11/21(土)

 6時過ぎに目が覚める。まだちょっと眠いのだが、8時20分の電車だし、これ以上だと寝過ごしてしまう。外の温度計を見ると、マイナス14度! 予想通りに冷えこんでいる。朝食を食べ、メールを読む。あきちゃんからの情報では、日本もかなり冷えこんでいるとか。全地球的に冷えこんでいるのかしらん。北見ではマイナス19度だというから、フィンランド以上だ(^^ ;)。地理の本によるとフィンランドは緯度の割に温暖である、と力説しているが、なるほどという気もする。海岸と内陸とでも違うだろうが。用意をして出かけることにする。ついでに、共同部分のゴミ出しもしておく。放っておいたら、ヒーパッカはゴミで溢れても平気な顔をしているので、自分が片付けるしかない。彼は昨日の夜、母親?らしき女性が訪ねてきて、一緒に出ていったまま。彼は南フィンランドの学生組合に入っているようなので、実家もそう遠くではないようだ。とくに顔を会わせないので、ここのところずっと会話していない。マルクスは相変わらず、不在。でがけにアパートの共同部屋で新聞を見ていく。あしたの朝の予想はプラス3度。ざっと見た中では、ヘルシンキの地下鉄の新路線についての記事があった。一つは駅前からテーレ経由でパシラまで行くもの。もうひとつは今の西の端から延びてタピオラまで行くもの。後者は新しい計画のようだ。タピオラまでは今はバスしかないので、出来たらだいぶ便利になりそう。前者が出来ると、トラムの路線が再編されるかもしれない。ヘルシンキの風景も少し変わりそうである。

 外に出ると、いつもと少し風景が違うのに気がつく。何が違うのか、としばらく考えていたが、木に氷がついて「白い木」のようになっているからだ、と分かった。これが噂に聞く「樹氷」であろう。とても奇麗。林全体が白い木で覆われているように見える。曇っているのであまり映えないが、もし晴れていたら輝くように見えるだろう。しかし、樹氷が出来たのは多分今年初めて。相当冷えこんだ時でないとできないと聞いていたが…。今までは雪がぼつぼつと枝に乗っているだけで「黒い林」だったので、あまり奇麗でもないなあ、と思っていたが、この「白い林」は素晴らしい。ただし、寒い(^^ ;)。

 電車の車窓からも、樹氷になった木がたくさん見える。この調子だと海も凍っているかも、と期待する(笑)。ところが、ヘルシンキ市内に入ったあたりからだんだんそういう木が少なくなる。あれあれ、と思っていると、ヘルシンキの中心部にはもうない。駅前の温度計を見たら、なんどマイナス2度。それはできないはずである。しかし、20Kmほどの違いでこれほど気温が違うとは。ちょっと時間があるので、一応海まで行ってみるか、と行きかけるが、途中で時間がなくなりそうに思えてきたので引き返す。空はどんより曇っているが、水平線のあたりは朝日のために真っ赤に輝いている。ちょっと不気味だが、奇麗。ということは天気はやはり下り坂か。

 VANHAの向かいのマクドナルドでコーヒーを買い、丁度来たバスに乗り込む。今日のは2台つながった連接バス。乗るのは初めて。継ぎ目の部分は独立した床になっていて、そこにも椅子がちゃんとある。日本では空港にあるくらいだろうか。定刻の9時に出発。いつものように途中でメンバーを拾っていく。市街地を抜けたあたりまでくると、やはり樹氷ができている。本当に大きな温度差だ。白い林が白い雪の大地の上にある風景は実に幻想的。30分ほどで、小さな集落の中にある文化センターのようなところに着く。中には規模は小さいながらも、反響版を開閉したり座席を壁に収納できたりという日本でも最新のタイプのホールがある。ここで練習をする。

 体操、発声をしてから曲に入る。プログラム後半の内容から。この秋の練習では、バスの練習をよくしている。人数が減ったせいもあるのか、あるいは基音をしっかりつくるためか。しかし、ある曲では楽譜に書かれているもののオクターブ下を歌うように指示されている。バスの楽譜からさらにオクターブ下なので、ローAやローG(^^ ;)が出てくる。さすがに苦しそうだが、Gが出る人も何人かいるようだ。恐るべし(笑)。1時に昼食。会館でつくってもらったものを食べる。これも全て無料だとのこと。YLの力は素晴らしいものだ。牛肉のシチューがメイン。地理の本によると、牛の方がブタよりも安いらしい。「豚肉=安い」というのは日本だけのことか(^^ ;)。30分しか昼食時間がないので、急いで食べる。しかし、マッティがホールに戻ってきたのが40分後だった(^^ ;)。また続きをする。フランス語のものと、英語のもの。どちらも「YLのために」という副題がついている。何れも、トラディショナルなクリスマスソングをアレンジしたもの。フランスのもので、最初の曲にはなにか聞き覚えがあるなあと前から思っていたが、改めてメロディーラインを追ってみると、自分の結婚式の時に歌った曲だった(笑)。自分のパートの音と歌詞を読むのに必死で全然気がついていなかった(^^ ;)。日本の讃美歌では結婚式の歌になっているが、オリジナルはクリスマスだったのかしらん。これらは音としては難しくないものの、テンポが早いものも多いので、歌詞読みなどの自習をしっかりしておかねばまずい。練習の間にPikkuJouluの参加申込がまわってくる。見ると、ほとんどの人は2人連れ。夫婦か、あるいはガールフレンドか。あきちゃんといけないのが残念。参加費の学生割引もあるとのこと。練習は4時までの予定を30分近くオーバーする。こうなると「早く終われ」という暗黙の圧力が生じてくるが、マッティは平気な顔で続けていていく。自立性が強い合唱団なので、そういう部分のコントロールも大変だろうなあ、と思う。

 団が用意したサンドイッチとジュース・コーヒーなどが配られ、一休みしてからまたバスに乗る。レジャープールの「セレナ」はバスで5分ほどの近さ。小さなスキー上も併設してある。しかし温度計を見るとプラス2度。1日で10度以上の変化だ。プールは屋内なので、気温には関係ない。入場料もYL持ち。ありがたや(^^ )。手首に入場券代わりの紙バンドを巻いてもらい、コインをもらう。何に使うのかと思っていたら、ロッカー用だった。特に返却して、とも書いてなかったのでもらっておく。別に役にも立たないのだが(^^ ;)。プールは普通のコースではなく、全てがレジャープールスタイル。スライダーもある。まさに遊ぶためのプールである。サウナもある。みんなはまずサウナに行くようだ。自分は中を一通り見てから、やはりサウナに行く。YLのためにアパートのサウナの日には行けないのだが、しかしYLのお陰で月に1度はあちこちのサウナに入っている。差し引きは、どんなものであろう(笑)。わりと長いコースのスライダーがあったので入ってみるが、急流の部分でびびってしまい、ひじをすこし打ってしまう。慣れないことはすべきではない(^^ ;)。広いところでぼつぼつと泳いでいたが、そのうちに他のメンバーも集まってくる。自由に使えるらしいビーチボールがあったので、それでバレーボールのようにして遊ぶ。少し寒くなってきたので、サウナへ行って暖まる。出てきたところで7時前。出発は8時だから、まだ1時間くらいあるが、さすがに疲れてきた。水着のままでいるのも寒いし、サウナも長くいすぎるとやはり疲れる。みんな元気である。先に出て、外で待つことにする。外に出たところで、歌声が聞こえてきた(笑)。プールの外といっても建物の中であるが、コーヒーを飲みながら待つ。持ってきていたフィン語のテキストなどをぱらぱらと読む。8時15分くらい前になって外に出たら、ちょうどバスが来たところなので乗せてもらう。しかしみんなが来たのは8時過ぎ。この時間が閉園。最後まで粘っている、という感じである(笑)。団からの差し入れのビールが配られる。1回につき2本というのが基本のようだ。今日は早く帰った人も多かったのか、3本目も配られた。1本を飲む。「クリスマスビール」のラベルがついている(^^ )。中は同じだと思うが。帰りのバスではえらくみんなご機嫌で、歌を歌ったりインタビュー?をしたり。VANHAまで戻ってきたのは9時前。ビールの空き瓶などを部室に持っていく。ここでもさらに歌を歌う。楽譜を見ながら、いくつか。だんだん人も帰っていくので、ぼちぼち帰ろうか、と思って降りていくと、下のバーで歌っているのが目に入る。帰るつもりで外に出て途中まで行くが、まだ時間も早いし、話をするにはいい機会なのでまた戻って、バーで仲間に加わることにする。「ホワイトビール」というのがあったので頼んでみる。確かに白い。味は、わりと普通のビール。雑談なのであるが、10人くらいがいる。可笑しいのは、女声の客がくると立っていって、セレナードを歌っていること(笑)。自分は覚えてもいないので仲間には加わらなかったが、話によるとここでは良くやっているとか(^^ ;)。「自分たちでもおかしいと思うけどね」とは言っていた。ティモは小学校の先生をしている(意外(笑))とか、ラップランドの歌でソロをしてたカレは別にラップランド人ではなくヘルシンキ出身で、よく間違えられるとか(笑)、バリトンのミッコは商業大学?に行っていて、叔父がヘルシンキ大学の神学部で教えているとか、新しい情報もたくさん入る。また、ミッコからはYLのホームページをフィン語以外でもつくる予定で、ぜひ日本語のページもつくろう、といっていた(^^ )。時々突然?合唱が始まるのだが、たまたま「いざ立て」があった。割に良く歌うとか。みんな上手に発音している。自分が拍をとり、終わると喝采を浴びる(^^ )。ここで日本語の歌を歌うとは夢にも思わなかった。居続けるときりがないが、さすがに12時半の電車で帰る。気温はプラス2度。雨がぽつぽつと降り始めている。メールだけチェックするが、おとといの日記をあきちゃんに送っていないことを教えられる。あらら。

