を使い過ぎる必要はないようだ。チケットは各ドアでチェックするので、違う階には入れないようになっている。3階の自分の席に行く。わりと席は空いている。開演直前になると、より見やすい席へぞろぞろと移動。自分も移動する。やはり真横の席は視界が狭い。どうせそう高くはないので、あまりけちけちせずに100FIM(学割で)くらいの席をとったほうがよさそうだ。

 オペラはブリテンの「ピーターグライムス」。残念ながら予備知識が全くないので、細かい筋は分からない。しかし、ここの合唱はすごい。さすがにプロの集団である。ふと気づくと、客席の後ろの天井近くにモニターがあり、そこに指揮者が写っている。なるほど、これを見て合わせるわけか、と納得。

 1幕の後に休憩。ほとんどの客がロビーに出ていき、ホールはがらんとしてしまう。そのかわりロビーは大混雑。ちょっとおなかが空いたのでお菓子つきのコーヒーをとる。20-35FIMと書いてあるが、チョコレートケーキをとったら30FIMであった。なかなかおいしい。ほかにワインやウォッカも飲めるようだ。ふたたびホールに入るときにはチケットのチェックはなし。

 2幕の後にも休憩がある。今度はホール内を歩いてみる。さっき、1階のバルコニーがわりと空いているのに気づいたので、どうせチケットのチェックはしないだろう、と下に行ってみる。いちおう係員がいないドアから入ってみてみる。やはり印象はだいぶ違う。舞台が近い。そのまま座っていることにする。指揮者もわりとよく見える。ちなみにオッコ・カムであった。

 終演後は荷物を引き取る。チップがいるかと思っていたが、だれも払っていない。基本的に不要なようだ。外に出たら、向かいの公園に「Ooppera Grilli」というスタンドがあった。ここで軽食は食べられそう。しかし今日は電車に急ぐ。トラムがなかなか来なくて、10時49分の電車にぎりぎりに近かった。コイブキュレについたら、ヒーパッカが一緒に降りてきた。話をしながら帰る。電話がついたが、電話のコードがないとかでコンピューターでのみ繋いでいるらしい。シャワーを浴びて、メールをチェックしていたら寝たのは1時過ぎになってしまった。

9/18(金)

 7半時に起きる。まだ十分に寝たとはいえないが、不自由はない程度。昨日パンを買ってくるのを忘れていたので、朝食がない。バナナとクッキーを食べておく。今日はわりと寒そうだ。朝食を食べたいので、早くに出かける。メールをチェックしていたら遅れそうになってしまった。

 今日は一昨日買った新しい服を着ていく。なかなか暖かい。これは重宝しそう。駅に行って新聞を見ると、今日の予想気温は15度。

 ヘルシンキについてから、マクドナルドによって朝食を食べる。前までは10FIMでやすいと思っていたが、学食では同じ値段でおなかいっぱい食べられる、とおもうとなにか価値の下がるのを感じる(^^ ;)。

 授業は5課まで進んだ。授業でやったほうが何となく頭によく入っているような気もする。すでに知っているなようなのでそう感じるだけか。

 授業が終わってもまだおなかがすいていないので、SULASOLに行くことにする。頼まれていたものを調べなくては。ついでに入り口の写真などもとっておく。頼まれたものはあった。ちょっと古いようだが。ついでに2、3、ピースを買う。YLで使っていたパルムグレンの値段を聞くと、2冊セットで290FIM。いずれ買わねばなるまい。

 大学に戻って、もう少し本を読む。そのうちに雨が降ってきた。まあ大学の建物は近いからいいか、と思っているとそのうちに止む。今日は大学本館の食堂に行くことにする。さすがに2時過ぎなのですいている。今日はビーフストロガノフがあった。やはり10FIM。価格は、8FIM,10FIM,12.50FIMの3種類のようだ。ここの入り口には、英語で書いた日替わりメニューもあった。十分いただく。パンに塗るバターもいろいろ種類があるようだ。今日は人参入り?のものであった。

