学芸出版社・都市計画家協会関西支部

 

東日本大震災・復興まちづくり記録

私たちは何ができるのか、ともに考える

佐藤 滋/鳴海邦碩 氏ほか

2011.05.20


会場からのご意見・ご質問

◇Kさん(コンサルタント):
 「想定外」という言葉をどのようにとらえられていますか?
 また、この「想定外」は復興においてどのような前提or基準となるのでしょうか。
 ちなみに私は「想定外」から「自然の畏怖」「避けて通れないことがある」ということが復興における前提となるのではないかと思いますが。

◇Mさん(市民事業団体):
 原子力工学や放射線医学などの学会の動きが分からない。連携した活動などが考えられないのか?
 それにも関連するが、大地震・大津波などの災害と、原発のメルトダウンなどとは切り離して考えようとする動きもあるようだ。どう考えるべきか。

◇Oさん(市民):鳴海先生への質問
 今回の震災を契機に、これまでの国土の一極集中は見直しが不可避の情勢ですが、とりわけ副首都建設に関して関西の役割をお聞かせください。

◇Oさん(民間団体):佐藤先生、鳴海先生へ
 阪神淡路大震災の後、行政はそれまで住民の反対でストップしていた都市計画、区画整理、道路計画等を強行し、住民がそれに異議を唱えると、「すでに決定したこと」として相手にしなかった。このような「災害ファシズム」に対する警戒感が今回はあるものの、「復興を急げ」とか「リーダーシップが大事」との声にまぎれて災害ファシズムが復活することを恐れる。
 「住民の意見に基づいて」ということをどんな形で担保できるのか、佐藤先生、鳴海先生にお伺いしたい。

◇Tさん(民間団体):
 森崎さんの「とりあえずもとの所に戻って…」、真板さんの「誇りを持って住む…」が印象的でした。つまりは、場所・地域とつながった<しごと>なしには生きられないということでしょう。<仮設の住まい>よりは<仮設のしごと>が最優先されるべきと考えますが、如何でしょうか。

◇Hさん(大学院生、68歳):
 日本人は豊かな感性で優れた技術を生み、知恵教訓などを伝承してきた。青森から福島まで「高き住居は児孫の和楽…」、この石碑が二百あるという。なぜこの教訓が生かされなかったのか。
 地域特性を生かし地域住民が主人公で地域文化が育つまちづくりがなぜできないのか。地域の歴史・文化に学ぶということが必要ではないですか。「風土」が大事。

◇Dさん(大学):
・様々な事業が必要とされ、サポートをしたい多くの専門家がいると思います。
・その個々の活動は大切だと思いますが、これら全体を束ねるプラットホームのようなものはできないのでしょうか?
・阪神淡路の時に小林郁雄さんたちが活動された阪神大震災復興市民まちづくり支援ネットワークのようなものをイメージしていますが、そうでないものでも良いと思います。

◇Yさん(コンサルタント):
・衛藤さん(だったか?)のお話しの中で、「東北の人は組織化しない、お上の言うことを聞く」ということが出ました。市民事業とはこのような性質の地域でも可能なのでしょうか?(市民は主体になれるのか?)。
・災害ツーリズムのもっと具体的なイメージを教えてもらいたい。

◇Kさん(大学生):
・本日は、自分たちに何ができるのか、実際になされている活動などと共に紹介していただき、大変有意義であると感じています。活動に関して、もっと時間をとっていただきもっと深く知りたいというのが感想です。
・第1部での、佐藤さんのお話の中に、12日間の連続シンポジウムというものがあり、その中にアイデアの基準というお話しがあり、大変興味を持ちました。というのも、私は現在学生なんですが、学生の立場で専門分野にいるからこそ何ができるのか考えており、今日もこの会に参加させていただいたからです。
 今後学生だからこそ、このようなアイデアの発案なら可能かと思います。他に何ができるのか。
 みなさまの活動としても、そうした思いを持つ市民、学生を巻き込んでいくものを提案していただきたいです。