11/22(日)

 目が覚めたのは9時前。今日は良く寝た。少し部屋が暑いような気がする。外気温はプラス3度で、雨が降っている。凍っていた道路も結構溶けているようだ。昨日飲んだ分で少し頭が重い。バーで飲む時には、こちらの人はおつまみすら食べない。ただ話し、飲む。うっかりその調子で付き合っていると、お酒ばかりなので飲みすぎやすい。シャワーを浴びて目を覚まし、昨日もらってきたサンドイッチで朝食。二重窓の間においてあるヨーグルトも、今日はいつものようにむちゃくちゃ冷たいということはない。この2重窓は実に便利で、空間としては狭いものの、ヨーグルトやビール瓶が置ける。ただ、この季節は冷えすぎるのが欠点か(笑)。昨日の日記を書き、メールを書く。それだけでもけっこう時間が過ぎてしまう。あとの時間は本を読む。12時の電車で出かける。道路はやはりぐちゃぐちゃ。しかも所々には氷の層が残っているので滑る。これで転んだらえらいことになるので、慎重に歩いていく。電車から眺めていても、だいぶ溶けている様子が伺える。しかし月曜日からはまた段々冷えこんでいくようなので、また凍るのだろう。そうしたらまた危ない。困ったものである。雪が降ってくれた方が安全。

 ヘルシンキの駅のホームの、建物沿いにロープが張ってある。見たところ何もなさそうだし、みんな気にせず歩いているが、端の方まで行くと何人か人がいて、下には氷のかけらが落ちている。見上げると人が何人か屋根にいる。屋根の部分についた氷を落としているようだ。たしかに、つららが落ちてきたら危ない。昨日から暖かくなったので、落ちる危険性も高くなっているはずだ。時々工事でもないのに黄色のさくが置いてあったりするのを見掛けるが、あれはすべてつららのためらしい。思わぬ危険があるものだ。Domusに行って食事をする。今日はブタのカツ。ちょっとスパイスが利いている。食後にはコーヒーを飲みながら本を読む。地理の本を読み続けている。これを今日は読み終えてしまうつもり。ちょっと混んできたので、2時前に出る。

 丁度トラムが出たところだったので、歩いて中心部に向かう。気温はプラス5度くらい。しかし風が強いので、ちょっと寒く感じる。今日の風はかなり強く、故郷の「鈴鹿おろし」くらいの強さはある(^^ ;)。今日はきっと強風警報が出ているのだろう。HelsinginSanomatには、風の注意報が出ているようだ。風速15m/秒を超えるくらいだと注意報が出るらしい。しかし、町を歩くのはなぜか日曜日が多いので、面白そうな店を見つけてもいつも閉まっている(^^ ;)。古本屋も、けっこう町のあちこちにあるようだ。地図をつくったら面白いかも。ストックマンまで歩いていくが、今日はまだ休み。来週からは多分クリスマスセールで日曜日も開くはず。しかたないので駅の地下街へ。アンティラで、広告で見ていたクリスマス曲集を見る。易しいピアノ伴奏もついているし、便利そうなので買っておく。Suuri Toivelaul Kirjaというシリーズの中の一冊。このシリーズはハードカバーなのでちょっと高いのが欠点。ただし日本で使えるのは来年になるな(^^ ;)。ほかに「ジョーク集」というのがあった。こういうサブカルチャー的なものは案外参考になるので、買っておく。少しぱらぱらめくって見たら、時事的な話題やフィンランドの地方性のことなど、わりと広く載っているよう。ちなみに、こういうジョークではなぜかラップランド人とサボ人(フィンランド中部)がけなされる。しかし逆にここから、これらの人々の特性を見ることも出来るわけだ。ちょっとみて内容がわからないものも多いので、辞書を引かねばならないが。昨日の帰りのバスでも、余ったビールは面白いジョークを言った人にあげていた。フィンランド人もジョークが好きなようだ。以前の経験もあるし、こちらも日本のジョーク?小話?を貯えておく必要がある(^^ ;)。あきちゃんに送ってもらっている新聞の切り抜きが役に立つかも(笑)。スーパーで夕食を買って、帰る。

 3時過ぎに帰ってくる。相変わらず誰もいない。また地理の本の続きを読む。地理の話は今見ている風景に直接つながるので、結構楽しい。フィンランドでは車の税金が高いのに、国民の2人に1台は車があるとか、意外なこともわかる。まあ地方では車がなくては話にならないが(^^ ;)。

 5時過ぎにヒーパッカが帰ってくる。今日はおとなしい。しばらくすると、新聞と広告が部屋に投げ込まれる。地元の新聞Vantaa Sanomatで、見本として配っているらしく週に2回ほど入る。広告が今日はたくさんある。何れもクリスマス向けのもの。見ているだけでも楽しい。ろうそくの種類がたくさんあるのがここならでは。来月6日の独立記念日向けには、白と青に塗り分けられたろうそくも。6時にまたシャワーを浴びて、夕食にする。ポテトとハムのグラタン?をオーブンで焼く。まあまあ。食後もまた続きを読む。10時に読み終えた。なかなか面白かった。旅行をする時の助けにもなりそう。

11/23(月)

 目が覚めたら7時半過ぎ。同じくらいにヒーパッカも起きて、出かけていった。今朝はプラス2度とまだ暖かいまま。昨日の晩は暑かったくらい。暖房も緩めておいたのだが。なにやら、すっかり北国型になってきたようだ(笑)。朝食は昨日買ってきたカレリアパン。冷蔵庫に入れているものをオーブンで温めるので、朝から温かい食事が出来る。メーカーによっていろいろあるようで、大きいものや小さいもの、色がついているものなどさまざま。今日のはちょっと安物(^^ ;)。その間に洗濯もする。予約していなかったが、今日の予定表には夜に数コマしか記入されていなかった。食後に日本の新聞の切り抜きの続きを読む。なにやら日本の小学校も大変なようだ。勉強を「嫌なもの」として与えられて育ってきた世代が親になっているのだから、無理もない。学ぶことの楽しさを知らないのは実にもったいない。子は親の鏡とは言い古された言い回しであるが、真実。それから明日のラテン語読書会の下調べ。その間に乾燥まで仕上がる。ちょっと暑いので少し窓を開けていたのだが、それを忘れて洗濯物を取りに部屋から出ようとしたら「がたん」と音がする。どうしたのかな、と思ってみると、2重窓の間においてあったビールが1本落ちて割れてしまっていた。部屋の扉を開けたので、それに引っ張られて窓も開いたようだ。しかもYLでもらってきた高い方のビール(^^ ;)。もったいないが、もともとただでもらったものだから、とあきらめて掃除をする。ちょっと部屋がビール臭い(^^ ;)。二重窓には注意、と。