 また神学部に帰って続きを読み、今日は早めに家に帰ることにする。その前にティーマラにより、ハンガーと手袋を買っておく。安いものがあったのでよかった。駅で観光案内書を貰ってくる。ロヴァニエミにやタリン、ストックホルムにも行ってみたい。ストックホルムも、3〜400FIMくらいでいけるようだ。フィン語なのでよく分からないところもあるが。

 今日はわりと寒かったが、それでも半袖で町を歩いている人がいる。外でコーヒーを飲んでいる人がいる。10度以上ではまだ「暖かい」のかもしれない。

 

9/19(土)

 8時に起きたら、雨が降っていた。今日はシベリウスの家に行こうと思っていたのに。歩く部分が多そうなので、雨では大変。今日はお休みにしようと思って、食事をして本を読む。フィンランド史だが、まだ10世紀くらい。フィンランド人がどこからきたか、ということに関してはなかなか難しいようだ。日本人起源論と似ているかも。言語的にはハンガリーなどと同じアジア系だが、人種的にはヨーロッパに近いといえる。起源論争についてはときどき新聞などにも載っているようだ。

 ふと気が付くと、雨が止んでいる。雲もけっこう切れてきているようで、これなら行けるかな、と思って、昨日の新聞の天気予報を見ると、曇り時々晴れであった。大丈夫だろう、とおもって出かけることにする。急に決めたので、慌てて用意して出かける。

 電車でヤルベンペーという駅まで行く。ここは定期では行けないので、窓口で切符を買う。近郊電車の走る範囲はゾーン運賃になっていて、区間ごとにA,B.C,...とGまである。今回はB,Cの範囲の距離で、16FIMであった。この切符は今日から来年の1月31日まで有効となっている。近郊区間の有効期間は特別なようだ。5カ月ということか。やはり、最初の乗車から1時間有効である。機械で乗車時間を印字すること、とあるので、どうやって印字するのかと思っていたが、横から入れるようになっていた。なるほど。

 電車に乗って、北へ行く。途中で雨が強く降っていて、やはり失敗だったか、と思う。1時間有効だから、そのまま帰るかとおもうが、天気予報もあるし、止むまで待てばいいか、と思い直す。コイブキュレに止まる列車は途中のケラバまでしか行かないので、ここで乗り換える。この駅にはSLが保存されていた。Rの電車に乗り、さらに先へ行く。

 ヤルベンペーはわりとまともな駅だ。ついたら雨は降っていなかった。地図がないので、どこかにないか。電話帳についているはず、とおもったら、すでに破られていた。こまったなあ、と思っていたらインフォメーションのiの看板が目につく。これに従っていくと、ホールなどがあるところに出た。ここにシベリウスの銅像がある。インフォメーションには地図があった。「ヤルベンペー、シベリウスの町」とある。こういうロゴがあるとは知らなかった(笑)。人口は3万5千の市である。

 地図をたよりに歩いていくことにする。アイノラまでは2kmくらいのはずだ。途中で青空市が目についたので、少し覗いてみる。売っているものはヘルシンキと変わらない。残念ながら値段を覚えていないので、安いのかどうかも分からない。さらに歩いていくと、広い公園が右手に見える。湖が見えるか、と思って近くに行く。子供の滑り台があったので、上にのぼってみるが、あまり見晴らしはきかない。この辺はトゥースラ湖の北の端になる。芝生や植え込みなど、実に広々としている。しかも天気がよくないせいもあって、人がほとんどいない。写真を撮って、さらに歩いていく。フィンランドでよく見る、車道と平行に走っている歩道を歩いていく。車も多くない分、みんな飛ばしているので、このほうが安全だ。まあ土地に余裕がないと作れないが。

 車道に「アイノラ」の看板が見えたのにそれらしきものはないので、まだ先かな、と思ったところで、「アホラ」の看板が目に入る。あまり大きな案内版はないので、分かりにくい。

