アジアの大都市における都市デザインの状況
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1.背景

 

 皆さまがご承知の通り、 中国ではここ十数年来都市の大規模な開発が各地で行われています。 いろんな課題もありますが、 中国はアーバンデザインを勉強しつつ進んでいるという状態です。

 日本では1960年代から80年代にかけてアーバンデザインが都市計画の中に取り入れられていったのですが、 その頃の中国にはその概念がありませんでした。 それがなぜ最近になってアーバンデザインを考えるようになったかについては、 次のような背景が考えられます。

(1)急激な都市化
 都市化に伴って、 大規模な再開発が進められているという事情があります。

(2)土地有償制度の実行
 20年前から中国は市場経済に転換しました。 その一環として国有だった土地も有償制度となり、 そのため都心部の地価が高騰してしまいました。 都心の土地利用が業務化、 商業化する一方で、 郊外では大規模な住宅地開発が行われるという流れがずっと続いています。

(3)生活水準の上昇
 一般的市民の住宅は狭いのが常識でしたが、 この十年大規模住宅の建設が進み、 住環境の改善が進みました。

(4)グローバル化の影響の対応
 北京、 上海を始めとする大都市では、 CBDや博覧会、 オリンピック関係の大プロジェクトが次々と実行されています。

(5)大規模プロジェクトの推進
 産業開発の一環として行われているサイエンスパーク、 ハイテクパークなどの大規模プロジェクトの存在も背景として考えられます。 日本にも筑波学園研究都市がありますが、 中国にもそうした大学都市が今ブームとなっており、 日本よりも純粋な形で大学都市が建設されつつあります。 また、 20年来の工業開発の後、 都市機能をいかに入れていくかを考えているという背景もあります。

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