 11時の電車で出かける。今日は曇り。やはり暖かい感じがする。日本でなら十分寒いくらいの気温だが(^^ ;)。ヘルシンキは5度であった。学部図書館に行って本を返し、そのままメッツェタロに行って食事。今日は魚にホワイトソースがかかったもの。ちょっと甘い感じがする。黄色のパンもあった。基本的にパンはバゲットで置かれていて自分で切るようになっている。はしっこはあまり好まれないようで、はしっこばかりがまとめてかごに入れてある。自分ははしっこが好きなので(^^ )、いつもそこから切れ端を頂いている。そういえばフランス人は基本的にパンの「皮」を食べ、中は鳥にあげるという話を聞いたことがあるが、してみるとフランスではこのようなはじっこが残る現象はないのであろうか。フランスにいる友人に聞かねばならない(笑)。

 食後には、フィンランド文学協会まで行ってこれまた本を返す。それから神学部へ寄る。調べておいた文献目録を見たら、いくつか関係しそうなものが見つかった。しかも、読んだ方が良さそうなものの中にスペイン語のものが2つほどある。英語のサマリーを読むところではたいしたことはなさそうだが、しかし見ておかねばならない。残念ながらスペイン語は勉強していないので、これからざっと学ばねばならない。ヘルカとリンダで調べても掲載誌の所蔵がないので、司書の指示で大学図書館に行く。今まで気がつかなかったが、入って右側の壁にはいくつか17世紀の古地図がかかっている。そのひとつがどこかで見たことがあるような形だな、と思ったら日本だった(笑)。1枚24FIMで頒布もしているとのこと。おもしろいので帰る時にでも買おう。ポルトガル人のつくったもの?のようで、「XISE」(=伊勢)、「XIMA」(=志摩)というのもちゃんとある。偉い(^^ )。他に世界全図もあって、これはなんと日本が中心になる日本で普通のタイプのもの。中国の影響なのかもしれないが、そういうものが17世紀にあったとは驚き。改めて東洋への関心の強さを感じる。図書の方は、カウンターで事情を説明すると用紙を出してきて「これに書きなさい」という。ちゃんと連絡用の葉書までついている。どこにあるとか所蔵を調べていないのだが、あちらで全部やってくれるようだ。

 その次には大学のコピーセンターへ。カードの印刷は出来るのか、と聞くと出来る、という。どんな紙にするか、と見本を出してくる。で、30枚注文する。どういう印刷なのかは良くわからないが、とにかく少部数でもいいようだ。いくらになるか念のため聞いておくと、107FIMとのこと。少々割高なのはしかたない。今払うのか、というと後の方がいいとのこと。水曜日には出来るそうで、ずいぶん早い。ともあれ、これで年賀状も大丈夫。どこかで色鉛筆を買ってこなくては。

 歩いてFAZERへ。声楽の先生に結婚祝いをもらったので、楽譜をこちらから内祝いとして送ることにする。いろいろ考えて、フィンランドの作曲家を集めたアンソロジーを買う。ここでもクリスマス向けの曲集などが飾られていた。さらに歩いて、スオマライネン書店へ。絵解きフィン語辞典について調べる。が、目的のものは見つからず。なぜか?ミッキーマウスのものがあった。チケットセンターに寄って案内をもらったら、エストニアの劇場の案内があった。駅まで行くが、電車まで時間があったので郵便局へ行き、楽譜を送るための封筒を買う。ちょうどクリスマス向けのものがあったので買っておく。7FIM。通常のものは厚紙でできていて8FIM。また駅へ戻って電車に乗る。先にもらったエストニアの国立劇場のプログラムを見ると、オペラとバレエを盛んにやっている。料金が最高で180FIMと、フィンランドよりも随分安い。あるいは、これはエストニア通貨の表示なのかも。単位が書いていない。

 今日はマルミで降りる。広告で見たフィン語の絵本辞典を買うため。プリズマというスーパーに行って見てみるが、ない。3度まわってもないので、店員に聞くと、たぶん明日かあさってに入荷するという。広告の有効期間は今日からだし、まあそういうこともあるか。初日に行けばいいと言うものでもないらしい。難しい国である(笑)。ついでに食料品を買っていく。ここはコイブキュレのスーパーよりもたくさんの種類がある。やはりミートボールの缶詰が売っているので買っておく。保存がきくのでありがたい。またタイ製のカップラーメンも売っていて、なぜかそばには箸も置かれていた。ついでなので、インスタントラーメンを買っておく。これは鍋でつくらなくてもいいタイプのようだ。されど、ラーメンを食べる時に困るのは、こちらには「ラーメン鉢」がないこと。それに相当するような深めの椀がないのである。これは意外な問題点。中国雑貨店などで探せばあるのであろう。また電車に乗って帰る。

 帰ってきたのは4時。早速、ラテン語の続きをする。うんうん悩みながら、6時過ぎにやっと出来た。その間に、あきちゃんに電話する。今日は休みだった、でも仕事はあったけど、というので、何の事やらと悩んでいたら、祝日だとのこと。なるほど、すっかり忘れていた(^^ ;)。まあこちらの生活上は問題がないのだが。フィンランドには祝日は多いけれども、休みになる祝日は少ない。年間7日くらいだろうか。まあ完全週休2日制なので、あまりたくさん休んでもらっても困るのだが(笑)。

 新しくホームページに「試験に出ないフィンランド語」というページをつくる。そもそもいったい1年間に何人の日本人がフィンランド語の試験を受けるのか?という問題はあるが(笑)、教科書や文法書には出てこないけど町で見掛けることについて気づいたものを書いて見ることにする。こういうのをつくるのは実に面白い(^^ )。少なくとも、より専門的な聖書学の文献目録のページよりはみんな見るだろう(笑)。

11/24(火)

 7時過ぎに起きる。今日も暖かそうな予感。気温はプラス1度で、まだまだプラスのまま。道の氷もだいぶ溶けてきた。朝食を食べ、出かける用意をする。火曜日はYLの楽譜が大きいので、いつものデイバッグではなく少し大きめのかばん。しかし両肩から下げられないタイプなので、ちょっと疲れやすいのが難点。余計なものを持っていかなければいいという話もあるが(^^ ;)。ともあれ、9時の電車で出かける。

 ヘルシンキについてからは、まず郵便局へ行き、声楽の先生に結婚祝いのお返しを送る。ちょうどクリスマスの時期になるように、エコノミーで送ってみる。1ヶ月くらいかかるようだが。郵便局の本体のなかに、切手や小物を売るコーナーが作られていて、そこには記念切手なども展示されているので「これ」といって注文できる。楽譜が印刷されている切手にしてみた。そこからトラムで大学へ向かう。8時半過ぎだが、曇っているせいもあって薄暗い。町のネオンがちょっとまぶしい感じ。ソコスの向かいには改装した映画センター?があるが、そこにおもしろい時計?がついている。デジタルで逆に進んでいく時計。隣に400何日、という表示もあって、しばらく何の事かわからなかったが、2000年までのカウントダウンのようだ。こういうやつは、2000年を越えたらどうなるのか興味あるところである(笑)。

 大学の教室に早めに行って、フィン語のテキストを読む。とにかくフィン語3の試験範囲まで早く一通り読んでしまわなくては。ダニラにYLの演奏会について話したら、その日は試験があるし、レポートもあるので、どうなるかわからないとの返事。まあしかたないか。彼は1年の滞在だそうだ。たまたま来ていたパウロが「何を読んでいるのか」ときいてきて、第2巻だというと uncredible.といっていた(^^ ;)。授業はやっと13課。あと3週間なので、それでも試験範囲までは十分余裕がある。