 「アホラ」はフィンランドの作家アホ(「荒れ地」の意)が住んでいた家。学生割引はなく、20FIM。彼と、その妻の作品や遺品が展示されている。フィンランド語の説明しかないので、見るだけにとどめる。肉筆もあるが、全く読めない(笑)。これを活字に直す印刷屋は大変だな、と思う。2階にはカフェがあるが、夏だけの営業でもう閉まっていた。こちらの「夏」は、8月いっぱいで終わるようだ。

 アホラと反対側の道を入っていくと、「アイノラ」の看板がある。手前には駐車場がある。入ってすぐ左手の平屋で料金を払う。やはり学生割引はなく、20FIM。ここには簡単なカフェもある。小さな林の中に、メインの家といくつかの小屋がある。メインの家の前で写真を撮ったら、カメラの調子が悪い。まずいな、と思いつつ、そのまま家に入ってみる。入り口でチケットのチェック。してみると、家に入らない限りはチケットは不要かも。案内書を貸してもらうが、「英語で」といったら「他の言語もあるよ」というので「日本語」というと、あった。まあ、シベリウスについては日本にファンが多いので、ここに来る人も多いのだろう。居間や書斎、台所が公開されている。居間には絵がたくさん飾られている。生前からであろうか。書斎や仕事部屋は印象深い。60年前にはここにシベリウスがいたのだ、と思うと実に感慨深いものがある。部屋は落ち着いた雰囲気。案内書には、シベリウスは仕事中に物音がするのを嫌うので、妻や子供たちは大変だったという。子供たちは近所にピアノの練習にいったそうだ。近所といっても、どの近所だろう(笑)。ここは外からみるとひとつの林のようである。まるで森の中に住んでいるような気がする。さっき歩いてきた主要道路からもわりと離れているので、いまでも静かである。ゲストブックがあったので記帳する。2、3枚前に日本人の名前があった。外には物置小屋、井戸、サウナ、それからお墓がある。お墓は御影石1枚のシンプルなもの。真ん中にシベリウスの、右下に小さくアイノの名前がある。アイノの扱いがちょっと小さすぎるのでは、と思う。この写真を撮ろうとしたら、カメラが動かなくなっていた。残念。他に庭園もある。ここから家を眺めることもできる。夏はライトアップもされるようだ。一通り歩いてから、カフェで何か食べようか、と思うが、まだいいか、と思ってあるいていく。カメラが使えないのは残念だが、仕方ない。

 この近辺にある、あと2つの建物が見られそうだ。一応、一回りのコースになっているらしい。小さな案内板がある。それに従って歩いてみることにする。多分、もうここまでこないかもしれないし。田舎道を歩いていく。黄金色の麦畑のなかを、林の中を。家はいくつかあるが、人の姿は目に入らない。フィンランドならではの体験である。次のところまでは1.2kmとあったが、どれなのかよく分からない。ついに舗装道路に出て、それを主要道路に向かって歩いていくと、例の案内板が見つかる。どうもこの建物のようだ。しかし、開いていない。中に電気はついているが、レストランか何かのようだ。よく分からないままに、先に進む。だいぶおなかもすいてきた。駅までは3kmとある。こうなるとけっこうつらいものがある。町中ではないので、買いようもない。ひたすら歩いて、また町まで帰る。とにかく何か食べたいので、マクドナルドに入る。ビッグマックセットが30FIM。そういえば、ビッグマックを食べるのは初めてなように思う。紙で包んであるが、輪がついていて形が崩れないようになっている。そういえばキャロルでもそうなっていた。これを食べて、ひと休み。もう2時近かった。土曜日のせいか、子供連れが多い。今回はトゥースラ湖の北半分を歩いたことになる。南半分にもいろいろあるようだが、また今度にしよう。

 また切符を買って、電車に乗る。乗ってから、ふと空港に行こう、と思った。飛行機を見たい。そのまま電車でティックリラまで行く。コイブキュレを通過することもめったにない。バスまで時間があるので、駅前の店を見る。セッペレという衣料品店で厚いコートで安いものを見付けた。これを先に見付けていたら…とおもう。290FIMなので買ってもそう大して痛手にはならないが、どうしようか迷う。買っておいてもいいかもしれない。何れにせよ、今日は荷物になるので、また今度。

