緑としての建築
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今日のまとめとして

 

中村

 興味深いお話が色々と出て、 なかなかまとめきれないんですが、 来年への展望も含めて上野先生に一言お願いしたいと思います。


部分からの改変の手がかりとして

上野

 今日私どもが提起した問題は、 一つは都市構造の問題を考えていく時に、 やはり一番最小単位の都市構造を常に意識していく事が必要になってくるということです。 そういうことに携わっている私たちも、 個々の土地利用のなかで都市全体を考えていくという姿勢を常に失わないようにしていかなければならないんじゃないか。 これは我々だけではなく、 我々が一市民として日常生活をしていく場面でも、 我々が都市を背負っているんだということです。 先ほど安原さんが「我々はだんだん都市を必要としなくなっている」とおっしゃっていましたが、 我々がある空間を占めている以上、 その空間・場との関係は、 長い時間にしろ短い時間にしろ持っているわけです。 そこでお互いに影響したりされたりしているわけで、 そのことに責任を持っていくということを考えていきたい。 それを今回私たちは都市の環境の再生というテーマの中で、 部分からの改変を考えていこうとしたものです。

 今日いろいろな角度からそれぞれの考え方、 あるいはいろいろな問題提起をしました。 これは決してスタティックな考え方ではなくて、 都市を部分から考え、 個々の都市の開発行為の中で、 緑を必ず考えていくようなシステムをつくっていこうということです。

 今、 コーディネーターの方からもお話がありましたが、 このシリーズは少なくとも来年くらいまで続けていきたいと考えています。 それは今年と同じように引き続き京都をフィールドにするのか、 あるいはまた別の形にするのか、 これから議論をしていこうと思うんですが、 また次のステップを皆さんにご報告する機会があろうかと思いますので、 その時はよろしくお願いいたします。

鳴海

 今日は中村さんにコーディネートいただき、 上野さんはじめ、 たくさんの方たちの興味深いお話をどうもありがとうございました。 都市環境デザインの核心に触れるような話題であったのではないかと思います。 ことに田瀬さんから8コマ漫画のお話がありましたが、 両側の主人公達が笑えるような環境をつくっていくのが一番いいのかなと思います。 お互いに関係しあっている中で、 大きい土地に住んでいる人も小さい土地に住んでいる人も一緒に楽しめるということが一つのキーワードかもしれないなと思いました。 今日はどうもありがとうございました。

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