 お昼はすぐにメッツェタロまで食べに行く。そんなには混んでいない。鳥のカレー風シチュー。たまたまチェンがいたので、いっしょに食べる。チェンは英語が苦手なようなのであまり話さないが、あと2年入る予定だとか、ヘルシンキの中国料理店でしばらく働いていたことがあるとかを話す。ヘルシンキの店と中国本国とではやはり味も違うそう。ご飯はあるが麺はないなあ、といったが、「ヌードル」の訳をどわすれしたらしく、いろいろ説明してみるがうまく理解できないようだ(^^ ;)。こういう説明は難しい。彼は先に食べおわって出て行く。

 食後は学部図書館に行き、フィン語の勉強の続きをする。進みそうでなかなか先に行けないのでちょっともどかしい。内容的にたくさんであるということだろう。それでも13課、あと2課というところまで来た。ただし問題に答えられるか、というと心許ない。まあ12月の試験は力試しのつもりにしておこう。3時までここで粘る。そのあと、ちょっと甘いものが食べたくなったので、歩いてストックマンまで行く。6階のカフェ・レストランへ行く。コーヒーと、ケーキはいくらかな…と思って値段を良く確かめずにザッハトルテ?をとったらなんと30FIMであった(^^ ;)。失敗。しかも結構大きいので、食べているとそのうち、もういいや、という気分になる(^^ ;)。一休みしてからストックマンの中をぼちぼちと歩いて眺める。ふと気がつくと、6階の天井は随分低い。そういえば、大学本館の不思議の一つは、ファビアニン通り側は外から見ると4階建に見えるのに、フィン語の教室は5階にある(!)ということ。これに気がついたのは11月に入ってからで、驚いた(^^ ;)。たしかに5階の天井は低いのだが。しかし、これはどういう構造になっているためのなのかは未だに分かっていない。とにかく、おもちゃ売り場やクリスマス用品のコーナーなどを歩く。おもちゃのコーナーでは、ストックマンブランド?のウサギを数種類発見。いずれも50FIM前後。あまりかわいくないのがこちらのぬいぐるみの常だが(^^ ;)、一つ気に入ったのがあったので、自分へのプレゼントに(笑)また今度買おう。ぼつぼつと下に降りていく。外に出て、アカテーミン書店へ行く。また絵辞典を探すが、ここにもあまりいいものはない。ペーパーバックを見ていると、英語のものは英国系のものが多いようだ。日本ではあまり見慣れないものがたくさん置いてある。しばらくあちこち眺めてから、今日は何も買わずに出る。Teach Yourselfのカタログがあったのでもらっておくが、後でみたら外国語のほかにもいろんな入門書があるのがあって驚き。なかには「空手」とか「柔道」というのまである(^^ ;)。中には役に立ちそうなものもありそうだ。なぜ日本にはこういうものが流れてこないのか不思議。

 もう4時半をまわっているので、VANHAへ行く。もうこの時間には暗い。アレクサンテリン通りにも、いろいろな飾りがつき始めた。ある通りにはロッジも立てられつつある。アドベントを迎えるころからが本格的なシーズン、ということかな。YLの新人練習はちょうど始まったところであった。今日は人が少ない。男声合唱曲集の音取り。相変わらずどんどん進んでいくが、まあ40曲ほどあるものを一通り歌ったことにはなる。前に歌ったものも、メロディーはわりと覚えている。ただ言葉はほとんどつかない。

 6時から本練習だが、こちらの集まりも随分悪い。今日は何かあった日なのだろうか。ひげおじさんの発声に続いて、最終の練習なので楽器やソリストとの合わせをしていく。最初はファゴットとでイギリスのクリスマスソング。

 途中で、発声の個人レッスンを予約してあったので、別室に行く。ひげおじさんはミッコ・ペロというそうだ。YLのメンバー表には載っていない。改めて挨拶をしてから、英語での説明で進めていく。最初は姿勢で、少し膝を緩めた姿勢になるのが特徴的。直立だと、腰のあたりがうまく使えないとか。発声に使う筋肉を意識しながら体を開いていくことを説明してくれる。時々「横隔膜」などの解剖学的な用語が出てくるが、それは文脈で理解できる。胸郭を開き、それを保持することを力説していた。下腹の緊張を維持し続ける、ということも。呼吸については、「お」の口で吸って軟口蓋の高さを意識するといういわゆる「うどんの口」で、これは麺を食べる日本人の方が説明しやすいかも(笑)。吸気によって「自然に」解放された体から、「力をいれないまま」で再び吐く。少しずつ音をつけていくが、そこでは「自由な声(フリーなボイス)」という言葉を使っていた。下降音形では最低音に力が入っている、と注意される。また高い部分では、ファルセットを積極的に使い、無駄が無いように声を使うべきだ、胸声にはどうしても限界があるから、ソロでは必要だが、合唱ではファルセットを使うべきだ、という。さらに、ファルセットから普通の声に移る時にわからないようにしよう、という。これはちょっと練習が必要。あと何か1曲歌ってみろ、というのでまた「菩提樹」を歌うが、「ヒュベー(Good)!」で別に問題なし。練習の合間に、時々雑談が入る。ヘルシンキでは声楽をどこかで教えているのか(^^ ;)、というので、大学で勉強するために来たのだ、と応える。神学部にいる、というと、自分とヒョッキとで68年くらいから組んで、教会音楽もやっている、とのこと。随分古い人である。ここで声楽のレッスンは受けているのか、と聞かれるので、他にはEOLに入っているだけだ、というと、カリ・トゥルネンのところか、あそこの発声は私のスタイルと似ているだろう、という。その通りというと、彼はアメリカのジュリアード系?の先生に学んでいて、私もその人の本を持っている、といっていた。こちらでも合唱の世界は狭そうだ(^^ ;)。他に、娘には日本人の知り合いがいて、彼は時々娘の家に遊びに行くためだけにフィンランドに来るとか、シベリウスアカデミーには日本人女性で「ケイコ」という人がいて、ピアノと指揮?をやっていたが、今は知らない、とも。ともあれ、「君はいい声だ、出来れば何年もYLにいてみんなの見本になって欲しい」ということであった(^^ )。

 レッスンが終わったところでじきに休憩になる。バリトンのミッコが声を掛けてきて、土曜日に飲んでいた時にも聞いたのだが、君がヘルシンキに来たのは第一に大学で勉強するため、第二にYLで歌うためだったな、というので、そうだというと、実はティモとビールを賭けていて、それでミッコが勝ったことになるとか(笑)。なんのこっちゃ(^^ ;)。休憩の後はソプラノソロと2曲。最後はホルンとでフランスもの。最後のものは怪しげなところがまだたくさんある。

 練習の後で、YLのCDを2枚買う。「YLのクリスマス」が60FIM、最近でたオムニバスはもとが安いので30FIM。やはり以前に聞いた20FIMというのは、通常の団員価格よりもそれだけ安い、ということのようだ。他にも、同じものを何枚も買っている人がいたので、それをまた売るのだろうか。いずれにせよ、市場価格より安いことには間違いない。

 駅に行くが、時間が中途半端なのでハンバーガーを買って食べる。暇なのでもう閉まっている駅の売店などをガラス越しに眺めていると、量り売りでゲイシャチョコレートの小さな包みがあるのが見えた。しかし100g 16FIMくらいで、だいぶ高い。他にもバナナチップや、カシューナッツなど。こういう類のものは基本的に量り売りらしい。だから、スーパーで売っているお菓子が少ないのかもしれない。なぜか駅の出発表示には乗るべき電車が表示されていなかったが、ホームに出たらちゃんと待っていた。途中のティックリラではプラス1度。家に帰ってきたのは11時前。シャワーを浴びていたら、3の住人が帰ってきた。顔は合わせないままだが。

11/25(水)

