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ではお手元のレジュメ(フォーラム資料)に書きましたことを、 スライドで説明しようと思います。
 伝統的な都市住居のかたちは、 洋の東西あるいは都市文化の違いをこえてひとつの共通点をもっていると思います。たとえば図1はロンドンの町中ですが、 至る所に見えるのはタウンハウス、 あるいはテラスハウスです。
 テラスハウスは17世紀のロンドン大火の後にその形式が確立したと言われていますが、 街路に向かって正面を持ち、 街路に直結する住居の典型と呼ばれているものです(図2)。
自ら街路空間をかたちづくり、 連続的なストリートコミュニティーを形成している、 そういう住宅です(図3)。
 
ヨーロッパに共通するブロック建築、 あるいは街区建築と呼ばれるものの原型です。 
地上階には店舗とかレストラン、 さまざまな都市的なアメニティが備えられています。 
上階は住戸になっていて、 全体がひとつの複合的なシステムとして、 都市居住を支えています(図6)。 
 都市住居とはそういう意味でストリートライフを作る、 町を歩く楽しみを生み出している、 それだけでなく都市生活の複雑で微妙な綾を織り成すような存在であったと思います。 
それがまた町のアイデンティティーを創り出している。 
そういうかたちを私は住居が都市を創っていく姿そのものだというふうに考えるわけです。 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 つまり都市住居とは伝統的に街路、 ある場合には広場であり路地であるわけですけれども、 そうした都市空間に直結した街路建築であり、 自ら都市空間を形づくり、 統一的なタウンスケープや連続的なコミュニティーを作ってきたんだ、 そういうふうに理解できると思います(図10)。
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