◇Iさん(大学):
1.「まちづくり会社」構想(信託ベース)も良いが、今問われているのは個人と公共の関係がいびつになっていること。これの是正を目的に「ナショナル・トラスト」制度の検討は?。
 寄付をつのって福島の原発事故で影響を受けた土地を正当な価格で買い取り、人が住めるようになってから、正当な価格で元の地権者に売却するか、一括して活用するか決めればよい。
2.自立できる地域づくり
 原発事故の有無にかかわらず、近い将来「エネルギー低減時代」を迎える。ひとつの解決策として、自立した地域を作り、それらの地域の連携を目指す(離れた地域間の友達作り、親戚作り)。
 @エネルギーの自立:小水力、太陽光、風力、バイオマス、地熱、化石燃料による発電のベストな組合せ。
 A交通システムの自立:近距離はBattery assisted bicycleを中心、所有から利用へのレンタルシステム。
 B様々な活動の拠点と活動メンバー。レンタルシステムの管理者が行う。
 C工業の自立。大量生産システムの研究開発:多品種小ロットの効果的な生産システムの研究開発・プロダクトマイレージ。
 D商業の自立。
 E社会福祉。現金給付部分はBacic Income。現物給付は地域通貨の発行。
3.エネルギー低減時代の建築物
 地下水の定温性と比熱が大きいことを利用した冷暖房システム。
 地下50p以下に貯水すると18〜20℃になる。太陽光パネルの洗浄と冷却に地下の貯水を利用、これで熱を持ち帰る。壁面型および床下型(および天井型)タンクで冷暖房を行い、併せて防災に活用する。地下タンクは地震時に壊れない(パイプラインは壊れる→フレキシブルパイプの活用)。

アンケート(会場より)

◇Mさん(民間企業):
・阪神淡路大震災を経験した関西だからこそ発信・発言できることをテーマにしたシンポジウム開催にエールをまず贈りたい。
・ここでの議論をぜひまとめて公開して欲しい。
・東北の復興で、次世代のまちづくりの専門家を現地に住まわせることには大賛成。

◇Kさん(民間企業):
 時間が少ないのとパネラーが多すぎるのとテーマが絞りにくいこと等で、あまりにも討論が浅すぎた感がします。
 次回はもっと深く掘り下げて、ひとつの提言になるくらいのものになればと思います。

◇Kさん(民間企業、エンジニアリング):
 震災復旧に実際に関わっておられる方々の話は非常に興味深く聴いた。
 各位の報告は時間があまりにも短く、じっくり聞けなかったのが残念。
 議論の時間は比較的余裕があり、各氏の考えもある程度理解でき、良かった。
 このようなオープンなシンポジウムをもっと企画して下さい。

◇Fさん(民間企業):
 多くの視点からの取り組み、意見が聞けました。
 引き続き企画いただければと思います。

◇Kさん(設計事務所):
 今、益子の陶芸の復興に協力しようと思っています。

◇Tさん(設計事務所):
@復興支援に関する参加の方々の熱い思いが伝わってきました。
A都市計画・建築等の専門家の支援に対する思いをネットワークする役割を、行政のみでなく、学会や職能団体に期待しております。
B長い時間(復興まちづくり)と短い時間(なりわい復興)をうまく組み合わせて考えていく必要があります。

◇Aさん(設計事務所):
・佐藤滋氏と他の講師の方に講演の準備の差があった。
・少し盛りだくさん的であり、絞ることによってもっと充実したセミナーになったと思う。

◇Hさん(コンサルタント):
 多方向、多方面の報告等をコンパクトに聞くことができて、良かった。

◇Nさん(コンサルタント):
 鳴海先生の話にあった災害ツーリズムに共感した。被災地の為に何かしたいと思う人は多くいるが、そのためのノウハウ(手段・方法)が分からない人が多い。被災地に行って、純粋な支援だけではなく、何らかの形(見る、発信する、楽しむ等)で貢献する仕組み(一般の人でも参加できる仕組み)を作ることが必要と感じる。