 61番のバスに乗って空港へ。また途中で雨が降るが、着いたときには止んでいる。国際線のターミナルから滑走路を眺める。今日は前と違って、正面にある東西の滑走路を使っている。まだ3時半で、離陸よりも着陸の飛行機が多いようだ。今日は大阪からの飛行機が来る日だが、もうすでに到着していた。しばらく眺めている。離陸の飛行機は本当に急角度で上がっていく、という感じだ。雨上がりなので、水煙がたつ。しばらくしたら日が差してきて、虹も見えた。空港の郵便局で切手付きのはがきを買う。7FIMと10FIMのものがあり、この値段でどの地域にも出せるようだ。カフェにでも座って、と思ったが空席がないので、待合室の椅子であきちゃんに手紙を書く。ポストに投函してから、バスの時間までふたたび飛行機を眺める。着陸よりも離陸のほうが面白い。飛行機も地上走行時にはけっこう急角度で曲がれる、空港内で走っている乗客用のバスは右左両方に扉がある、などの「発見」をする。

 4時半のバスでまたティックリラへ戻る。電車の連絡はよく、じきに来る。待時間に液晶の行き先表示版を見ていたが、これには編成の案内(1等・2等・食堂車など)も表示されている。ただし小さいが。コイブキュレに戻って、スーパーで食べ物を買ってから家に帰る。電子レンジがあればいろいろ食品があるのだが、オーブンではどうしても限られてくる。まだ自分で作ろうという気はしない。

 とりあえず、フィルムを救出する。ふとんの中でカメラを開け、フィルムを巻く。なんとかうまく行ったようだが、現像してみないと分からない。

 夜にヒーパッカが帰ってくる。大きな声でなにか言っているが、何か分からない。やはり酔っているようだ。まあこちらの部屋に来たり害を加えるわけではないので、特に考慮しないことにする。しかし3の住人はこない。時々来ているような形跡はあるのだが…。

9/20(日)

 今日は9時前まで寝ていた。おかげで洗濯をし損ねた。9時からはもういっぱいである。まあ明日は授業もないし、明日にしておこう。乾燥機はあまり使われていないようだが、やはり天日で干しているのだろうか。干すスペースは、それぞれの建物ごとに作られている。自分のすんでいる建物には北側に作られているので、あまり乾かなさそう。もっぱら乾燥機のお世話になる。プレス器らしいものもあるが、使い方が分からない。外国映画なんかで見る奴だが…。

 今日は午後から出かけることにする。午前中は家で勉強。歴史と、フィン語。なかなか進まない。そのうちに客が来たようだ。ヒーパッカが出たようだが、なにやら怒っているような雰囲気。昨日の晩もヒーパッカが騒いでいたから、その辺りの件か。窓がどうとか言っているようだ。言葉も分からないのに出ていくとややこしそうなので、静かにしている。そのうちに帰っていった。理由はよく分からなかった。こちらもそろそろ出かけることにする。

 大学の読書室にいくので、パシラで降りてトラムに乗り換える。ところが、フィルムを現像するつもりだったのを忘れていたので、さらに乗り換えて駅に行くことにする。オペラの前で乗り換えようとして待っていたが、望みの3Bがいつまでたっても来ない。かなり待ってからやっと来た。3Bや3Tは時々こういうことがある。しかも、駅のほうへいくと思っていたら、アレクサンテリン通りの方へ行ってしまった。3Bと3Tにはいつも迷わされる。鬼門というか、鬼トラムだ(^^ ;)。

