愛知県の緑化植物園とかではありましたが、 花の植物館のように花のついたのを主体にして、 温帯性の落葉樹を植えて、 どこまでできるのかやったのですが、 うまくいきました。
また私は仕事をする時、 お施主さんには悪いんですが、 半分は実験をやらせてもらっています。
それには失敗もあります。
先ほど吉村さんのおっしゃっていた循環系のものをやっていこうとするときに、 デザイナーは常に確実であるという事が分からないとやらないのですが、 これでは先に対するデータが全く出てこないのです。
だから、 いろいろな植物がいろいろな環境に耐えながらどのように生きていくのか分かりません。
私達は植物によく触れてはいるのですが、 植物のことをほとんど知りません。
ですから植物を室内に持ってくるときにも、 育たないから人工光をあてようかとかいっていますが、 よく見てみると植物はそういう環境下で育つのものもあれば、 順化してくれるのもありますし、 いろんなものがあるのです。
私は植物園を使いながら、 そこでやったことで循環型社会の大切さとか、 自然との共生の大切さに気付いていただける仕掛けをしないといけないと思うのです。
はっきり言いまして、 今吉村さんがおっしゃったように、 植物の重要性は分かっているのにもかかわらず、 まだこのごろは結構注目されていて、 遺伝資源の収集とか、 花博の前後から資源バンクをつくろうとかいう話しがありましたが、 ジーンバンクの植物関係の研究所等のプロジェクトはちっとも実現していません。
海外ではそれを何百年も前からやっているのに、 日本ではそういう話しが出ても、 やりかけてはお金がかかるからやめようとかいって実現しません。
ということは、 基本的に社会全体に植物の大切さとか、 植物がどんなに重要なのかという認識がないと言えます。
今は循環型社会について真剣に考えられていますが、 しかし実際はそこへの理解を得るところまで持っていくことから大変な状況です。
循環型社会というのは、 それほど難しい話しではないのですが、 どうも人間は頭で考えることと自分の生活とがかけ離れているように感じてしまいがちです。