フォーラム趣旨
6月11日は、東日本大震災から3ヶ月目の節目にあたる。
地震、津波、原発とそれに惹起された風評被害が発生し、その影響は日本だけでなく、世界的な広がりをみせている。震災直後の緊急対応が今も続き、国を中心とした被害状況の全貌把握や復旧・復興に向けた各種の施策も動き始めたばかりである。被災地域は広範であり、大都市から中小の地方都市、農漁村まで多様な市街地や集落を含み、その復興過程は市街地空間のみならず、産業や日常生活、コミュニテイの再建などなど多様な要素を総合的に配慮されねばならない。
都市環境デザイン会議(JUDI)は発足して20年を迎える。この間、JUDI関西では、公共空間のデザイン向上や都市や田園景観施策の推進などに大きな影響を与えると共に、阪神淡路大震災の復興においては、専門家集団、職能組織として少なからぬ実績を残している。その一方で、復旧・復興の応急策に追われ、都市環境デザインとして、気づかなかったこと、やり残したことも多々ある。20周年という節目の年に、奇しくも大規模な災害が発生し、都市環境デザインと地域空間の再建・復興というテーマに、JUDIあるいはそのメンバーが関わろうとしている。
JUDI関西では6月と7月の2回に渡って、東日本大震災をテーマにフォーラムを行う。6月は関西ブロックを中心として、「被災市街地をその規模と空間構成からタイプ分けし、それぞれに応じた地域空間像と実現課題」を議論する。ここでは被災状況の全体像を概観する被災マップの整理や市街地の状況を報告するとともに、被災地のタイプ別に復旧・復興の地域空間像とその実現に向けた問題点や都市環境デザインとしての配慮事項などを議論する。
7月には、JUDI全国大会(奈良)の開催に併せ、「復興に向けた都市環境デザインとマネジメント手法」を議論し、今後、被災地において主体的に検討される復興像のための手掛かりを議論した。
都市環境デザイン会議関西ブロック フォーラム委員長
都市環境デザイン会議 20周年記念事業委員長
堀口浩司
1.趣旨説明 (堀口浩司)
2.全体のねらい(基調講演) (鳴海邦碩)
3.被災地マップの作成過程と動向分析 (柴田祐)
4.被災地域の市街地タイプからみた現状、展望、課題
−その一般的なもの、各地の特殊性について
1)漁港+漁村(小規模集落) (中村伸之)
2)漁村+魚村市街地 (中村伸之)
3)漁港、港湾、漁村市街地+一般市街地 (角野幸博)
4)港湾都市+一般市街地 (堀口浩司)
5)海浜郊外都市 (河本一行)
5.都市環境デザインとしての課題(コメント)
1)都市改造、市街地再生に向けて (千葉桂司)
2)景観の復興とランドスケープ (宮前保子)
6.都市環境デザインとして提案すべきこと(自由討議)
被災(浸水)マップ公開
柴田さんより報告のあった浸水マップを持ち運び安いA3、PDF、2万5千分の1で提供しています
これは日本地理学会の浸水マップを許可を得てGIS化するなかで得られた成果の一つです。
浸水マップPDF版
日時/場所
2011年6月11日(土) 中央電気倶楽部
主 催
都市環境デザイン会議関西ブロック
総会&懇親会
それぞれ、同日開催しました。
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