01 妙喜庵待庵

前日までの雨もあがり、快晴のなか学芸出版社を出発!
塚本さん、まずはRauk(ルーク)のパンで腹ごしらえです。
「京都はおいしいパン屋が多いんだよ」
よくご存知で。

最初に、大山崎にある妙喜庵待庵を訪れました。
土壁を巡るオトナの遠足。始まります!

ここは千利休がつくったとされる二畳敷の草庵茶室として、あまりにも有名。
余計なものや装飾は一切なく、膝を突き合わせて亭主と客が対峙する小さな空間に、利休が目指した「侘び寂び」の世界がひろがります。
藁すさの見える内部の壁は粗野でありながら緊張感があって、角が塗りこめられた室床や、障子の桟の繊細な竹組みといった、職人の技が塚本さんの心を捕らえます。

薄暗い内部に座ると、新緑を揺らす風の音、鳥の声に敏感になります。
自然を五感で感じることのできる空間です。

森田さんに言われて、地面の土の色と壁の色が同じということに気付きます。
「サビが出てますね」と外壁を見て、森田さんが教えてくれます。
「サビ」は、土中の鉄分が、経年変化の中で化学反応して黒ずんでくる様子を言うそうです。
時間の流れのなかで滲み出てくる「サビ」に、「寂び」の世界を重ねる塚本さん。
京都は奥が深いです。


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 京都「土モノ」探訪記*index