私はランドスケープデザインを専門としておりますので、 オープンスペースをデザインする立場から都心居住について少し考えてみたいと思います。
大事なポイントは、 先ほどの佐藤さんのお話を引きつぐことになるかと思いますが、 20世紀の近代都市住宅づくりには、 ランドスケープ・デザインにおいても近代ハウジング理論そのままの導入はもうやめた方がいいだろうということです。
すなわち、 オープンスペースのデザインを重視しながらも住宅で都市を造ることを否定した結果、 ウェルウィン(図1)とかガーデンシティなど、 当初目的とした「生活空間とオープンスペースがうまく関係づけられる」という試みが、 「都市から隔離された芸術作品」となり失敗したからです。 ラドバーンの住宅地開発も、 スーパーブロック、 単一機能を担う専用道路、 歩車分離、 後面を道路に前面を個人庭園に向けた住宅骨格としてのオープンスペース配置を試みていますが、 現在それらは有効に機能していません。
それらがなぜ失敗したのかを総括しないと、 大学とか本で読んだものだけで再び作られると大変なことになってしまう、 と思います。
そのことを「都市居住とオープンスペースとの接点」という切り口から見るために、 天王寺公園をから見ていきたいと思います。
問題提起3
動詞都市としての環境デザイン
鳳コンサルタント
佐々木葉二
近代都市住宅はなぜ失敗したか
佐々木です。
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