イラク戦争関連記事

「イラク戦争の停戦を求める決議案」提出


> 下に概要を転記しますが、より詳しくは下記へ▼
>        http://www.ribbon-project.jp/iraq-truce/
> この件でのご連絡は下記へ▼
>  ・メール: request_action@yahoo.co.jp
>  ・FAX :020-4623-7854
> ご協力をお願いします。
> 転送、転載歓迎です。
>
> ==========================================
>
> 【「イラク戦争の停戦を求める決議案」提出の申入書】への賛同のお願い
>
> イラク戦争を今すぐ止めたいと願うみなさまへ
>
>  米英によるイラクへの攻撃が始まって2週間が過ぎました。
> 平和を求める世界の願いは届きませんでしたが、多くの人々は、いたましい犠牲
> 者をもうこれ以上増やさないために一刻も早い停戦を、と願っているのではない
> でしょうか。
>
> そこで、国会議員に対し、「戦争当事国および国連に停戦実現を求める」決議案
> を提出するよう、申し入れたいと思います(別紙参照)。
> 申し入れは一度だけではなく、イラク戦争が続く限り何度でも行う予定です。
>
> おりしも地方選、知事選がやってきます。「戦争を容認しない政治家」を選び、
> 日本の政治を変えていきませんか。
>
> 多くの団体、個人のみなさまの賛同をお願いします。
>
>
>
> ■□■ 呼びかけ人 ■□■
>
> 池田香代子(翻訳家)
> 星川淳(翻訳家・作家)
> 川崎哲(週刊イラQ発行人)
>
> ■□■ 賛同連絡先 ■□■
>
>
> ◆賛同連絡先
>
> 『イラク戦争停戦を求める市民のネットワーク』
> (略称:イラク停戦市民ネット)
>
>  ・メール: request_action@yahoo.co.jp
>  ・FAX :020-4623-7854
>
> ◆第1次締め切りは4月10日(木)まで
>
> ◆ この呼びかけ文と申し入れ書の転載は自由です、メーリングリストへの転載や
> プリントアウトしての配布など通して、広げていただければと思います。
>

こどもたちに何が起こっているか

爆弾の下で何が起きているかを常に「想像」しながら、ねばり強い平和アク
ションを「創造」し、続けていきましょう。

爆弾の下で起きていることが想像つかない場合は、この映像をご覧ください。
子どもたちがたくさんたくさん犠牲になっています。しかも劣化ウランを使
っていますので、本格的な「死」はまだこれからです。
http://www.aztlan.net/iraqichildrenhorror.htm

グローバルピースキャンペーン(GPC)の英語MLに投稿されたURLです。
「この戦争がいかに間違っているかのもう一つの証拠」
という短い文章と、
「耐えられないと思う人はこのサイトへいかないように」
という注意書きが添えられていました。