 7時前に目覚める。気温はプラス2度。少し雪が降ったようだ。最近は6時間以下の睡眠が続いている。寝覚めのいいときに起きてしまうことにしているので、時間的には少し不足ぎみ。朝食を食べる。二重窓に置いてあるヨーグルトも、この気温ではあまり冷えていない。といっても丁度いいくらいであるが。朝が早いと出かけるまでに時間があるので、いろいろなことができる。研究書を少し読む。9時20分の電車で出かけることにする。

 ヘルシンキはプラス5度。暖かすぎるくらいで、雪もすっかり溶けている。毛糸の帽子が暑く感じてしまう。まっすぐ大学に行き、授業までテキストを読む。授業では、時々質問の中に文法的に先の内容が出てくると、「それはフィン語4で学ぶことですから、質問があったので答えますが、覚えなくてもかまいません」という台詞が付いてくる。自分としてはこういう考え方は嫌いである。興味があるから質問しているのに、「それは先のことだから」といって中途半端にしてしまうのはせっかくの関心を削いでしまうことにもなり、おかしい。テキストの内容についていくのが精一杯な人への配慮であることはわかるが。まあ一通り説明してくれるのではあるが。テキストの文章を読むことは基本的な練習だが、3ヶ月経っても疑問文で語尾を上げて発音する学生が多いのはどういうことか。実際、町でもそういうアクセントはないのだが、留学生として来ている学生たちは自分の言語の発音に忠実である。母音の発音も、自国語のままの人が実に多い。母音の発音の違いを習得する気はないということだろう。そういう点は、日本人の方がはるかに敏感で丁寧に学ぶようだ。しかしあんな発音で「フィン語を学んだ」というのは実におこがましい。結局、実際に使うことは非常に少ないのではなかろうか。自分で発音して伝えようとすれば嫌でも敏感にならざるをえない。今日は文法の説明が多かったので、「あなたたちがもう疲れています、私も疲れましたので、早く終わります」ということになった。

 お昼はメッツェタロで食事。今日は野菜類の煮込みのようなものだった。蛋白質がないなあ、と思っていたが、よく考えたら毎日牛乳を飲んでいる。といってもピーマだが。さすがに少し時間が早いので空いていた。ここは椅子が安っぽいのと、半地下なので少し暗いということが難点。明るい食堂は意外に少ない。日本にも薄暗い喫茶店なとは多いが、これも世界共通の学生文化なのかしらん。自分としては、明るいサンデッキのようなところが好きなのだが。

 食後は学部図書館に行く。たまたまソファのような感じの深い椅子が空いていたのでそこでフィン語のテキストを読む。しかし、食後で寝不足、ということが重なると当然眠くなる(^^ ;)。ので、少し昼寝をして、また続きを読む。何とか範囲の15課まで一通り読んだ。実は夜に気がついたのだが、範囲は14課までであった(^^ ;)。フィン語1のテストとごっちゃになっていたようだ。まあ先に進んで問題はない。読み終わったところで、図書館を出てフィンランド文学協会の書店へ。フィン語第2巻のテキストの問題集を買う。テキストにも練習問題はついているが、量が少ないのと、解答がないのが痛い。いちいち先生にきくのも面倒なので、問題集を使うことにする。しかしテストまであと10日ほど。どこまで出来るかな。続いてコピーセンターに行き、年賀状をもらってくる。わりと奇麗に印刷されている。107FIM。もうすこし大目につくっておいても良かったかな。そろそろ3時なので、コーヒーを飲みに出かける。ポルタニアへ行くが、大混雑。しかたないので購買で封筒と年賀状用の色鉛筆を買ってから、マクドナルドへ行く。こちらの2階は空いている。問題集をぱらぱらとめくり、研究論文のコピーを読む。半時間ほどいてから、神学部へ移動して文献調査。前に調べてないと思っていたものでも、叢書名で調べると結構あることがわかる。しかし分散しているのは面倒。論文の続きも読む。5時半くらいまで神学部にいる。

 キャロルで夕食にハンバーガーを食べる。今月のメニューというのはベーコンバーガー。ベーコンだけかと思っていたが、ハンバーグも2枚入っている。周りを見ていると、男性などはハンバーガーを3つくらい食べている。高そう(^^ ;)。いつもYLの練習休みにサービスのハンバーガーを食べているが、セットとして食べるのは久しぶり。そういえば、学食以外のヘルシンキの食堂で食べたことはこの2ヶ月ほとんどないような気がする。ヘルシンキの映画資料館?の案内が大学にもらってあったのでもらってきたのを読む。1日に3本くらいずつ、いろいろなものをやっているようだ。いわゆる名画座の感じ。日本のものも時々あるようだ。会員証が20FIMで6ヶ月有効、一回につき17FIMとある。面白そうなものがある時にはいってみたい。

 6時からEOLの練習。発声は相変わらず長い。ちょっとみんなも飽きている様子。クリスマス関連の曲で新しいものをどんどん歌っていく。いわゆる定番ものが多いが、編曲はバラエティーに富んでいる。こういう風にも出来るのか、という感じ。連絡によると、日曜日には2つの教会で礼拝で?歌うようだ。朝から午後3時くらいまでの拘束になりそう。そのための曲でもあるようだ。プーランクも少し流す。こちらは、もうほとんど覚えてしまった。ラテン語やバスパートという慣れのせいもあるが、YLやEOLの他のものに比べてあっという間に覚えた、という感じ。これは暗譜だといっていたが。練習は9時まで。

 駅まで歩いていく。大通りにはイルミネーションがたくさん飾られてきた。ストックマンの前の3人の鍛冶像のそばにはツリーも出現。だんだん飾りが増えてくる。雰囲気の盛り上がりが感じられる。丁度いいくらいの電車があるので、いそいで歩いていく。この時の気温はプラス3度。家に帰ったのは10時前であった。

11/26(木)

 目が覚めたのは8時過ぎと、今日はゆっくり。昨日が眠たかったので、よく眠れた。朝の気温は0度。じわじわと下がっていく、という感じ。いずれにせよ、今月頭の雪は異常なものであったようだ。昨日はヒーパッカもマルクスも帰っていない。一人でいる方が気楽である。洗濯をしに行ったら9時までつまっていたので、その後に予約をいれておく。朝食を食べ終わったくらいに9時になる。洗濯をしに行ったついでに、共同部屋でHelsingin Sanomatを読む。気温はやはりだんだん下がっているようだが、週末はまたプラスに向かうようだ。しかし、この天気予報はあまりあてにならない(^^ ;)。「100」の方が、結果から見てより精確である。同じところが出しているのではないようだ。ともあれ今日は曇り時々晴れ。待つ間は研究書を読み、メモの打ち込みをする。11時半に出かける。今日は空き瓶を持っていく。ヒーパッカが飲んだコーラの瓶なども置きっぱなしなのでついでに持っていく。割りとたくさんだったので、9.50FIMになった。帰りに買い物をしていくことにしよう。1本普通のとは違う形の輸入物らしいビールの瓶があったが、それはカウントされなかった。結構厳密に判断されるようだ。

 電車に乗ってヘルシンキへ。ここのところの気温で、雪もだいぶ溶けている。ヘルシンキ市内では公園などのほかはすっかり溶けてしまった。ちょっと物足らなさを感じる(^^ ;)。駅の横から出てカイサニエミに向かってい歩いていく。小学校の横を通ったら、もう子供達が帰っていた。今日は早いのだろうか。親が迎えに来ている子もいる。久しぶりに社会科学学部まで行く。食堂に入ったら、いつもと雰囲気が違う。テーブルにはクロスがかかっていて、小さな鉢植えやろうそくが置いてある。そういえば今日は大学学生組合の創立130年の記念の日だそうだ。で、学食では特別メニュー。それでも、野菜と肉の二つが用意してあるのはさすが。肉を取る。チキンカツ。これは普通だが、なんとブルーベリージャムがソースとしてついている。ポテトのシチューが付け合わせ。デザートも今日はついていて、ベリーのケーキとコーヒー。これでいつもと同じ12.50FIMは嬉しい。ブルーベリージャムをチキンカツにつけて食べるのには驚いたが、食べてみるとなかなかおいしい。これは新しい発見である。ケーキがあるのでパンは控え目にしておいた。コーヒーまでゆっくり食べる。

