動詞都市としての環境デザイン by 佐々木葉二
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「動詞都市」の舞台−作品を通じて

河川敷の再生

 後は私がこのような考え方にもとづいてつくってきた作品をご紹介します。

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 広島で裏道のようになった河川敷があります(図36)。

 

 現況は桜並木が残っていましたので、 ここを桜の縁側というテーマで設計し、 たたずむ、 すわる、 うつろうことができる空間に変えました(図37)。

画像yo38  床にはボードデッキを使っております。

座るベンチはこのように人がいなくても楽しめる家具のようにデザインしました(図38)。

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 床には日陰や、 木の葉が最も映りやすいジャラ材を使っています(図39、 40)。

画像yo41  歩く音が変化するということをテーマにしました。

かつては女性が歩ける道ではなかったのですが、 こういうふうにデザインしますとファッショナブルな空間に変わり、 女性も安心して歩けるようです(図41)。

 

都心の隙間へ自然のリズムを

画像yo42  もう一つは同じく広島の基町クレドですが、 これは超高層ビルの隙間に様々なオープンスペースを組み込んでいます(図42)。

画像yo43  歩く、 座るという空間機能が床素材を決定し、 そのテクスチャーの変化が空間の性格を生んでいます(図43)。

画像yo44  サンクンガーデンです(図44)。

画像yo45  ここでは、 自然のリズムに人々が気づくことができる場所づくりを目指して、 座る石の色も黒にしました。

その結果、 落花も美しく見えます(図45)。

画像yo46  夜の階段が美しい情景となるように光のうつろいと連動していく風景をつくりました(図46)。

画像yo47  雨が降った場合でもそれが一つの風景になるような床のテクスチャーも考えられるのではないかと思います(図47)。

 

森を通して見る都市

画像yo48  公共施設を森の中に、 駅前広場を森の中に、 というのが私たちが都心の中で目標としているテーマです。

これは、 それらをテーマにした「さいたまひろば」国際コンペで当選した「空の森」という駅前広場の空間で、 現在、 実施設計中のものです(図48)。

画像yo49  これは、 駅前広場ですけれども2階に1haのケヤキ220本の森をつくっています(図49)。

1階は商業空間となっています。

画像yo50  空の森の中にはガラスのパヴィリオンとサンクンガーデンが入ります(図50)。

画像yo51  人工地盤の断面です(図51)。

ガラスのファサードで囲われアーススラブがビルの外壁として見えるようにしました。

画像yo52  森の中に建つパヴィリオンでは、 ケヤキの森を通して3階のレストランから、 梢越しに都市を見られるという構造をつくっています(図52)。

 

 この街の人々は駅をでると森に出会い、 森の中を通って家へ帰ることが将来できるでしょう。

 こういう都市と自然の入れ子構造をつくることによって、 新しい都市づくりの提案を試みたものです。

 ありがとうございました。

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