"The whole world is watching us die" 「世界中が、わたしたちが死ぬのを見て(眺めて)いる」

4月12日:反戦に世界が共に立ち上がる

 侵略に対するイラクの人びとの抵抗に直面して、アメリカ軍の作戦はここ数日

で唐突に変えられた。解放者を装うかわりにアメリカ軍最高司令部はイラクの民

間の住民を公然と攻撃することを命じたのだ。過去48時間に非戦闘員数百人が道

路上で、家の中で、畑で、撃ち殺された。ミサイルが市場や住居地域に着弾する

ようになり、空爆は今までに増して無差別的になってきている。

 イラク戦争は突然アメリカが行ったベトナム戦の最悪の様相を呈してきた。反

抗し抵抗する民衆と対面して、アメリカ軍は士官の指揮の下にイラク民は誰彼と

無く怪しい者とみなして対処し、先ず発砲しそのあとで誰何することにしてい
る。アメリカ軍の兵士たちは自分たちの任務について騙されていたのだ。彼等は

解放のための戦争ではなく、帝国と征服のための戦争で相手を殺し、自分が殺さ

れるべく送り込まれたのである。この戦争で米兵の死傷者の数は増え続けている

が、そんなことが起こる必要は全く無かったのだ。

 3月31日、一般市民たちが虐殺された。殆どが女性とその子どもたちだった。
犯した罪といえば自国の道路を車で走っていたことだけだった。乗っていたバン

が検問所に近づいたとき、米兵が1ないし2台のM2ブラッドレー歩兵戦闘車から25

ミリ砲の銃火を浴びせ、バンを破壊した。ワシントンポスト紙は、陸軍第3歩兵
師団のロニー・ジョンソン大尉が行った部下への命令を次のように報じている。

−「威嚇射撃始め」
−「もうやめろ!」
−「やめさせろ、うまくいっている、やめさせろ!」
−「射撃やめ!」
−「お前がもっと早く威嚇射撃しないもんだから、お前[畜生]一家族皆殺しにし

ちゃったじゃないか!」

 「先ず発砲、誰何はそのあと」作戦は怯え苛立つ兵士たちの衝動的な行動の結
果
などではない。ペンタゴンの最高司令部から全軍に下された命令である。

 「今や誰でもが、そうでないと証明されるまでは戦闘員とみなされる」と、
2003
年4月1日付けワシントンポストにペンタゴンの職員の言としてあげられている。

この戦術変化は一般市民に対する武力の冷酷なエスカレーションであると理解さ

れてよいし、「解放者」との最初の姿勢の仮面を剥ぐものである、とペンタゴン
は
認めている。「医療などの思いやり行為が見られると思うが、大規模な救援活動

は今しばらく待たねばならない」とペンタゴンの一職員がワシントンポスト紙に

語った。事実、現在アメリカの新しい戦略では、ナッシリヤその他の町では占領

軍に協力しない限り、イラク市民が食糧と水を受取れないようにしている。

 アメリカ海兵隊作戦司令ポール・ロチェ中佐が3月31日に記者達に語ったとこ
ろ
によると、ナッシリヤ市の市民に対するアメリカの戦術には、一般市民の意志作

用に恐怖で圧倒し、くじくための武器として食糧と水を利用することが含まれて

いるという。

 ワシントンポスト紙の4月1日の第一面に、ペンタゴンの新戦術が「米軍、より

厳しい戦術採用指示される」との見出しに婉曲的に言及されている。

 一般市民に対する攻撃はアメリカ合州国以外の世界のメディアではより詳細忠

実に報道されている。アメリカのこの戦術転換は以下の記事が示すように、前線

にある米軍兵士の中に最も民族差別的、殺人指向的傾向を奨励している。

 イギリスのタイムス紙3月30日日曜から採ってきた以下の記事を読む必要があ
る。ナッシリヤ市外でのぞっとする光景についての報道である。ミニバン1台と
2、3台のトラックを含む15台の自動車が銃弾で蜂の巣のように穴だらけになって

