アジアの大都市における都市デザインの状況
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1.ナショナルパーク

 

グナワン

 今日はインドネシアのアーバンデザインのガイドラインや考え方について簡単に紹介いたします。 まず、 パブリックなアーバンデザイン、 続いてプライベートなアーバンデザインについて事例を紹介していきます。

 最初にご紹介するのはナショナルパークのアーバンデザインですが、 これはまだ実施されていない事例です。

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Circulation
 ナショナルパークはジャカルタ市の中心に位置し、 85haの広さがあります。 全体がモニュメントになるよう考えられています。

 公園そのものは空間デザインのマスタープランを持っていますので、 アーバンデザインガイドラインの対象とはなっていません。 ですから、 公園の外側のエリアのガイドラインについて説明していきます。

交通の検討
 ガイドラインではバス停留所の配置など交通の流れも検討しています。

記念碑へのビューコリドー
 また国の記念碑が運転者や歩行者から中心に見えるよう、 それぞれのスポットのビューコリドーを計画しました。 コリドーのラインに対しては建物の高さ規制を考えています。

容積等の規制
 一方、 土地利用の容積や利用強度も決めています。 大統領府や最高裁判所があるところでは高さは6階までに規制されています。 建蔽率は40%、 容積率は100%です。 また土地利用の用途も図に示して規制しています。

 モニュメントに近いところほど規制がきついので、 北から南にかけて規制がゆるくなり、 南になるほど建物が高くなるようになっています。

緑地
 緑地の密度も規制しています。 もちろん緑地内に建物は建てられず、 エリアによって空地の密度を指定しています。

歴史的建造物
 このエリアにはたくさんの歴史的建造物がありますので、 その保全も大事な課題になってきています。

 たとえば、 高い建物は歴史的建造物の裏手に建つよう配置されています。

建物のボリューム規制
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Building Envelopes (East Block)
 またブロックごとに建物のボリュームの形が決められていて、 それを出た形では建てられません。 また階数も規制しております。

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Guideline for Block A
 このような規制は歴史的建造物を道から見たときに、 後ろの建物は見えない、 あるいは背景となるような高さとするためです。 したがって道から見たとき視界に入らない高さと、 背景として許容出来る最大の高さを示しています。

 関連して、 道路から歴史的建造物をはさんで建物を見た場合と、 別の場所から見た場合についても検討し規制しています。

ファサード
 建物のファサードについても、 古い建物の低層部のファサードを参考にして、 それがつながっていくという考え方でガイドラインを造っています。

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Guideline for Building Facade
 たとえば公園の南側のエリアでは、 古い建物の一層分(高さ4m)のファサードを新しい建物も参考にすること、 そして連続性を出すことをガイドラインの中で示しています。

サイン
 サインについてはあまり広告的にならないよう石を使ったサインを提唱し、 歩道に対してどういうサインを出すかを示したガイドラインも作っています。

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