◇Mさん(コンサルタント):
 こういう災害が起こったときに、都市計画や建築が本当に地域に貢献できるか試される時です。私は復興は個別解であるべきだと思っています。『戻る』かどうかも個別解だと思います。海抜○メートルまでは住んではいけないとか、防潮堤を○メートルにするとか一律で考えられるべきではないと思っているからです。そのため、学会メンバーが各県に『居住地』『仕事の場』『避難方法』などを地域の人たちと一緒に考える委員会が地域ごとにたくさん開かれていくべきだと思っています。
 しかし現在は復興『案』が個別解になっていると思います。これは残念なことです。地域の文化を守るためにも、次の災害に備えるためにも、今からでも専門家の知恵が役に立つシーンが実感できる準備が進むことを祈っています。

◇Cさん(コンサルタント):
 いろんな取り組みが行われていることを力強く思いましたが、関西から東北への地の利が遠いため、我われのできることは次の南海・東南海地震に向けての備え(議論、作業)を急ぐべきと思います。

◇Sさん(コンサルタント):
 社会人1年目で、比較的大きな事務所に来てるということで詳しいことも言えませんでした。
 学生時代にまちづくりを学んでいた身としては、復興になんらかの形で関わっていきたいというのが正直な感想です。しかし、うちも含め、今何か動いているかと言われれば必ずしもそうではなく、こういった長いプロセスで行っていく復興に事務所が関わっていくのは簡単ではないと、社会に出て感じています。やはり何らかの研究を各事務所でも一般業務と併せて行っていくべきだと改めて感じました。

◇Kさん(ランドスケープ・コンサルタント):
 あさってから仙台方面の視察に行きます。今日のシンポジウムはその意味で大変参考になりました。いずれ造園学会等とも連動できればと思っていますが、まずは事務所から約10名現地へ参ります。

◇Nさん(コンサルタント):
 多方面に及ぶ話が聞けて刺激になりました。
 現地で考えることは基本だと思います。それと、実現化手段の実施に熱意を持つことが大切で、着実である意味平凡な案を進めること。

◇Kさん(コンサルタント):
 学芸出版社さんは震災直後から多くの企画を実行されていることをありがたく思っています。本日のセミナーもその延長上にあることでたいへん有意義なものでした。

◇Tさん(コンサルタント):
 沢山の報告者が入り乱れて登壇されたにも拘わらず、緊張感が途切れなかったように思う。問題への集中力が共有されている、今はそんな状況なのだとつくづく感じます。

◇Iさん(自由業)
 それぞれのパネラーのご意見を聞き、重い話と受け止めました。次回を計画して下さい。よろしく。ありがとうございました。

◇Tさん(民間団体):
・震災は時代の変化の節目だと、みんなうすうす感じているでしょう?
 何となく「昭和に戻ろう」的な発言が多いと思います。政治家や財界、産業界は利権を手放せない(いつまでも「昭和」でいたい)ようだし。(原発は電気が必要だから、ではなく利権のために必要なんでしょ?)。
 「地震の多い日本には原発は不向きです。撤退します!」というのが、日本の進歩ではないでしょうか。
・被災者にあまり「がんばれ!」と言い過ぎてはいけない。かえってストレスと反発を与えます。
 「ボチボチいこか」ぐらいでいかないと。

◇Oさん(民間団体):
 今日は建築のほか、「地面の上」の問題を取り上げ、住民や地域コミュニティの課題についてホットな話題を聞けてうれしかった(私自身は地面より下の地学・土木に関する諸問題を扱っています)。今後、地盤の問題と建築物、構造物の防災・減災について学際的な連携を進めてゆきたいと思います。