破壊されているのを英国タイムス紙記者のマーク・フランチェッティが見つけ
た。

 「残骸の間に民間人の屍骸12体が、道路あるいは近くの溝に中に横たわってい

た。皆この南部の町から夜中に逃れようとしていたのだ、恐らく米軍のヘリコプ

ター攻撃や銃砲部隊で殺されるとの恐怖感から。」

 「彼等の間違いは、連合軍の補給線にとって決定的に重要な橋を渡って逃げた

こと、そして動くものは何でも撃てと命じられ、戦争ノイローゼにとりつかれた

若い米海兵隊の一団と出会ってしまったことだった。」

 「道の先、5才は越えておらず可愛い橙色と黄金色のドレスを着けた女児が溝
の
中で死んで横たわっており、その脇にはそのお父さんと思われる男の死体があっ

た。その男の頭は半分が抉り取られて無くなっていた。」

 「その近くに、潰され点てんと弾痕の穴があいた古車ヴォルガの中に、恐らく

あの女児のお母さんだろう、イラク人の女性が死んでいた、後座席に投げ出され

たようにして。ゲットー・ファビュラスというニックネームで知られるエイブラ

ムス戦車が1台、死体の脇を走り過ぎていった。」

 「安全への最後のチャンスだと思ったことを実行したのはこの家族だけではな

かった。一人の父親と、女の赤ちゃんと男の子が浅い墓に横たわっていた。橋の

上には死んだイラク人の市民がろばの死体の側に横になっていた。」

 「君、あれ、みんな見たかい」と中尉が訊ねてきた。目に一杯涙をためてい
た。
「あの小さな女の赤ちゃんを見たかい。俺はあの子の遺体を運んで、できるだけ

丁寧に地面に埋めたんだ。だけど時間が無かった。子どもたちがこんなふうに殺

されているのを見ると本当にいたたまれなくなるんだ。だけど俺たちには選択の

余地なんてないのさ。」

 英国タイムスの論説はまた、イラクではベトナムでと全く同様に、米兵は殺そ

うとする相手を人間と思わないようにして一般市民に対する戦争を行う訓練をさ

れているということを実証している。

 「おれはただ、あいつを殺すだけさ」

 「私が歩み去るとき、湾岸に向かう船に乗っている間に3番目の子イザベラが
生
まれたマット・マーチン中尉が私の側にやってきた。」

 「マーチンの嘆きはこの場面を検分する仲間の海兵隊員の何人かの冷酷な満足

とは対照的だった。‘イラク人は皆病んでいるんだ。それで俺たちが化学療法の

役をしているんだ。俺はこの国が憎らしくなってきている。憎ったらしいイラク

人を捕まえるまで待て。いや、俺はイラク人を捕まえたくなんかない。ただ彼奴

を殺してやるだけさ。’」

人間性に対する犯罪

 ジョージ・ブッシュと最高司令部は人間性に対する犯罪と戦争犯罪について有

罪である。我われが目撃していることは、陸、海、空からの攻撃によって行われ

ている本格的な大虐殺である。アメリカのメディアはこの戦争を注意深く一まと

めにしたプロパガンダとして提供しており、戦争を何か見て楽しむスポーツのよ

うなものに転換してしまい、この戦争における実際の人命の犠牲を取るに足らな

いものとしているのだ。しかしイラクの人びとはこの戦争から逃れることができ

ない。彼等はテレビのスイッチを切ったところで戦争を遠くへ追いやることはで

きないのだ。

 もう一度言う。この戦争の犯罪性の大きさを暴いているのはアメリカ以外の国

ののマスコミである。

 「ミサイル攻撃後悲嘆に暮れるイラクの人びと」と題する3月29日のロイター
の
論説は、バグダッドの貧困地区へのアメリカの爆弾による金曜夜の攻撃を記して

いる。アロウバ・コデイル(39)は「ヒステリックに泣き叫び、自分の顔や胸をこ
ぶ
しで打ち、それを周りの女たちが鎮めようとしている」なか、友達と一緒に家の

外で殺された11歳の息子カラルのことを口にしていた。「‘あの子は頭を吹き飛
ば
されたんだ’コデイルは悲痛な声で叫んだ。‘何故アメリカは人を標的にする
の。
どうして子どもたちを殺すの。どうして普通の人を攻撃するの。ブッシュはテレ

ビで一般人は攻撃しないと言ったんじゃないのかい。それなのに、この死んだ人

たちはみんな一般人じゃないか。これは標的なの’と泣き声をあげ、まだ付いて

いる壁に飛び散って乾いた息子の血を指差した。」

「全世界が、私たちが死ぬのを見守っている」

 この論説はシャザ・シャルム(20)が殺されるところを述べている。彼女は「赤

ちゃんを抱き、親類の者2人と歩いていた。その時爆発が起こり榴散弾の散弾が
一つ彼女の首を貫いた。6か月のファトマは真だ母親の腕に抱かれて生きている
のが見つかり、近所の人によって祖母のところに連れて行かれた。会葬者の悲嘆

