II セミナー報告
II-1 水上都市“バンコク”

1.目的
 低温地の多い東南アジアの都市の多くは古代水上生活者が次々と海峡へ押し寄せ作り上げてきたと言われる水上都市が多い。
 水上都市バンコクは1782年に建設された。雨季に水が溢れるという自然環境から高床住居または?住民など独特の住居形態をしている。
 19世紀中期から土地開拓や流行の予防等による都市の近代化により都市の陸上移動が始まり、従来の環境や水上生活ライフスタイルに合った住居スタイルや都市の形態が変化していっている。
 今回は、今も水上住宅が残っているMai Vam Chao Phraya沿いをスタディエリアに低温な地域環境に生活する水上都市の“水と共生する住居形態やライフスタイルのあり方”を知るとともに、陸上生活化に伴う住宅、ライフスタイルの変貌の方向を探り、近代化の中に、いかに水上都市としてのコンテクストをいかに残していくかその方向性をよむ。

2.スケジュール&参加者
(1) スケジュール
  2000年8月31日
8:00 River Cityへホテル出発
8:30 ナムナ川沿Klong Bangkok Noi&Ko Kretへボートで出発
10:00 Klong On NoiのJaensawanの家を訪問
10:30 Ko Kretへ出発
12:00 Ko Kret Nonthaburi部の昔スタイルのレストランで食事
13:30 Ko Kret島周辺をまわる
14:00 Ko Kret島内解散
16:00 Ko KretよりRiver Cityに戻る

(2) 参加者
  ・日本(10人)
   鳴海、有光、井口、江川、大矢、河本、斎藤、辻本、難波、堀口
  ・タイ(10人)
   Mr.Sakda,Ms.Busanee,Mr.Thangthong,Mr.Ittipong (DTCP)
   Mr.Wiboon,Ms.Perawan (BMA)
   Mr.Mori,Mr.Hayashi,Mr.Miyamoto,Mr.Nishi (DTCP)
  ・boat only(9人)
   Ms.Chaweewan,Ms.Kanita,Ms.Surieporn (NHA)
   Ms.Pairin,Ms.Srirat,Ms.Kassanee (DTCP)
   Mr.Mori,Mr.Hayashi,Mr.Miyamoto,Mr.Nishi (PWD)
  ・Dinner&Talk onry(6人)
   Dr.Suwattana(Chulalongkorn Univ),Dr.Watanabe,Mr.Seta (AIT)
   Ms.Chanthana(NHA),Mr.Jatoopbon (BMA),Mr.Kishita (DTCP)

3.調査エリア&ルート

地図

4.建物用途と建物形態
 バンコクにおける水上住宅の形態はその土地利用や住居者タイプによって異なる特色を出している。
 川側に対して建築物はオープンになっており建物周りの筏がまさにコミュニティー性を高める中間領域となっている。



■マーケット、ショップ
 マーケット、ショップ等は船で岸に近づける様、全面全体が船着場の形をしていた。

■お寺
 一定の距離毎に公園と一体化したお寺、学校と一体化したお寺が見られる。
 川上、川下から子供たちが船で登校してくる。

マーケット1

マーケット2

ショップ

お寺
■住宅
 住宅タイプとしては川沿いに洗濯スペースを持つ家、釣堀を持つ家バルコニー等休憩スペースを持つ家などがある。モダンな家は川沿いに広いオープンスペースを持つ水上住宅というイメージであり、ウォーターフロントというイメージである。

伝統的住宅-1(タイの伝統的住宅)

伝統的住宅-2(タイの伝統的住宅)

モダンタイプ
(水上生活というイメージとはかけ離れた
ウォーターリゾートといったイメージの住宅)

漁師の家(まるで釣堀の家)
5.水と共生するライフスタイル
 水上住宅周辺では水と人との共生の様々なライフスタイルが見られる。

洗濯

体を洗う

水運

水に遊ぶ(泳ぐ)
6.住宅の陸上化
・前面部分にある家は桟橋上に建てられている。
・桟橋上の水上住宅に連結し陸上住宅部が設けられている。
・その後にはヤシやクワズイモの生えているキッチンガーデンが設けられている。

川に面する部分は桟橋上になっている。

トイレ(水土をうまく生かしている)

ヤシの下にバナナ
(バナナの下にクワズイモという
東南アジアの典型的なキッチンガーデン)


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