 1時からは授業。授業の前に、クラスメートに「あなたの名前、なんでしたっけ」と尋ねられる。ゆたか、というと、「それは着るユカタとは違いますね?」という(笑)。「ユカタを知っているから、先生も混乱したのでしょう」といっていた(^^ ;)。しかしユカタの知名度はたいしたもので、間違えられる読み方はたいがいこれである。ちょっと意外な、日本の有名なもの。授業はいつものように進む。サマリアテキストとユダヤテキストの相違を検討していく。そういえば結局アラム語は手をつけていない。先生の解説を聞いていくと、いくつか特徴的な点が分かってくる。定冠詞がヘブライ語とは逆に語尾にくるのには驚いた。少し時間オーバーして終わる。気の抜けない授業なので、ちょっと疲れる。

 コンピューターセンターに行く。相変わらずPCの方には長い列。しかしマックの方には2、3も空きがある。この点でも、マックで良かった(^^ )。家から持ってきたフロッピーから、論文用の読書メモを印刷する。ついでにYLのホームページのテキストも一部を印刷する。クリスマス休暇中にでも日本語に翻訳しなければ。長いものではないので、年明けにはデータを渡せるだろう。しかし、更新はどうするのかな(^^ ;)。新しくなる度に日本からデータを送るか。それも面白い(^^ )。しかし良く考えると、表示の確認などは自分のところでしかできないのでは…。だれか日本語の使えるシステムを持っているのかな。ちょっとホームページを幾つか覗いてから、帰ることにする。

 学部図書館から地下街に入ってカイサニエミの駅に出る。そこから地上に出て、駅へ。また横から入る。帰りの電車の中では、フィン語の問題集を読み始める。基本的に機械的な訓練なので、ひたすらぶつぶつつぶやく(^^ ;)。そういえば、こういうことが出来る場は少ない。図書館では無理だし、自分の部屋はけっこう音が響くのでやはりささやき。意外に場所を探すのが難しいものだ。相手がいてお互いに話す練習をするのならいいが、一人でぶつぶつ、では怪しまれてしまう(^^ ;)。ともあれコイブキュレに帰ってくる。スーパーによると、駐車場は車で一杯。4時過ぎは混む時間だ。行列ができないうちに、そそくさと買い物をして出る。家に帰ったのは4時半くらい。ヒーパッカは帰っているが静か。この時間に帰っている時はたいがい寝ているようだ。あきちゃんに電話する。ちょっと気疲れしているようなので、励まさねば。それから研究書を読んだり、フィン語の問題集をみたり、を繰り返す。論文の目次も作成する。そこまではいいものの、本文が完成するのはいつになるやら(^^ ;)。

11/27(金)

 目が覚めたが、まだ早いようだ。時計を見ると6時。しかしヒーパッカが何かごちゃごちゃと叫んで、部屋から出たり入ったりしている。迷惑このうえない。こちらは寝続ける。また意識がはっきりしてきたのは7時半くらい。この時には静かになっている。気温はマイナス2度。再び戻ってきた。朝食を食べて、研究書を読む。いつもの電車で出かけるが、久々のマイナスはやはり冷たい。しかし天気は割りといい。道はうっすらと雪が積もっているが、その下は凍っているのでかえって危ない。ヘルシンキには雪は降らなかったようだ。気温は1度。まっすぐ大学へ行き、授業まで問題集を読む。

 授業はテキストと宿題の解答。何度もしている内容なので難しくはない。しかし、なかなか思うように行っていない学生も多いようだ。先生は「ここ何年かはフィン語3、4を教えていたので、フィン語1のレベルの難しさ(新しい外国語としての)の感覚がうまく戻っていないようです」といっていた。別に普通の内容だと思うのだが…。今日も幾つか質問したが、たまたま先の内容になることがあって、また「これは質問があったから答えますが…」といわれた。何か、こちらが悪いことをしているようで不愉快。こちらも、意図的に先の内容は質問しないようにしているのだが。

 お昼はメッツェタロで食べる。ロールキャベツだが、なかはキッチュのような感じ。昨日もあったような気がするので、残りだろう(^^ ;)。食事していたらチェンが通りかかって、宿題が出たかと聞く。先生の部屋にいけばもらえるだろう、といっておく。

 食後は神学部へ行き、リンダで文献調査。幾つかはフィンランドにもある。が、やはりヘルシンキ大学が所蔵の中心になるようだ。神学部の本を2冊ほど借りて、出る。いったん駅まで行くが、バインダーをアンティラで買おうと思ったら随分高いので、ポルタニアまで戻って購買で買う。また駅まで戻って、電車に乗る。マルミで降り、前に探していた本を再び見てみるが、やはりない。どうなっているのかしらん。しかたないので、お菓子だけ買って帰る。何も買わないとちょっと出にくい。また電車に乗って帰るが、降りる時に手袋がないことに気づく。いったん座っていたところを見るが、ない。鞄の中かもしれない、とおもって取り敢えず降りる。が、中にもなかった。多分、気がつかないうちに電車の床に落としていたのだろう。ちょっとショック。スーパーでミカンなどを買って帰る。まだ3時半過ぎ。でも曇ってきているので薄暗い。コーヒーを入れて一休みし、研究書を読む。読めばまた文献が見つかる。なにか無限に増えていくような気がする(^^ ;)。

 夕食はハンバーガーをスーパーで買ってきたので、オーブンで焼く。ちょっと焼きすぎた(^^ ;)。それとラーメン。これは煮るタイプではないので、鍋に放り込んで部屋で3分待つ。まあまあ。具がないのが寂しいところ。それから、また研究書やフィン語の問題集を読む。時々息抜きを兼ねてメールを読み出したりする。「試験に出ないフィンランド語」も少し内容を足した。また、留学までの過程もホームページに載せることにする。思えば1年半以上前から準備していたことになる。去年の今頃は、出願の最終段階くらいだった。あっという間の1年だったような。

11/28(土)

 目が覚めたら朝の9時。昨日はヒーパッカも母親?に連れられて出ていったまま。12時くらいに寝たから、十分眠れた。昨日も結構寝てたような気がするが(^^ ;)。今朝は0度。また雪が降ったようだ。どんよりと曇っている。朝食を食べるが、パンの袋を開けっ放しにしておいたら、かちかちのフランスパンになっている(笑)。幸いかびは生えていない。食事をしてメールを書くだけで結構な時間になってしまった。さらに研究書を読み、メモを打ち込む。どうも部屋が暑すぎるような気がするので、ヒーターの温度調節の部分をよくよく確かめたら、緩んでいてちゃんと調節できていなかった。ねじを締めなおす。この部屋より共同部屋の方が涼しくて、そこが25度だったので、部屋は恐らく30度くらいだったのでは(^^ ;)。どおりで夜は寝苦しいはずだ(笑)。フィンランドで熱帯夜とは…。気密がいいのか、部屋はすぐには冷えこまない。もちろんそれでないと困るのだが。

 12時半の電車で出かける。あいかわらずの曇り空。氷の上に積もった雪なので滑る滑る。まあこのくらいの気温がフィンランドの平常の気温だと思っておけばいいだろう。そういえば、もうフィンランドの一番北では日が1日中昇らなくなっているはず。そういうところで暮らすというのは、どういう思いなのだろうか。いつか、行ってみたい気がする。普通は白夜の方が有名だが、「黒夜」のほうに惹かれるあたり、やはり自分は変わり者なのかも(笑)。しかし、外が一日中暗かったらあまり面白くないかな。でもそういうところにはまた別の楽しみがあるはず。しかし、過疎が進んでいるのはフィンランドでも同じで、地方の小学校の閉校についての新聞記事が出ていた。