の声がこのお腹の空いた幼児の泣き声をかき消していた。

 この近所に住む人たちの一人はロイターの記者に、「私達は無力な民衆です。

全てのことが私達の手には負えないことなのです。どうして世界は解決をみつけ

られないのでしょうか。全世界は私達が死ぬのを見守るだけで、私達を助けるた

めに何にもしてくれないのでしょうか」と語った。

 論説全文は下のURLで読むことができる。

http://www.reuters.com/newsArticle.jhtml;jsessionid=AIXRWPJ3C5TXOCRBAEOCFFA?type=topNews&storyID=2471290

 世界中の良心を持つ人びとが4月12日に行進をし、集会を開き、イラクの苦難
の下にある民衆に連帯して、大抗議行動を行う。今殺されつつある人びとは我わ

れの敵ではない、我われの姉妹であり兄弟だ。暴力が彼等の上に襲い掛かってい

るときに、世界が「何もしていない」と彼等に思わせてはいけない。米国軍隊の
数
千の青年男女がこの戦争に反対するかあるいは自分達の使命に疑問を呈し始めて

いる。アメリカ合州国の民衆が一緒に集まって要求することが決定的に大切であ

る、イラクに対する戦争をやめよ、軍隊を今すぐ帰国させよ、と。

(翻訳 寺尾光身)

http://www.iraqbodycount.net/bodycount.htm
このサイト(英語)で今イラクの戦火の下でどれぐらいの 犠牲者が出ているかをリアルタイム(といっても限界が あるかと思いますが)で数えています。
http://m17n.cool.ne.jp/kubota/home-ja
今イラク(のどこかは、文章から判読のこと)にいる久保田さんからの、現地リアルタイム報告ページ

米英のイラク攻撃と日本の戦争支持表明に対する抗議声明

2003年3月21日
日本基督教団北海教区
                         総会議長 佐藤幹雄


わたしたちは、昨日、米英がイラクに対して先制攻撃を開始したことに対し、
強い憤りを持って抗議いたします。いかなる武力行使も、普通の人々を巻き
込み、命と生活を破壊する行為であるゆえに許されることではありませんが、
まして、今回の大人がこどもの手をひねりあげるがごとき武力行使は、超大
国による大規模で残虐な侵略行為と言えるものです。また、この攻撃は、米
英の指導者がどんなに詭弁を弄しようと、国際法・国連憲章に違反している
ことは明白であり、そこには世界の人々を納得させ得る道理もありません。
米国のブッシュ大統領は、今回の攻撃に関して、「米国に野心はない」と述
べていますが、武力行使の必然性を説明するために挙げた理由と目的は、
米国が近年採ってきた中東政策と矛盾するものであり、自己正当化のため
の論理に過ぎないことは明らかです。むしろ、わたしたちには、イラクの現政
権を倒して、石油の利権を視野に入れつつ、新たな親米政権(傀儡政権)を
樹立しようとの「野心」しか見えてきません。米英は、「国益」追求のために
採ってきた戦争政策――多数の人々の命と生活を脅かす戦争政策――を
転換し、ただちにイラク国内から撤兵して、平和的な解決のテーブルにつく
べきです。
わたしたちの一番の心配は、もちろん命の危険にさらされている人たちのこ
とですが、もう一つの大きな危惧は、今後の世界秩序の在り方です。米国は、
国連安保理が一致した態度決定ができなかったことを、米英に歩み寄って
こなかったフランスやドイツの責任だとしました。また、国連が決断できない
のであれば、米国とその同盟国だけで実行に移すと言って、今回のイラク侵
攻を引き起こしました。しかし、これは、すべてを米国の意志に従わせようと
する態度であって、そこには、本当に国際社会と協調していこうとする姿勢が
見当たりません。と言うより、「米国こそが正義であり、米国こそが世界であ
る」という超大国の傲慢な考えさえ根底にあるように思えます。今後、国際
社会が、このような米国のやり方を追認していくようなことが起これば、米国
の超大国としての世界支配は強化され、このようなやり方が新しい「国際秩
序」とされる危険性さえあります。わたしたちは、そのようなことを認めること
はできません。
また、わたくしたちは、このような米英の暴挙に対して日本政府がいち早く
支持表明をしたことに、深い失望と同時に、米英に対するにも増す強い憤りを
感じています。平和憲法を持っている日本は、いかなる戦争にも反対し、平
和的な手段で国際紛争を解決していく努力をし、また、その努力を諸外国に
求めていく責務があるはずです。まして、国際法・国連憲章に違反する米英
の侵略行為に支持を表明することは、本来あり得ないことであり、それ自体
が暴挙です。政府のこのような姿勢は、平和憲法を有する日本を代表する
ものではなく、また、きわめて多くが武力行使に反対してきた「日本国民」を
代表するものでもありません。政府は、速やかに政策転換をし、米英に対
し戦争政策からの転換を求め、平和的な解決に向けた外交努力に全力を
注ぐべきです。また、それができないのであれば、「日本国民」を代表でき
ない政府は即刻退陣すべきです。
さらに、政府は超えてはいけない一つ大きなハードルを越えてしまった、と
いうことも言えます。政府は、平和憲法があるにもかかわらず「解釈改憲」
をすることで軍事力を持ち、「後方支援」という形で、実際に海外派兵をして
きました。そして、そのことを正当化するために、「国際協調」「国際貢献」を
前面に掲げてきました。しかし、今回の米国による武力行使への支持は、
政府の言う「国際協調」が「対米追従」であり、「国際貢献」が「米国貢献」で
しかないことを明らかにしてしまいました。しかし、それでもなお、政府が
その自らの姿勢によって大きな痛手を受けることなく、結果的にその姿勢
が追認されるような事態になれば、かえって、日米安全保障条約という軍
事同盟体制が、おおっぴらに日本の政策を決定する上でのスタンダードに
なる契機になりかねません。わたしたちは、そのことに危惧の念を覚える
と同時に、決してそうさせてはならないと、決意を新たにするものです。