◇Sさん(NPO):
 よかったです。参考になりました。

◇Kさん(財団法人):
 現地と一緒に復興ビジョンを考え、作業していくというご意見がたいへん勉強になりました。災害と復興、常に繰り返すと考えれば、平時でない取り組みを継続していくことが大事と思いました。

◇Mさん(社団法人):
 佐藤滋さんの話をもっと聞きたかった。鳴海さんと合わせてグランドデザインの大きなヒントが得られたのではないか。

◇Nさん(公共団体):
 幅広い視点での議論が交わされ、充実したセミナーでした。阪神淡路大震災の時とは異なり、行政組織や独立行政法人の力を活用しようという動きが鈍いのは大変残念なことですので、地元の声で状況が変わることを期待しています。

◇Tさん(公共団体):
 復興のための様々なアイデアをうかがうことができ、大変勉強になりました。広域である災害に対して、東北だけでなく日本全国が協力して取り組める仕組みをいかに作れるかが課題なんだということに改めて気づきました。

◇Sさん(行政):
・数多くの方がお話しをされましたが、一人当たりの時間が短すぎて、発表者も聴講者も消化不良。
・また分野が多岐に渡りすぎて、今ひとつ焦点が定まらなかった。しかしながら、いくつかは興味深い報告もあった。特に、日本エコツーリズム協会の真板さん、仮住まいの輪の矢部さんのお話は短時間ながら興味深かった。
・パネルディスカッションは大変良かったと思います。

◇Uさん(独立行政法人):
 報告内容が盛りだくさんで、時間が足らないのが残念です。こちらの説明してほしい部分がさらっと触れる程度だったり(復興まちづくり提案はHPで見ることにします)…まだまだ復興への道のりは遠いので、こういう会を継続してお願いします。まだ地元はそれどころではないのかもしれませんが、現地の人の考えや意見を聞きたいと思います。
 最近、まちづくりに関して「土木建築工学者」が「実情を知らず空理空論を振りかざしている」と批判する本を偶然目にすることが続いており、批判への反論という意味でも、地元の専門外の人の復興への考えを聞き、専門家がそれにどう応えていくべきかを考えたいです。

◇Iさん(大学):
・それぞれの発表時間が短すぎたと思う。4月18日に東大で行われた2時間半のブレーンストーミングに参加したが、様々な意見が飛び交い、有効であった。もう少しテーマを絞って、時間をかけて議論したい。
・金融が経済活動の血液であるように、交通システムは地域社会の血管である。どのような交通システムを作るかで地域の有り様が変わってくる。このような視点での議論も必要ではと思う。

◇Fさん(大学):
 様々な視点のスピーカーと行動を起こしている方々のお話を同時に聞くことができたので、今後の検討に役立ちました。
 時間と共に各立場の方々の活動の様子も変わると思いますので、継続的に実施していただければ有り難いと思います。

◇Dさん(大学):
 集中した良いシンポでした。主催者の皆さま、ご講演いただいた皆さま、ありがとうございました。

◇Iさん(大学院生):
 様々な視点から、今回の大震災を受けての色々な取り組みを聞かせて頂き、参考になりました。
 普段の研究等の活動においても、現地の人の助けになることや現地の復興の一助になれるような取り組みを実施したいです。

◇Yさん(大学院生):
 さまざまな分野でいろんな方が各々のアプローチをされている様子がわかり、私自身もどういう形で関わっていけばよいのか、いろいろ思いを巡らすことができました。
 まず、世の中に何が存在していて、自分とはどう接続していくのか、それを知る場がみんなに必要なのではないかと思います。
 最後に佐藤滋先生が仰ったことが非常に印象的でした。
 私も今まさに現地に行って力になりたい。でも、何ができるわけでもなければ、就職も控えているし、自分の生活を崩すことはとても恐ろしい。でも、震災復興というのは気の長い話で、しかるべき時に出ていけば良い、というのは安心しました。やはり教育者だなあと思います。そうした俯瞰的な視点で発言する人がいてくれると、よりよい関わり方を探っていけるのではないかと思います。

