何でもなかった細い通りや路地が今や見物の対象となっているところはいくつもある。有名なのは東京の原宿表参道の裏通りである竹下通りのまた裏通りである裏原宿とか神戸の北野町の異人館が集まる山本通りやオランダ坂などの界隈が思い出される。
京都はこういった場所が数多くあり、京都見物の楽しみの一つである。ごく普通の細い通りが、見物の対象となるにつれ、しだいに対象にふさわしく変化していったと考えられる。
事例は京都の嵐山、大河内山荘付近のごく普通の野道が観光客の見物の対象として次第に変化をしていったことを物語る場所である。
成熟する
ただの通りが見物の対象に
日本にはパリのセーヌ川に建つオルセー美術館のような劇的リフォームの事例があるのだろうか。御堂筋の元銀行の天井の高い大きなフロアーが高級ブランド店やレストランに改造されたりしているが、建物以外ではどうだろうか。大阪芸術大学 松久喜樹
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