07 長楽館
祇園・円山公園の一角にある明治時代の洋館で、煙草王と称された村井吉兵衛さんの別荘として建てられたそうです。設計はガーディナーというアメリカ人だそうです。
今はレストランカフェになっていて、誰でも入ることができます。
ここで優雅にアフタヌーンティーをいただくと、100年前のモダンな社交界の様子が蘇ってきそうです。
村井さんは、ハイカラでダンディな人だったんだろうな。
|
玄関脇の貴婦人の間。優雅です。天井には部屋ごとに異なる漆喰のレリーフがみられます。 |
階段わきにあった、ピーコックをモチーフにした装飾 |
貴婦人の間、喫煙の間、美術の間など、部屋ごとに違った豪奢な内装が施されています。
シャンデリアや家具など、当時のままに残るものも数多くあります。
村井家の家紋である柏のモチーフが随所にみられます。どれもこれも、本当に繊細で美しいデザインです。
ゴージャスな空間に圧倒されて土壁のことを忘れそうになっていましたが、ここの見所は、天井に施された漆喰のレリーフです。ため息の出る美しさ…。まさに左官の芸術品です。
取材と撮影を終えたところで、「ここでケーキ喰いたい!」と塚本さん。
時間おしてますけど…。でも甘い誘惑には勝てません。
ステンドグラスの綺麗なサンルームでほっこりお茶タイム。
|
緑が心地よいサンルーム。今は喫茶室となっていて、ここでお茶をいただけます。 |
そういえば、ケーキのデコレーションは漆喰の装飾に通じる部分がありそうです。
スポンジに生クリームを塗るのと、壁に漆喰を塗るのと、ともに緊張感ただよう丁寧なお仕事です。
職人さんの手技が、甘美で魅惑的なものを生み出すんですね。
短かったけれど、優雅な時間が過ごせました。
とっても濃密な一日、お疲れ様でした!
(夜はまだ続く…)
→next 08 大徳寺玉林院の蓑庵
京都「土モノ」探訪記*index
|