かたちと関係の風景デザイン
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はじめに

 都市環境デザインフォーラム・関西も今年で11回目を迎えました。 1988年に発足した都市環境デザイン会議(JUDI)は全国9ブロック、 会員数約500人の組織です。 魅力的で質の高い都市空間を創造しようという研究者、 実務家、 専門家が集い、 自主的で非営利の活動を展開しています。 都市環境デザイン会議・関西ブロックでは、 全国的な活動と協調しつつ、 関西独自のスタイルで、 都市、 建築、 土木、 造園など分野的にクロスオーバーしつつ、 京阪神地域を横断的に活動しています。

 今年の都市環境デザインフォーラムでは、 20世紀工業化社会の風景モデルを振り返り、 新しい時代の風景像を模索しようと試みました。 昨年は大阪都心(船場)で「街の遺伝子」というテーマでこのフォーラムを開催し、 生活者、 就労者、 来訪者の視点から、 これからの都心の環境デザインを浮かび上がらせようとしました。 今年はこれを更に展開し、 「関係」から「かたち」へと帰着する関係を明確にしつつ、 その一方で「かたち」から新たな「関係」形成へのヒントを得たいと考えています。 建築、 土木構造物、 庭園など、 それぞれの空間要素の中に時代を代表する様式が存在します。 古今東西を問わず個別技術には様式(モデル、 オーダー)があり、 それは都市や地域景観と密接に関係してきました。 また、 その様式が受け入れられ一般化する過程では、 背景となる社会活動とも無縁ではありえないと思います。

 JUDI関西ブロックでは、 この都市環境デザインフォーラム以外にも、 都市環境デザインセミナーを年間10回程度開催しています。 このフォ−ラムのプレイベントとして、 2回にわたり「いまなぜ風景モデルか−時代が見たい風景とは」「モデルとしての眼前の都市風景」というテーマでセミナーを開催し、 議論を深めてきました。

 新しい世紀の入り口にあって、 混迷する不安な社会状況の中から、 新しい都市空間のイメージを創造し、 社会に向かって提案してゆくことが、 我々専門家の使命であると思います。 数時間という短い時間ではありますが、 皆様の活発な意見を頂戴し、 この暗闇の向こうに、 新しい時代の風景像がぼんやりと姿を現してくれることを期待しています。

関西ブロック幹事  堀口 浩司
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