イラク攻撃に抗議し、平和を求める声明


主の言葉「昨日までわが民であった者が敵となって立ち上がる。平
和な者から彼らは衣服をはぎ取る。戦いを避け、安らかに過ぎ行こ
うとする者から。彼らはわが民の女たちを楽しい家から追い出し、
幼子たちからわが誉れを永久に奪い去る」(ミカ書2章8、9節)
イエス・キリストの言葉「はっきり言っておく。わたしの兄弟であ
るこの最も小さい者の一人にしたことは、わたしにしたことなので
ある」(マタイによる福音書25章40節)

 米国、英国は3月20日、平和を願う国際世論を無視して、イラ
ク攻撃を開始しました。現代の戦争は女性、子ども、老人、障がい
者などもっとも弱い人々に最大の犠牲を強い、まさにその人々のた
めに十字架にかかりたもうたイエス・キリストのみこころに背く行
為です。イエス・キリストのみ名において、私たちは両国のイラク
侵略に強く抗議し、攻撃の即時停止を求めます。

 米国、英国は、イラクが核兵器や毒ガスなど大量破壊兵器の開発
を行ってきたこと、その兵器がテロリストにわたる危険があること
を攻撃の大義名分にしています。私たちもまた大量破壊兵器に反対
します。しかし、忘れてならないことはフセイン政権が持つ大量破
壊兵器技術は、そもそも1980年代に米国が与えたものだという
ことです。イラクは、この技術を使ってイラン人やクルド人に対し
て恒常的に毒ガスを使用しましたが、米国は黙認していました。米
国こそが大量破壊兵器拡散の元凶です。

 これまで米国の戦争にお墨付きを与えてきた国連安全保障理事会
は今回、ブッシュ大統領の開戦要求を受け入れず、イラクに対する
査察の継続を模索しました。最終的な武力行使を行う前に、まだま
だできることがあったと判断しているのです。国連決議を経ること
もなく、自国の利害のために外国政権を転覆するのは帝国主義にほ
かなりません。国連での協議を一方的にうち切って行われた攻撃は、
対話による世界平和への努力を反故にするもので、どのようにして
も正当化することはできません。

