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丹波篠山の「花の植物館」

辻本智子環境デザイン研究所

辻本智子

 私は植物館ばかりつくっていまして、 それを中心としたまちづくりとか、 自然との共生を感じていただこうと考えています。

今まで手がけたのが3つしかないんですが、 一つは「花の植物館」です。

   

 これは、 吉村先生のお話しからいくと、 温室なんかつくって、 それも人工のエネルギーを使って花を育てて、 つまりエネルギーをいっぱい無駄遣いして贅沢な事をしているだけなのかもしれません。

しかし私が丹波篠山でこの植物館を計画するに当たってまず最初に考えたことは、 温室をどうするかということでした。

温室といっても人工の熱エネルギーを用いるのではなく、 冬の寒さはガラスで覆って太陽を利用してしのぎ、 夏の暑さは通気をよくするという形で利用したいと考えました。

また篠山という地域を考えると、 ここは自然が豊かで、 また雨が多いところでして、 とにかく雨の中で景色が見えるような形で楽しめるような施設をつくりたいというのがありました。

つまりまずエネルギーはかけたくない、 それで且つ温室なのに四季の変化を見せたいと。

   

 温室というのは四季の変化を見せないもので、 年中変わらないものが多いのですが、 私はその温室の中で四季の変化を見せたいと思いました。

そして来る度に季節が変わっているということを実感させて、 なんと自然は素晴しいかということを伝えたい、 人工的な方法を使って季節の変化を演出し人を感動させたいと考えました。

   

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