◇Nさん(大学院生):
 これからのまちづくりや都市計画、建築計画を考える上で、今回の震災は計画する内容に大きな影響を与えるものだと思います。このセミナーで改めて実際の状況を知り、これからの復興、まちづくりを学ぶ上でより深く考えていきたいと思います。
 多くの人の話が聞けたのはよかったが、その反面、時間が短いのは残念でした。質疑応答はとても有意義で勉強になりました。

◇Oさん(大学院生):
 一部の発表者の方から指摘はありましたが、被災地、被災の種類を分けて、もしくはどのような種類にたいしてなのか明示した発表をしていただきたく思いました。
 支援に東北の人の力が必要かどうかというのは、都市部か農村部(あるいは漁村部)かによって違うと思います。後者の閉鎖性、よそ者を排除する性格が強いことを考慮すれば、東北弁を話し、地域について知る人が入ることがローカルコミュニティやそこで築かれているルールを活かした復興に繋がるのではないのでしょうか。エリア、被災の種類の二軸に分けた議論をしないと、議論が錯綜するのではないかと思いました。

◇Sさん(大学生):
 いろんな分野の方々のご意見や活動内容を聞くことが出来、面白かったです。
 私のテーマは「(発展途上国の)その土地の文化を守りつつ、近代化に対応する住まい・都市の提案・設計」なので、「土地の力」「コミュニティを形成している<核>」をより高める方法での発展の仕方について考えています。
 大変参考になるご意見を多く聞くことが出来たので、今後も研究に励みたいと思います。ありがとうございました。

◇Kさん(大学生):
 自分たち学生に何ができるのか、どうすべきか、実際にお聞きできてよかったです。
 ありがとうございました。大変参考になりました。

◇Uさん(大学生):
 本日は充実したシンポジウムをありがとうございました。
 最も印象的だったのは、復興の様々なアイデアを建築学会が集めているということ、「まちづくり会社」の構想などでした。
 都市計画やまちづくりを学ぶ学生として自分は何ができるのか、まだまだはっきり見えてこない部分も多いですが、手探りなのは全国誰しもそうなのだと感じることができ、これからも前向きに学んでいこうと思いました。

◇Mさん(大学生):
 私もそうですし、私の周りの学生も、本当に多くの学生が今自分に何ができるかと言うことを考えています。個人で活動している人もいるとは思いますが、関西の学生という一つのチームとして、まとまって支援できるシステム(プロジェクト)があれば、すごく多くの学生が集まり大きな力になると考えています。そして、多くの若者が現地へ行き、災害の現状やその復興のノウハウを知り、学ぶことが必要だと思います。
 今後、各地でこういった震災被害が起こり、復興の必要が迫られることもあろうかと思います。この大震災の被害をその場所で終わらせてはいけなく、これから社会を担う若者が特に一体として考える必要があり、考える場を設けることも大切であると思いました。
 専門家の方々の貴重なご意見を拝聴する機会をいただき、ありがとうございました。

◇Nさん(大学生):
 有意義な時間をどうもありがとうございました。
 最後の森崎さんと参加者の討論は見解の違いをぶつけ合うものとして、それぞれがいかに復興に対して真剣であるかを感じとりました。同時に、住民がどこに住みたいかは住民に聞きなさい、この京都ではなく現地で討論しなさいとも思いました。だからこそ、小林さんのまとめがすっきりと心に落ち着きました。

◇Kさん(大学生):
 何ができるか分からず、やっぱり地元の人間がどうにかしないとと思っていましたが、最後に「京都で災害が起こったらどうだろう」とおっしゃられていて、自分が無関心、他人事のように考えていたことを実感しました。今回の話で、建築の学生ができることを聞くことができ、来年には大学卒業ですが、現地に向かうか、こちらで実力をつけるか、これからよく考えたいと思います。

