歴史と向き合う街とは 癒しの風景とは
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はじめに
都市環境デザイン会議関西ブロック幹事、スペースビジョン研究所 宮前保子

 JUDI関西が主催する都市環境デザインフォーラムも13回目を迎えました。この数年間のフォーラムを振り返ると、あるテーマに基づき、基調講演―パネルディスカッションというスタイルで進められてきましたが、今回はフィールドに出て、メンバーみんなが参加しながら現場で考えてみようということが大きな目標となりました。

 開催場所はすでに「和歌山」が決定していましたので、テーマは「熊野古道」となるのは当然の帰結ではありましたが、フォーラムとしてどのようにアプローチするかという点については、フォーラム委員を中心に白熱した激論が展開しました。

 結果として、二日間の日程でフォーラムを開催することになりました。一日目はグループに分かれて熊野古道に縁の地をフィールドサーベイすること、その際には是非ともJUDIメンバーと関係する市民・住民などの方々とのディスカッションの場を設けること、二日目にはフィールドサーベイの結果をもとに、JUDI関西のメンバーと参加者の協働によるワークショップ形式で、熊野古道を中心とした地域への提案をとりまとめることが決まりました。

 当日は、あいにくの空模様でしたが、どのグループも大きな刺激を受けました。特に、熊野古道の美しさ、それを継承されてきた関係者のみなさんの熱意に感銘を受けました。

 都市環境デザイン会議は多様な専門分野、視点を持った専門家集団ですが、今回のフォーラムのような形態は、我々メンバーにとっても新しい突破口を切り開くチャンスではないかと感じました。

 というのも、各地で地域づくりが展開していますが、そのテーマはある時には「景観」であったり、ある場合には「歴史的資産の活用」であったり、ある場合には「中心市街地の活性化」であったりと多様であり、しかもそれぞれの地域で熱心な取組みが模索されています。その時に専門家集団が異なった視点から、地域を「観察」「分析」「提案」というプロセスをふみ、その結果を当該地域に提供する機会があれば、「都市環境デザイン」のより一層の広がりができるような予感がしています。

 最後に本フォーラムの開催にあたり、ご協力を頂いた諸団体と協賛を頂いた企業の皆様に紙面を借りてお礼を申し上げます。

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