東京工業大学大学院情報理工学研究科情報環境学専攻准教授。博士(工学)。東京工業大学大学院理工学研究科社会工学専攻修士課程修了。株式会社三菱総合研究所、新潟大学などを経て、現職。著書に『たのしみを解剖する―アミューズメントの基礎理論』(共著、現代書館)、『日本別荘史ノート』(共著、住まいの図書館出版局)など | ||
『観光まちづくりのマーケティング』の狙いを聞く観光まちづくりの専門家である十代田さんが、マーケティングやブランディングなど異分野の方々と協働して書かれた本の狙いをお聞きしました。聞き手:前田裕資(編集部)
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どういう狙いの本でしょうか前田:このたび『観光まちづくりのマーケティング』をお書き頂いて、もうすぐ出版となります。この本をどのような方にお読み頂きたいのか、どういう形で役立てていただきたいのかを中心にお話しいただきたいと思います。 十代田: この本は『観光まちづくりのマーケティング』というタイトルの本ですが、いわゆるマーケティングの本というよりは、地域を総体としてとらえて、どう売り込んでいくかということが書かれています。 こういう本が私は必要だとつねづね考えていました。それは私自身は観光地づくりのプランナーであったり研究者なのですが、観光地まちづくりをやっていくなかで、どういう人たちを、どういうふうに呼ぼうかというところで、結構、いつもアバウトな考え方になってしまっているのです。何百万人来て欲しいといったことを漠と考えているだけということが結構多いのですが、それをきちんとターゲットを絞ってやっていく必要があるんじゃないかとつねづね思っていました。 ちょうどある研究会でいろいろな方と知り合うことができました。、地域のマーケティングの方とか、ブランディングの方とか、あるいはMICEの専門の方とか、ホスピタリティの専門の方、実際にプロモーションに携わっていた方などのお話を伺うことができました。 そこにもノウハウやテクニックががあるということが、だんだん分かって来ました。 これはひとつ観光まちづくりという中身のなかで、地域マーケティングというか、どうやってお客さんを捕まえてくるかということを考える本が必要なんじゃないかと思ったわけです。 そういうことを専門的にまとめた本は日本には見あたりませんでしたので、皆さんにお願いして一緒に書かせていただきました。 僕自身は地域づくりに携わってきた人間なんで、いろんな面で新鮮でした。 この本はほとんどハードづくりについては書かれていませんが、こういうふうにいろんな現象が解釈できるんだということが、北海道や沖縄の事例やいろいろな事例を通して書かれています。そういうところからも学べるところがあります。 単なる事例集にとどめてしまってはつまらないし、応用がきかないので、普遍的な理論も含めて書いて頂いているので、役にたつ本になっていると思います。 誰に読んでほしい本ですかどういう方々に読んで欲しいかですが、実際に観光まちづくりに携わっている方、これから携わる方です。それから、大学で観光を学んでいる方にも読んでいただきたいと思います。今、大学で観光学が盛んですが、ある意味、細分化してしまっているところがあります。地域の実情みたいなこと、いわゆるまちづくり的なことと、マーケティングのことを両面から学んでいる人はあまりいないと思います。それを学べるように考えていただける、考える機会をもつために、この本は役に立つと思っています。前田: 有り難うございました。 |
観光まちづくりのマーケティング目次
●担当編集者のブログ(2010.5.12)
●関連講演会2010年11月19日 |
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