参加型都市環境デザインをさぐる
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は じ め に
 
 この小冊子は第8回都市環境デザインフォーラム・関西の開催にあたり準備したものです。

 今回のフォーラムのテーマは「参加型 都市環境デザインをさぐる―神戸からのまちづくり」です。 95年1月17日早朝に起きた、 阪神・淡路大震災から5年、 ガレキの山から立上り、 復旧そして復興へとまちづくりが進められ、 多くの課題を抱えながらもようやく人々は落着きを見せてきたように感じます。

 今から4年前、 震災後の11月17日に、 第4回関西ブロックフォーラムがここ神戸で行われております。 「まちとアイデンティティ―震災に見る市民参加―都市環境デザインの連続性」をテーマに、 まちのアイデンティティとまちづくり、 まちづくりにとって‘らしさ’とは何かについて、 多くのプランナーやデザイナーが実践事例を報告し、 私見を披露し、 議論を展開しました。

 そこでは、 市民・住民と行政、 そして技術者、 プランナーが協働するワークシッョップから生み出されるまちづくりのシステムや、 その運用についても提言され、 議論されました。 あれから約4年を経て、 再び神戸から、 参加型のまちづくりがどのようなプロセスを経て行われてきたのか、 そこから何が見え、 結果として何が生まれ、 築かれてきたのか、 その評価は、 検証は出来たのかを考えたいと思います。

 限られた時間の中で数え切れない様々な矛盾をはらみ、 問題をかかえ今なお明かりの見えない多くの課題と共にまちづくりが進められていると聞いています。

 三者協働の時間をかけたワークショップが果たしてまちづくりを昇華させる最良の手法・手段と言えるのか。 さらに今後、 参加型のまちづくりに展望と未来がくるのか。 今回はこうした問題について自ら実践されてこられた方々を中心に、 今までの有様と中間結果を報告しいただき、 参加者の全員が発言・討議する活気あるフォーラムを展開したいと考えております。

 本冊子は、 当日の議論を深めるために、 会員が自ら経験した事例を中心に投稿いただいた「参加型都市環境デザインの事例」と当日の議論の要旨をまとめた「フォーラムに向けて」で構成しました。 フォーラム当日はもちろん、 その後も参照いただければ幸いです。

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 尚、 今回のフォーラムを開催するにあたり、 御後援、 御協賛頂きました各位に厚く御礼を申し上げます。 また、 参加型のまちづくりの実践事例や資料等を提示頂きました会員をはじめ、 多くの方々やパネラーとして参加・討議頂きます皆様や出席者に合わせてお礼申し上げます。

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 最後に、 都市環境デザイン会議について、 簡単に紹介させて頂きます。

 当会議は、 1991年5月に設立し、 北から南へ9つの地域ブロックに別れ、 約530名の会員で構成されております。

 関西ブロックは、 現在92名のメンバーが、 月1回のセミナーや他ブロックとの共催セミナーをはじめ、 今までにイタリア、 インドネシア、 ブラジルなど海外の人々との交流やセミナーも行なうなど、 幅広いユニークな活動を展開しております。 ご興味のある方は是非参加していただき、 より活気ある活動に繋げていただければと期待しております。

 ここ神戸で行われた1995年11月第4回フォーラム「震災に見る市民参加―都市環境デザインの連続性」から1999年10月第8回フォーラム「参加型 都市環境デザインをさぐる」を通して、 21世紀への魅力ある街、 復興を目指す神戸・阪神間のまちづくりに少しでもお役に立つ事が出来れば幸いと願っております。

  1999年10月1日

関西ブロック幹事 長谷川 弘直  
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