地方都市の再生戦略

本書の狙いを聞く

 

川上
地方都市の再生に取り組んできた実務家、研究者とともに本書をまとめられた編者に、本書の狙いをお聞きしました。

 

狙いは?

前田:
 『地方都市の再生戦略』という本をおまとめいただき、出版させていただきました。今日は、その狙いと、どういう方に、どういう感じで読んで頂きたいかをお話ください。
川上:
 私どもは地方都市を対象に、調査研究や、実践的な計画やデザインを行ってきたわけですが、地方都市は大都市に比較して都市規模が限られていて、いろいろな変化が都市圏内で起こります。近年は特に郊外の拡大、自動車利用の進化が、一方では中心市街地の衰退という形で発生するなど、いろいろな形で現象が起こってきています。
 そういう意味で地方都市のもっている問題は、大都市と比較して様相が異なったり、深刻な面があります。これからも多くの地方都市でそうした取り組んでいくわけですが、今回、私がいままで協働して取り組んできた方々に書いていただいて、『地方都市の再生戦略』という本をとりまとめました。
 取り上げているテーマは土地利用の問題、都市交通の問題、住宅政策、福祉の問題、それに景観や住民・市民参加など、いろいろな問題を取り上げています。それぞれ具体的な事例や、先行的な地方都市の事例を取り上げながら、出来るだけ分かりやすくご紹介しているというつもりです。
 この本については、同じようにそれぞれの地方都市で取り組んでおられる行政の方々、あるいはコンサルタントの方々、議員の方、市民の方、学生の方に是非読んで頂いて、お互いの経験とか意見とかを交流しながら、これから共にいろいろな形で地方都市の再生に取り組んでいければと思っています。

特に力を入れられた点は?

前田:
 有り難うございます。
 特に力を入れられた点があれば、お教え頂けたらと思います。
川上:
 そうですね、地方分権が90年代後半から非常な大きな勢いで進行してきています。かなりいろいろな制度が市町村主体に使えるようになり、あるいは自主条例の権限・内容が拡大してきました。意欲のある、いろいろな工夫ができる自治体にとってはツールが増えてきたと思います。そういうツールとか仕組みを使って先行的に取り組んでいる地方都市の事例をできるだけたくさんご紹介しました。そしてこれからの課題と再生戦略を提示してとりまとめる。そういうところに、できるだけ力を注いだつもりです。
前田:
 どうも有り難うございました。

出版記念セミナー
地方都市の再生戦略@東京
2005年6月22日土曜日、13時45分開演〜16時15分頃まで
於:千代田プラットフォームスクエア会議室505
・本書のねらい・概要
 川上光彦(金沢大学名誉教授)
・地方都市の課題と再生のための戦略
 川上光彦
・地方都市の歴史資産を活用する市民主体のアートプロジェクトまちづくり活動
 水野雅男(法政大学現代福祉学部教授)
・ソーシャルビジネスが店をつくり、街を変える
 陣内雄次(宇都宮大学教育学部教授)
・会場との意見交換>

 

 
 

『地方都市の再生戦略』


●主要目次●

◎序章 地方都市再生の現状と課題/川上光彦

第T部 人口減少・低成長下の土地利用計画

◎第1章 人口減少下の都市計画マスタープランの
      条件/高木一典
◎第2章 コンパクトな都市づくりのための郊外市街地の
      再生・再編戦略/片岸将広
◎第3章 市街地周辺地域における土地利用の
      コントロール/眞島俊光
◎第4章 数値目標を脱した公園・緑地のまちづくり戦略
      /本光章一
◎第5章 既成市街地における土地区画整理事業の可能性
      /埒正浩

第U部 自動車と賢くつきあう都市交通計画

◎第6章 人と公共交通を中心とした新たな交通戦略
      /山純一
◎第7章 駐車場を通して見た中心市街地再生の
      課題と戦略/木谷弘司
◎第8章 交通情報システムによる都市交通戦略
      /永田恭裕
◎第9章 都市計画道路の見直しと交通計画の再編
      /倉根明徳

第V部 人口減少・高齢化・単身化に対応した住宅政策

◎第10章 住宅過剰の時代に住宅政策は必要か
      /三谷浩二郎
◎第11章 高齢者の居住福祉施策/竹内正人
◎第12章 高齢者の居住政策と都市再生/西野辰哉
◎第13章 人口減少下の災害復興のための住宅政策・
      まちづくり/小柳健

第W部 都市魅力再生のための都市景観・歴史的資産
      活用政策


◎第14章 都市計画行政による新たな景観創造と保全
      /竹村裕樹
◎第15章 歴史的資産を活かす行政の取り組み
      中村和宏
◎第16章 地域の歴史資産を活用する市民主体の
      アートプロジェクト/水野雅男
◎第17章 城下町金沢における歴史的建築・町並みの
      創造的再生/増田達男

第X部 住民参加と市民主体のまちづくり

◎第18章 住民参加による地方都市の施策立案と推進
      /神谷浩夫
◎第19章 情報システムを活用した住民参加支援システムの
      可能性/沈振江
◎第20章 ソーシャルビジネスが店をつくり、街を変える
      /陣内雄次
◎第21章 アートや文化を活かした創造的まちづくり
      /坂本英之
◎第22章 ツーリズムによる都市再生/安江雪菜
◎結章 地方都市の再生戦略
      /川上光彦・木谷弘司・埒正浩

川上光彦さん略歴

金沢大学名誉教授。1947年金沢市生まれ。工学博士。1970年京都大学工学部建築学科卒業、1972年同大学院工学研究科修了。金沢大学理工研究域環境デザイン学系教授を経て2013年より現職。主な社会的活動として、石川県都市計画審議会会長、金沢市商業環境調整審議会会長、金沢市まちづくり専門員、富山県都市計画審議会委員、NPO法人金澤町家研究会理事長など。著書に『まちづくりの戦略―21世紀へのプロローグ 』(共編著、山海堂)、『人口減少時代の土地利用計画』(共編著、学芸出版社)、『都市計画(第2版)』(森北出版)など。


地域再生の本

駐車場  ☆ 地方都市圏  ☆ 持続可能な  ☆ ドイツの  ☆ 広域


学芸トップ ☆ 著者からのメッセージ・トップ

貴方は人目(13.06〜)の訪問者です。