 ヘルシンキについてまず食事、と思ってポルタニアへ行くが、長い列。並ぶのは嫌なので、先に図書館へ行っていくつかコピーをとる。20分ほどして再び戻ってきたら、さらに列が長くなっている(^^ ;)。1時過ぎだというのに、どうしたことか。しかたないので、Domusに行くことにする。アレクサンテリン通りまで出て、トラムに乗る。この通りにもたくさんの飾り付けがされている。一部は電灯も点けられている。しかし土曜の午後というせいもあってか、すごい人手。ヘルシンキにもこんなに人が居たのか(笑)、という感じ。クリスマス向けの買い出しだろう。クリスマス商戦?も始まっている。ストックマンなどの大型店でも日曜日の営業がクリスマスまで続く。新聞には日曜営業の経済効果について好意的に書かれているようだ。伝統も少しずつ変わっていくのだろう。このシーズンは観光客も多い。日本人の団体も時々見掛ける。

 Domusは行列もなく、すぐに並べる。昨日カレーが食べたいなあ、と思っていたせいか?今日はブタのカレーがあった。なぜ牛でないのかは謎。しかし10FIMの方だったので良しとしよう。別に変哲もない中辛くらいのカレー。カレー粉は売っているようだが、料理としてはカレーシチューに近いものをたまに見掛けるくらい。インド料理店も幾つかあるが、ちょっと高い。あきちゃんにレトルトのものを持ってきてもらおう(^^ )。Domusは、上が学生寮になっているので、いろんな国の学生が来る。英語での会話もよく聞く。英語とフィン語は母音の発音がかなり違うせいか、いまでは英語の方が耳に付くようになってきた。「外国語」という感じで聞こえる。もちろん内容的には英語の方が良く理解できるのだが。フィンランド人の学生が英語で話す時にはちゃんと「英語の母音の発音」になっているなあ、と気づく。母音の発音が似ているという点では、日本語も同じ立場にあるはずだが…。違いはどこから来るのか、興味あるところである。比較的小さい時から学んでいるせいもあるのだろうか。

 食後は、歩いてシベリウスアカデミーにより、パンフレットを少しもらう。さらに歩いて、駅地下を通ってアンティラへ。昨日なくした手袋を買う。前と全く同じもの。店内をぐるっと巡ってみる。クリスマスセールでたくさんのものと人が出ている。ろうそくがたくさん並んでいるのはどこの店でも同じ。欲しい気もするが、火を使うのであまりよろしくないように思う。香り付きのものなどもあったので、安いものがあれば一つ買ってみるのもいいかもしれない。アンティラを出て、まだ電車まで時間があったので、隣にあった素材屋さんへ入ってみる。生地や、白の陶器でそれに絵を貼ってオリジナルの物をつくるもの、また1階にはいろいろな色のカード用の紙や人形用の素材など。クリスマスリース用の素材もある。「つくる」ということをよくする国ならではの豊富さ。別に何も買わないのだが、見ているだけでも楽しくなる。

 3時の電車で帰る。雲がだいぶ厚くなってきたみたいで、かなり暗い感じがする。コイブキュレでスーパーによって、夕食用のラザニアを買う。家で食べるものはどうしても限られてくるが、致し方ないところか。コーヒーを入れて一休みした後は、フィン語の勉強と研究書読みを交互に。フィン語の練習はひたすら口慣らし、という感じ。理屈はすぐに飲み込めても、喋るのはなかなか大変である。夕食を食べて、また続きをする。時々楽譜をみる。YLのアンコールになりそうなものは覚えておかねばならない。でも、前よりも内容が少しずつ分かるようになっているのが進歩。

11/29(日)

 1度目が覚めたら4時。これは早すぎる(^^ ;)。もう一度寝ると、今度は6時前。それでも早いなあ、とおもって、目覚ましを掛けてもう一度うとうとするが、結局目が覚めてくる。昨日寝る時に、目覚ましを掛けた方がいいかな…でも大丈夫だろう…と思って掛けなかったせいで、敏感になっていたようだ。まあいい。今朝は0度。朝食はしっかり目に食べておく。もしかしたらお昼を食べる時間がないかもしれない。今日は日曜日なので、朝のうちになにか買っておく、というわけにはいかない。うっかりしていた。準備ができても少し時間があるので、ぱらぱらと本をめくる。8時23分の電車に乗る。雲も厚いが、しかしまだ日は昇っていないので薄暗い。今日の日の出は8時50分くらい?

 ヘルシンキについて、古教会へ向かう。今日はここで讃美奉仕。建ったのはふるいが、最近改装したので奇麗。19世紀スタイルのバロックオルガンがある。会堂に入っても、誰も来ていないのかな…とおもったら、裏口から入っていた人が声を掛けて、いったん地下室に行く。ここで少し声出しをする。こういうところにありがちな、音が狂っているピアノ(笑)。そのうちにお呼びがかかって、教会2階の聖歌隊席に移る。すでに、この教会の聖歌隊の人達がいる。やはり?年長の人が多いようだ。今日ここで歌うものについて、ざっと練習をする。この教会の委嘱作というのはちょっと音が厄介なところが2、3ある。隣に座っていた聖歌隊の人がテナーの部分を少し歌っていたので、「あなたはテナーですか?」とフィン語で聞いたら、「フィン語は分からないので…」と英語で返事をされた(^^ ;)。なんかおかしい(^^ )。結局この人はベースだったが。しかし、歌っているフィン語の発音は大変奇麗だった。10時から礼拝が始まる。フィン語の礼拝に出るのは初めて。ルター派の教会だが、礼拝順序とかも違うので良く分からない。式次第とにらめっこしてついていく。時々、会衆と司祭との歌の形での対話、カトリックにあるような感じだが、が入る。礼拝の形として興味深い。讃美歌は、教会には縁のなさそうな(失礼)EOLのメンバーでもやはり暗記しているようだ。子供の時の記憶、ということだろうか。もちろん、今でも行っている人が多いだろうが。礼拝は1時間少しで終わる。

 ここから次はどこへどうやっていくのか、皆目分かっていないので、他のメンバーと一緒に行動する。時間も十分あるので、フォーラムの地下で食事。自分は全然お腹が空いていないので、ドーナツとコーヒーを食べる。話を聞くと、老人ホームでの小さなサロンコンサートだとのこと。それは面白そう。駅前からバスに乗り、キャプラというところに向かう。20分ほど乗って、ついたのはアパートが並ぶ住宅地。その真ん中にある建物が老人ホームになる。ふつうの住宅地の真ん中にあるのがちょっと新鮮。なかをうろうろすることはできないが、中はふつうのアパートと変わらない感じ。特に変わったところ、というのは気づかない。

 しばらく待っていると、みんな集まってくる。建物の中にある小さな礼拝堂、ホールでコンサートをするそう。少し練習をする。6曲ほど歌うことになる。振るのはカリではなく、テナーのサミ。こういう時は前に出るようだが、指揮を学んだわけではないようで、なかなか苦労している(^^ ;)。入りのテンポが分からないのはさすがに困るが、まあ歌う側で何とかしている。2時から開始。直前に、ホームの職員の希望で1曲増える。合唱ではないので問題なし。聞きに来ているのは30人ほど。ホーム全体で60人くらいのようだから、結構な数。演奏は、まあまあ。途中に、アルトの一人がピアノ独奏をする。それは聞いていなかった、というか理解していなかった(^^ ;)。全部合わせても40分ほど。「きよしこの夜」のようなものでは、聞いている側も一緒に歌ったりしている。自分としては、こういうのは結構好きなのでなかなか楽しかった。話では、ヴァップ(5/1)にもヘルシンキ大学病院へ慰問に行くとか。毎年の恒例行事らしい。演奏の後で、別室でコーヒーとケーキを出してもらう。一休みしてから、再びバスで駅前まで戻る。

