都市および都市の環境デザインを、職種を超えて考え行動しようと集まった都市環境デザイン会議は1988年(昭和63年)に発足しました。同時に関西ブロックも活動を開始し、1992年(平成4年)には第1回都市環境デザインフォーラムを立ち上げました。
今年は、記念すべき第15回となります。15年もの間、多くのメンバーのたゆまない研鑚と努力の成果として、脈々と継続されてきたことを感慨深く思います。 最近では、フォーラム企画・運営のメンバーの若返りを図ろうと、次世代を担う若手が中心となり、開催の準備を進めて参りました。そこで今年は当フォーラムとしては初めて、3人の委員長方式を採り、エネルギッシュに議論が重ねられ、デザインそのものの原点に帰って、デザインに何が出来るか、デザインの力とは何か、を議論することとなりました。
その結果、三つの分科会方式を採り、それぞれ「デザインの力」を、場所に生命を吹き込む力ととらえる「共振し生き続けるデザイン」、歩く人の視点から街の顔となるファサードの力を考える「歩けば見えるファサードデザイン」、そして、時間経過の中で重ね合わせていくデザインの力に焦点をあてる「レイヤーのデザイン〜時間軸で考えるデザインの力」とし、いずれも3人の委員長を中心に独自の視点と発想から提起したテーマとなりました。
もとよりデザインは、人・モノ・場(社会)のそれぞれ固有の魅力を引き出す造形上の方法だけでなく、三者相互間の調和とコミュニケーションを豊かにし、新しい価値を創造する作業でもあります。必ずしも際立つデザインに力がある訳ではないでしょう。むしろ場を読み取った控え目なデザインが発する大きな力もあります。そのあたりは多くの会員の皆さんから投稿をいただき、たくさんの興味ある断面を「これがデザインの力だ」としてまとめることができました。ご協力ありがとうございました。
フォーラムでは、三つの分科会が同時進行し、それぞれに白熱した議論が展開されることを大いに期待するとともに、これが議論だけに終わらず、志を同じくする人たちの後の実践・行動を支える「力」の一助となることを望むものです。
最後に、今回のフォーラムを開催するにあたり、当関西ブロックの活動に多大のご支援ご協力をいただきました皆様に厚くお礼を申し上げます。
はじめに
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