◇Uさん(大学生):
 震災後、復興に向けて建築という専門性を持っている人たちがどういう活動ができるのか?ということは、建築を学んでいる学生として非常に興味深いテーマでありました。
 大学でも教授を交えて似たような話し合いの場がありましたが、今回のセミナーではその話し合いでは出てこなかったようなツーリズムの視点などが聞けて良かったです。もっといろんな分野の人たちが震災のことを考えていかなければいけないと思いました。

◇Nさん(大学生):
 学生は3年ぐらい被災地に行ったら良いというのは、本当にそうだなあと思いました。私は就活中(今は内定をいただいたので活動していませんが)に何度かそのことを考えていました。まちづくりに関わる仕事に就きたいと思って就活をしていたので、そういう仕事をする上で、被災地に長いこといることはかなり力がつくと思います。
 私は法学部で、今回メインであった建築や都市計画などの理系の人間ではありません。都市計画法や建築基準法のような法律を学んでいて、特にそういう法制の中での住民参加のあり方について考えています。
 そういう私が就活するにあたって、都市計画、まちづくりの中でどのような位置に立って関係していくと良いのか考えていたのですが、いまだによく分かりません。今回も何かヒントが得られるといいなと思って参加したのですが、被災地に行くというのは大きなヒントを得られたような気がします。
 今日参加させていただいたことで、被災地に行くことが現実味を持ってきました。もう少し考えて判断したいと思います。本日はありがとうございました。

◇Kさん(大学生)
 建築の側面からだけではなく、農業や観光、ボランティア、様々な視点から見た現状、サポート、問題点など色々な話が聞けて考えることが多くありました。
 建築学科に入ったからには何かできるだろうと思っていたものの、実際に何ができるのかよく分からず、学生としての無力さを感じていたのですが、「知る」ことに大きな意義があるのだと思いました。
 今回参加させて頂くことができて、本当に良かったです。どういう形でか分かりませんが、私が知って考えて得られたことが、この先何か形になればと思います。

◇Yさん(大学生):
 専門家の方のご意見を伺う機会がめったにないため、大変参考になりました。特に鳴海先生の日本都市計画学会の活動における「多様な歴史文化・産業基盤・コミュニティに配慮した復興」について大変興味を持ち、もっと深くお話を聞きたかったと感じました。私は現在『復興まちづくり』について卒業論文を書いており、今回得た情報はぜひ参考にさせて頂こうと思っています。

◇Oさん
・かなり…かけ足で話(報告)をされるパネラーの方々がいらっしゃいました。時間が決まっていることはよくわかりますが、もう少しゆっくり落ち着いて話を聴きたかったです。
・何が私たちにできるか…大きなことはできません。でも、東北産のものを買い、東北地方に旅に行き、もっと東北を身近に感じるようにして、東北の人たちから東北の思いを受け止めたいです。三陸ワカメが好きなので、早く三陸ワカメが食べられるように漁業面も応援します。

◇Iさん
 地域自らが主体になるポイントを探りたい。

◇Yさん
1)私も長年建築の仕事をしてきたが、設計に対して経済設計ということに構造設計者は力を注ぎ、いかに経済的な設計をしたかというのがもて囃されていた。この当時から、建築および土木工事に対しても、安全性には甘い考えがあった。建築基準法を含め、事あるごとに法規や基準の見直しが何度されたことか。まず、構造の設計と、現場での仕事管理が安全性に機能していない。建築、土木とも地盤(調査)に対しては無策に近かった。例えば、地耐力の仮定(当時の技術は数年後の保証をするものである)。
 森崎氏の発言で「原発事故でひょっとしたらもう住めないのでは」というのがあったが、その可能性は充分あるしその準備もあると思うが、管首相が「住めないかもしれない」と言ったとか言わないとかで、「住めなくなる」という発言は今批判を浴びている。これはどう思うか?
2)これからは新築住宅、あるいは被災の軽かった建物での補強工事や改修工事の需要が高まってくるが、建築業者の質が問題だ。
 住宅の建て替えには地域の風土や風習があるので地元業者での施工が理想だと思うが、あまりにも物件数があるため地元業者だけでは処理できないはずである。そこで他府県から建築業者が入り込むと考えられるが、そうした業者の施工の悪さ、請負額の不透明さ(悪く言えば高額請求)があると思われる。
 阪神淡路大震災の時には、他府県からの業者の工事にはまったく酷い工事があり、その処理のために大変苦労した。欠陥工事に対する業者とのやり取りには、手直しや施工費も含めての管理交渉があって、建築士は一応建築の専門家と扱われているが、それができる実力のある建築士は、資格者数に対しては皆無に近い。
 これがこれからの住宅工事を進める上での非常に懸念される問題だと思っている。

