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都市における生物の存在

 ちょうど今、 堺市でO157が猛威を振るっているというニュースが伝えられていますが、 これはおそらくこれからの都市の在り方を象徴的に示しているものだと思います。

都市という環境は大腸菌とか、 そういう寄生物と言いますか、 ウイルスにとっては非常に好都合の場所でありまして、 さらに人間の体内自身が彼らにとって繁殖の格好の場所を提供しています。

一方、 都市の気候はヒートアイランドと言いますか、 強烈な亜熱帯系の気候にどんどんなってきています。

   

 また都市環境は必ずしも野生とか自然というものと近似ではなくて、 人間にとって、 人間を脅かすような生物群を体内に共存させていくということが発生してきます。

つまり逆説的に取っていきますと、 新たなオープンスペースというのは、 大腸菌とかの亜熱帯系あるいはそういった病原菌、 ないし今まで見たことのないような生物系が育つための格好のオープンスペースを、 人間自体が提供していると同時に、 そういう生物との共生をどうやっていくのかという事が問題になっていくでしょう。

   

 したがって、 「新たなオープンスペースと生物共生」というテーマは良いほうにも取れますが、 人間を脅かすという意味で悪い方向にも取ることができるのです。

生物との共生を考える時、 人間も生物の一員と言われますけれども、 人間はどちらの生物の範疇に入るのかということが問われます。

と同時に、 人間という生物が、 都市の中でどういった位置付けの中で住んでいったらいいのかが大きな問題になっていると言えます。

   

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