 私たちはまた、イラク攻撃支持を表明した日本の小泉純一郎首相
に強く抗議します。小泉首相は戦争回避のために努力らしい努力も
せず、風になびく葦のように米国に追従しています。「全世界の国
民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利
を有することを確認」する日本国憲法を持つ国の首相として、まっ
たくふさわしくありません。日本政府は数十万人に上ると予想され
る難民の支援や戦後復興への資金拠出を表明しています。しかし、
イージス艦を派遣して戦争を後押しながら、復興を口にすること自
体が許されない偽善です。難民を生む破壊が行われる前に、米国を
説得することこそ、日本の首相が果たすべき役割です。

 2001年9月11日のニューヨーク同時多発テロの後、米国は
世界の反対を押し切ってアフガニスタンを報復攻撃しました。しか
し、テロ事件を上回る犠牲者を出したにもかかわらず、首謀者はい
まだに逮捕されていません。報復が報復を呼ぶ「暴力の連鎖」は、
世界各地に拡大しています。たとえ今回の攻撃がフセイン政権打倒
という軍事目標を達成したとしても、テロ根絶という政治目標は達
成できないでしょう。むしろ、新たなテロの口実とテロリスト志願
者を増大させるだけです。

ブッシュ大統領は対テロ戦争を「十字軍」と呼び、今回の戦争はイ
ラク国民を邪悪な独裁者から自由にする解放戦争だと主張していま
す。イスラム世界で「十字軍」は侵略、殺戮、略奪の代名詞にすぎ
ません。これらの発言には、自らを神の代理人であるかのように夢
想する危険な兆候が表れています。そのような人物が、唯一の超大
国の指導者として権力の座にある限り、世界は終わりのない報復合
戦に巻き込まれ、平和を享受することはできないでしょう。

 しかし、私たちには希望があります。
 「キリストはわたしたちの平和であります。二つのものを一つに
し、御自分の肉において敵意という隔ての壁を取り壊し、…十字架
を通して、両者を一つの体として神と和解させ、十字架によって敵
意を滅ぼされました」(エフェソの信徒への手紙2章14、16
節)
 今こそ世界は軍事力信仰から方向転換し、テロリズムの震源地で
あるパレスチナ紛争を和解に導き、暴力の連鎖の根を断たねばなり
ません。私たちには希望があります。宗教、思想、体制の違いを超
えて、世界中かつてない規模で反戦平和の声がわき起こっています。
このことは私たちを力づけ、限りなく励ましてくれます。いかなる
独裁者もこの神の力に、また世界の声にあらがうことはできないで
しょう。私たちは十字架において平和を実現したもうイエス・キリ
ストを主と告白し、戦争根絶のために祈り、行動します。

主よ、平和をわたしたちにお授けください

2003年3月23日
日本基督教団札幌北光教会


アメリカ合衆国大統領 ジョージ・W・ブッシュ様
駐日アメリカ合衆国大使 ハワード・H・ベーカー様
イギリス内閣総理大臣  トニー・ブレア様
駐日イギリス大使 スティーブン・ジョン・ゴマソール様