 この時点で3時半。今日はCantores Minoresのコンサートがあるので、当日券を売り出す5時まで時間がある。Domusへ行く。丁度いつもはいっぱいのOの読書室に空きがあったので、ここでフィン語の問題集の続きをする。もちろん声に出して読むことはできないが、ぼそぼととつぶやきながらやっていく。なんとか第1巻はあと1課を残すのみ。この時点で5時前になったので、ここを出る。歩いて行くと丁度トラムが来るのが見える。日曜日のこの時間では、次はしばらくこないだろうから、慌てて走っていく。無事乗れた。これで元老院広場まで行く。アレクサンテリン通りはライトアップが始まっている。通りの上にもランプの飾りが。通りに建てていた木の家では、サンタクロース?がアトラクションをやっているようだ。今日は通り過ぎるが、人出もたくさん。

 大聖堂には人が集まりつつある。入り口でチケットはあるかと聞くと、何れもステージが見えない翼廊の位置のバルコニーと平土間。どちらでも同じようなものなので、平土間にしておく。大聖堂は最近周辺と入り口の改修が終わったばかりで、今日が事実上の御披露目のようなもの。といっても、そんな大がかりのものでもないようだが。翼廊の一番後ろなので、本当に全くステージが見えない。ビデオのモニターは置いてあるので、ステージの様子は分かるようだ。まだまだ時間があるので、再び問題集の続きを読む。やっと第1巻は読了。次は第2巻が待っている。しかし、やはり口の訓練をするといい。会話でも、一度訓練した表現は使い易くなる。

 演奏会は6時から始まる。バッハのロ短調ミサ。聞くのは久々。聴衆も一杯である。これは、ソプラノにモニカ・グループが入っているせいもあるのだろう。名前は聞いたことがあったが、フィンランド人だとはこちらに来てから知った。フィンランド人の名前ではないし。やはりステージは見えないが、目をつぶって聞いていると正面で聞いているような感じもするくらい、良く響く。さすがである。しかしモニターがあるとはいえ、やはり長い曲なので時々眠くなる(^^ ;)。前半は結構寝ていた。休憩があって、第2部。後半になると時々声にずれが生じたりするが、素晴らしい合唱である。演奏会が終わったのは8時過ぎだから、わりと速い演奏であったようだ。

 まっすぐ駅に行く。途中でいくつかライトアップの写真もとる。中央駅のタンパンに白い布が貼ってあって、昼間はなんだろうと思っていたのが、夜になると広告が投影される。また時計塔にも雪の絵が投影されている。いろいろな飾り方があるものだ。ちょっと時間があるので、駅でホットドックを食べる。電車に乗って帰ると9時半。やはり0度くらいなので、そう寒くはない。

11/30(月)

 朝目覚めたのは8時前。暖房を調節して弱くしたので、布団をはずすと少しひんやりするくらい。前は全開だったので、これで丁度いい。朝はマイナス2度。大体このくらいの気温で落ち着いているようだ。先に洗濯物を持っていく。幸い予約も入っていない。8時〜9時の間は、やはり早い時間帯のようだ。朝食はカレリアパン。オーブンで温めるので、温かい食事になる。スーパーでパックになっているものを買うとふつうのパンと同じか、それより安いくらいの値段。食事を済ませると、早速ラテン語の翻訳にかかる。これももう3ヶ月、よく続いているものだ。相変わらず時間はかかるのであるが。11時くらいまでかかってやっと30行ほどを訳しおえる。それから出かける。

 12時前にヘルシンキに着く。先ずはメッツェタロで食事。豚肉のシチュー。今日はパンはやめておく。なんとなくいつもご飯・パン・ジャガイモを取っているが、良く考えるとやはり多すぎる(^^ ;)。お皿がわりと大きいのか、わりとたくさんでも少な目に見えるのでとりすぎてしまう。もっとも、サラダはいつものようにたくさん取る。これは野菜を摂る貴重な機会。食堂にはろうそくも置かれている。アドベントを迎えたから、ということかな。

 食後に、コンピューターセンターによって、EOLのオッリ=ペッカにメールを送る。昨日話している時に、妻が年末に来るといっていて、どのくらいいるのか、と聞かれて「1週間」というつもりが「1年」(^^ ;)と言ってしまったようなので、念のため訂正しておく。希望的思いが言葉に出たか、それとも単にフィン語の学習不足か(^^ ;)。

 オリエンタリアで勉強を始める。ギリシア語をしばらくお休みにしていたが、今週からまた授業が再開するので、テスト範囲も兼ねているため予習する。ちょっと忘れかけているようだ(^^ ;)。こちらは1章半くらいを、3時間くらいかかって訳す。今日は古典語漬けだ(笑)。しかし、ギリシア語2のテストでは5つほどの文書を読んでおかねばならない。早めに準備しないと、付け焼き刃ではなかなかつらそうだ。結局5時くらいまでずっと座っている。

 その後で学部図書館へ。今日見るオペラについて、筋などを調べておく。ヘルカで検索すると結構ある。しかしほとんどは大学図書館の「音楽図書室」にある。もう閉まっている時間だ。もっと早めに気づくべきだったか。まあ学部図書館にあるものだけでも参考になりそうだ。地下の書庫へ降りていき音楽の部分を探すと、「楽譜」という棚がある。見ると、オケのミニチュアスコア、歌の楽譜、ピアノの楽譜など、いろいろ並んでいる。フィンランド、ハンガリー、エストニアの民謡の楽譜などもあった。これは面白い。今まで気がついていなかった。合唱の楽譜は少ないようだが、ソロのものはいろいろある。ゆっくり見てみる価値はありそうだ。いくつか今日のものに関係するものがあったので、ぱらぱらと読んで、コピーを取っておく。

 6時過ぎに出る。7時半の開演なので時間は十分。ちょっとお腹が空きぎみ。やはりお昼を少なめにした効果は出ている(^^ ;)。いろいろ考えて、Domusまで行くことにする。トラムはまだこなさそうなので、ミコン通にある臨時「木の家」に寄って見る。ラップランドの観光案内と、ちょっとしたものの販売。期待していた、ラップランド経由の郵便というのはなさそう。やはりこの時期は「サンタメール」で混むのだろうか(笑)。トラムが来たのでそれに乗っていく。Domusでは8時までパスタが食べられる。今日のパスタは、いわゆる「マカロニ」であった。先ほどコピーしたものを読みながら食べる。「アンナ・ボレーナ]という物語は結構有名なものらしい。しかし全然聞いたことがない。英国の実話による悲劇のようであるが。「ヘンリー8世」の「新たな結婚を巡る、現在の王妃の話」と聞くと、どこかで聞いたような。この王様は確か結婚問題でローマカトリックと対立し、そこから英国国教会が生まれたのではなかったかしらん。手元の解説だけではそこまでは書いていない。ともあれ食事を済ませてから、オペラ座へ出かける。

 今日は第2夜。ちゃんとした服装の人が多い。自分のようなジーンズは見かけない。まあ今日は3階席なので構わない。入りは7割というところか。1階にも空きが目立つ。2幕ものであるが、場面転換が頻繁にある。1つの幕に6つか7つの場があるようだ。そのために、回り舞台だけでは不足で、いったん幕をおろし、場面転換するというのが何回もある。音楽は、実に素晴らしい。主役の声が実にいい。フォルテからピアノまで、表現力がある。合唱やオケのサウンドも優れている。やはり初演のものは緊張感がある。前の「魔笛」とはおお違いだ。初夜は何かと大変そうなので(笑)、第2夜くらいが参加しやすいところ。ドニゼッティを見るのも、ちゃんと聞くのも初めてだが、いかにも、という感じの曲。主役のソプラノは出番も多いし、大変そう。コロラトゥーラもたくさんある。このオペラ、当時の初演の後は高い評価を得ながら、ずっと演奏されていなかったとか。主役の力量の問題かもしれない。身震いがするくらいの主役のアリアに、さかんに「ブラボー」が出ていた。終演は、10時半前の予定が10時50分。ずいぶん遅くなっている。

 急いでトラムの停留所にいっても、トラムはなかなかこない。といっても10分も待っていないようだったが。来たトラムに乗って、駅まで。19分の電車があるはず、と思っていったら、次は34分の各停。11時台から夜半ダイヤになるのだった。家に帰ってきたのは12時過ぎだった。明日は演奏会なので、早く寝る。


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