まちづくりは、 いろんな活動が積み重なって行われていますが、 まちが将来どういうまちになったらいいかといった構想は、 普通お役所がつくります。
ところがお役所の人といろいろ話をしてみると、 政策として決まったことだけしか発表できないために、 いろんな方々の「こういうまちにしたらどうだろうか」といった思いをなかかな表に出せないというのです。
私どもは大阪市に関西の中心にふさわしい都市として発展してほしいと考えていますが、 市として「こういう方向でやりたい」という試案をいろいろ出して市民に問いかけることができず、 議会で決められたことや政策として決まったことしか表にでてきません。
大阪市にはたくさんの人が住み、 たくさんの企業があり、 たくさんの人がやって来ます。 しかし、 企業や住んでいる人、 あるいは大阪にやってくる人が、 どういう大阪であることを望んでいるのかを自ら描いたり、 問題提起をすることは行われていないのが実態です。
そこで一昨年、 都市基盤整備公団やいろんな企業の方に大阪の将来を考える勉強会をやらないかと提案しました。 幸い10社ほどの方々が集まり、 大阪市にも参加していただいて、 自分たちで会費を出して自前の研究を2年間続けてきました。
行ってみたい大阪をテーマに、 一つは大阪全体に対して、 もう一つは船場・大川周辺について、 どういったことが考えられるかを考えました。 多くの方々の参加を得て提案したものですが、 私的なグループの提案ですので、 行政が提案するものとはひと味違ったものがあると思います。 またたくさんの活動が積み重なってまちが変わっていくということを、 総合的に捉えてみようというのが今回の試みでした。
今日は、 そのなかの船場についての報告です。 17名のメンバーで仕事の合間を縫って作業をしましたので、 なかなか大変だったと思います。 それぞれ担当された部分、 あるいは今日参加できないメンバーに代わって次の方に発表してもらいます。
はじめに
大阪大学 鳴海邦碩
目次へ 次へ
このページへのご意見はJUDIへ
(C) by 都市環境デザイン会議関西ブロック JUDI Kansai
学芸出版社ホームページへ