ニュータウンを超えて
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専門家は都市ビジョンを持てるか

鳴海邦碩

 上野先生が最後に言われた「専門家はどんな都市ビジョンを提示していけるか」という言葉が印象に残りました。 考えてみれば、 1000mビル、 2000mビルを建てようと言っていたのはついこの間です。 まだそれを唱えている人もいますが、 これからの都市ビジョンがどう変わっていくかは大きい問題だと思います。

 我々JUDI関西では今年の海外セミナーをタイで開く予定で、 みんなで水上都市を見に行くことにしています。 5年ほど前、 タイの建築家、 スメット・ジュムサイが「日本は今、 世界で一番明るい国で21世紀の都市ビジョンは日本から生まれる」というメッセージをもらったのですが、 たった5年でこれだけ暗い国になってしまうのもスゴイと思っていますが。

 上野先生の提案の中の「テナントシティ」はとても面白い概念だと思いました。 もう企業や土地の所有者だけで都市の運営をやっていく時代は終わったのだという感じもします。 アメリカでもBIDというまちづくり組織がまちの活性化を手がけていますし、 日本でもなかなかうまく展開しないとは言え、 TMOという組織が出現しています。

 上野先生の提案を実践しようと思ったら、 やはりいろんな人々や団体のコラボレーションが必要になってくると思われます。 パートナーシップがとても大事になってきて、 金や土地を持っている人だけではなく、 まちづくりを面白がってやる人たちのエネルギーをどう結びつけるかというビジョンが重要になってくるでしょう。

 今日のお話は、 上野先生からJUDI関西に対する挑戦状でもありますので、 関西のメンバーもこれに応えて、 新しい都市の考え方を発表して議論を重ねていってほしいと思います。 ちなみに来月は私達のグループがここ半年ほど取り組んでいた「大阪・船場の再生」について発表します。

 今日はどうもありがとうございました。

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