◇Gさん(ツーリズム研究家):
1.白熱議論:(不足する)高台の敷地に住宅を建て、漁業現場に車通勤するプランについて:
 私は建築や都市計画の専門家ではない。しかし、三陸海岸沿いの諸都市の再興に、直感的に広島市営基町高層アパート(78年竣工。大高正人氏設計。原爆被害を受け、住む場所を失った市民が基町・元安川周辺に掘っ立て小屋を建て生計を維持し、スラム化したエリアが約3000戸の高層アパートで再開発されたもの)の事例が参考になるように思う。この高層アパートには、広い低層共用エリアや屋上の使い方などに従来の高層アパートにない開放感と柔軟性の工夫が見て取れる。つまりは完成後30年余を経過した現状から、空前の災難に苦しめられ、スラム生活を強いられた市民への深い同情の念と、都市計画や建築だからこそできる「市民ならこんなところに住みんでみたいだろう」といった思いを抱かせる空間設計の工夫が随所に試みられているように思われる。
 具体的には、高層アパートと近世・近代の歴史を刻む広島城・お堀端との調和的景観があり、周りには緑豊かな公園と河川敷が広がる。屋上では階段の段差を巧みに利用して連続するアパート各戸の配置が美しい。屋上の何ヶ所かでは住民が花壇や盆栽づくりを楽しんでいる。屋上は市中心部や太田川の河口に向ってゆるやかな傾斜で低くなっている。したがって、住民は市内を流れる7本の河川のうち何本かが市中を美しく蛇行する姿や、多くの市民が心の古里としての心象を抱く、瀬戸内海に浮かぶ安芸の小富士(似島)や宮島を我が家の窓や屋上から遠望することができるのである。
 このたびの1000年に一度という地震、津波で多くの尊い人命が失われ、広い範囲にわたって街や建物が流され、多くの被災者の方々が避難生活を余儀なくされている困難に立ち向かうとき、かつて大高正人氏らが広島の歴史や美しい自然景観を身近に感じられる形でデザインされたように、都市計画や建築の専門家の自負と矜持をもって、同規模災害の再来にも耐えられるような都市環境・建築設計によって、ぜひ地元の人々が未来に向って希望を抱けるような、職住・集住のグランドデザインを描いてもらいたい。
 なにより地域それぞれの風土・地形的制約の中で、大小さまざまな安全集住可能地区を選びぬき、画一的でなく、その地形と集住形態・規模にふさわしいあり方を追求する中で住宅・商業・交通インフラ等の構想が必要だろう。地元の人々の意向(実際問題として長年住み慣れた場所からは離れがたい。)に積極的に耳を傾けながらも、子々孫々の安全のため、あえて地元の人たちが「あそこなら移り住みたい」、或いはまた20年、30年、50年後にも「移り住んでよかった」と実感できるような、既成概念にとらわれない大きな集住プランの提案が待たれているように思う。そして、これを可能にするのは、犠牲になられた方々と被災された方々に対する専門家の「深い同情の念」であることはいうまでもない。
2.災害ツーリズム
「復興」の二文字を加えて、「災害復興ツーリズム」とされてはいかがでしょう。

 
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