 ともあれ駅に向かい、現像に出す。それから再び3Tに乗って、読書室へ向かう。駅前に作っていた新しいビルのレストランが開店しているようだ。読書室近くの停留所で降りて歩く。けっこう近かった。「DOMUS ACADEMICA」という名前で、いくつかの建物が集まっている。メインの建物の地下に食堂があった。ここもわりと広い。ちゃんと土日にも日替わりがある。というか、暖かいものは日替わりしかないのだが。ハンバーグを食べる。日曜日の2時なのにけっこうにぎわっている。やはり安さは魅力。ここには日替わりとは別にパスタもあった。

 食事をしてから、読書室に行く。最初にO-ROOMにいくが、いっぱい。ここは50人くらいか。夜の1:30まで開いているそう。しかたないので中庭を通って別の建物に行く。B-ROOMは建物の7階で一番上。下にはサウナやスポーツ室?があるようだが、ここももともとそういうところに使われていたような雰囲気。体育館のような感じの天井である。200くらい席がありそうだ。かなり空いている。窓際に席を取って、しばらく本を読む。後ろの席にはフィンランドの「六法全書」が置いてある。法学部の学生か。前の机では、3元1次方程式が本に書いてある。高校生か? この建物はヘルシンキ大学だけでなく、この地域の学生一般に開かれているようなので、そういう学生もいるのだろう。5時までここで過ごす。英語の本だが、思ったより読み進めない。もう少し慣れておかないと駄目か。

 5時に、また食堂へ行く。今日は6時から教会でのコンサートに行くので、軽く食べておく。コーヒーと、ケーキのようなパン。日替わりはもうやっていないが、パスタは食べられるようだ。人が少なくなったせいか、ちょっと寒い。

 食堂をでて、駅へ行く。3Bに乗ろうと思ったらちょうど出たところ。歩いたほうが早いので、徒歩で向かう。駅で写真をもらうが、やはりいくつかダメージを受けている。しかし、自分でフィルムを出したためというより、カメラの問題のようである。いちおう全部プリントしてあるので、悪い分は払わなくてもよいようだが、まあ分かる程度なので全部貰っておく。

 再び3Bに乗り、カッリオの教会へ。古そうな石造りだが、おそらく今世紀のものだろう。塔は修復のため覆いがしてある。中に入って、プログラムを貰う。これはシベリウスアカデミーの学生?の演奏のようだ。曲目解説もしっかり作ってあるが、フィン語なのでよく分からない。教会の内部は、やはりルター派のもので簡素。十字架にはイエス像がついていて、しかも宙に浮いている。内陣があるためだが、これはナーンタリの教会にもあった。ステンドグラスなども特にない。オルガンは2つあって、今日は前方に置いてあるのを使うようだ。フィンランド製だそうだ。後方の2階にはさらに大きなものがある。6時10分くらい前に着いたが、まだ数えるほどしか人がいない。開演のときには、だいたい7、80人くらいか。わりと大きな教会なので、ちょっと寂しい。今日のプログラムは17世紀のオルガン音楽。J.Bull,Sweelink,P.Cornet,P.Philipsという顔触れ。わりと多彩であった。もちろんバロックの範囲内でだが。1時間、休みなしに演奏していく。なかなか大変だ。始まったときはまだ明るかったが、終わるころにはだいぶ暗くなってくる。差し込む光がなんともいえない。

 終わってからは、あるいて坂を降り、ハカニエミまで戻る。途中になにやらモニュメントがあるので、近づいてみると、第2次大戦の戦没者記念碑のようだ。隣の丸いビルは、いままで何度も前を通っていたが、たまたま中を通り抜けてみると、中にも小さなビルがあってAlkoが入っている。中から見ると、コロッセウムのようだ。なかなか面白い。ハカニエミからトラムに乗って駅に戻る。地下で食品を買う。鳥の足を買ったが、ちょっと大きかったのか10FIMだった。ちょうどいい電車に乗って帰る。

 一昨日買ったオレンジジュースを飲んでみたら、ちょっと酸味がする。中を覗いてみると、少し泡が浮いているようだ。部屋においているが、暖房で暖かくなるせいかいたみが早い。高くついても小さなパックを買うほうがいいようだ。


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