2003年3月23日
日本基督教団春採教会

        
私たちは、米国政府主導によるイラク攻撃に強く反対し、即時停止を求めます。

正義と平和を愛する世界の多くの人々が積み上げてきた平和への
努力と叫びを無視して行われた今回の、アメリカ主導によるイラク攻
撃は、どのような理由であっても、正当化することはできません。
イラクに対する攻撃、しかも国連安全保障理事会の決議なしの先制
攻撃は、人道的罪であり、国連憲章・国際法にも違反する行為であ
り、これを黙認することは決してできません。大量破壊兵器の削減
のために戦争という大量破壊の政策を選ぶことは根本的に矛盾し
ているだけでなく、すでに深刻なイラク国内の人道危機をさらに深め、
周辺地域の不安定化を招いてしまうでしょう。
イラクの民衆の50パーセントは15才未満の子どもです。情報によれ
ば、多くの攻撃目標は病院や学校、モスクそして民家の近くにある
と言われています。そして間違いなく「付随的損害」を招き、50万以
上のイラク人死者を出すことが予想されます。また、劣化ウラン弾と
いう核兵器による影響を無視することも決してできません。
イラクの独裁政権には、たしかに大きな問題があります。しかし米軍
の軍事的圧力の下にせよ査察がそれなりに効果をあげて来ました。
イラクがすべての国連決議に従うことを目的に、国連が支持する査
察の継続こそが妥当な選択だったのです。
私たちキリスト者は「平和を実現する人々は、幸いである」と言われ
たイエス・キリストに従う者です。私たちは、何よりもいのちの尊厳を
重んじ、平和・人権・正義をもとめて多くの人々と連帯し祈りつつ行
動していますが、国連の意向や国際法を無視して戦争に踏み切ろ
うとしている貴国に対し、沈黙することはできません。
いのちを奪うことによって、また武力によって真の平和をつくり出す
ことはできません。非暴力による対話の道を勇気を持って選択して
下さることを切にお願いいたします。

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内閣総理大臣 小泉純一郎様
外務大臣 川口順子様

2003年3月23日
日本基督教団春採教会


私たちは、米国政府主導によるイラク攻撃と日本政府の攻撃支持
に強く反対し、即時停止を働きかけるように求めます。

私たちは、イラクに対する軍事攻撃が始まってしまったことに強い憤り
と深い憂慮を持っています。すでにこの攻撃によって犠牲になった人々
に対し心から哀悼の意を表します。
日本は、第二次世界大戦における戦争責任の重大さを覚えて、世界
平和の実現に貢献していくという大事な役割を担っています。日本政
府は、大多数の市民の反戦の思いを真摯に受け止め、戦争を拒否し、
武力によらない世界の武装解除を促していくべきです。
米・英国政府はイラク攻撃の理由として、イラク政府が大量破壊兵器
の査察に関する国連決議1441を遵守しなかったと主張していますが、
この間国連査察団は査察期間が適切に延長されれば査察が成功し
うることも示唆しており、武力行使が適切な措置であるという正当性
はありません。大量破壊兵器の削減のために戦争という大量破壊の
政策を選ぶことは根本的に矛盾しているだけでなく、すでに深刻なイ
ラク国内の人道危機をさらに深め、周辺地域の不安定化を招いてし
まうでしょう。世界保健機関、国連児童基金などからも報告されてい
るとおり、湾岸戦争以降の国連経済制裁はイラクの人々に深刻な物
資不足や劣悪な衛生環境を強いてきました。いま国際社会がしなけ
ればならないのは、戦争でも戦争後の復興支援を約束することでも
なく、経済制裁を解除し、イラクの人道危機の改善に早急に取りくむ
ことであり、この戦争をただちに止めさせることです。
この戦争の欺瞞と、戦争がイラクの人々と世界にもたらすだろう深刻
な影響を知り、世界中の市民が戦争を止めさせる共同行動に立ち
上がっています。アメリカでも、そしてこの日本でも全国で反戦行動
が行われ、反戦の機運は過去例を見ないほど広がりを見せていま
す。このようにイラクに対する戦争は、世界の大多数の人の平和の
願いに反するものであり、世界の民主主義を踏みにじるものです。
同時にこの戦争は、国連安全保障理事会の決議というプロセスも
得ない主権国への軍事侵攻であり、国連憲章の違反、違法行為で
もあります。
世界の人々が等しく公正で平和な社会に暮らしていくために、大量
破壊兵器をはじめとする諸武器が廃棄されていくことは不可欠です。
そのためには、世界で最も多くの大量破壊兵器を所有し、世界一
の武器輸出国でもあるアメリカが自ら武器削減を進め、世界軍縮
において指導力を発揮していくことが何よりも期待されています。
アメリカに追随し、戦争を支持することは即刻やめてください。私た
ちは人を殺すことに加担したくはありません。私たちは米国政府主
導のイラクへの攻撃と、それに対する日本政府の協力に反対します。